黒龍として討伐された転生者が目覚めると白兎になっているのは間違っている。   作:馬です

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私の名前はシエル・ティウム、【ヘスティア・ファミリア】所属の冒険者にゃ。

私は今日もお姉ちゃんとアリサとオルガの四人で十二階層を探索していたその時、ズシンズシンと重い足音が聞こえてきたのにゃ。

響いてくる方向を見た時、私の心臓は跳ね上がった。

視線の先に射たのは四体のミノタウロス、それも五階層で遭遇した時とは違うと直感した。

明らかにあの時のミノタウロスよりも遥かに強い、強化種だと判断できた。

強化種が四体、こんなの今の私達じゃ死んじゃう。

撤退を叫ぼうとした時、アリサがこう言った。

「お前ら、俺が時間を稼ぐから逃げて他の上級冒険者呼んで来い」

恐怖で身体を震えさせながらいの一番に殿をすると言った。

その一言に一番最初に反応したのはオルガだった。

「それはダメッス、姉御」

「そんなこと言ってる場合じゃねぇだろ、俺等全員が逃げたらアイツラは一斉に襲ってくる。そうしたら、全滅だ!!」

アリサの言っていることは正しい、でも時間を一緒に過ごした仲間を放って逃げるなんてしたくなかった。

「なら、一人一体相手にすればいい」

「「「!?」」」

そう言ったのはお姉ちゃんだった。

「私達は冒険者なんだから」

その一言を聞いて私達の気持ちは固まった。

「それじゃあ右端のミノタウロス」

「俺は左内側のミノタウロスだ」

「ウチは左端のミノタウロスで」

「私は右内側のミノタウロスにゃ」

こうして、私達は冒険を始めるのだった。

 

 

 

「ヴモォオオオオオオオオオオオオオオオッ!!」

初手はミノタウロスの咆哮(ハウル)、これを食らった冒険者は動きを止めてしまうけど私の敏捷(はやさ)なら躱せる。

「にゃあああああああああああああっ!!」

吠えながらミノタウロスを片手剣で斬りつけるも肉が固くて中々刃が通らない。

「【我、爆破に魅了されし者】【芸術は爆発だ】【ボマー・インパクト】!!」

私は距離を取って魔法を放つけど、ミノタウロスはお構い無しに体当たり(チャージ)してくる。

「くっ!?」

それをなんとか躱して凌ぐもミノタウロスの追撃が止まらない。

連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)連打(ラッシュ)!!

まるで私に詠唱させないかのような立ち回りをしてくる。

そして、その連打(ラッシュ)はまとも食らうのは勿論掠ってもダメだというのが伝わってくる。

 

 

なら、私は今の自分を超える!!

「【我、爆破に魅了されし者】」

詠唱しながらミノタウロスの周囲を駆け回る、今私がやろうとしていることは平行詠唱。

魔導士ならば身につけたい技術の筆頭である、魔導士の性質上その場で静止して詠唱に入り魔法を放つ。

しかし、それは仲間がいる場合だ。

「【芸術は爆発だ】」

今の私の状況ではそんなことをすれば格好の標的だ、だからこその一か八かの賭けで並行詠唱を実行する。

これしか無い、この方法しか私には思いつかなかった!!

「【ボマー・インパクト】ォオオオオオオオオオオオオオオ!!」

大爆発、それは今まで見てきた爆破よりも巨大だった。

今ので殆どの精神力(マインド)を使い果たしてしまった、これで倒せなかったら・・・。

「ちっくしょう・・・」

眼の前にはその場にそびえ立つミノタウロス、防御の姿勢を取ったのか両腕は無くなっていて傷も負っているが二本の足でしっかりと立っていた。

あぁ、目が霞む。

私、ここで死んじゃうのかにゃ。もう団長に会えないのかにゃ。

嫌だ・・・嫌だ・・・嫌だ!!

「死んでたまるかぁ!!」

そう声を上げた瞬間、ミノタウロスが突進(チャージ)を仕掛けてくる。

しかし、最初の突進よりも力強さも速さもない。

ミノタウロスも消耗している、倒すなら今しかない!!

「にゃああああああああああああああああああああああああああっ!!」

雄叫びとともに私は獣化を発動させ、ミノタウロスに仕掛ける。

最初に懐に入ったのは私だった、持っていた片手剣で魔石の場所である鳩尾に突き刺した。

その瞬間、ミノタウロスは灰と魔石と怪物素材(ミノタウロスの角)に変わった。

「勝ったよ皆、団長、ヘスティア様・・・」

その言葉を言った後、私は意識を失った。

 

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