勝利を盗む者。 作:レスに咽び泣くリボー推し
実はこちらも最初にウマ娘の話を挟もうとしていたのですが、コレジャナイ感がすごくて前話同様に全削除しました。
追記
トウカイテイオーの鞍上に関しては、いろいろとあって変更となっています。理由については物語上で明かすつもりですが、それはともかく伝えるべきかな、と思い。ヒントはトウカイテイオーの最初の騎手が作者が一番好きな騎手であることと、とっつぁん又はショルメ又はクロウ枠。ただ、そうは言っても私事過ぎて納得行ってないので、もしかしたら戻すかもしれないです。ご了承ください。
追記2
書いておきながら、あまりにも私自身が納得できなかったのでアンケートを取ります。内容はトウカイテイオーの鞍上を元に戻すかどうか、です。ご協力ください。
・穣
天才。未来のレジェンド。
・保田
小倉の男っぽい経歴を持つ騎手。名前は誉之。安田隆行氏とは同じ名前の読みを持つ別人。
自分は順当に最優秀三歳牡馬に選出されることとなった。
朝日杯三歳ステークスを大差でレコード勝ちしたことが、自分が推された要因だろう。
栄誉に思うが、個人的には戦々恐々とした思いは拭えない。
何せ、こちとらほとんどズルしたようなもの。存在がインチキなので、自分のことだと思うと素直に喜べない。が、自分に関わる皆の功績が増えたと思えば気分も良い。
エドモンさんは変わらず、フランスでリーディング二位。だが、初めてのGⅠ勝利を遂げた今、今年の一位の座は自分のものだと勇んでいるらしい。
篠田さんは、あの後スターウォッチャー先輩とキングヴェルベルク先輩も重賞勝利を重ねて、我世の春が来たとでも言わんばかりに熱血に磨きがかかっている。
と、いろいろあった1990年、自分の三歳戦は終わりを告げた。
そして、一月。
白恵さんの牧場にて三週間ほどの放牧を終え、心身共にとてもリフレッシュした自分は、帰ってきて早々トレーニングに励んでいた。
なんでも篠田さん曰く、
「アルセーヌ号、次の弥生賞に向けて早速やっていくぞ!」
とのことで、GⅠを勝利したもののクラシック三冠路線には出られない外国産馬への逆風など関係無いと、弥生賞に挑むことが決まったらしい。
まあ、皐月賞、東京優駿、菊花賞という四歳、又は2000年以降の三歳牡馬の花道に出ることの出来ない自分としても、折角だから唯一出られる弥生賞くらいは出ておきたいと思っていたので。
これが若駒ステークスや若葉ステークスでなくてホッとしたのは内緒だ。
もしもそうなった場合、トウカイテイオーとぶつかることになり、彼、もしくは彼女の無敗二冠への道を閉ざしてしまうかもしれない。
思い上がりだとも思うが、やる以上は白恵さん、エドモンさん、篠田さん、その他大勢の期待に応えたい。
なので、たとえそうなったとしても本気でぶつかるつもりだった自分としては、そのまま弥生賞に進むことになって安堵しているというわけである。
トウカイテイオー以外の他の馬達の功績への配慮は取り敢えず置いておく。
自分だって果たさなければならない約束があるし、お肉にはなりたくないのである。と言っても、精肉加工への心配についてはもう大丈夫だと思うのだが。
「アルセーヌ、久しぶりだね」
『あ、レジェンド』
芝を走っていると、レジェンドタケユタカが現れた。
もしかしなくともそういうことだろう。
「今度の弥生賞は僕が乗ることになったから、よろしくね」
『どうも、よろしくお願いします』
「ははは、やっぱり君は賢いね」
降りた騎手の人に代わって、サッと自分に乗ったレジェンドさんとの言い得ぬ一体感のようなもの。エドモンさんが乗った時も似たような感じがある。先まで乗っていた人からは感じなかったものだ。
……やはり天才か……。
しかし、レジェンドに乗られるなんて恐れ多いと思っていたが、二回目ともなるとちょっとは慣れたようだ。
このままレジェンドが乗っていても胸を張れる名馬になりたいものである。
□
「……これは、手の打ちようが無いな」
「
歴史的レース、朝日杯三歳ステークス。男の目には、鮮やかに勝利を飾った一頭の姿が何度も刻まれていた。
テープの再生を止め、思わず零された男保田の一言に、やはりかという思いを抱きながら調教師の松本は続きを促す。
「距離に関してはまだ不明瞭なところが多いけど、マイル路線は確実に総ナメできるだろうし、この感じなら中長距離が本来の適性距離だと思う。彼が出てきたら、厳しくなる重賞はいくつもあるだろうね」
それは、自身も思っていたことそのままだ。
恐らく、クラシックディスタンスは無論、長距離だって射程圏内に入っているだろう。
ベテランである保田をしてその結論に至るのであれば、今頃、四歳馬を担うどの陣営も頭を抱えていることだろう。
その要因である去年度の最優秀三歳牡馬アルセーヌという馬は、それだけ強かった。
「となると、規制で参戦できない三冠路線はともかく、ジャパンカップ、有馬記念に関してはかなり厳しい戦いが強いられそうですね」
「ううん……そうだなぁ。ちょっと、海外の血と日本の血の差を見せ付けられたような気分だよ」
驚愕しっぱなしであった朝日杯三歳ステークスで実に驚くべきは、マルゼンスキーによって打ち立てられた絶対的な記録を破ったアルセーヌについてだけでなく、その二着に着いた同じく外国産馬のリンドレイザーのこともだろう。
リンドレイザーのタイムは1分34秒1。マルゼンスキーの記録をコンマ3秒上回っている。
これだって、十分に凄いことだ。
アルセーヌの偉業に埋もれたものの、リンドレイザーはその成績を認められて、現役馬としては異例という他ない九億円のシンジケートが組まれている。これに関しては、アルセーヌの馬主がその申し出を断ったこともあるのだが、それを差し引いても外国の血と日本の血の格差を証明するに事足りる。
正直な話、普通の馬では今年のクラシック戦線は生き残れない。
恐ろしい時代が到来したものだと、嘆きたくもなる。
けれども、その男は何一つ諦めてはいなかった。
「でもね、僕はこうも思うんだ」
「なんですか?」
保田という騎手は、今までGⅠ勝利こそないものの、ベテランの域に差し掛かり、その技術は並の騎手以上。
GⅠや重賞よりも小倉での競馬にこだわる姿勢こそ賛否両論あるものの、その実力は誰もが知るところ。
保田は、相手が怪盗の名を持つに相応しい活躍を見せる三歳王者であろうと、勝利を諦めるつもりは毛頭なく。
何よりも、保田には確固たる自信があった。
去年、以前から懇意にしていた目の前の調教師より託された一頭。
その一頭に、クラシック三冠の可能性を見た。
「───皇帝の息子は、盗人なんかに負けはしない。そう確信しています」
あの日本が誇る皇帝が遺した血は、疑う余地もない煌々と輝く一等星となって、これから四歳牡馬の王道へと歩を進めて往く。
トウカイテイオーは、アルセーヌより強い。
保田誉之はそれこそがただ一つだけの真理だと、そう確信していた。
アドバイスとかあれば是非。
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よろしくお願いします。
アルセーヌ
1988産
父サガス
父の父リュティエ
父の母セネカ
父の母の父シャパラル
母クラスアリュー(架空馬)
母の父トロイ
母の母エクラ(架空馬)
母の母の父リボー
主な勝ち鞍
・新馬戦 1990
・いちょうステークス 1990
・デイリー杯3歳ステークス 1990
・朝日杯3歳ステークス 1990
トウカイテイオー鞍上を史実通りに戻すべきか。
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戻す。
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戻さない。