誤字脱字、文脈や文章の切り方
セリフで連続進行しがち
オリジナルトレーナーの登場
時間軸や年代がおかしいことの容認
アニメ2期後の天皇賞春のお話
「トレーナー」(男性)163cm
・アニメトレーナーと共同でスピカを見てる
「ラーメン一郎のマスター」
・ザ、地元のラーメン屋のおっちゃん
・元気マシマシ!腹のデカさマシマシ!
・宝塚記念にゴルシを応援した被害者
前述のトレーナーです。pixivでご覧の方々はお久しゅう。
今回も俺がナレーションとセリフを兼任してやりますのでよろしくお願いします!
「お?お?どしたどした?」
「うるさいゴルシ」
「やってきたぜ!みんな大好き一郎ラーメン総本店!トレーナー早く来いよ!」
今日のゴルシはやけに機嫌がいい。彼女の調子はオフにマグロを釣りに行った時よりも高いいわゆるスーパーハイテンション状態か。
それに対して、トレーナーである俺のテンションは普通へ急降下している。
「おかしい…行列スルーは絶対おかしい」
「そりゃおめーゴルシちゃんの隠れた特殊能力が発動したからだ。気にするな」
「お前、ホントになんなん?」
「神様仏様不沈艦様ですわ!(美声)」
「うん。わけわからん。誰の真似だよ」
「マックイーン」
「絶対そんなこと言わねぇ」
マックイーンの繋靭帯炎が完治し、春の天皇賞に出走した日。マックイーンの復活祝いなどと理由をつけてゴルシことゴールドシップに連れて行かれたのがそのラーメン店。
『ラーメン一郎』である
なんでもそこのマスターとゴルシが仲良しらしく、およそ15バ身程並ぶ行列を見事にスルーして店内へと入っていった。
「おっす!マスター生きてるかー?生きてたらいつものヤツと不沈艦全マシ1杯くれー」
「不沈艦?てか全マシって言った!?」
「おー!ゴールドシップ!早く金返せー」
「んん!?」
「わかってるってぇ。ゴルシちゃんの圧倒的集金力ですぐに返すからよ!」
「おう!さ、早く座んな」
はい、ついていけてないです。
しかしだ。予約もしてないのに行列をスルーして座るのおかしいでしょ!?
マスターとの会話に金返せが入ってるし、そもそも行列の人達はゴルシをどんどん先に行かそうとしてたし!
「おーいトレーナー?生きてるか?」
「いま、少しだけ狂乱のエデンが見えた」
「マジで!?今度アタシにも見せてくれ!」
「ああ…」
ゴルシの説明によると、宝塚記念のあとから通い始め、今ではここの常連らしい。そしてこのマスターは例の宝塚120億円事件の被害者らしく、ゴルシに対して金返せと口癖のように言っているそう。
…本気で言ってないらしいが。
「ゴルシ、お前いくら返すつもりだよ」
「んーざっと1億くれぇ?」
「マジ?」
これが冗談と笑えないのがゴールドシップの恐ろしい所だ。あの宝塚記念からの彼女の勝率はこのところ7割。しかも右肩上がり。
真面目な表情のゴルシに呆れていると、少し余裕ができたのか、マスターが忙しなく手を動かしながらこちらに声をかけてきた。
「なぁゴルシのトレーナーさん。ここにくる人たちはみんなゴルシちゃんの大ファンかつ宝塚の被害者なんだ!歓迎するぜ!」
「どうもです…宝塚はホントすみません」
「ゴルシちゃんもあれは焦ったぜー」
「ま、ホントは食べに来てくれるだけでよかったんだが本人は金返すと聞かなくてよ」
「それであの後から真面目になったのか」
「はぁ?アタシはいつも真面目だろ!」
「はいはい」
「よし!お待たせ!先にトレーナーの兄ちゃんの『一郎ラーメン不沈艦盛り全マシ』な」
ゴト。とカウンターに置かれたどんぶりを見て、人生で初めて食事で目を丸くした。
麺は2玉程度だが、上に煮卵3つと見るからに柔らかそうなチャーシューが3枚。そして軽く炒めてあるキャベツともやしが定食何人前かわからないほど高く積み上げられていて、その上に『カロリー』と書かれているようなアブラがたっぷりとかけられていた。
「うん…ツッコミ所が多いが、マスター。まず不沈艦盛ってどういうこと?」
「それはゴルシちゃん考案の盛り方でな!働き盛りに向けた超パワフルラーメンだ!」
「ってことはニンニクも…」
「たっぷり入ってるぜ?」
「・・・oh」
これから人と会うんだけどなぁ…と泣き顔で箸を割ると、隣のゴルシが騒ぎ出す
「さぁ!トレーナー!パパっと天地返し行ってみよー!」
「…なにそれ」
「…は?」ガタッ
その瞬間、ゴルシが急に立ち上がり、こちらの箸とどんぶりを強奪した。
「これはなぁ?下の麺を持ち上げて…」
その手つきは常連らしく手慣れている
「麺と野菜をひっくり返して…」
「ほうほう」
「上のアブラと野菜をスープに混ぜたらオッケー。ほら食ってみ?」
恐る恐る、そのアブラで光る太い麺をすする
「うわっ……旨い」
「だろぉ?」
「見るからに高カロリーだが、うん。普通の豚骨ラーメン食うより良いかも」ムシャムシャ
「だろだろぉ?不沈艦盛は麺は固めで野菜がマシマシがオススメなんだぜ!」
「地味な健康主義だな」ズルズル
「全国の働き盛りの皆様、どうぞご賞味くださいまし(美声)」
ゴルシがいつも通りふざけ始めた時、意外な人…ウマ娘が入ってきた
「おやおや、ゴールドシップ君とトレーナー君じゃないか」
「「アグネスタキオン!?」」
「これは奇遇奇遇」
アグネスタキオンはトレーナーもといモルモット君と付き合っていることが最近になって判明した話題のウマ娘。
彼女はトレーナーに会うまで「食べられそうなもの」をスムージーにして飲んでたらしく、それを見たモルモット君が弁当を作るようになった。と言うのが馴れ初めらしい。
「お前、旦那の弁当はどうしたんだ?」
「だっ!?まだ結婚はしてないさ」
「そうだったのか」ズルズル
「ゴールドシップ。今度実験室へおいで」
「ははは…ヒェッ」
「じゃあなんでだ?」パクパク
「実は、『内臓の入れ替え実験』をモルモット君としていてねぇ」
「「・・・は?」」
「彼はここのラーメンが好きだと言っていたのだが…脂質、糖質共に現役のウマ娘にはあまりよろしくないのだよ」
「それなら2人で来ればよかったじゃんか」
「少しだけ貰うとかさ」
2人のもっともな意見にその場に賛成ムードが流れ、タキオンの顔が真っ赤に染まる
「ふっ2人でだと!?無理だ無理!」
「どして?」
「彼は、いぃ忙しいんだ!」
「今日はオフって言ってたぞ?」フ-フ-...パクッ
「…トレーナー君。今度実験室へおいで」
「ヒェッ」
「ともかく!私はラーメンが食べたい気分だったんだ!マスター!不沈艦盛りマシだ!」
「あいよ…って君、もしかして桜バッチの兄ちゃんが担当しているウマ娘さんかい?」
「ああ。そういえば付けていたような…」
タキオンのトレーナー(モルモット君)はスーツを普段着のように着ている人で、胸に桜のバッチを付けていて、仲の良い友人やウマ娘からは『さくら君』と呼ばれている
(尚、身長182cmの爽やかイケメンだが)
それをタキオンが肯定すると一郎のマスターは嬉しそうな顔をした
「おー!君が噂のタキオンちゃんか〜!最近は彼からの惚気話ばっっかで口ん中が甘々だったんだよ。やっと来てくれたねー」
「なっ!?」
「今回はいくらかサービスするよ!さぁ座った座った!」
タキオンには刺激が強めのボケだったのか、耳まで真っ赤にしながらゴールドシップの隣の席に座った
「タキオン。愛されてんな」ズズッ
「ッ〜!!うるさい」
「ねーマスター!まだかよー」
「はいはい。ほら、「ゴルシ飯」」
「来たー!!うっほほーい!」
マスターが運んできたのは"そばめし"
だが赤い。とにかく赤い。
そしてラーメン食わないんかい。
「随分と辛そうだなおい」
「トレーナー君。これは人参由来の発色だ」
「なんでわかるんだよ」
「人参と唐辛子の判別など造作もない」
「ああ。ニンジンを練り込んだ麺と人参のスープで炊いたご飯で作ったそばめしだ。ゴルシちゃんはいつもこれなんだよ」
「…初めて知った」
「そりゃオメー、教えてないからな」
「あー。そうだお前は変なやつ ゴールドシップだったな!!」
「おう!いっただっきまーす!!」
美味しいーと騒ぐゴルシを嬉しそうに見つめるのはマスターとこの店にいる全員だった。お前どんだけ愛されてんの??
***
「さ、タキオンちゃんの不沈艦盛りだよ」
「う〜ん。普段の私の内臓では、この量の脂質に太刀打ちできなかっただろう」
彼女の言う通りだ。ウマ娘は人と同じ雑食だが、大抵の子が肉類より野菜…特に人参を好んで食す。それ故か、内臓が動物性の脂に弱く、お腹を下しやすいのだ。後、太りやすい
「あ、その実験ってどんなやつなんだ?」
ゴルシがふと思い出したかのようにタキオンに問いかける。
「モルモット君と私の内臓を一時的に入れ替える薬を作ったのさ!」
「そうか!…色々聞かないようにする」
「ああ。その副作用と言うべきか。入れ替え先の味覚や好みも引き継いでしまってねぇ」
「だからラーメン食べたくなったのか」
「本当は日本酒を飲みたかったのだが…」
「あと数年待ちな」
結局のところ彼女は彼氏が好んでいるものを食べたかったが、自分と非常に相性が悪かったのでそれなら内臓と味覚を入れ替えて味わい尽くしてやろう!と考えたのか。
「さて、いただきます」ズル....!?
「どうだ?」
「き、君たちはこんなに罪深いものを常に食べているのかい!?」フ-フ-..ズズズッ!!
「めちゃくちゃ美味そうに食うな」
「うーんあの食べっぷり…やっぱ桜バッチの兄ちゃんそっくりだなぁ!」
「!?」ブフッ!...ドンドンドン!!
「おーい大丈夫か?水の飲め水」
「……ぷはぁ。マスター、今のは良くない」
「ははは!悪かった悪かった」
俺のどんぶりはもう空になったが、ゴルシやタキオンが本当に嬉しそうに、そして美味しそうに食べているのを見ることにした。
普段の食事でかかないであろう汗を滝のように流しながら麺をすするタキオン。
意外と猫舌なのか、そばめしを冷ましながらレンゲ一杯にすくって頬張るゴルシ。
そして、一郎のファンであり彼女たちのファンである彼らも美味そうに麺をすする。
少しの悪ふざけがあったりするが、フレンドリーで底抜けに明るいマスターを中心に良い空間ができている。
これを生み出したのがゴールドシップで、しかもあの宝塚記念だったのには驚いた。しかし、それでも尚『ゴルシだから』で片付くのは流石ゴルシとしか言えない。
「どしたどした?辛気臭くなって」
「うっせー。早く食え」
「アタシは味わって食べてんだよ!」
「猫舌なだけじゃないか?」
「はぁ!?」
「君たち、夫婦喧嘩は後でしたまえ」
「「なんだって!?」」
***
ゴルシが食べ終わったので代金を払おうとしたが、何故かタキオンの分まで払わされることとなった。そして、軽くなった財布と共にゴルシとぶらぶらと歩いていく。
「初心者にあんな量食わせるとか鬼かよ…」
「それでも頑張って完食したじゃんか」
「いろんなメニューあったから試そ」
「いいな!アタシも連れてけよ!」
「はいはい」
ニシシと笑うゴルシを見て、タキオンにからかわれたことを思い出す。
『夫婦喧嘩は後でしたまえ』
コイツは色々な所がデカイし、仲の良さと距離感は近いし、おまけに超絶美人だが…どうにも死ぬまで親友の方がしっくりくる。
まぁ、つまりはそういうことだ。
おーいとその当人が呼んでいるので、少しの腹ごなしとばかりに俺は彼女に駆け寄った。
『おまけ』
タキオンとモルモット君のその後
「ふぅ〜満足満足…君はどうだった?」
「野菜の奥深さを知れたよ!」
「それはそれは…うん。そうだな」
「タキオン。考え事かい?」
「いや、そうじゃない。…その…今度は、私たち2人で行かないかい?」
「!!……ああ!行こう!」
「さ。もうすぐ内臓が元に戻るだろう」
ギュインギュイン
「ほらきた…」
「「!?」」
「タキオン…食べたものって…」
「ああ…どうやら戻らないようだ…うぷ」
「野菜の水分でお腹が… あぁ」
「…肉の脂が…逆流しそうだ…うぅ」
内臓は戻ったが、その間に食べたものまでは入れ替わらなかったらしく、2人は仲良くお腹を壊したそうだ。