一般転生者リヴァイ兄   作:極まった凡夫

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今回はジャン視点です、次ぐらいから話が進みます。
皆さんはブレードと言いますか?刃(やいば)って言いますか?
何となく今回は刃にしました。深い意味はないです。
反応が良ければ呼び方をどちらかに統一します

作者へのQ&A

Q.書き溜めとかしてるんですか?
A.ないです。書いたものを気分で投稿しています。

Q.書くことは事前に決めてあるんですか?プロットなどは決めてるんでしょうか?
A.ないです。勘で適当に書いているのでプロット等もすべてないです、直書きです。

だからいつ終わってもいいように短編なんですね(呆れ)


幕間:ジャンの憂鬱

ジャンside

 

「なんとか…なんのかよ…」

 

ウォールローゼ奪還作戦。

エレンの巨人化、大岩の移動など不確定要素に任せ切りのクソみたいな作戦。

俺はその作戦中に立体機動装置が故障し、トロスト区の民家の中に隠れていた。

 

ーーなんでだよ…!明日には内地に行けたってのに…

 

この世界の不条理さに俺は内心愚痴を零す。

外を見るとまだ俺を追ってきた巨人が目の前を歩いている

 

ーーどうしろってんだ

 

しかし、ここで俺はあるものを見つける。

俺が隠れている民家の前に死んだ兵士がいた。それもご丁寧に立体機動装置は見た限りでは壊れていない。

 

ーーどうする?壁の中に巨人がいなくなるまで待つか?それとも危険を承知であの立体機動装置を取りに行くか?

 

「そんなの……決まってんだろ」

 

覚悟を決める。

俺は巨人がいなくなったのを見て外に飛び出す。

 

「巨人がいなくなるまで待つことなんて出来る訳ねぇ!」

 

ーーそうだ。この作戦が成功する保証なんてどこにもない。巨人がいなくなるのを待つ…?んなこと出来るわけねぇだろ!

 

俺が着けていた立体機動装置は道に捨て、誰かも分からない死体が着けていた立体機動装置を回収しようとする。しかし。

 

「クソっ!なんなんだよ!巫山戯んなよ!!こんな時に!!」

 

どこかが絡まっているのかなかなか身体から離れない立体機動装置。

 

ゴゥン……ゴゥン……

 

後ろから足音が迫ってくる。

俺は焦る

 

ーーはやくしろ、はやくしろ!

 

「ジャン!落ち着け!」

 

焦って頭に血が登った俺にマルコが話しかけてくる

 

「マルコ!?何やってんだ!?」

 

ーーどうしてここにいるんだ…!?逃げた筈じゃ…!?

どうやら俺を助けるために巨人を引き付けてくれるようだ

 

「ラァッ……!!」

 

やっと立体機動装置が外れる。

俺はすぐにそれを体に装着し一刻も早く壁に急ぐ。

すると目の前に巨人が現れる。

 

俺は立体機動装置を使って飛び越えようとする。

 

「ッ!!アッ………!?」

 

しかしまたもや俺に不幸が起きる。

 

ーー今日はとことんついてねぇ!

 

「ちくしょう!どうしてトリガーがこんなに硬てぇんだ…!!」

 

呆然とする俺に巨人が迫る。

俺の体は動かない。

そんな俺にコニーが助けに入ろうとする。

 

「ジャァァン!!」

 

その時だった。

 

「ン゙ゥッ!!!」

 

急に何かが横切ったかと思うと巨人が殺される。

 

ーー何が起こったんだ…?

 

混乱する俺。

どうやら俺を助けようとしたコニーも混乱しているらしい。

そこに居たのは自由の翼を背負った兵士。

ケイン兵士長補佐官だった。

 

「ジャン!後ろだ!」

 

マルコの声が聞こえてくる。

しかし、俺が振り向くよりも早く彼が動く

 

「ンン゙ッ!!」

 

強烈な脚力で俺の横を跳んでいくケイン兵士長補佐官。

ズドォン………振り向くと俺の脇に巨人が落ちてくる。

どうやら俺に飛びかかった巨人をケイン兵士長補佐官が空中で殺したようだ。

 

「すげぇ……」

 

俺は柄にもなく感嘆してしまう。

こんなにもあっさりと巨人を殺してしまう。

 

ーーこれが調査兵団なのか…

 

巨人を殺したケイン兵士長補佐官が地面に降り立つ。

するとお礼を言う暇もなくケイン兵士長補佐官がどこかに行ってしまった。

 

「なんだったんだ…あの人」

 

「無事か!ジャン!」

「大丈夫だったか!ジャン!」

コニーとマルコも俺の元に来る。アニも遅れて合流する。どうやら一応助けようとはしていたらしい。あの人のせいで出番はなかったようだが

…。

 

ーーマルコがいるということは、マルコを追いかけた巨人もあの一瞬で殺したのか…

 

「あ、ああ。俺は平気だ」

 

「良かった……ならすぐに壁に登ろう!」

 

マルコに促され俺は壁に登ろうと立体機動装置のトリガーに指をかける。さっきは失敗したが、トリガーが固いことを知っていれば何とか使えるだろう。

 

するとケイン兵士長補佐官が俺たちの前に戻ってくる。

その手に抱えるのは先程俺が道に捨てた立体機動装置だ。

 

ーーというかなんでこの人は刃を2本口に加えてるんだ?

 

奇妙なことをする彼に俺は興味を持つが、彼が俺たちに話しかけてくることでそれも消える。

 

「ン゙ン??」

 

ケイン兵士長補佐官が俺の立体機動装置を差し出しながらなにか聞いてくる。

 

ーーな、なんだ?

 

俺は意味が分からずケイン兵士長補佐官に聞き返す。

 

「ケイン兵士長補佐官。それはどういう?」

 

すると見かねたマルコが俺に言う。

 

「きっとケイン兵士長補佐官はジャンの立体機動装置を貰ってもいいか聞いてるんだよ」

 

「ヴン゙!!ヴン゙!!」

 

それを聞いてケイン兵士長補佐官が凄い頷く。

なんで分かるんだマルコ…

 

「え、あ、まぁ、大丈夫ですけど…」

 

ーーそんな壊れた立体機動装置を何に使うんだ?

 

俺が許可を出すとケイン兵士長補佐官は自身の立体機動装置にガスを補充する。

俺はそれでやっと納得がいった。なるほどガスを補充したかったのか。

しかしケイン兵士長補佐官の行動はこれだけではなかった。

次の行動に俺は目を疑う。

なんと俺がまだ使っていない刃を全て口に咥え出したのだ。

 

「ちょ、ちょっと、そんなに咥えて立体機動装置なんて出来るはずはないじゃないですか…って」

 

そう言った時、俺は気づいた

 

ーーこの人の、刃がまだ一本も消費されてない…?

 

そう、彼の立体機動装置に備え付けの刃を入れる箱は満タンだった。

ジャンの明晰な頭脳はこれがどういうことかを瞬時に導き出す。

 

ーーこの人は、今までも刃を咥えながら戦っていたのか!?

 

つまりジャンが見た彼が咥えている2本の刃は余りと言うこと。それまでにもこうして十数本の刃を咥えながら戦っていたのだ。

 

ーーそんなこと、人間にできるのか….?

俺はこの人が人間か分からなくなってくる。

 

すべての刃を咥え終え、ケイン兵士長補佐官はその場を立ち去る。

 

「ジャン、僕達は壁に戻ろう、ここにいても危険なだけだ」

 

考え込む俺にマルコがそう言ってくる。

 

「お、おう!」

 

俺はどもりながらもそれに答えた。

 

 

俺たちはなんとか壁に戻る。

ケイン兵士長補佐官はまた巨人と戦っているのだろうか。

 

「それにしてもすげぇ人だったよな…」

 

コニーがそんなことを言う。

 

「なんつうか…こう……俺バカだから言葉に出来ないけどよ。ほら、あの人の雰囲気っていうのか?立ち振る舞い?って言うのかまぁなんでもいいけどよ、ありゃあ」

 

ーー獣みてぇだったよな

 

今回ばかりはコニーの言葉を否定出来ない。現にいつも人をバカにするアニすら口をつぐんでいる。

 

そんな会話をしていると、俺たちの耳に轟音が聞こえてくる。

 

ゴォン……ゴォン……

 

ーーなんだあれは……

 

上から見る俺達には大岩がひとりでに動いているように見える。

 

「いや、違う………あれは………」

 

俺が大岩の正体を言おうとするとアルミンの声が響く。

 

「ミカサァ!エレンが勝ったんだ!今、自分の責任を果たそうとしている…あとはエレンを扉まで援護すれば、僕らの勝ちだ!」

 

やはりどうやら動かなかった死に急ぎ野郎が動いたらしい。

イアン班長が指示を出している。

それを聞いて駐屯兵団の兵士達が自分の身体を使ってエレンに近寄る巨人を呼び寄せようとする。

 

ーーこうしちゃいられねぇ!

 

「俺たちも援護するぞ!」

 

そう言って壁を降りる。

 

しかし。

 

……ドスン

 

穴の近くにいた巨人の一体が倒れる。それもただうなじを削がれただけではなく全身から血を流して。

 

……ドスン

 

また一体、巨人が崩れ落ちる。あれは最初にエレンを援護しようと身体を張ったミタビ班を迫っていた巨人だ。

 

ーー何が起きてるんだ…?

 

よくよく見ると超高速で巨人の群れの中で緑のマントが見える。

 

「ケイン兵士長補佐官……!?」

 

どうやらケイン兵士長補佐官が巨人の群れの中で戦っているらしい。

 

ーー無茶だ、あの数の巨人をひとりでなんて……!

 

しかし、俺の脳裏に先程のケイン兵士長補佐官の戦いが浮かぶ。

もしかしたら…彼なら…そう思う。

 

ーーしかし、なんでケイン兵士長補佐官はあんなにガスを吹かしているんだ?それに戦い方もおかしい。まるで巨人を痛めつけるように殺している?あんなんじゃ刃がすぐに使い物にならなくなるというのに…

 

それにしても凄い速さだ。俺には目で追うのもやっとと言ったところだ。

 

すると、ケイン兵士長補佐官が一旦離れボロボロになった刃と口の中の刃を交換する。

そして再び始まる殺戮。

 

「あんなのが調査兵団にはゴロゴロいんのか…?」

 

屋根の上から彼の戦いを見る俺の口から言葉が漏れる。

それに続いて言葉を零すマルコ

 

「獣……いや、あれは」

 

次の言葉はアニから放たれる。

 

「悪魔だ……」

 

アニにしては珍しく震えた声だったので俺はアニを横目で見る。

そして俺は心底驚愕した。

俺が目にしたのは、顔は青ざめ、体はガクガクと震えているアニの姿だったからだ。

 

ーーこんなアニは初めて見る。そんなにあの人が怖いのか…?

 

「ど、どうしたんだアニ!大丈夫か!」

 

それを見てアニを気遣うマルコ。

しかし、アニの震えはおさまらない。

 

「触んないで…!」

 

アニがまるで逃げるようにマルコを遠ざける

一体どうしたって言うんだ…アニ。

 

 

sideアニ

 

「悪魔だ……」

 

ケインとか言う調査兵団の兵士を見て私は確信する。

 

ーーやっぱりこいつらは悪魔の末裔だったんだ…!

 

それにしてもあんな奴がいるなんて聞いてない。

あんな…悪魔みたいな奴がいるなんて

あれじゃあ私の巨人でも勝てるかどうか。

 

どうする…私はお父さんの元に必ず帰る。

そのためにはエレンと接触しなければならない。

でも一体どうやって…?

頭の中がぐしゃぐしゃになる。

 

ーー舐めていた…所詮は一体の巨人に10人もいなければ勝てない弱者だと思っていた…!まさかあんな化け物がいるなんて…

 

エレンはこれからきっと国に軟禁されるだろう。

その時は護衛に奴がつくかもしれない。そうなればエレンを生きて連れ帰るのは不可能。どうにかして先にエレンの情報を仕入れることが出来る立場にいなければ…

幸い私は上位10名で憲兵団になれる。

あんな怪物、ずっと手元に置いておくなんて多分しない。

解剖か、それとも……

男二人は調査兵団に送ろう。憲兵団に入るのは私1人で十分だ。

 

どうなるかは分からない。けど

 

ーーやるしかない

 

 

 

 

 

 

 

 

 




マルコは死にません、生かします。
ジャンが何故調査兵団に入るかはまぁ……まぁ……(目逸らし)
何とかします。

ソニーとビーンは憲兵団に処理してもらうことにします。
現王政は万が一にも巨人の謎に迫ってほしくないので展開的には問題はないと思われます。

それじゃあアルミンがアニに勘づくイベントもなくなるやん!と思ったそこのあなた。
大正解です(白目)
ア゛ア゙〜〜なんかの拍子にアルミン気づいてくれないかなぁ(チラッチラッ)
マルコと協力すれば何とか行けそうな気もしないでもないので頑張って貰います。

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