第二部からダークファンタジーですが、その合間にちょっとした日常回があっても良いんじゃないかと思い書いてみました。
偉大なる作者、石黒しなの様はラーメンがお好きなのでロゼッタちゃんもそのようにしてみました。
作品に登場する山系ラーメンは、○郎系ラーメンをイメージしてます。
ある日の事、ダンジョンから出てきた遺物の鑑定を終えたときにうさ耳の少女、ロゼッタは言った。
「実はメルンさんに折り入ってお願いがあるのですが、その…ラーメンというのを食べてみたいのです」
「ロ、ロゼッタさん、どうしたの急に?」
突然の発言に猫耳の少女、メルンは困惑しながら返事をする。
「いえ、先日にメルンさんがお話してくださったラーメンなるものを食べてみたいと思いまして」
少し前にメルンは薬師としての修行中に村にある料理屋『土竜飯店』でお食事券を使い、ラーメンを作ってもらっていた。
しかしこのラーメンはどんな素材を使い、どんな調理をしたのかは分からないが誰がどう見ても食べれるような見た目や香りは無かった為、後でこっそり処分しようと考えていた。
それでも『食べ物を粗末にしてはいけない』というのをおじいちゃんからよく聞かされていたメルンは何とか食べられるようにならないかと考える。
そして薬師としての知識と料理の腕を活かしどうにか食べられるようにしたのだ。
その時の話を以前ダンジョンからエントランスに戻ってきた際にロゼッタに話していたのだ。
「えっとね…ボクから言うのも何だけどそんなに美味しくはなかったよ?」
そう、完成したラーメンは森で取れた野菜やら木の実をふんだんに乗せ、薬と調味料を混ぜ合わせた結果。量がやたら多く、スープも塩っぱい上に妙に脂っこいラーメンが出来上がった。
それでも何とか食べきったメルンではあるが、その後は晩ご飯どころか次の日の朝食まで食べれなくなってしまうほど満腹感が続いた。
「確かにそう伺いましたがメルンさんのお話を聞いているとどうしても気になってしまって、どうか私にラーメンを作っては下さいませんか?」
そう言いロゼッタはメルンへ頭を下げる。
「わわっ!作るからロゼッタさん、頭を上げて!」
メルンはロゼッタの行動に驚き、了承してしまう。
〜数十分後〜
「はい、これがそのラーメンだよ」
メルンはあの後すぐに調理に取りかかった。
調理といっても土竜飯店で作ってもらったラーメンにメルンがあれこれと手を加えただけであるが。
「なるほどこれが…すごい量ですね」
完成したのはどんぶりにこれでもかと盛られた山の恵みたちである。
「ロゼッタさん、美味しくなかったら残して良いからね?無理はしなくて良いからね?」
「いえ、私から頼んでメルンさんに作ってもらいましたから最後までいただきます」
ロゼッタはどんぶりに箸を伸ばす。
そこからというもの凄かった。
上品に食べながらも手は止めず、あっという間にラーメンを完食しきったのであった。
「ご馳走様でした」
「す…すごいよロゼッタさん!あの量のラーメンをこんなに早く食べ切るなんて!」
「野菜や木の実による確かなボリュームと独特な味ではありますが旨味のあるスープ、さらにはスープによくからむ太麺。大変美味しく気づいたら食べ終わっていました」
メルンには不評のラーメン、ロゼッタの口には合ったようだった。
口元をハンカチで拭き取り、ロゼッタはメルンに告げる。
「メルンさん、宜しければ近いうちにまた作っては下さいませんか?
そうですね…今度はもっと野菜多めでお願いしたいです」
ロゼッタはこのラーメンをいたく気に入ったようである。
「駄目だよ!こんなのまた食べたら体が不健康になっちゃうよー!」
結局メルンはこの後催促されてラーメンを作り続ける事になる。最終的には元になるラーメンを作っている土竜飯店の店主にもその事知られ、メルン特製ラーメンを食べた店主が「デリシャス‼︎」と感激し、店のメニューに採用され、元祖山系ラーメンとして流行するとはまだ知る由もなかった…