一般転生者リヴァイ兄   作:極まった凡夫

5 / 9
楽しい(小並)

進撃の巨人のアニメを見ながら書いたので大幅に間違ったことはないはずです。

感想待ってます


850年(リヴァイ視点・アルミン視点)

リヴァイside

 

あの日から俺はあいつの行動を黙認するようになった。

あいつはエルヴィンからも遊撃部隊として認められ。

最近では調査兵団を守る奴のことを番犬と言う奴も出てきたらしい。

 

ある日の壁外調査でのことだ。

簡易拠点で俺が補給している最中、あいつが珍しく何かを主張してきた。

いつもは誰かに感謝されているか、馬と遊んでいるあいつが俺にしきりに何かを伝えようとしている。

なんだ?何を伝えようとしている?

こんなこと今までにほとんどなかった。

 

「おいどうしたんだ、ケイン」

 

俺が聞いてみる。

するとあいつは身振り手振りである方角を示す。

あの方角は確か………

 

「壁………?おいどういうことだ」

 

俺が怪訝に思い聞き返すも既にあいつは俺の前から消えていた

あいつは何を伝えたかったんだ…?

少し疑問におもったがまぁ、変な形の雲でも見たんだろう。

俺はそう思うことにした。

それから少しして壁外調査を再開する。が、巨人の様子がどこかおかしい。

なんだ?巨人達がまるでどこかに行こうと…そうまるで壁を目指しているような。そんな気がする。

ケインのこともあって少し過敏になっているのか?

しかし、あいつの態度も妙だったこともあり、俺はエルヴィンに念の為伝える

 

「おい、エルヴィン!巨人の様子がなにかおかしい。それにケインも何か感じているみてぇだ」

 

そういうとエルヴィンはすぐに納得した顔をして皆に指示を出す

どうやらエルヴィンも違和感を感じていたようだ。

 

「そうかリヴァイ、お前もか。私も少し違和感を感じていたところだ。何があったのかまだ分からないがここは帰還したほうがいいかもしれないな。」

 

総員!撤退!

 

そう言って俺たちは帰還した。

まだそこまで進んでいないが死者はまだ出ていない、大事を気遣って早く切り上げる。

結果的に俺達の判断は正解だった。

 

 

壁内に戻ると衝撃の事実が伝えられた。

ウォール・マリアが突破されたということらしい。

ーーケインが伝えたかったのはこの事か…!

その後数ヶ月、俺達調査兵団も各地に奔走するはめになった。なんせ100年も続いた平和が崩れたんだ。

急増する壁内の人口。失業者で溢れかえる避難所。

それはもうてんやわんやだ。

 

ーーあいつはこの危機を察知していたのか?

 

俺の中で一つの疑問が浮かぶ。

クソっ!ならもっと強く主張しろ…!なんで途中で諦めた…!

しかし、こうも思う。

ーー主張したところで何が出来るって話だ…

100年に1度の大災害みたいなもんだ。

俺たちが少し早く動いたところで何もできなかっただろう。

 

それにしても…

リヴァイの中である不安が募る。

ーー超大型の巨人に内門を破った鎧の巨人か。

通常種と違いケインを殺しうる巨人。

あいつは通常種が何体いようとそう簡単に死ぬようなタマじゃねぇが。

壁外でばったりなんてことになれば万が一ということも考えられる。

ーー今は祈るしかねぇか……

そう思うリヴァイだった。

 

 

王政がどうやら壁の中に増えすぎた人口を間引くらしい。

何がウォールマリア奪還作戦だ…体のいい口減らしに過ぎないだろうに。

「チッ胸糞悪ぃな……」

しかし、壁内の人口を養えるほど食料がない。

8割の人間を生かすためには2割の人間を殺すしかない、理屈では分かっているがやはり気持ちのいいものでは無い。

 

ケインがウォールマリア奪還作戦の全権をことを聞いてエルヴィンの元に行こうとしたが止めた。

俺たちにどうこうできる問題じゃねぇ…

懇切丁寧に教えてやるとあいつも渋々引き下がってくれた。本当に理解出来たのかは分からんが…そんなことよりも超大型巨人や鎧の巨人が出た今、第一に自分の命を大事にしろバカ。

 

 

〜壁が壊れてから5年。

あの日から何か変わったかと言うとそうでもなく。

変わらず壁外調査を続けている。

多少住民からの圧が減ったがそれぐらいだ。

今までの調査兵団が築き上げて来た補給拠点など、全てが使い物にならなくなったが俺のやることは変わらねぇ。巨人のうなじを削ぎ落とすだけだ。

 

 

その日はバカみてぇに晴れた日だった。

いつもと同じ作業をいつもみてぇに行う。補給拠点を作っているとあいつがまた騒ぎ出した。

ーー5年前と同じだ。

まだ巨人に異常は見られない。

が、今回は間違えねぇ…

俺はケインにすぐさま指示を出す。

 

「ケイン、お前は何かやることがあるんだろう…お前の判断に任せる。俺はエルヴィンに報告する」

 

「………(こく)」

 

するとケインが急いで壁の方に馬を走らせて行く。

やはりか…また壁が破られたのかもしれねぇな。

嫌な想像をしつつ急いでエルヴィンの元に向かう。

エルヴィンは馬に餌をやっていた。

 

「おいエルヴィン。また壁が壊されたかもしれねぇ」

 

「なに?それは本当か」

 

エルヴィンが作業を止め、俺の話に耳を傾ける。

 

「あぁ、ケインのやつが騒がしい。5年前と同じだ。」

 

「そうか……確か彼は5年前もそうだったのだったな。」

 

何も根拠のないこの話。しかし俺はケインを信じている。ならばあとはエルヴィンの判断に任せるしかないだろう

 

「やはり彼には何かあるのかもしれんな」

 

エルヴィンは少し考え混むとすぐさま指示をだす

 

「総員!撤退!壁がまた壊されたかもしれない!至急帰還する!」

 

エルヴィンは俺とケインを信用してくれた。

俺達が移動するには時間がかかる。

ケイン…何をするのかは知らんが…任せたぞ。

 

 

アルミンside

 

ーー僕は何がなんでも説得しなきゃならない、だって…ミカサとエレンに約束をしたから…!こんな僕でも友達のために出来ることがあるのなら…そんなの今しかない!

 

それは僕が必死で駐屯兵団にエレンの助命を嘆願している時だった。

 

僕の話を少しでも聞いてエレンが人類の希望だと分かってくれればいい。そう思っていた。

 

しかし

 

「迎撃体制をとれ!奴らの巧妙な罠に惑わされるな!奴らの行動は常に我々の想像を超える!人間に化け!人間の言葉をろうし!我々のことを欺くことも可能というわけだ!これ以上奴らの好きにさせてはならない!」

 

駐屯兵団団長キッツ・ヴェールマンがそう叫ぶ

 

ーダメだ…考えることを放棄してる………考えることが怖いんだ。

 

エレン…!ミカサ…!

僕は咄嗟に2人を見る。

しかし、2人はまだ僕を信用してくれていた。

こんな状況でもまだ僕が説得できると信じてくれていた。

 

ーー2人がまだ諦めてないんだ!なら僕が諦めてどうする!

 

僕は気合いを入れ直す。

 

渾身の敬礼して叫ぶ。もう理屈に訴えるのはやめだ。

後は覚悟を見せるのみ。大事なのは死ぬ覚悟だ…!

 

「私はとうに!人類復興のために心臓を捧げると誓った兵士!!その信念に従った末に命が果てるのなら本望!!彼の持つ力と残存する兵力が組み合わされば、この街の奪還も不可能ではありません!!人類の栄光を願い!これから死にゆく全てのこれから死にゆくせめてもの間に!彼の戦術価値をときます!!!!」

 

 

しかし、無常にもヴェールマン団長が手をあげ砲撃許可を送ろうとする。

 

ーーああ…やっぱり、僕じゃダメだったよ……ごめん、エレン、ミカサ…!

 

砲撃がくると身構えたその時だった。

突如駐屯兵団の後ろから叫び声が聞こえてくる。

 

「ゥォオオオ゙オ゙オ゙オ!!!!!!

 

「な、なんだ!?」

「巨人か!?」

 

僕達に銃を向けていた駐屯兵団の兵士達は音の発生源に銃を向ける

ヴェールマン団長も一時意識をそちらに向ける。

 

ーーた、助かった?

 

しかし僕も混乱する。

 

ーー何がどうなってるんだ……?

 

場が急に動く中で

その人は。皆の注目を集めるその人は近くの民家の屋根に堂々と立っていた。

いつの間にそんなところにいたのだろう?

そんな疑問が一瞬頭をよぎる

しかし、そんなことよりも彼の格好の方がもっと衝撃だった。

 

屋根の上にいるその男は。なんと自由の翼を背負っていたのだ。

 

「調査兵団だと!?」

 

ヴェールマン団長が叫ぶ。

 

「何故だ!?何故調査兵団が我々の邪魔をする!?」

 

しかし彼は何も答えない。

いや、違う。そうじゃない。

 

ーー答えられないんだ

 

僕は彼を知っている。昔、シガンシナ区でいつも調査兵団の凱旋を見ていた時。エレン達と何度も見たことがある。

僕の脳裏に彼のプロフィールが浮かび上がる。

調査兵団の番犬。

人類の双剣と呼ばれ、リヴァイ兵士長と対になる存在。

彼一人のおかげで調査兵団の生存率が上がったのはあまりにも有名な話だ。

 

ーーケイン兵士長補佐官…!!

 

そう、それが彼だ。

その名前の知名度に反して世に出ている情報は限りなく少なく。ただその戦闘力の高さだけが噂を呼ぶ存在。

いつも陰が薄いためその容姿は不思議と世間に広がっていない。

そしてそんな彼の一つの特徴と言えば彼は喋らないことだろう。同じ調査兵団員の中でも彼が喋っている所をみたことのある人間は殆ど居ないという。

一説によれば巨大樹の森で野生から保護されたので人類の言葉が分からないと言われているが本当かどうか分からない。

 

長身の黒髪。目元まで隠れた前髪で隠されたその貌はしかし、目の威圧感だけは隠し通せていない。

 

ヴェールマン団長は何も答えない彼にさらに詰め寄る

 

「なんだ!何か答えたらどうだ!まさか貴様もその巨人を庇う反逆者ということか!?」

 

ーーヴェールマン団長は彼がケイン兵士長補佐官だと分からないのか…!?まずい、僕達のせいで人類の一大戦力を削ぐわけにいかない!

 

「3秒以内に答えないのであれば、さきほどの威嚇を我々への攻撃とみなし、即刻貴様を殺す!」

 

ヴェールマン団長が手を振り上げる。

 

「ちょっと待「よさんか……相変わらず図体の割に子鹿のよう繊細な男じゃ」

 

僕が制止の声をかけようとする。

 

すると後ろからヴェールマン団長の手を止める老人が現れた。

 

「ピクシス司令!?」

 

ーーピクシス司令!?

 

「お前には彼の行動の意味が分からんのか。彼はこの若き訓練兵達はまだ殺すべき存在ではないと言っておるのじゃよ。」

 

ドット・ピクシス。

壁内南側、人類の最重要区防衛の全権を託された人物。

 

「お前にはあの者の見事な敬礼が見えんのか、今着いたところだが状況は早馬で伝わっておる。お前は増援の指揮につけ」

 

そして、美人の巨人になら食い殺されてもいいと明言する生来の変人。

 

「儂は、あの者らの話を聞いた方がいいと思っておる。彼のようにな」

 

そんな人に、僕達は助けられたのだ。

 

 

僕達はその後、壁の上でピクシス司令と話をし。

エレンの力を使って壁の大穴を塞ぐという僕の作戦を説明した。

 

「そうか。アルレルト訓練兵…よく分かった。」

 

ピクシス司令はエレンを見る

 

「どうじゃ、イェーガー訓練兵」

 

そう言いながらエレンの前にしゃがむピクシス司令

 

「お主は穴を塞ぐことが出来るか?」

 

そうエレンに聞く。

しかし、エレンは言い淀む。

 

「現状、今の自分に分かることはここにいるみんなとあまり変わりありません。

…ので、自分は出来るか出来ないかに関わらず無責任に答える訳には…」

 

当たり前だろう。人類の存亡が自分にかかっているとなればそう簡単に出来るとは言い出せない。

するとピクシス司令は質問を変える。

 

「おぉ質問を間違えてしまった……」

 

声に真剣味が帯びる

 

「お主はやるのか。やらんのか。どっちだ?」

 

そこに込められた気迫に僕は息を飲む。

これが人類最重要防衛区の全権を任された男。その一端を垣間見た気がした。

ピクシス司令が後ろのトロスト区を見る。まるで君がやらなければこの街の平穏は二度と戻らんと言わんばかりに。

すると、エレンが覚悟を決めたように言う。

 

「やります…!穴を塞げるかどうか分かりません…!でも、やります!!」

 

それに嬉しそうに笑ったピクシス司令は僕たちの後ろに控えるケイン兵士長補佐官にも質問を投げかける。

 

「だそうだ……協力してくれるな、ケイン兵士長補佐官」

 

その時、僕は安易に彼を見てしまったことを少し後悔した。

 

ピクシス司令に尋ねられたケイン兵士長補佐官の顔を、僕は一生忘れることはできないだろう。

 

瞳孔は見開き、口角を高く上げ、歯は剥き出しになり、吐く息は熱を持ったように白い。

 

今から起こることが楽しくて楽しくて仕方ないという表情。

その表情を僕は理解できなかった。

 

ーーなんでこの人は……笑っていられるんだ

 

仲間が死んで巨人と戦うということがどういうことか分かった僕にとっては、その表情は今からやることに対してあまりにも不釣り合いだと思った。

それに今から行う作戦は出来るか出来ないかも分からない大博打。

それに命を賭けろと言われているのに。

この人は笑っている。

 

「ッ!!」

横にいるミカサも息を飲む。

そう、それは

 

まるでその表情は……戦闘を、命を賭けたこの遊びを。

心の底から楽しみにしているような。

そんな狂った表情。

 

狂人。脳裏に過ぎるその言葉。

 

でなければやはり巷で言われているようにこう言うべきなのだろう

 

ーーーー獣

 

僕はその日、ケイン・アッカーマンという人物の本当の姿を見た気がした。

 

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