惣流アスカの更迭&式波アスカの左遷 ~見つけたアタシの居場所~ 作:朝陽晴空
※今回は人数が多いのでセリフが半台本形式になります。
※配役は作者の好みが入らないようにくじ引きで決めました。当ててみてください。答えは後書きです。
※ご意見・ご感想によっては次回の書き方を変えてみたりしてみます。
※ゲームのリクエストはダイレクトメッセージやサイトのWeb拍手などで募集しております。
外伝第一話 ミラーズホロウの人狼(初回)
<第三新東京市 Spiel(シュピーエル)>
雷鳴轟く夏のある日、シンジ、アスカ、レイ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、ミサト、リツコ、コウゾウ、ゲンドウの十人はボードゲームカフェ《Spiel(シュピーエル)》を貸し切りにしてボードゲームを楽しむ事になった。
ビアンカ「今日みなさんにプレイしてもらうゲームは『ミラーズホロウの人狼』と言うゲームです。私が司会進行役をやります!」
アスカの義姉、ウェイトレスの服を着たビアンカは声高らかにそう宣言すると、テーブルに着いたシンジたちにカードを配って行く。シンジたち十人は大きな丸いテーブルを囲むように座っていた。
ビアンカ「それではみなさん、自分のカードを確認してください。他の人のカードを見てはダメですよ」
配られた十枚のカードの内、二枚には狼のイラストが描かれている。その狼のカードを受け取った者は人狼となり、他の八人の内、誰を《食い殺すか》決める。
※以下【】部分は公式サイトより引用
【アメリカの片田舎のはずれ、ミラーズホロウという名の小さな町は人狼(ワーウルフ)の脅威にさらされていた。毎夜、不可解な現象(もしかしたら地球の温暖化が関係しているのか)によって人狼となってしまった殺人者たちが町の人によって拘束された。今こそ太古の邪悪なものに立ち向かい、残りわずかとなってしまった住民を守るために立ち上がらなければならないのだ。】
ビアンカによって『ミラーズホロウの人狼』のストーリーが読み上げられ、シンジたちの緊張感が増す。司会進行役のビアンカはゲームの参加者全員に目を閉じるように告げて、狼のカードを引いた二人だけ目を開けて誰を標的にするのか指差すように指示した。
ビアンカ「最初の犠牲者となったのは……ゲンドウさんです! カードは……村人ですね!」
ゲンドウの席に置かれたカードがひっくり返される。ゲンドウに配られたのは村人のカードだった。『ミラーズホロウの人狼』は普通の人狼ゲームとは違い、殺害または処刑された時に役を明らかにする点に特徴がある。
ゲンドウ「冬月先生、後を頼みます……」
コウゾウ「シンジ君とゲームが出来ると喜んでいたのに、残念だったな、碇」
リツコ「お悔やみ申し上げますわ」
ゲンドウは丸テーブル席から立ち上がると、脱落者が座るテーブル席へと案内された。そのゲンドウの背中は少し寂しそうに見えた。
ビアンカ「これから人狼は夜が来る度に村人を一人ずつ食い殺して行きますね。狼以外のカードを受け取った人は人狼を見つけて処刑しなければいけませんね。それでは人狼ゲーム、スタートです!」
ビアンカの合図と共に最初の話し合いの時間が始まった。不運にも最初の犠牲者となったゲンドウは参加することが出来ず、敗者席で静かにソフトドリンクを飲んでいた。
シンジ「何の手掛かりも無いのに、どうやって人狼を見つけるの……?」
人狼ゲームには初参加のシンジが不安そうな顔で発言した。
アスカ「まず所長さんがどうして犠牲者になったのか、それを考えてみる事から始めましょう」
何度も人狼ゲームを経験しているアスカはそう言って仕切り始めた。
コウゾウ「碇と私は十年来の付き合いだが、あいつは初対面の人間には実物以上に恐れられるからな……」
そう言ってコウゾウはトウジたちの方に視線を送る。
トウジ「ワシらの中に人狼がおるっちゅんかい!」
ケンスケ「確かに碇の親父さんと会うのは初めてだけど、それだけで疑われるのは心外だぜ」
リツコ「老練な副所長でしたら、そのように話を誘導するのもお手の物ですわね」
コウゾウ「おいおい赤木君、キミまでそんな事を言い出すのかね」
ミサト「でも、副所長の話も一理あるわね」
トウジ「センセ、このままじゃワシらが人狼にされてまう、何とか言ったってや!」
シンジ「アスカ、このゲーム凄く怖いんだけど……」
アスカ「何よ、アンタがやってみたいって言ったんじゃない」
レイ「碇所長と初対面かどうかは関係無いと思うわ。知り合いだから躊躇なく犠牲者に選んだ可能性もある」
トウジ「そやそや、綾波の言う通り、爺さんも怪しいで!」
ミサト「人狼は二匹いるのよ。一人の挙動に集中しすぎないで、全員を油断なく見張らないとダメよ」
ミサトの言葉を聞いたシンジたちは不安そうに互いの顔を見合わせた。しばらくの間重苦しい沈黙が流れた後、司会進行役のビアンカが鐘を鳴らした。
ビアンカ「話し合いは終わってないと思いますが、投票の時間ですね。皆さんは投票用紙に、残った九人の中で一番怪しいと思う人の名前を書いて、投票箱に入れてください!」
村人たちは多数決により人狼を処刑する事を目的とする。二匹の人狼を処刑しない限り投票は終わらないのだ。
ビアンカ「それでは発表します、この中で一番多く得票して人狼として処刑されるのは……コウゾウさんです!」
リツコ「副所長……残念ですね」
コウゾウ「やれやれ、もう少しこの知的なゲームを楽しみたかったのだがな……」
コウゾウは落ち着いた足取りで敗者席へと向かう。一人待っていたゲンドウはコウゾウが隣に座ると口角を上げた。
ビアンカ「それでは、処刑されたコウゾウさんのカードをオープンしますね!」
シンジたちは息を飲んでコウゾウの席に置かれたカードを見つめる。
ビアンカ「OH! コウゾウさんは村人でしたね!」
アスカ「冤罪だったわけね……」
ミサト「副所長……」
ビアンカ「それではこれから人狼が目覚める夜がやって来ますね! 皆さん目を閉じて眠りに就いてください!」
シンジ「アスカ、手を繋いで良いかな?」
アスカ「アンタねえ、所詮これはゲームなのよ?」
シンジ「ゲームでもアスカが食べられたりするのは嫌だから」
アスカ「……勝手にしなさい!」
そう言ったアスカはシンジに腕を突き出した。差し出されたアスカの手をシンジは握る。
ビアンカ「村人の皆さんは眠りに就きましたか? それでは、人狼は目を覚まして今夜食べる村人を指してください!」
目を閉じている間、シンジはずっとアスカの無事を祈っていた。人狼が経験者であるアスカを狙う可能性もあると思ったのだ。
ビアンカ「……OKです、それでは人狼も眠りに就いてください!」
犠牲者となった村人役のプレイヤーは、ビアンカに肩を叩かれて席を立ちあがった。目を閉じている他のプレイヤーにはその物音しか聞こえない。
ビアンカ「それでは皆さん、朝がやって来ました! 目を覚ましてください!」
司会進行役のビアンカの合図を聞いたシンジたちが目を開くと、空席になったミサトの席が飛び込んで来た。
ビアンカ「三人目の犠牲者はミサトさんです! リツコさんのおともだちでしたね?」
リツコ「ええ、元同僚よ」
レイ「……赤木博士に近い人ばかりが殺されているわね」
リツコ「何が言いたいの、レイ?」
レイ「私が狼だったら、近い席の人に表情や仕草を探られるのは嫌かと思って」
リツコ「あなたも言うようになったわね。でも私は狼ではないわ。あなたの方こそ狼じゃないかしら?」
シンジ「ねえアスカ、どっちかが狼なのかな?」
アスカ「分からないけど、会話をするのは大切ね。会話をする事で、その言葉におかしい所がないかを観察する。それが狼を見つける唯一の方法よ」
リツコ「なるほど、ボロを出すのを待つって事ね」
アスカ「アタシも狼になった事があるから分かるけど、ウソをつき続ける事は難しいのよ。だから、狼は無口になる事が多いの」
レイ「ゲームが始まってから、ずっと黙っている人がいるわね」
ヒカリ「……わ、私!?」
アスカ「ヒカリもプレイヤーの一人なのよ。会話をして人狼を追い詰めていかなきゃ」
トウジ「ヒ、ヒカリは人狼じゃあらへん!」
リツコ「どうしてそう断言できるのかしら?」
トウジ「何でやって……そら……ヒカリとは幼稚園の頃からの付き合いやからや。ウソが付けない性格だと判っとるがな!」
ヒカリ「トウジ……ありがとう……」
トウジがキッパリとそう言うと、ヒカリは目を潤ませてトウジを見つめる。レイとリツコは目をお互い合わせてうなずいた。
リツコ「……なるほど、そういう事ね」
レイ「ええ」
アスカ「鈴原、アンタが狼ね!」
トウジ「な、な、何を言うとるんや、ワシは村人やで!」
アスカ「今の鈴原のセリフ、ヒカリをかばったラブラブな言葉に聞こえるけど、根拠も無くヒカリを人狼候補から除外するなんて、生き残る事を真剣に考えていない証拠よ! つまりアンタは人狼だから村人がどうなっても構わないって余裕があるって事!」
アスカに正論を言われたトウジは反論することも出来ず、投票の時間を迎えた。
ビアンカ「それでは、トウジのカードをオープンしますね! ジャン! トウジは狼でした!」
アスカ「やっと一匹人狼を倒せたわね。でも、人狼は後一匹残っている」
シンジ「……アスカは僕の事、村人だって信じてはくれないんだね」
アスカ「100%の保証は無いのよ、仕方ないじゃない」
それでもシンジはアスカの手を握ってその日の夜を迎えた。
ビアンカ「次の犠牲者は……アスカ……ですね」
シンジは空席になったアスカの席を見つめて深いため息をついた。参加者の人数は半減したが、まだこの中に人狼が残っているのだ。
リツコ「ついにあなたたちのグループから死者が出たみたいね」
レイ「アスカは昨日の投票で人狼を追い詰めた。だから狙われたのだと思うわ」
シンジ「そんな……じゃあこれからどうすれば」
リツコ「確率的に高い人から処刑して行くしかないわね」
そうリツコが言うと、視線は自然と俯いたヒカリへと集まった。
ヒカリ「このゲームでは完全に潔白を証明する手段なんてありませんものね」
全てを受け入れる様な穏やかな、それでいて寂しげな笑顔でヒカリは話した。
ケンスケ「ゴメンな委員長、俺はトウジの代わりに守ってあげることが出来なかった」
ヒカリ「ううん、別に相田が悪いわけじゃないわ」
その日の投票では、ヒカリが得票数を集めた。
ビアンカ「それでは投票によって処刑されたヒカリのカードをオープンしますね!」
ビアンカ「OH! ヒカリのカードは村人のようですね! 残念ですが、善良な仲間をまた一人失ってしまったようです……」
レイ「洞木さんは、ただ話すことが出来なかっただけなのね……」
シンジ「次はきっと、あまりしゃべっていない僕が投票されるんだ……」
弱気になったシンジを慰めたり、励ましてくれるアスカはもう居ない。シンジは絶体絶命のピンチを迎えたまま、夜になるのだった。
ビアンカ「それではまた、人狼による犠牲者の出る夜がやって来ますね!」
ビアンカ「次の日の朝になりました……犠牲者はリツコさんです……」
司会進行役のビアンカがそう告げると、シンジたちは不思議そうな顔になった。死んだはずのリツコが退場せずに自分の席に留まっているからだ。
ビアンカ「リツコさんのカードをオープンしますね!」
シンジ「リツコさんのカード、村人じゃない!?」
レイ「これはハンターのカードみたいね」
ビアンカ「そうです! ハンターは死の直前に一人だけ打ち殺す事が出来ますです!」
今回は参加者に初心者が多いので、『村人』対『人狼』と言うシンプルな構図にしていた。そこにビアンカが遊び心を入れたのが『ハンター』のカードだった。ハンターは村人チームのカードなので、狙うのは人狼だ。
ビアンカ「それではリツコさん、狙撃する人を指差してください!」
リツコが指差したのは、ケンスケだった。
ケンスケ「どうして俺が?」
リツコ「碇所長が最初に殺された時から怪しいと思っていたのよ。鈴原君と洞木さんはもう死んでいる。消去法で残っているのはあなただけ」
ケンスケ「それはトウジの考えじゃないですか?」
リツコ「もう一人の人狼は鈴原君に近しい人物と考えられるわ。だから私はためらいなくあなたを撃つことが出来る!」
ハンターのリツコがケンスケを撃つ事を宣言すると、ビアンカはケンスケのカードをひっくり返した。
……ケンスケのカードは『狼』。二人の人狼が追放された事によりゲームは村人陣営の勝利で終了した。
アスカ「鈴原は私情を挟み過ぎなのよ」
レイ「でも、楽しかったわね碇君」
シンジ「そうだね、もう一回やっても良いかな」
アスカ「次は狼になってみんなをかみ殺してやりたいわね」
シンジ「やめてよアスカ……」
ゲンドウ「シンジ、私はもう行くぞ」
シンジ「父さん、今日は忙しい中、ゲームに付き合ってくれてありがとう」
ゲンドウ「……またな」
アスカ「あれはまた誘って欲しいって顔ね」
シンジ「父さん、ひと言もゲームで話せなかったけど、そうなのかな」
ボードゲームは人と人の距離を縮めて仲良くする。
またボードゲームをしてみたいと思うシンジだった。
第1回『ミラーズホロウの人狼』の役職公開
碇シンジ……村人
惣流・アスカ・ラングレー……村人
綾波レイ……村人
鈴原トウジ……人狼
相田ケンスケ……人狼
洞木ヒカリ……村人
葛城ミサト……村人
赤木リツコ……ハンター
冬月コウゾウ……村人
碇ゲンドウ……村人
今回は人狼のルールをあまり知らない初心者の方にも理解しやすい内容にしました。
くじ引きの結果は不本意なものとなってしまいましたが、第二回があればもっと盛り上がるように頑張りたいです。
新世紀エヴァンゲリオンのキャラが遊んで欲しいボードゲームがあれば、御意見をお願いします。
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