惣流アスカの更迭&式波アスカの左遷 ~見つけたアタシの居場所~ 作:朝陽晴空
※今回は引っ越しによる活動休止前の一覧リスト引き上げのための更新となっています。
復帰後には「カタン」などのゲームも紹介したりしていきたいと思います。
今回はアンケートで多かった、『犯人は踊る』のプレイとなります。
ボードゲームに限らず、式波アスカ編も含めて外伝の更新はするつもりです。
よろしくお願いいたします。
<第三新東京市 Spiel(シュピーエル)>
雪が深々と降り注ぐボードゲームカフェ《Spiel(シュピーエル)》を貸し切りにして行われたクリスマスパーティで、シンジ、アスカ、ミサト、コウゾウ、ゲンドウの組と、レイ、トウジ、ケンスケ、ヒカリ、リツコの組に分かれた10人はボードゲームを楽しむ事になった。
「今日みなさん、楽しんで行ってくださいね!」
アスカの義姉、ウェイトレスの服を着たビアンカはそう言うと、テーブルに着いたシンジ組のテーブルと、レイ組のテーブルにカードを並べて行く。
今回シンジたちが遊ぶ『犯人は踊る』は、3~8人で遊べるとされているが、4~6人ぐらいで遊ぶのがバランス的に良いとされている。
「はい、みなさんに4枚のカードを配り終えました。1ラウンドは短いので、何度も楽しめますよ!」
ビアンカから改めて、『犯人は踊る』の説明が行われる。
このゲームは犯人のカードを持った人物を、探偵カードを持った人が当てれば、犯人カードを持った人以外全員が勝ちで、1人が4枚ずつ持っている手札が無くなるまでに、最後まで犯人カードを持っていた人が生き残れば犯人カードを持っている人の1人勝ちと言うのが基本的なルールだった。
「人狼ゲームと似ていると思いましたか? ですがこのゲームの場合は犯人のカードが人の間を移動する、ババ抜きみたいな要素があるのです!」
ビアンカの説明に熱が入った。
人狼ゲームとババ抜きの良いとこ取りのこのゲーム、人狼ゲームに次ぐ人気がある。
しかも1ゲーム10分程度で終わる事もあって、重量級のゲームである「カタン」よりも日本国内では盛り上がっているかもしれない。
このゲームに出て来るカードの一覧表を作りましたので、お渡ししますね。
ビアンカは日本に来てから熱心に日本語を勉強して、綺麗な字で漢字も書けるようになっていた。
第一発見者……このカードを持っている人が最初に捨ててゲーム開始。
犯人……探偵カードを捨てた人に持っている事を当てられてしまうと負け。
手札が最後の1枚になった時にだけ捨てられる。
探偵……捨てて犯人カードを持っていると思う人を告発する。
正解ならば探偵チームの勝ち。
アリバイ……捨てても意味はない。
手札にあれば犯人カードを持っていても探偵の告発を防げる。
たくらみ……捨てると犯人チームに寝返るカード。
いぬ……他の人の手札1枚を捨てさせる。
それが犯人カードだったら、探偵チームの勝ち。
一般人……捨てても意味はない。
目撃者……他の人を選び、その人の手札を自分だけ確認できる。
情報交換……全ての参加者は、左隣の人に好きな自分の手札1枚を渡す。
うわさ……全ての参加者は、右隣の人からババ抜きのように手札を1枚引く。
取り引き……誰か1人を指名して、お互いに好きな手札1枚を交換する。
少年……他の参加者全員に目を閉じてもらい、犯人にこっそり挙手してもらう。
「12種類ものカードのルールを覚えるのは大変ですね」
「問題ありません! 新設設計でカードに説明が書いてあります!」
不安そうなシンジにビアンカはそう答えた。
それに1人4枚の手札の制限があるので、12種類全部のカードが1度のゲームに登場することは無いとビアンカは付け加えた。
「やるなら早くしろ! 出なければ帰る!」
ゲンドウは人狼ゲームで負け続けているので、特にコウゾウとシンジに仕返しをしたくてウズウズしているようだ。
年齢関係無く夢中にさせるのが、ボードゲームの魅力なのかもしれない
「それでは、第一発見者のカードを持っている人はカードを捨てて、事件の内容を創造して話してください。ゲームの勝敗には関係ありませんが、盛り上がる話をお願いしますね!」
シンジの組のテーブルで第一発見者のカードを持っていたのはミサトだった。
「あたしの家の冷蔵庫のビールが飲み干されていたの! これは大事件だわ!」
「ミサトが自分で飲んで記憶が飛んだだけでしょ」
「事件でも何でも無いな」
「問題が何も無い」
「シンちゃん、みんな酷い事言ってる~」
「だって、実際に朝起きて、お酒が無いと大騒ぎしたのはミサトさんじゃないですか」
何はともあれ、ミサトの隣のアスカから時計回りにカードを捨てて、ゲームは始まった。
「私達の写真が誰かに盗み撮りされて売られている、肖像権侵害の事件が起こったわ」
別のテーブルで第一発見者のカードを捨てたレイは冷静な口調でそう言った。
「犯人はケンスケ、お前に決まっとるやないか!」
「相田君、不潔よ!」
「ビデオカメラのSDカードを提出しなさい」
「おいおい、ここはゲームでしっかりと犯人を決めようぜ」
ケンスケはウンザリとした顔で溜息をついて、手札を捨てた。
「碇、ここは情報交換カードで手札を交換しようじゃないか」
「冬月、やってくれたな!」
「シンジ、目撃者カードを捨てるから、シンジの全てを見せて♪」
「言い方が嫌らしいわね、ここはアスカがシンジ君の子供を妊娠したウワサを流すわよ」
ミサトがそう言うと、ゲンドウは身を乗り出してミサトを問い詰める。
「何っ、それは本当か!?」
「だからゲームの話ですってば」
「ゲーム相手に本気になるな、碇」
ウワサカードはランダムに相手の手札を引くカードだ。
情報交換と同じように、これで犯人カードが移動する可能性もある。
「僕は父さんのカードを引けばいいんだね……」
ゲンドウのカードの持ち方はいかにも不自然だった。
目の動きを見られないようにサングラスを掛けている意味が無い。
シンジは父親に花を持たせるべきか迷った。
結局シンジは怪しく突き出されたカードを引いた。
「じゃあアタシは、たくらみカードを出しちゃおうかな」
全員の手札が少なくなった頃、アスカはたくらみカードを捨てて、犯人の味方になった。
「うーむ、これは……」
「危険な状況になりましたね」
コウゾウとミサトは深刻な表情になった。
さっきまでシンジの優しさに感謝していたゲンドウも青い顔になった。
「えっと、ミサトさんのビールを飲んだ犯人は、僕でした」
「やった、アタシとシンジの勝ち!」
シンジが犯人カードを捨てると、アスカはシンジとハイタッチをして喜んだ。
「アスカ、あんた探偵カードを持っていたのに使わなかったわね!」
「アタシがシンジを告発なんて出来る訳ないじゃん♪」
ミサトは探偵チームを勝利させる事が出来たのに、そうしなかったアスカを責めた。
「やっぱり犯人はお前やないか!」
「だからこれはゲームだろう?」
「勝手に私やアスカの写真を撮って、売っていた2人は共犯」
レイのテーブルでも決着が着いたようだ。
たった10分の出来事なのに、熱中してしまうこの中毒性。
人狼では1ゲーム終えると、極度の緊張が長く続き、達成感や疲労感が出てしまう事もある。
「もう1回だ! 今度は私は犯人にはならないぞ」
「だからコレは犯人が移動するゲームなんだって。あとシンジ、司令に情けを掛けるのはさっきの1回きりにしなさい!」
アスカはまだゲンドウの事をお父様とは呼ばないが、相当性格のキツイ嫁であるとは感じていた。
ビアンカは軽食や飲み物を用意しながら、再度カードを配る。
クリスマスパーティの余韻は、まだまだ続きそうだ。
コロナ禍で友達や親戚で集まってボードゲームをする機会は減ってしまいましたが、規制緩和を機に『犯人は踊る』をやってみてはいかがでしょうか。
小学生でもルールを覚えられます。