チャラ男が失恋中の女の子にどしたん?話聞こうか? と優しく声をかける話   作:松風呂

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15話 決別の文化祭

 長谷田高校の文化祭は二日間かけて行われる。

 

 初日、俺は午前中にはクラスのお化け屋敷の客引きとして参加し、午後からは夏樹ちゃん&雪子と合流した。

 

 いくつかの模擬店を回りつつ、そこそこに祭りの雰囲気を楽しみながら、文化祭ならではのイベントも度々遭遇したりなんかしちゃったり。

 

 ま、そんな感じで、俺の中では本日のビッグイベント、秋葉さんとコンビを組んで行う公開羞恥プレイの時間がやってきました。

 

 午前中にはバスケ部やバレー部などの屋内運動部が使用していた体育館は、今はパイプ椅子が並びちょっとしたコンサート会場へと変身した。

 

 俺達は今から、暇を持て余した観客達の前で、ステージだか壇上だかの上から笑いを届けなくてはならんっちゅーわけやねん。

 

「宮本君、緊張していますか?」

「程良い緊張感やで。これは良い笑いが生まれそうやっちゅーねん」

 

 秋葉さんは、どこか楽しそうにしながら問いかけたので、俺も笑顔を取り繕いながらそう返した。

 

 似非関西弁の調子もばっちりやで。

 

 ほな、いってきましょーか。

 

 

◇◇◇

 

 

 文化祭初日、午前中バスケ部の練習を挟んだ私と夏樹は、正午くらいにクズと合流した後、祭りを見て回る運びとなった。

 

 まぁ別に他の奴と回っても良かったんだけど、夏樹とクズが二人っきりで文化祭を闊歩してたら噂になるだろうし、内緒にしたいカップルの隠れ蓑の役割を果たすのも友情かなと思ったわけだ。

 

 そして、私はすぐにその判断は誤りだと気付いたのだった……。ぎゃふん。

 

 まず前提として、私の中の夏樹のイメージというのは、爽やかかつ仲間思いで乙女だけど男勝りな部分もある竹を割ったような性格の女の子だった。

 

 だからだろうか、クズと付き合っていても多分お互い適切な距離間を保ちつつ、気安い友人みたいな恋愛をしているのかと勝手に想像していた。だって二人が校内でラブってるの見たわけじゃないし。

 

 しかし、目の前にある現実はそんな私の偶像を音を立てて粉砕する。

 

「もー! 四季君さっき受付の女の子じろじろ見てたー!」

「えぇ……、いや見てませんよ」

「……?」

 

 最初に入店したのは2年生のメイド喫茶の模擬店だった。席について早々茶番が始まったので、私はそれを見て少し固まった。

 

 ……え? 夏樹? 

 

「どうせ私より他の子が良いんでしょ……」

 

 そう言ってぷいっと顔を背ける夏樹を見て、あ、これさては演技だなとすぐに分かった。普段多用している私には分かる、この女は嫉妬したふりをして男から甘い言葉をかけて貰いたいだけだ。な……夏樹? 

 

「ごめんね夏樹ちゃん……」

 

 そう言って、隣の軽薄男は彼女の頭を撫でた後、耳元で何か囁いた。おそらく愛の言葉だろう。なんだこいつら。

 

 とたんに機嫌が良くなる夏樹。嬉しそうに浮かれている。こいつら本当にこれで隠しているのか? 

 

「夏樹ちゃんも宮本君も、随分と仲がイインダネ……」

「え! いや違うのよ、確かに仲は良いけど、恋人ってわけじゃないから、勘違いはやめてね雪子!」

「へー」

 

 その後も、バカップルを永遠視聴する地獄みたいな時間が続きながら模擬店を回ったが、極めつけは私達のクラスが出してるお化け屋敷に入った時だった。

 

「四季君、怖いから手を繋いでいい?」

「そう? 夏樹ちゃん怖いの苦手だもんね、分かった」

「あとね、ほんとに怖くなっちゃったら……また前みたく……そのぅ……」

「あー……うん。分かった」

 

 二人の会話を聞き、高校の文化祭レベルのお化け屋敷がそんな怖いわけねーだろと脳内で悪態をつく。ただ暗い中教室を歩いて、コスプレした同級生に驚かされるだけだ。

 

 くそう、こんな男に媚び媚びな夏樹は見たくなかった……、割とショックはデカい。

 

「あーもう無理、怖いっ、四季君おんぶっ、ギュってして!」

「はいはい」

「むふ~~っ……」

「……」

 

 入店してすぐに彼氏に飛びついた夏樹は、正面から抱っこされて満足げな顔をしていた。私は二人の後ろを歩いているので彼女と目が合う。恥ずかしそうにしながらキリッと表情を真面目風に変えても今更おせーからな? 

 

 多分彼氏との肉体的接触が少なくて我慢できなかったのだろう。お化け屋敷なら暗いし、恐怖のせいに出来るから抱きついても問題無しと考えたのだろうが、お化け役の生徒達みんな困惑してるの気付け? ……なんで私はこんな冷静に分析してんだ。

 

「四季君……怖いよ、もっと強めにギューってして?」

「ほいほい」

「あ~~っ……」

「……」

 

 最早、幼稚園の先生と構って欲しい園児だなこりゃと感想を抱く。親友の新たな一面を見て驚く気持ちが大半だが、幸せそうな顔を見ると、まぁいっか、と私は苦笑した。

 

 

 お化け屋敷を出た後、私達が中庭で少し休憩していると、まぁーこの男に寄ってくる女共の多い事。中身はカラスでも見た目は鶴だからなこいつは。

 

「宮本くぅん! 一緒に写真撮って下さい!」

「あの、出来れば連絡先交換しませんか?」

「今度一緒に遊びに行かない?」

 

 文化祭で女子に囲まれてる男ってなんか見た事ある光景だけど、単純にイケメンとツーショットで撮って欲しかったり、逆ナンしたいだけなんだなということを知ることが出来た。大勢でいけば必要な勇気は最小限で、文化祭の無礼講な空気の力か、断りにくい。

 

「え? 俺なんかと写真撮ってもあれじゃない? というか皆可愛いから緊張しちゃうな~……、連絡先? 勿論OKだよ。……今度? えーデートってこと? うわ嬉しいけどここで返事するのは恥ずかしいなぁ……、行ける時はこっそり連絡するから、ね?」

「「きゃー……!」」

 

 こいつは正に生粋の軽薄男だから、一応私達に詫びを入れた後だが、名前も知らぬ女達からの要望を断らずに笑顔で写真を撮りだした。女共はきゃいきゃいと騒いでいる。ケッ、下品な奴らだぜ。

 

 20分くらいで済むと言っているが怪しいものである。夏樹はこれどう思ってるのかなと横目でチラッと見ると……。

 

「雪子、ごめんね待たせちゃって、四季君って、やっぱ女の子に人気あるから……」

「いや……私は別にいいけど、ちょっと疲れてたし……えへへ」

 

 今の夏樹の表情を言語化するのは非常に難しい。怒りとか嫉妬とか悲しみとか、負の感情はあるだろうが何処か諦観しているというか、さっきまで彼氏にバブついてた女と同じとは思えない。

 

「……私と四季君って雪子の目からどう見える?」

 

 先生と園児……、流石に口には出さないけど、一般的な彼氏彼女には少し見えないような。

 

「二人は、お似合いだと思うよ。これで付き合ってないなんて信じられないくらい仲良く見えるし、もうほとんど恋人だと思うな」

「ほ、ほんと……?」

「うん」

 

 嘘ではない、実際美男美女だし、見てきた限り相性は良さそうだった。多分あいつも夏樹のことは心から特別に思っていると感じた。

 

 ホッとしている夏樹を見て、ほんと可愛いなぁと思う。性根が乙女だ。私とは月とスッポンだな、こりゃ男は皆惚れるわ。私が男だったら絶対夏樹を嫁にするもん。

 

 しばらく待ちぼうけを食らった後、女の園をかき分けて、クズがこちらに来る。

 

「ほんとごめん。そろそろ俺、M-1の準備しなきゃ、ネタの打ち合わせしたいし、あー緊張する」

「分かった……、頑張ってね! 私と雪子も見に行くから」

「最初に念を押しておくと、あくまでネタだからね?」

「……うん? 分かってるわよ?」

「よし」

 

 こいつはこの後に体育館で漫才コンテストに出るらしい、表立って目立つのは嫌いそうだし意外な気もするが、根は陽気な奴だしそういうこともしたくなるのだろう。ちなみに相方が誰なのかは本番までのお楽しみだと言われた。どうせ軽男とかじゃねーの? 

 

 私達は一緒に体育館へ移動した後、クズとは別れた。観客席に座った私達は、M-1までは軽音楽部の演奏を聞きながらその時を待った。

 

 やがて時間は午後の3時、マイクを握った司会者の男子生徒が開会を宣言し、長谷田高校M-1グランプリが始まった。

 

 いくつかの生徒達の漫才を見る。生で見るボケとツッコミの応酬は、中々面白い。正直皆素人だからか、ネタもしょーもないものが多いが、文化祭のお祭り気分な雰囲気がそうさせるのか、滑ってもなんか青春の一ページみたいで笑えるし、結構楽しい。

 

「ふふふっ、皆面白いね」

「ねー? なんか、思ったより楽しい、あ、次四季君じゃない?」

「あ、そうかも、7番目って言ってたし」

 

「それでは、お次は、R指定もなんのそのなこの二人ぃぃー! それではどうぞ! 『チャラ&ビッチ』」

 

 司会者の紹介の後、音楽とともに顔が良い男と女が現れた。昔のコメディアンみたいな煌いた服に蝶ネクタイをしている。絶望的に似合わない。

 

 ……あれ? 相方うちの生徒会長じゃね? 

 

「はいどーも、チャラ男いいます、よろしゅうたのんます!」

「隣にいる彼にいいように弄ばれている性処理用メス豚のビッチです!」

 

 開幕早々のド下ネタに会場の空気は凍りついた。

 

 というか皆一様に困惑した。え? 紅葉院先輩? ナンデ??? 

 

 混乱する私達を他所に、下ネタ全開の漫才は始まっていく。息はぴったりで、即席だとしたら大したもんだ。いつの間に二人は知り合いだったんだ? 接点なさそうだけど。

 

「四季君……何で、紅葉院先輩と……?」

「夏樹ちゃんも知らなかったの?」

「……うん」

 

 まぁ流石にやましい関係ではないだろうけど、校内一美人な紅葉院先輩とあのチャラ男が知らぬ間に仲良かったら隠れ彼女としては不安になるだろうな。

 

 悲しそうな顔をする夏樹を見て、どうにも歯がゆく思った私は、彼女に耳打ちする。

 

 私の嫁を泣かせる奴は許さん! 

 

 

◇◇◇

 

 

 普通文化祭ってのはチークダンスで恋心を自覚したり、準備の際に気になるあの子と心の距離が縮まったり、そんな甘酸っぱい思い出が大半を占めるものじゃないのかと思う。

 

 にもかかわらず俺が、何故固まってる観客の前で漫才なんて性に合わないことをやるのか。その理由はただ一つで秋葉さんとの最後の思い出づくりである。

 

「はいどーも、チャラ男いいます、よろしゅうたのんます!」

「隣にいる彼にいいように弄ばれている性処理用メス豚のビッチです!」

 

 ちなみにネタはド下ネタのオンパレード。観客席の人々はまぁあんぐりと固まってる。うちの高校で一番そんなこと言わなそうな秋葉さんが開口一番これだもん。

 

 なんとなく、彼女がこんなことしたかった理由は分かる。一言で言えばいつものあれだ。真面目な自分をぶっ壊したかったんだろう。

 

「赤裸々過ぎる自己紹介やな! ちゃうちゃう! 皆さん、彼女の言ってること全部嘘ですから!」

「本当は、こんな風に皆の前で恥ずかしい姿を見られるの嫌だったのにぃ……彼に写真で脅されて……」

「人聞きの悪いこと言うなぁ! 自分からやりたいってせがんでたやんけ!」

 

 少しずつ、観客の止まっていた時間が動き出していくのを感じる。

 

「それよりさっき、ちゃうちゃうって言ってたけどアレは私がいやらしい雌犬って意味?」

「チャイニーズエディブルドッグのことちゃうわい! 違う違うって意味の関西弁や!」

「違う違うって……、あの時ベッドで私に囁いてくれた愛の言葉は全て嘘だったってこと!?」

「なんの話をしてんねん! お前が開幕ド下ネタかましてたから、それは違うって意味や!」

 

 一部から軽い失笑が聞こえる。あー恥ずかしい恥ずかしい。

 

「ド下ネタじゃないでしょ? ちゃんと言いなさい? ほら私はなんて言ったんだっけ?」

「え、それは……せいしょ……」

「うん? 聞こえないわよ大きな声で」

「性処理用メス豚ビッチでしゅうぅ! ……って言わせんなや!」

「そうやって気に入らない事があるとすぐ嫌がる私に乱暴に突っ込んで、さぞ気持ちのいいことでしょうね!」

「ツッコミのこと変な言い方するのやめーや!」

 

 秋葉さんは普段、生徒会長として全校生徒の前で喋る機会も多い。そんな中、もし仮にこんな発言したら生徒指導室行きで親を呼ばれるだろう。

 

 しかし、今日は文化祭、おまけにある程度の無礼講が許されるM-1グランプリ。いつもと違って堅苦しい形式ばった言葉じゃなく、中学生の男子みたいな下ネタを言う秋葉さんは楽しそうだった。ハッキリ言って観客より楽しそう。

 

 しばらくネタを披露する俺ら、観客もそこそこに笑ってくれている。

 

 そんなボケとツッコミの応酬にもやがて終わりは来る。

 

「もうあんたとはやっとれんわ!」

 

 大声で別れの言葉を言い放ち、俺は彼女に軽くぺしっとツッコミを入れた。

 

 思えば半年近くもの間、男と女の関係だったのは結構長く感じる。記録更新です。本当に──

 

「「どうも、ありがとうございました!」」

 

 そう言って、俺達は観客席に向けて頭を下げた。多分お礼の相手先はお互い自身。

 

 まばらな拍手が聞こえる。うーん、ややウケ? 取りあえず楽しかったよ。

 

 ステージだか壇上だかから退散した俺と彼女は達成感やら高揚感やら、色々思うことはあるが、取りあえず平和に終わって良かったと思う。まぁこっからが大変なんだろうな、噂は早いだろうし怒涛の質問攻めも覚悟してるよ。

 

「秋葉さん、お元気で」

「宮……園君もお元気で、と言ってもお互い学生の身ですし、校内で会うでしょうけど」

「そりゃそうでんな」

 

 ふふふと笑い合う。なんか青春っぽい、最後だしキスくらいはしたいとこだが、周りには他の漫才コンビ、すなわち数人の生徒もいるし、やめとくわ。

 

 そんな安心、油断、した時こそ。修羅場は唐突にやって来るものだ。

 

「四季君、何で、紅葉院先輩と……、どこで知り合ったの……?」

 

 夏樹ちゃん来襲。この後また三人で回る予定だし合流しようとは思ってたけど、様子がおかしい。

 

 明らかに嫉妬してらっしゃる。

 

「どこでって……、勿論校内で、最近知り合ってウマがあってさ、漫才しただけの仲だよ」

「どうして嘘つくの、だって、あんなに仲良さそうだった。お互い信頼しあってた。本当は、ずっと前から会ってたんでしょ!」

 

 少しずつ溜まってた他の女性への嫉妬心、どうやらここに来て爆発したらしい。秋葉さんの時にそう思っちゃうあたりカンが鋭い。

 

 多分女の子にしか気付けないだろう、俺と秋葉さんの間に流れる独特の匂いみたいのを嗅ぎ取ったんだろう。

 

 ともあれ夏樹ちゃんのいつもの構ってムーブの嫉妬演技とは違うので、こちらも真面目に対応せねばなるまい。

 

「一旦落ち着いて夏樹ちゃん……」

「落ち着けるわけないでしょ、だって私、四季君の彼女なんだよ? それなのに、落ち着けるわけない!」

 

 あ、あー……、公衆の面前で彼女と言われてしまった。ま、マズいぞ……。

 

 というか何でだ? いくら嫉妬しても夏樹ちゃんはそんなことを感情で口走る程短慮でも、束縛の強い女の子じゃない。おかしい、何かおかしいぞ。

 

「ねぇ……、私四季君の彼女だよね? 証明してよ……、いつもみたいにキスしてよ……」

 

 あ、ちょ……、チャラ男人生最大級のピンチ。隣で聞いてる秋葉さんがどんな顔してるか気になるが、まぁ彼女とは終わった仲ですし、今更取り繕う必要もないか。

 

 マズいなぁ……、夏樹ちゃんと彼氏彼女の関係になったら俺の倫理観的に、他の女の子達といちゃつけなくなる。学生生活はあと2年半もあるのに自由が無くなるのはハッキリ言って嫌だ。それもうチャラ男ちゃう。チャウチャウ。(犬)

 

 かと言って、夏樹ちゃんを突き離すのも無理だ。他の子ならともかく夏樹ちゃんは無理。

 

 何故こんなことにと思っていたら、雪子が視界の隅に入る。おそらくクズ同士、俺の思考を読んで夏樹ちゃんに変な入れ知恵したな。くっ、どうする俺。

 

 このまま彼女と共に彼氏彼女で、二人三脚で歩んでいくのか、チャラ男死すデュエルスタンバイなのか……? 

 

 ……ま、夏樹ちゃん可愛いからそれもいっか。

 

「ごめんな、夏樹、不安にさせて……」

「あっ……」

 

 彼女を抱き寄せる。どうでもいいけど俺の服今コメディアン風コーデだから格好悪っ。

 

「夏樹……んっ……」

「んむぅ……んんっ……」

「…………んちゅ」

「んん~~っっ……」

 

 俺は目を瞑りながら彼女に口づけをした。周りから阿鼻叫喚が聞こえる気がするけど、もう知らん。

 

 そういえばM-1の後は壇上で演劇部が恋愛物をやる予定だ。キスシーンもあるらしいので結構注目の的だった。負けてられないなと思った俺は、滅茶苦茶濃厚なやつを彼女にかましてやった。

 

 実家のイヌタローも驚くほどの舌テクを味わってもらう。べろんちょべろんちょ。

 

 ぷはっと……お互いが口を離す。涎の橋がつーってなってる、ばっちいね。

 

「今更だけど、夏樹ちゃんこれからも宜しく。彼氏として」

「う……うんっ! 好きっ!」

 

 こうして一人の男と女は幸せなキスをしてめでたしめでたし──。

 

 などと思っていたら、横から秋葉さんの無言のドロップキックを食らった俺は、段ボールとか積んであるとこに吹き飛んだ。その後、秋葉さんと雪子からげしげしと蹴りをいれられる。あちょ、痛いってばよっ! いや何で雪子まで……? 

 

 夏樹ちゃんは幸せそうだが呆けているので俺を助けてはくれない。

 

 そんな感じで俺達の文化祭は終わる。

 

 正確に言えば、この後の一日半は夏樹ちゃんに腕を組まれた状態で滅茶苦茶いちゃつきながら校内を闊歩する嬉し恥ずかし模擬店巡りもあったのだが、聞くも語るも恥ずかしいのでこのくらいにしておきましょう。

 

 という訳で、宮園四季16歳遂に念願の初彼女を作ることが出来た。いやーめでたいね。それもこれも全てこのマジックストーンのおかげだ! 今なら送料込みで1,980円! 数は少ないので早い者勝ちだ! 

 

「宮本君、うちの生徒会長に下ネタを言わせるコンセプトは良かったが、お互いのマイクの位置もいまいち遠かったし、ボケもツッコミも説明臭くてテンポに欠けていたぞ? まぁ私は下ネタ大好きだし結構楽しめたが、来年はもっと精進したまえ」

 

 帰り際、冬優奈部長からそんな駄目出しをくらう。いや来年はせんっちゅーねん! 

 

 

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