夜明けと晴天   作:まみむ衛門

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じゅじゅさんぽ・もしまた日が昇ったら3

 未登録の呪力によって祓われても、札は赤く燃える。

 

 生徒の動向をおおむね追っているカラスカメラは、何も捉えていない。ついでにいうと、札が燃えたのと同時に、その半分からの反応が消えた。

 

 つまり、外部からの侵入者の可能性が高かった。

 

 東京校と言う場の責任者である夜蛾は天元の所へ、現場で戦力となる悟と歌姫と楽巌寺は生徒の方へ、上空からの状況把握が可能である冥冥はこの場に残って様々な報告をする。そう決まった。

 

「あ、あの、私は!?」

 

「成宮はここで待っていてくれ。冥冥から離れるなよ」

 

 咲来も慌てて何かしようとするが、歌姫になだめられる。

 

「――っ、分かりました……」

 

 居ても立っても居られない咲来は何か言い返そうとするが、意図するところは察していたので、悔しそうにしながらも、素直に引っ込んで椅子に座りなおす。

 

(私って、結局何もできないままなんだな……)

 

 悟たちが出払った後、咲来は椅子の上でしゃがみ、嘆息した。

 

 人助けが生きがいだが、弱いがゆえに、何もできない。

 

 みんなが心配だ。この広範囲にいる呪霊一気に影響を及ぼしたとなると、侵入者はかなりの手練れだろう。今流れている映像では、建物を越えるほどの巨大な木の根が暴れまわっていた。さらには妙な気配の≪帳≫が、じわじわと空から広がってきている。

 

 あれだけ大暴れしながらあのレベルの≪帳≫を張るのは不可能だ。つまり、咲来では到底及ばないレベルの侵入者が、最低でも二人いるということである。

 

 今もまだ、居ても立っても居られない。

 

 残弾を半分ほど使い、≪構築術式≫も吐き出して、そのあげく敗北した真依。意識はあるが、体力も呪力も残弾も心許ないだろう。

 

 肝心の刀を奪われた霞。今の彼女は、逃げ回るのが精いっぱいのはずだ。

 

 パンダに負けてボロボロのメカ丸。あれが本体と言うわけではないが、かなり高価なもののはずだし、その残骸を放置するというのは気が気でない。

 

 桃もまた、意識はあるしまだ余力はあるが、だいぶ消耗もしている。

 

 大丈夫そうだと言えるのは加茂と東堂ぐらいだが、今の映像を見るに、あの木の根は規模が大きすぎて、加茂では太刀打ちできなさそうだ。狗巻や恵と一緒に主戦場にいるらしく、心配である。

 

「ふむ、≪帳≫が降りきっているのに、カラスたちとの接続が途切れないな」

 

 冥冥が不思議そうにしている。とはいえ、驚いてはいない。咲来でもわかる程なのだから、1級術師らしい彼女は、あの≪帳≫が特殊なのは察していたのだろう。

 

「……外から呪術的に干渉できる≪帳≫、ですか? なんでわざわざそんなこと……」

 

「≪縛り≫だろうね。一部効果を弱める代わりに、何か強化されてる部分もあるんだろう」

 

「≪帳≫って、そんなことまでできるんですか?」

 

「相当の手練れじゃないと無理だけどね。将来補助監督になるなら≪帳≫張るのも仕事だろうし、捕まえたらやり方聞いておくといいだろう。なんなら、お嬢ちゃんも拷問に参加するかい?」

 

「ごっ……」

 

 突如現れた残酷な言葉に、咲来は絶句する。

 

 だが、別世界のようなことには感じない。だからこそ、背中に氷の棒を入れられたように、ゾッとした。

 

 そう、呪術師の世界には、人権なんてもはや関係ない。そのようなことは行われるだろうし、さらにはそうした戦闘以外の事やそれに関わる仕事は――補助監督の分野だ。

 

 警察の取り調べすら無理そうな咲来に、その想像は、刺激が強すぎた。

 

「おや、驚かせてしまったね。冗談さ。『いきなり』そこまで過激なことはしないさ」

 

「いきなり」でなければするということである。咲来の恐怖は和らぐことなく、おびえたように震えるだけだ。

 

 そんな中、悟から連絡が入る。どうやら、「悟以外の全人類が入れる」という効果の様だ。全人類合わせてようやく釣り合う悟の規格外さが目立つが、何はともあれ、≪帳≫の効果には納得した。

 

「…………なんでわざわざ、そんなことを?」

 

 途端、湧き上がるのは、疑念。

 

 心配だからチラチラ画面を見てしまうため思考に集中できないが、朧気ながらも、それはだんだんと形になっていく。

 

「ん? 五条悟は最強の術師だ。それがいるって分かっているなら、それだけは絶対に防ぎたいはずだがね?」

 

 冥冥が咲来の呟きに反応する。相変わらず不敵な笑みを浮かべたままだが、試しているような様子はない。単純に、疑問に思ったようだ。

 

「えーっと、その……なんていうか、目的が分からないんです」

 

 自分でも固まっていないが、なんとか形にしていく。こういった、情報から推測を組み立てて術師をサポートするのも、補助監督の仕事なのだ。

 

「まず、五条先生だけを入れさせない≪帳≫を使うってことは、先生がいるって分かっているんですよね? それなら、そんな時に犯行をするってことが、そもそもおかしいんです。五条先生は、先日まで海外出張に行っていたんですよね? こんなことするなら、そのタイミングでやるのが普通だと思うんですよ」

 

「なるほどね。そもそも呪術の世界にも呪術師にも、ましてやこんなことする連中になんて『普通』が通じるとは思えないけど、一理ある」

 

「それに、いくら集まるのが生徒とは言っても、呪術師です。学長と歌姫先生と言う戦力も東京校に増えている状況でもあります。……この交流会のタイミングで仕掛けること自体が、不自然なんではないですか?」

 

 とはいえ、咲来が現状思いつくのはここまで。

 

 単なる理屈が通じない狂人――呪霊とは得てしてそういうものだ――の可能性も否定できない。結局のところ、「分からないということが分かった」の段階で止まってしまう。これがお勉強ならそこから学習していけばいいが、こと緊急事態の対応となると、それでは何もないのと変わらない。

 

「ふむ、となると、発想を変える必要があるね。例えば、生徒とはいえ戦力になる呪術師、と見るのではなく、呪術師とはいえ生徒、として見れば?」

 

「……それなら、競技フィールドで暴れるのは理に適っています。生徒を攫って人質にするか、それこそ……ご、拷問にかけて情報を抜き出すとか」

 

「相手が合理的だと仮定するとそれも不自然だね。一人でいるところを狙うのが一番のはずだ」

 

「なら…………守るべき生徒が集まっている場所であえて暴れることで、先生たちの目をあそこに集中させてる、とか?」

 

「考えられるのはそれだろうね」

 

 どの段階かは分からないが、冥冥はいつの間にか自分を飛び越して、その一番あり得そうな可能性にたどり着いていたらしい。1級術師でかつ知的なクールビューティーと言う第一印象は、間違いではなかった。

 

「……陽動なら筋が通りますね。五条先生が現場に乗り込めば全部すぐに解決してしまいます。だから、先生だけをはじく≪帳≫にしたんでしょう」

 

「だとしたら、陽動の目的は何だろうね?」

 

 冥冥の質問に、咲来は答えられない。余裕の笑みを崩していないが、彼女もそこから先はお手上げの様子だ。

 

「そういえば、さっき夜蛾学長がおっしゃってた『天元様』ってなんですか?」

 

「そういえば、数か月前まで中退していたんだってね。知らないのも無理はない」

 

 咲来は委縮する。自分の選択に間違いはないと思っているが、中退の出戻りと言うのは、やはり居心地が悪かった。

 

「すべてが特級機密だから私の口からは言えないけど、そうだね……高専全体を覆う結界を単体で維持している、呪術師と神様の中間みたいなものさね。数多の設備の扉をランダムに移動させて、侵入者が目的地にたどり着けないようにしているのさ」

 

「………………呪術って何でもありなんですね」

 

「一人一人の術式すら、解釈の拡大次第で拡張術式が出来上がるんだ。常識に縛られないのが大事だよ」

 

 そう言って、冥冥は急に、フッ、と笑う。

 

「私としたことが喋りすぎたね。ここから先は授業料が必要だよ」

 

「えっと、いくらぐらいですか?」

 

「4級術師なら年収ぐらいかね?」

 

「……やめておきます」

 

 関係ない話は金をとるというのなら、話を元に戻すに限る。いまいち使い道がなくてとりあえず半分は両親に預けているが、お土産のせいで今は懐が寒いのだ。

 

「それで、夜蛾学長がその神様みたいなもののところに向かったということは、とても重要なんですよね? それが狙い、とか?」

 

「だとしたら無謀だね。高専が攻められたとなったら、そこがなんなら生徒の命よりも一番重要だから、真っ先に固められる。それに、天元様の結界はとにかく厄介で、そこにたどり着くのはまず無理だ」

 

 ならば、賊の目的は達成できないだろう。咲来は一安心する。これ以上話しかけて冥冥の邪魔をするのはやめておこうと、咲来はまた残ったカラスが頑張って映す映像へと視線を戻した。

 

 オーバーオールの巨漢と楽巌寺学長が戦っていて、白い人型の呪霊は恵と真希を追い詰めている。だが、間に合うタイミングで、そこに東堂と悠仁が向かっていた。

 

「…………特級呪霊、か」

 

 ゾッ、と、心の奥底から、暗い記憶が湧き上がってくる。

 

 通いなれはじめた学校の、いつも見ることはない夜の姿。

 

 その校庭での、数多の呪霊との戦い。

 

 そして、蘇った特級呪霊≪獅子蟲≫。

 

 かろうじて生き残ったが、あと半歩間違っていたら、ここに咲来はいなかっただろう。雲の上の存在だった1級術師の七海ですら、命からがら祓ったのだ。およそ、彼女に理解しうる戦いではなかった。

 

 今、悠仁と向き合い始めたあの呪霊。

 

 先ほどの巨大な木の根の攻撃からわかる。

 

 あれは特級だ。しかも、≪獅子蟲≫とは格が違う。

 

 その確信が出来上がっていくうちに、顔面から血の気が引いていく。

 

 親友や先輩、東京校の人たちは、無事だろうか。

 

「おやお嬢ちゃん、もうおしゃべりはお終いかい?」

 

「ふぇっ!?」

 

 そんな中、いきなり後ろから声をかけられ、咲来は、ビクン、と跳ね上がり、素っ頓狂な悲鳴を上げた。

 

「そ、その、えと、お仕事の邪魔をしちゃいけないと思って……」

 

「何、この程度は片手間でできるさ。そんなこと気にしないで、もう少し興味深いおしゃべりをしようじゃないか」

 

 冥冥の顔には優し気な笑みが浮かんでいる。だが、その目は、気づかいだとか慈しみだとか、そういった光を宿していない。好奇心と欲で、ギラギラと光っている。それを見た瞬間、優し気な笑みすら、獰猛な嗤いに見えた。味方のはずなのに、咲来は本能的に恐怖を抱いてしまう。

 

「そ、その、なんかありますっけ……?」

 

「賊の目的の話さ。特級呪霊と呪詛師が徒党を組んでいる。これは異常事態だよ?」

 

 確かに。

 

 心配とトラウマばかりが先行して、そのことに気が付かなかった。

 

 呪霊は、人間の負の感情から生まれたがゆえに、人間が嫌いで、人間を見下している。組むことなどありえないだろう。やるとしたら、洗脳か利用だ。

 

 一方、呪詛師の方も、呪術を私欲のための犯罪に使う極悪人ばかりだが、呪霊と組むとなると少数派だ。呪詛師の中でも飛び切りの悪か、はたまたよほどの餌をぶら下げられている。

 

 そして、そんな連中だが、実力は折り紙付き。立ち回りからしても、浅慮さは感じられない。

 

「天元様が目的ならただの馬鹿でお終いだが、それなら想定する意味は薄い。それよりも、もっと危険な目的を想定するべきだろうね?」

 

 冥冥に言われてハッとする。確かにそうなのだ。先ほどのところで止まれば、それこそ、何も考えてないのと同じなのである。

 

「……天元様のところにたどり着く手立てがあるなら、そちらが本命のはずです。あの特級呪霊と同格かそれ以上の敵が、今、こちら側に侵入してると見て間違いないですよね?」

 

「だろうね。私をここに残したのは、それを想定して、お嬢ちゃんを守るためでもあるだろう。ボーナスが楽しみだ」

 

 あの一瞬でそこまで考えられるとは、さすが先生たちだ。カラスの目の向こうで奮闘する姿を見ながら、その姿に改めて敬意を感じる。

 

「…………それとも、天元様が目的かもしれない、というのも囮で、別の物を盗もうとしている、とか?」

 

 聞いたことがある。高専には、呪物などの危険なもの、古文書や呪具など貴重なものが多く所蔵・保管されている。それを盗みに来た、というのは、ありえなくはない。

 

「ほう? それなら確かに、天元様よりは楽だろうね。とはいえそれらも、天元様の結界で厳重に守られてはいるが」

 

「倉庫番みたいな方もいるんですよね? 洗脳やスパイでの誘導の可能性はありますか?」

 

「かもしれないね」

 

「あとは……そう、発信機とか。一度外部に持ち出された呪具に発信機をつければ、天元様の、位置をころころ変える結界に対抗できます」

 

「可能性はいくらでも考えられるねえ」

 

 結局、ここで手詰まりだ。

 

 今この場だけでは、情報が足りない。

 

 そうこうしているうちに戦いは進んでいき、今は特級呪霊を東堂と悠仁が二人がかりで相手している。歌姫と真依・野薔薇は合流できそうで、桃がメカ丸や加茂や狗巻を回収しゆっくりながらも離脱できそうだ。特級呪霊に殴られ大けがを負った恵と、それをかばって木の根のようなものを植え付けられた真希も、パンダに回収された。

 

「――――そうだ、霞ちゃんは!?」

 

 咲来は立ち上がり、画面にかぶりつく。

 

 どこを見ても、霞はいない。

 

 特級呪霊と最初に交戦したのは狗巻だ。そして彼が逃げた先に恵と加茂がいて、そこに真希が合流。最後に東堂と悠仁が現れた。それ以外のメンバーも、動向が伺えている。

 

 だが――最初に交戦した狗巻に追いかけられていた、つまり、近くにいた霞が、行方不明なのだ。

 

「…………カラスを一匹、その子を探すためだけに回そう」

 

 冥冥もすぐに察して対応する。金で雇われている身として、契約内容にある生徒の安全第一は鉄則だ。手元の端末を何やら操作していることから、先ほどから報告は口頭での会話ではなくあの端末を使っているようだ。咲来と相談できたのは、これが理由だろう。

 

「霞ちゃん………‥」

 

 祈るように、画面を、じっ、と見ながら、手を組む。

 

 呪力も術式も持っているのに、力がない。

 

 今この瞬間の咲来は、無力な一般人も同然だ。

 

 大事な親友一人すら、その安否すら確かめられない。全部、他人に任せるしかない。

 

(……七海さん…………)

 

 ふと、一人の男の顔が浮かんだ。

 

 数か月前に出会い、一緒に戦い、学校と咲来を救ってくれた、大人の1級術師。

 

 不安からか、この場にいないはずなのに、頼りにしている人の顔が、つい浮かんでしまう。

 

(七海さんなら、こんな時、どうしますか?)

 

 決まっている。自ら助けに行くだろう。それをするだけの、責任と実力がある。

 

 だが、咲来のことは止めるはずだ。彼女にはその責任も実力も立場も権利も、何もかもが、ない。

 

 画面の中。悠仁が、特級呪霊に打撃を叩き込む。黒い光が迸った。

 

 あの時、≪獅子蟲≫に止めを刺した時の七海と同じだ。

 

≪黒閃≫。打撃と呪力衝突の誤差がほぼゼロになることで、爆発的に威力が増幅する現象。七海はその連続記録を持っていて、悠仁もまた、画面の中で連発している。

 

 七海と悠仁は、つぎはぎ顔の、人語を解する人型の特級呪霊と交戦したらしい。呪術の極致である≪領域展開≫を使うほど強力で、互いがいなければ間違いなく死んでいた、と言っていた。それを話す七海の声は、気のせいでなかったら、わずかに興奮していた。

 

 七海は悠仁を気にかけている。

 

 そんな悠仁は今、七海と同じ、咲来では到底及びもつかない領域で戦っているのだ。

 

 不思議な感情が渦巻く。まだ話したこともない悠仁に、何か黒い感情が湧き上がってきた。

 

 咲来は、それを自覚していない。

 

 代わりに、悠仁について話す七海の声が、脳内で何度も反復された。

 

 魂を改造して身体を作り変える恐ろしい術式を持った特級呪霊。その呪霊に騙され利用されていた少年と友情を結んだ悠仁。そして決別と死闘。

 

 宿儺の器・悠仁と、一人の少年。少年が呪詛師に身を落として全校生徒・教員を呪い、一部を殺した事件。それはいじめとそれの意図的な放置と言う文脈があったが、最終的なきっかけは、彼を女手一つで育てた母親が、呪い殺されたからだという。その呪いの方法が、≪宿儺の指≫を傍に放置しておくというものだった。

 

 あとから考えると、全てが繋がっている。

 

 少年の母親を呪い殺したのは、彼を利用していた特級呪霊だ。そして少年を呪詛師に落として暴れさせ、学校での事件を起こす。

 

 それに使われた≪宿儺の指≫は、七海が回収して、高専の上層部に渡したと言っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ではその指は、どこに保管してある?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――っ!?」

 

 咲来は急に立ち上がり、駆けだす。だが、先回りしていた冥冥に止められた。

 

「どこにいくんだい? トイレはもう少し我慢しておくれ」

 

「呪霊の目的が分かったかもしれません」

 

「……それは興味深いな。でも、一旦腰を落ち着けて話そうじゃないか」

 

 促され、咲来は座り、すぐに話し始める。

 

「実はさっき事情があって五条先生と二人きりで面談しました。そこで、虎杖君が今月、人語を話す特級呪霊と交戦した話も聞きました」

 

「深いことは聞かないでおこう」

 

 嘘をついているのは、一瞬で見破られている。だが気にしない。今はそれどころではない。

 

「そこで、その特級呪霊が、≪宿儺の指≫を利用したんです。その指は高専に回収されました」

 

「ほう?」

 

「もし、その時の特級呪霊と、今襲ってきている特級呪霊たちが仲間だとしたら! あっちで暴れているのは陽動で――指につけた『マーキング』を追えば、きっと、その指を取り返せるんです!」

 

「…………なるほど」

 

 冥冥から笑みが消え、顔つきが深刻になる。

 

「お嬢ちゃんは知らないだろうが、高専が保管する危険な呪物は、『忌庫』という専用の倉庫に保管してある。指もそこにしまってあるだろうね」

 

「――!? だとしたら!?」

 

「ああ。――他の危険な呪物すらも、盗まれる危険がある」

 

 事態は深刻だ。一刻も早く、向かって止めなければならない。今この事実を知って動けるのは、咲来たちだけだ。

 

「早くいきましょう!」

 

 咲来は冥冥の手を取って、立ち上がらせようとする。

 

 だが彼女は、動こうとしなかった。

 

「……お嬢ちゃん、一つ言っておこう。本来なら金をとりたいが、その賢さと愚かさに免じて特別サービスだ」

 

 先ほどまでのやさしさは、完全に消えている。

 

 決して荒げているわけではない。至極冷静な声音。

 

 だが、それを聞いただけで咲来は、金縛りにあったように動けなくなった。

 

「一つ。契約にない危険なことは、私はしたくない。金も貰ってないしね」

 

 立ちすくむ咲来に、冥冥が立ち上がって近づき、顔を寄せてくる。

 

 その顔には、もう笑みは全く浮かんでいない。

 

「二つ。仮にそちらが本命だとしたら、特級クラスがいるのは間違いない。今の私は手札が少なくてね、勝てるとは思えない。それは4級で補欠のお嬢ちゃんもおんなじさ」

 

「っ――――!」

 

 咲来の呼吸が止まる。

 

 焦りや使命感は、もはや消えていた。

 

 感じるのは、ただただ恐怖。

 

 冥冥から放たれるプレッシャーは、矮小な咲来を、完全に飲み込んでいた。

 

「……ふっ、ま、別に、どうしても無駄死にしたいなら止めはしないさ。ただ、そうだね。ここはひとつ、私を『助ける』と思って、一緒にいてくれないかい? 君を死なせたらボーナスが減るし、説得して生かしたとなったら、庵あたりが弾んでくれそうだ」

 

 数秒後、冥冥が笑うと同時に、プレッシャーが緩む。

 

 だが、咲来の呼吸は、まだ荒くなっていた。息が止まっていたのは数秒のはずなのに、プレッシャーの残滓が、まだ喉を絞り上げているのだ。

 

「は、はひっ」

 

 咲来の口から出た返事は、ずいぶんと情けないものになっていた。

 

(さて、どうしたもんかねえ……)

 

 そんな咲来に構わず、冥冥は思案する。

 

 咲来が画面から目をそらした先ほどまでの間に、彼女が使役するカラスが、いまいち信じられない映像を捉えていたのを、横目で見えていた。

 

 普通なら伝えるべきだろう。

 

 だがこの少女は、臆病で気弱な割に、先ほどの通り、無鉄砲なところもある。これを知らせてしまったら、何をしでかすか分からない。

 

(早くしろ、五条悟)

 

 戦いに巻き込まれてどんどん減っていくカラスの、たった二匹の生き残りの片方が、≪帳≫を破るのに苦戦している悟を映す。

 

 そして先ほど衝撃的な映像を映したカラスは、街頭人物を追いかけている途中で戦いの流れ弾に巻き込まれ、もうその命を散らして、映像を届けてはくれなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 虎杖悠仁による五発の≪黒閃≫。

 

 東堂による特級呪具を用いた弱点への一撃。

 

 その他、数多の強力な打撃。

 

 これだけの攻撃を加えてもなお、白い人型の特級呪霊は、未だ倒れる様子がなかった。

 

(タフだな)

 

 東堂は信頼できる中学からの大親友(マイブラザー)・虎杖悠仁――そのような事実はない――と並んで退治しながら、内心で、呪霊の強さに舌を巻く。

 

 以前京都で相手にした特級とは比べ物にならない。当然火力も戦術も術式も比ではないが、そのタフさは特にとびぬけているように感じられた。

 

 その呪霊は今、左手を地面につけて、その肩に生えた、巨大な花を咲かせていた。

 

 周囲の木々が、草花が、無残にも枯れ果てていく。

 

『私の左腕は、植物の命を奪い、呪力へと変換する。それは私へ吸収されず、この≪供花≫が全てを食らう』

 

≪供花≫なる、一つ目がついた美しくも禍々しい大輪の花が、光を蓄える。

 

 莫大な呪力だ。

 

(植物が呪力を持たないと言っても、その「命」を大量に生贄に捧げれば、これほどになるのか!?)

 

 悠仁と自分の位置、教師陣が間に合うかどうか、どれほどの時間であの呪力を放つことができるようになるのか。一瞬で状況を整理して作戦を練りながら、東堂は驚愕する。

 

 彼は知らない。

 

 確かに、たかが植物と言えど、その命を大量に呪力へ変換すれば、中々のものになる。だが、これほど一瞬で、周囲一帯を消し炭に出来そうな呪力にはならない。

 

 特級呪霊――≪花御≫は、全人類が普遍的かつ本能的に持つ大自然への畏敬が呪霊となったものだ。植物と自然を愛する。故に、生きているだけで環境を破壊し尽くす人間を滅ぼそうとしている。

 

 そんな彼女が、何よりも大切な植物の命を、呪力に変えているのだ。

 

 それは強力な≪縛り≫となって、強大な力を生み出す。

 

「東堂!」

 

「来るな!」

 

≪あなたたちならば、これを躱すのは容易いでしょう。ならば!≫

 

 東堂が宿儺の器を止めるが、ここまで近づけば、射程圏内だ。

 

 背中側で身体を操作し、見えないように、生やした木の根で手の形を作り――印を結ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『領域展開・≪朶頤光海(だいこうかい)≫』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(≪領域展開≫だと!? まさかそこまでだとは!)

 

 無二の大親友・悠仁を突き飛ばして範囲外にのがれさせることはできた。だが、自分は逃げ切れず、領域に飲み込まれてしまう。

 

 確かに≪領域展開≫ならば、あの一撃を当てることができるだろう。

 

 なにせ、その領域内ならば、術式は、もれなく「必中」となる。

 

 これでは、位置を入れ替える≪不義遊戯(ブギウギ)≫も意味がない。

 

『さあ、死して賢者となりなさい!』

 

 数回の≪黒閃≫、弱点への特級呪具による攻撃、数多の攻撃。それに加えて≪領域展開≫まで使ったことで、≪花御≫は体力も呪力も、ほぼ消費している。

 

 それでもここで、この目の前の男は殺しきることができた。

 

 傲岸不遜だが、賢い男なのだろう。

 

 そんな彼が、これ以上自然破壊する人間の味方をするという罪を重ねてしまわないためにも。

 

 ここで殺して、賢者にしてあげるべきだ。

 

(愚者である、私と違って)

 

 木々と草花を枯らして一撃の呪力攻撃にする。

 

 こんな自分の、なんと愚かなことか。

 

 彼女はむき出しの歯を噛みしめながら、その呪力を放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そして領域も術式も、全てが消え去った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「役立たず三輪、ただいま参上です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自身と東堂の間に、取るに足らないと思っていた青髪の少女、三輪霞が、いつの間にか現れていた。

 

 その腰には、少し短くて装飾過多だがしっかりとした日本刀が差されていて、それに手を添えている。居合の構えだ。

 

 シン・陰流≪簡易領域≫。

 

≪領域展開≫を無効化することができる、弱者のための領域だ。

 

 よく見れば、領域が消えているのは、霞を中心としたその半径数メートルほどに過ぎない。その外側には、≪花御≫の領域が広がっている。

 

「あ、あのー、東堂先輩? その、何も考えず突っ込んだはいいんですけど、私これ以上何もできなくて……」

 

「とはいえ俺も動けん。この領域そのものから抜け出さないことにはな。時間稼ぎにしかならんだろう」

 

「ぶえええええええええ!?!?」

 

『小癪な!』

 

 騒がしい会話をしているが、術式こそ使えなくても、この子娘一人、拳の一撃で殺せる。

 

 その太い腕を振りかぶった、その時。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 強大な呪力が一帯から消え、それを圧倒的に超える呪力が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『なっ!』

 

 即座に空を見る。

 

 いつの間にか≪帳≫は晴れている。

 

 そして上空には、こちらを見下ろし見下す、一つの影。

 

(五条悟!?)

 

 潮時だ。

 

「あれ? 助かった!?」

 

 目の前の小娘一人殺せないことを悔やみながら、即座に木の根を生やして隠れて撤退する。

 

 もし五条悟が現れた場合に備えて、この撤退は練習してきた。

 

「巻き込まれるぞ!」

 

「ぎゃあああああああ!!!」

 

 木の根から見えた隙間、東堂が命の恩人であるはずの霞の首根っこを雑に掴み、引っ張って離れていく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最強の術師の攻撃を受けてかろうじて生き残った≪花御≫は、この時ほど、自分の術式に感謝したことはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 競技フィールドのほうが一件落着して、冥冥と咲来の提案で、悟たちが忌庫に向かうと、そこには、変わり果てた忌庫番の姿があり、代わりに、宿儺の指と≪呪胎九相図≫が消えていた。

 

 死体の状況からして、先日七海と悠仁が接敵した人型特級呪霊の仕業で間違いない。

 

 やはり森の方は陽動で、こちらが本命だったのだ。

 

 これと同時に、人語を話し≪領域展開≫を使う、最低三体の未登録特級呪霊と呪詛師が手を組んでいることが確定した。

 

「「はあ~」」

 

 だが、それについて話し合うのは大人たちの仕事だ。

 

 咲来と霞は、二人で並んでベッドに寝転びながら、心身共に疲れ果てているからか、深いため息をついた。

 

 あんな事件があった日の夜。とりあえず当初の予定通り、京都校の生徒は、東京校の生徒寮を間借りして宿泊することになった。とはいえ部屋数は足りず、基本は二人部屋となる。

 

 咲来と霞がペアで、真依と桃もペア。ただし真依は、「真希(あんなやつ)と同じ屋根の下なんてごめんよ」などと言って、一人で近所の高級ホテルに泊まっている。

 

 また東堂が一人部屋で、加茂とメカ丸がペアだ。東堂とペアになる組み合わせが出ないようにしたのは、全人類にとって英断だろう。

 

 そうして、咲来と霞は寝間着に着替え、今から寝ようとしているのだ。ベッドとは別に布団も用意されているが、せっかくお泊りと言うことで、仲良く同じベッドである。こんなことを気兼ねなくできる機会がまたあることは、お互いにとって幸せなことだった。

 

(全くもう、霞ちゃんったら無茶をして!)

 

 間抜け顔で布団に体を預ける隣の霞の手を、八つ当たりがてら、そして存在がそこにいると確かめる意味でも、力を籠めて握る。

 

 後から話を引いて、血の気が引いた。

 

 森の中を逃げ回っていた霞は、パンダに抱えられた恵と真希に合流。そこで特級呪霊が侵入して暴れていると聞き、強力な術式や≪領域展開≫の可能性を考えると心配になり、恵が影に収納していた刀型呪具を拝借して、悠仁たちを助けに向かった。ここまでを、どうやら冥冥のカラスが捉えていたらしい。

 

 あまりにも広範囲で暴れまわるので全然追いつけなかったが、≪領域展開≫でとんでもない呪力攻撃をしている瞬間にギリギリ間に合い、咲来の伊達眼鏡と同じ仕組みの携帯呪具に込めた不完全な≪簡易領域≫を使って外側を中和しつつ侵入し、その中で刀と本人による≪簡易領域≫で、東堂を守った。

 

 考えなしに突っ込んだせいで危うく死体がもう一つ増えるところだった、というのは、東堂の談だ。だが彼にしては珍しく、出会った当初からつまらないやつ扱いだった霞を、真っすぐに褒めて感謝していた。プレゼントが高田ちゃんの貴重な握手会特別ツーショットチケットだったのは、彼ができる最大級のお礼なのだろう。霞としては嬉しくないが。

 

 今もまだ、霞が生きているかどうか、不安になってしまう。

 

 特級呪霊。それが使う≪領域展開≫に、真正面から突っ込んだ。

 

 特級呪霊と言えば思い出されるのが、あの夜の校舎の戦いだ。

 

≪獅子蟲≫。その恐ろしさは、今でも体と心に沁みついている。あれこそが、尺度の斜め上に外れた存在・特級だ。

 

 しかも、今日霞が相対したのは、特級呪霊の中でも飛び切り強力なモノらしい。過去の記録の中でも異例だそうだ。

 

 そんなのと対峙して、生きていられるはずがない。

 

 それでも大切な親友はこうして、生きてくれた。

 

(よかった……)

 

 ただそのことが、咲来には、幸せだった。

 

「…………ねえ、咲来」

 

「ん、なぁに?」

 

 そんな霞が、いつもとは違う、細い声で、名前を呼んできた。

 

 咲来が握るのを緩めた代わりに、霞の方が、ぎゅっ、と、すがるように、強く握ってくる。その手はいつの間にかひどく汗ばんでいるが血の気が引いたように冷たく、そして震えている。

 

「私、生きているんですよね?」

 

「…………うん、いるよ」

 

「怖かった、怖かったです」

 

「うん、そうだね。霞ちゃんは、頑張ったよ」

 

 そう、霞も、怖かったのだ。

 

 逃げたかっただろう。放っておきたかっただろう。東堂先輩なら大丈夫と目を逸らしたかっただろう。自分は弱いからと言い訳したかっただろう。

 

 きっと彼女が死ねば、彼女が呪術師をやっている理由である家族は、悲しむし、もっと苦しくなる。

 

 それでも霞は、助けることを選んだ。

 

「咲来、咲来……」

 

「なぁに?」

 

 霞が寝返りを打ち、両手で離さないように、咲来のペンダコがありつつも柔らかな手を掴む。そんな、刀を幾度も握ってマメができている綺麗な手を、咲来もまた両手で包み込んで返事をする。

 

「咲来が特級呪霊と戦った時も、同じ気持ちだったんでしょうか」

 

「…………」

 

 咲来はとっさに、この問いかけに、返事ができなかった。

 

 それほどにあの出来事は、心の深い影を落としている。

 

 だがこの時は、それが理由で答えられたわけではなかった。

 

「私、真依のお姉ちゃんや伏黒君から話を聞いた時、一緒に逃げようと思ったんです。でも、ふと、咲来のことを思い出して……」

 

 そう、霞の行動は――あの夜の、無謀な咲来の行動と、重なっていたのだ。

 

 あの時の顛末は詳細な報告書として、歌姫を筆頭に、京都校の全員が見ている。復帰をして再会した時、無茶をして、と散々に責められながらも、歓迎されたのは良い思い出だ。

 

「『助ける』って、すごく大変なんですね……」

 

 そのことは、きっと咲来よりも、霞の方が分かっている。

 

 一年近く離れてつい最近復帰したばかりの半端者よりも、彼女は、家族のために、ずっと自らを犠牲にして危険な仕事をしてきたのだから。

 

「私は、たったあれだけのことで、もう、こんななっちゃいました……。咲来はすごいです。何十体もの呪霊を同時に倒して祓って、特級呪霊を祓うのにも貢献して……」

 

「うーん、そうかなあ。今日の霞ちゃんの方が絶対すごいと思うよ?」

 

 特級呪霊と対峙したとはいえ、状況が全然違う。

 

 数多の呪霊との連戦の後の、さらなる呪霊の波に襲われながらの特級呪霊との戦い。だが、あの時飛び込んだのは、戦える戦力が「七海だけ」だったから、という面がある。今日の出来事のように、他にいくらでも頼れる人がいたら、咲来は飛び込まなかったかもしれない。

 

 特級呪霊と対峙して仲間を助けた。確かに対峙したのは一瞬だ。だが、究極の呪術である≪領域展開≫に飛び込むという最大級の危険を冒したし、同じ特級でもその強大さは≪獅子蟲≫とは比べ物にならない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「…………ふふっ」

 

「あははははははっ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そうして二人は、目から涙をこぼしながら、笑った。

 

 隣の部屋の桃に迷惑かもしれない。だが、そんなことを気にせず、笑いあった。

 

 比べることなんかではない。

 

 どっちも危険だし、どっちも大変だったし、どっちもすごいことをした。

 

 今、こうして生きて話せて笑えているのだから、それで良いのだ。

 

「さ、寝ましょうか!」

 

「そうだね」

 

 部屋の明かりは消してある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 一人ではやや広いが二人では狭く感じるベッド。

 

 お互いが無事であることを確認するように、お互いにすがるように、お互いを讃えるように、お互いに慰め合うように、お互いの無事を確認するように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 二人は無意識に、抱きしめ合って寝ていた。




こそこそ話
咲来は、朝はパン派で、犬猫なら猫派

このIF編を書き始めた理由の一つが、「本編で霞の見せ場が少なかったからがっつり用意しよう!」です
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