乳を求めて三千里   作:イチゴ侍

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温泉旅行でうまぴょいしたので初投稿します。
よろしくお願いします!


第一話 おっぱい魔人な嫌われトレーナー

突然で申し訳ないが、おっぱいは好きだろうか?

 

おっぱいは良い。あれは男にはなく、また、男では絶対感じられない感触がある。しかし、この世の中にはルールがあり、許可もなくおっぱいを触ればそれは犯罪となって場合によっては一生牢屋の中に閉じ込められる危険性がある。

 

ではどうすればおっぱいを触れるのかを俺は考えた。まず第一に彼女を作る。しかしこれは難易度が高く、恋愛に関するスキルかラブコメの主人公並みの運命力、もしくはその両方が必要になってくる。

第二の案は、セフレを作る。これはこれで難しく、この類にOKを出してくれる相手を探すのが難しい。さらには自分が求める相手も見つかるかどうかがあるため、難易度は高い。

第三は風俗だろう。これはもはや最終手段だが、金さえ払えばなんとかなる。ただ問題は金が絡んでくるため、ひと月に何度も行けるものではないという点だ。

 

どれをとっても問題点が挙げられ、もう触る手段は無いのか……そう俺が落ち込んでいたところにとあるニュースが飛んできた。

それは『ウマ娘の○○さん結婚!相手は担当トレーナーのMさん!』という結婚報道だった。ウマ娘というのは俺でも知っている。

 

つまりトレーナーになれば担当のウマ娘とゴールインする可能性もあり、その過程では必ずおっぱいを触ることもあるということ。

希望が見えてきた俺に追い打ちをかけるかのように絶対的な希望が見えてきた。報道されたウマ娘の写真だ。

それは、おっぱいと呼ぶにはとても大きく、夢の結晶とでもいうのだろうか。推定、90以上だというのは確認できる。そんな娘と結婚出来るのか、トレーナーってのは……。

 

それから俺は頑張った。20代前半でまだまだピチピチの新社会人で、そこそこな企業で働いていたが、速攻で退社。

これだから若者は、などと後ろ指をさされたが気にすることなく、トレーナーになるためのライセンスを取得するため、猛勉強した。

物覚えだけは良く、試験は一発合格。何とか資格は取得したが、次はどこに就職するかが問題だ。正直トレーナーになる動機が動機なため、最初はこだわりがなかった。

 

だが、トレーナーを目指す間にいつしか、

 

”自分も歴史に名を遺すウマ娘を育てたい”

 

そういう気持ちも芽生えていた。こうして俺は、たくさんの名だたるウマ娘が集まる学園──トレセン学園へと進むことを決意する。

 

だが、就職までの道のりは想像してた通り険しかった。俺と同じく狭き門を通ろうとするトレーナーは数多くいた。小さいころから夢見ていた奴、家族代々トレーナーだった奴、立派な動機を掲げる奴らの中を俺は怖気づくことなく進んだ。

 

俺の内に秘める”おっぱいを触りたい”という野望を”歴史に名を遺すウマ娘を育ててやりたい”という想いに乗せて語った。

結果、俺の想いもとい野望が伝わったのか、無事に学園の門を通ることができた。

 

入れたからといって、すぐさま担当を持つ……なんてことにはならず、俺はまずサブトレーナーとして先輩トレーナーの下で経験を積んだ。

先輩の担当は良い結果を残せた、とは言い切れない成績でレースの世界から降りたが、一度も故障を引き起こさなかったため”健康ウマ娘賞”という賞を貰っていた。

だが、それは本来公式のものではなかった。が、俺と先輩が頑張った奴ら全員に何か与えたいという気持ちを理事長に話し、その結果、この賞制度がトレセン限定で公式なものとして生まれた。

 

賞を貰った彼女は終始、俺たちのおかげだと泣いて喜んでいた。先輩も案外涙もろく、一緒に泣いて笑い合っていた。その姿が俺には眩しく、いつか俺も担当を持ったらこんな関係を築いていけたらいいな、なんて思ってみたりもした。

 

 

そして時は流れ、出会いの春。今年もたくさんの新入生が夢と希望を抱いてトレセンの門を潜ってきた。

 

 

「ふむふむ……83、78、86、71、今年もなかなか」

「よ、後輩」

「わっ──びっくりしたぁ。いきなり声かけないでくださいよ先輩」

 

トレーナー室の窓から双眼鏡で新入生を眺めていた俺の肩を叩いたのは、サブトレーナーとして傍で勉強させてもらった先輩トレーナーだ。

 

 

「どうだ?良さそうな娘はいたか?」

「先輩、一目見て「こいつは素質がある!」なーんて言えるほどベテランじゃないですよ、俺」

「謙遜するなっての。お前の眼がどれだけすげぇのか俺が一番知ってるからな」

 

この仕事についてからというもの、自分が意外にも観察眼に長けていることが分かった。いつからかは定かではないが、どうしてこうなったかは容易に分かる。

俺は昔から女性のおっぱいを観察し続けてきた。それはもちろん相手に不快感を与えないように一瞬だけ見て観察していた。一瞬だからピッタリとバストを当てられるわけがないが、塵も積もれば山となるという言葉があるように、気が付いたらバストも当てられるようになり、おっぱいだけでなく他のものに対しても眼が良くなっていた。

 

その眼のおかげか、ウマ娘達のコンディションが手に取るように分かった。流石に初めて会ってその場で「このままだと君はヤバい」とかまで言えるわけではない。少なくとも2~3回はその娘を見てみないと分からない。万能ではないのが痛いところだ。

 

ただ先輩の担当が健康でいられたのは、彼女が俺を信じてくれたのと先輩が俺を信じてトレーニングメニューを遂次変えてくれたおかげなのと、少なからず俺の眼が役立ったおかげなのだ。

 

自分で言ってて照れる。

 

 

「お?褒められて照れてんのか?」

「……違います」

「またまたぁ」

「違いますから!」

 

少し強めに言ったが、先輩は相も変わらずニコニコしていた。まるで「はいはい、いつものいつものツンデレ乙」とでも言わんばかりの笑顔だ。

 

 

「今年からはお前も担当を持つんだ。俺はもうトレーナー業から引退しちまうが、俺の代わりにすげぇウマ娘を育ててくれよ!」

「うっす」

 

先輩からの激励を浴びて、俺はまた夢に溢れたおっぱいを探し始める。

 

「って!もう式始まってんじゃん!?」

 

既に人っ子一人もといウマっ娘一人として門を通る奴はいなく、入学式が始まる時刻になっていた。

結局、俺が探し求めるおっぱいを持つ娘は見つからず仕舞いだ。

 

 

 

 

《第一話 おっぱい魔人な嫌われトレーナー》

 

 

 

 

理想のおっぱいというのは簡単には見つからないようで、あの入学式の日から既に二か月ちょい経過した。

え、お前その間何してたかって?ほかのトレーナーの担当にアドバイスという名のちょっかいをかけていました。

 

そしてそのちょっかいが思わぬ化学反応を起こすのか、アドバイスを受けた娘が俺をトレーナーにしたいと口にするのだ。もちろんその娘にはちゃんとトレーナーが付いてるし、その娘も冗談で言ってるのは分かってるが、問題はトレーナーの方にある。

 

 

『俺の担当、最近調子出ないみたいだし診てもらおうかな』

『やめとけやめとけ、あいつを頼ったトレーナーとその担当は上手くいかなくなって契約解除するって話だぜ?』

『うへー、マジかよ。俺まだあいつの担当でいたいしなぁ』

 

そりゃ、自分の担当が他のやつをトレーナーにしたいなんて言ってたら冗談でもいい気分ではないのは確かだ。最初こそ、カウンセラーみたいな感じで俺を頼りに来てくれるトレーナーはいた。だが、次第に頼る人は減り、いつの間にか同業者の中でめちゃくちゃ嫌われ者になっていた。解せぬ。

 

大体、仲違い起こすのなんて俺のせいじゃないだろ。俺はただ彼女達が怪我や病気で不幸な目にあってほしくないから診てるんだからさ。そもそもの話、お前らがもっと絆を育んでいないのが悪いんだろうが。もっと担当のこと信頼してやれや……なんて責任転嫁しているが、世の中では良かれと思ってやったことが思わぬ事故を起こすのなんて珍しくもない。

 

かの有名なダイナマイトを作った人だって元はトンネルとかの開通を楽にするために作ったのに、いつからか戦争の主要武器になっちゃったんだから。

 

俺がやってることだって、トレーナーと担当の仲を裂くきっかけの主要にされちゃってんだから。

 

トレーナー側はこんなもんだとして、実のところウマ娘側にも一部嫌われてたりする。その発端になるのは当然、俺に診てもらった末にトレーナーと契約解除になったウマ娘達だ。

 

 

『なかなか担当決まらないなぁ』

『だったらあの人とかどうかな?』

『確かに顔もかっこいいし良いかも!』

『あーちょいちょい、あんたらやめときな。あんたらは知らないかもだけど、あいつの担当になったウマ娘はみんな何かしらで脅されてセクハラ受けるんだってさ。そんでその娘は誰にも相談できず病んでいくとか』

『ええー……やだぁ』

 

ええー……やだぁ。はこっちのセリフだっての。その根も葉もない出鱈目はどっから出てきやがった。そもそも担当持ったことねぇっての!つい最近まで先輩の金魚の糞だったし。

 

とまぁ、こんな感じで俺はトレセン内でめちゃくちゃ肩身の狭い生活を強いられていて、噂のせいで担当になってくれる娘も現れない始末。

 

もはや理想のおっぱいとか、おっぱいを触るとか、その他諸々言ってる場合じゃなくなっていた。

 

 

「はぁー、先輩……おれ、先輩との約束果たせねぇよ……」

 

俺は今、芝に寝っ転がって空をボーっと眺めています。先輩はトレーナーをやめてからは、地方にあるウマ娘の学校で教師として働いてるらしい。

元トレーナーという肩書はやはり強かったようだ。

 

今もどこかで俺に向かってニコニコしながら『もう諦めんのか?おお?』みたいに煽られてると思うと、ムカついた。

 

 

「だぁぁぁ!うじうじ考えんのもうやめた!」

 

何としてでも担当を持ってやる。幸いにも未だフリーのウマ娘は数多くいるため、諦めるにはまだ早いし、磨けば光るダイヤモンドが眠っていてもおかしくない。

俺は血眼になってグラウンドで走るウマ娘たちを見ていた。

 

しかし、今は夕暮れ時。この時間に練習しているウマ娘なんてだいたいがトレーナー持ちだ。俺にとって一番関わり合いたくない奴らだ。

 

だが、その中でも俺は一際目が離せない奴がいた。

 

一陣の風のように脇目も振らず、周りなどどうでもいいとばかりにただ真っすぐ前を見続ける栗毛の綺麗なウマ娘だ。

辺りには彼女のトレーナーらしき人物はいない。フリーなのだろうか。

 

もうすぐ一周、つまり最後の直線だ。サブトレーナーだった頃に先輩の担当から聞いた話だが、あそこがレースを通して一番爽快感を得られるらしい。

確かに見てる側もあそこは一番応援に熱が入るから、良くわかる。

 

現に今も、あの彼女の最後の直線に釘付けだ。双眼鏡で彼女の表情を見ると無表情に見えるが、俺には分かった。彼女は今、楽しんでいる。

 

 

「おい、”サイレンススズカ”」

 

もうすぐでゴールを駆け抜ける──その時だった。彼女のトレーナーであろう男が、走る彼女を呼び出した。あと少しのところで止められた彼女は、明らかに表情が曇っていた。

 

 

「はい……」

「今日のレース。なんだあの結果は」

「……すいません」

 

あのトレーナーの雰囲気的に相当良くない結果だったのだろう。

 

 

「デビュー戦はすぐなんだぞ!模擬レースであのザマじゃデビューすら出来ねぇだろ!……デビュー戦もラストで差す戦法で行く。いいな?」

「……でも」

「これはトレーナー命令だ!勝つためだ。お前が勝つために俺が指示してやってんだ!」

「──っ、わたしは」

 

男の恐喝ともいえる声に対して、一歩も引かない彼女。

 

 

「はぁ……聞き分けの悪い奴だよ……なぁ!」

「──っ!」

 

「ちょーっと失礼するぞぉー」

 

男が手を振り上げた瞬間、俺は声を上げていた。

流石にあれ以上は見てられなかった。

 

 

「──お前」

 

男の方はすぐに俺が誰かが分かったらしい。主に悪い方で知ってるんだろう。一方、彼女はというと状況が飲み込めてないのか、小首を傾けてポカーンとしていた。

近くで見るとめちゃくちゃ可愛いな。

 

 

「何しに来たんだよ。クソ野郎」

「おいおい、いきなりクソ野郎は無いだろ。知らない奴にいきなりクソ野郎なんて言われてみろ傷つくだろ」

 

お前は俺を知ってるんだろうが、俺はお前知らないんだぞ。初めましてクソ野郎なんて相当恨み持ってないと言えないはずだろ。なに、恨みあんの?

 

 

「お前、今度はこいつを狙ってんのか?」

「いやいや違うから」

 

またこれだ。少しでも話しかければこうやって狙われてるだのなんだのって、話を聞こうともしない。さっきまで燃え上がっていた闘志が燃え尽きて、なんかめんどくさくなってきた。

 

 

「さっきの一通り聞いたが、あんたちょっと強情過ぎないか?少しはこの娘の話聞いてやれよ」

「うっせえな。担当も持たないフラフラしたやつにとやかく言われる筋合いねぇんだよ」

 

おっしゃる通りで!

でも俺だって引けない時もある。無意識なのか知らないけど、この娘、ずっと俺の服掴んでるんだよ。こんな娘を放っておいて、後は二人でどうぞーなんて出来るわけがない。

 

 

「わーったよ。ならもうなんも言わねぇ」

「え……」

 

ごめんお願いだからそんな悲しい声出さないで……えっと、サイレンススズカちゃんだっけ。

 

 

「はっ、だったら最初から首突っ込んでくんじゃね──」

 

「ただな、女の子に手を上げるのはトレーナー以前に男としてどうなんだよ」

 

「……チッ」

 

あーやだやだ。正論言われて舌打ちするのないわぁー!

 

 

「あんたのこの娘への指示が適切かどうかはともかくとして、暴力を振るおうとした……なんて理事長に話してみたらどうなるかな?」

「……はっ、お前の話なんて誰も信じちゃくれねぇだろ。第一、証拠もないしなぁ!」

「あるぞ、証拠」

「──は?」

 

俺は俺の服を摘んでいる彼女の頭にそっと手を置いた。突然の事に彼女は短い困惑の声を発したが、嫌がる素振りは無いようでちょっとホッとした。

 

 

「この娘が証拠だ」

「わたし……ですか?」

「はぁ?」

「この娘が「お前に殴られそうになった」とでも言えばお前は即刻クビだろうな。それに、このグラウンドにいるのが俺たちだけじゃない事を忘れるなよ?」

 

すると俺の言葉で思い出したのか、男は辺りを見渡した。だが、周辺には誰もいなく、いたとしてもかなり離れた位置だった。

 

 

「……な、なんだよ。近くには誰もいな……」

「ウマ娘達の耳って相当いいらしいよな」

「なっ!」

「離れた位置の会話なんかも聞こえてくるらしいもんなー」

 

離れた位置でずっと俺たちを気にかけていたウマ娘に問いかけるように口にする。心做しか頷いてくれた気がした。

 

 

「まぁ、これから先どうするのか、それはこの娘が決めることだ」

「……くっ」

 

俺以外の証言、そして当事者ウマ娘の証言の強さ、それだけのものを突きつけられれば男は何も言えなくなっていた。

トレーナーなんて言ったってウマ娘より偉いなんてことはある訳が無い。俺たちはウマ娘がいてこその存在だ。それを忘れて所有物のようにしようものなら最後だと思え。

 

この男がどうなろうと俺には関係ない。ただ、こうして俺の陰に隠れてる彼女が取り返しのつかない事になるのだけは、絶対に避けたかった。

恐らく、この娘が救えないくらいの聖人君子だったらこのまま契約を続けるのだろうが、普通ならこのまま契約解除になるだろう。

 

これじゃ、あながち噂も間違ってないか。

 

では、悪役はクールに去ろう……、

 

 

「あ、あの……」

 

服を摘んでた彼女の指が離れたのを確認して、この場を離れようとしたが、今度は袖を摘まれた。

この娘、行動があざといというか、元から彼女の持ち技だったのではないかと疑うくらい様になってて可愛いんだよ。二回言うけど、可愛いんだよ!

 

 

「俺から言えるアドバイスがあるとするなら、君のトレーナーは君の本質を見抜けてない」

「えっ?」

「誰も寄せ付けない、誰にも抜かせない。さっき走ってた君からヒシヒシと感じてた」

「……っ!」

 

うーん、このなんだろう儚げな表情がたまらない。母性本能をくすぐられるというのか、母性を感じるというか、とにかく雰囲気がバッチリ好み過ぎる。

 

 

「君のトレーナーは差しを指示してたみたいだけど、君が最後の最後で全員を抜かすってイメージはどうしても湧かないな……やっぱ、最初から先頭にいるって方がイメージ出来る」

「──あなたなら」

「ん?」

 

ただなぁー、確かに好みなんだけども……ひとつだけ、そう、ほんとにひとつだけ残念なところがあるんだ……。

 

 

 

 

 

「お願いします。私のトレーナーさんになってくださいっ」

 

「あ、はい。よろしくお願いします……ん?ちょ、ちょっとまっ──」

 

「ふふっ、これからよろしくお願いしますね。トレーナーさん」

 

 

この娘……壁(B70)だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!




NTRタグ付けるべき……?
この作品は、貧乳派、巨乳派どちらも応援しております。
トレーナー君は巨乳派ですが、彼が乳を触ることは無いでしょう(死の宣告)
読者さんの応援次第でもしかしたらトレーナー君が乳を揉めるかも……!?

見切り発車ですが、感想とかいろいろ貰えるよう頑張ります!

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