対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。   作:槍刀拳

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〜まえがき〜
 この度、絵を依頼して描いてもらったものをいただきました!
 送り主と描き主は別人のようですが、この度再びタイムリーな場面(おそらく絵の構図的には11章の場面を描いてくれたのだと思います)なので公開したいと思います!

送り主:現状匿名さん、描いてくださった絵師:てらGまさん
ありがとうございます!

【挿絵表示】





15章 『稲毛屋のソフトアイスクリーム』
Episode96 『稲毛屋道中』


「お姉ちゃんたち~! はやく、はやく~っ!!!」

「鹿子ちゃん、舗装された道路とはいえそんなに走ったら危ないですよ」

「もうっ! 心寧お姉ちゃんは心配性だなぁ! これくらいへっちゃらだよ!」

 

 7月の夏休みに入る前の貴重な土日。

 数日前、陽葵ちゃんに対して結んだ約束を果たすため、私達はあの洋館を訪れた1年生メンバーで稲毛屋と呼ばれる駄菓子屋へと向かっていた。

 そのメンバーとは、まずは私。『青空 日葵』、もとい釘貫 神葬。

 そして今回の主役ともいえるソフトクリームを奢る約束をした日ノ出 陽葵ちゃん。

 私の中で監禁病棟として有名な五車地下病院から、無事に退院できた影本 鹿子ちゃん。

 そして陽葵ちゃんの親友であり、私の友達でもある恋愛クソ強女こと速水 心寧ちゃんの4名だ。

 現在、鹿子ちゃんは引き取ってくれる身内が存在しないことが判明しているため五車学園系列の児童養護施設にて生活を送っている。

 幼い身にも関わらずあの洋館で家族全員を失い、首のないドレスを纏った貴婦人に体中の体液を啜られるという悲惨な目に遭った彼女だが、今ではすっかりと元気を取り戻し健やかな毎日を過ごしているようだ。

 のちに聞いた話だが、鹿子ちゃんの貧血は3日以内という異常な速さで回復したらしい。これは実に赤き霧/磯八目巾着鰻(イソヤツメキンチャクウナギ)に襲われた被害者の顕著な症状でもあった。私が〈クトゥルフ神話〉技能で判断を下した赤き霧/磯八目巾着鰻という神話生物で……決して誤りではないのだ。誤りでなかったのだ。火器の攻撃が通じていたことについては……まだ謎であるのだが……。

 そんな鹿子ちゃんがこの場に居るのは、『気分転換に』と心寧ちゃんか彼女を誘った案があってこそである。稲毛屋に行くのを誘ったところ目を輝かせ跳ねながらついてきてくれたのだ。

 心寧ちゃんは、今ではすっかり鹿子ちゃんに懐かれてお姉さん気質がすっかり板についていた。自由奔放に道路を走り回る彼女を宥めながら、ドレスを纏った首のない貴婦人の奇襲時に鹿子ちゃんを守ることをできなかったことを悔やむかのように傍に張り付いて御守をしている。

 …………ところでこの場に神村さんが居ないことについては、別に省いたわけではない。一応、声は掛けたが拒否されてしまっただけだ。

 

「ぷぇー……。日葵ちゃんと一緒に『稲毛屋へおでかけ』って聞いていたから初デートだと思ったのにー……どうして心寧ちゃんと鹿子ちゃんまで居るのぉ?」

「え? デートなんて誰も最初から言ってないですけど……。心寧ちゃんと鹿子ちゃんが居るのは2人きりで遊びに出かけるよりも大人数で出かけた方が楽しいと思ったからです。陽葵ちゃんは心寧ちゃん達が居るのは嫌でしたか?」

「ぶー。日葵ちゃん、それはいぢわるな質問だよー? もちろん、2人が居るのは楽しいけど……」

「けど?」

「私は日葵ちゃんとの初デートだと思ってたのー! 2人きりなら、日葵ちゃんを物陰に連れ込んであーんなことやこーんなことができたのに……」

 

 心寧ちゃんと鹿子ちゃんから、後方に約1ⅿ離れたところで私達は並んで歩いていた。

 両手を後頭部に回してつるつるに処理された脇を晒しながら、何やらぶつぶつと不服そうに呟く陽葵ちゃんが何やら不穏な事を言っている。それ故に彼女がまたもや痴女みたいな恰好で私の目の前に現れたことも合理が付いた。

 確かにその洋館侵入時にも着用していた衣服のような水着は、素肌を絡めハメ合うにはぴったりな服装だろうよ。

 ちょっと身の危険を感じた手前、やっぱり2人を誘って大正解だと思う。

 陽葵ちゃんの今日の服装は、洋館事件で着用していたオレンジ色のライダースジャケットに谷間が強調された例のモノキニを着用している。

 そんな痴女みたいな姿で集合場所に現れた陽葵ちゃんに対して、思わず『チェンジ』の罵声を浴びせてしまったが、鹿子ちゃんも心寧ちゃんも別段気にする様子も見せなかったことや「五車町でならこの格好してても大丈夫だよ!」とゴリ押してくる陽葵ちゃんに負けてその恰好で行動を共にしている。

 いや……でもやっぱり、海水浴じゃないのに町中でその恰好は痴女なんだわ。

 ねぇ、誰か教えて。これは私の感性が間違っている? この世界は対魔忍世界というアダルト世界だから普通のことなのだと思いたいところだが、私は知っているぞ。2カ月前、私が鹿之助くん達に連れられてまえさき市に遊びに出かけた時、都心部に居た一般人はそんな服は着用していなかった。ちゃんと肌の露出面積の少ない衣服を着用していたぞ。

 私が前世も今世も女だから、男の感性はちょっとよくわからないんだけど……話でよく聞く男の情報から推察すると。 少年だったら間違いなく陽葵ちゃんで精通すると思うんだよね。

 間違いなく聖心が乱れて揃ってビンビン、2つの双丘と鼠径部の強調、完璧に処理された脇下で股間のルルイエが急浮上するのですが?

 やっぱ痴女だよ。陽葵ちゃん。その恰好は五車町でも、やっぱ痴女だって。

 その恰好が許されるのは対魔忍だけだよ。陽葵ちゃんは対魔忍にスカウト志望なの? 違うでしょ? もしそうなら止めときなって。あんなブラック公務員に未来はないよ。

 

「ただでヤれると思ったら大間違いですよ、陽葵ちゃん。私、同性から黙って犯される趣味はないですし、その時は激しく抵抗しますからね」

「えへへへっー! そうは言っても日葵ちゃんは私に力では敵わないのは五車病院で実証済みだからね! 負けそうになったら、搦め手も……♥♥♥ どんな抵抗も私の前では無駄なのだー! にゃんにゃん言わせちゃうよー! 日葵ちゃん壊れる。私がいっぱい愛して壊しちゃう! 私がいないとソワソワしちゃったり、また弄って貰えるのを待ち遠しになるように肉体改造しちゃう! えへへっ♪」

「はいはい……そんなホモビの『課長こわれる』や対魔忍世界ならではなセリフをマジトーンで言われても困るのですが……」

「なにか言った!?」

「いいえ。なんにも」

 

 悪巧みを浮かべた顔つきで指先をワキワキと動かし、今にも襲い掛かるようなライオンの真似をする陽葵ちゃんをあしらいながらも、片目を瞑って後頭部を掻きながら真夏の道路を歩く。

 心寧ちゃんが鹿子ちゃんの介護者だとするならば、私はさしずめ陽葵ちゃんの介護者なのだろう。

 本音としては心寧ちゃんに看て貰いたかったのだが、今彼女は鹿子ちゃんで手一杯だ。となると、必然的に私となる。

 私にあしらわれた陽葵ちゃんは私の周りをぐるぐると走り回り、ちびくろサンボの木の周りを回るトラのような動きをしていた。その顔はデレデレのバターのようにトロけきっている。

 しかし、一瞬でも気を抜けば要介護者に私が頂かれてしまうシチュエーションは望んではいない。

 

「でもでもっ! 日葵ちゃんも優しいよね!」

「……なにがですか?」

「だって作文のなりすまし自体は失敗しちゃって、蓮魔先生にこってり叱られて指導室送りにされちゃったのに約束通りちゃんと稲毛屋に連れて行ってくれるんだもん!」

「……。それは……

「頼まれた任務を失敗しちゃったのに、アイスを奢ってくれる日程調整の電話が来た時には本当に驚いたよ~!」

「……。確かに、なりすましこそ失敗しましたが……陽葵ちゃんの時間を割いてまでわざわざ代理してもらった分があったので……。そこの約束事は守らないとと思っただけです」

「あはは! それじゃあ、これは『優しい日葵ちゃん』じゃなくて『義理堅い日葵ちゃん』だね! そんな日葵ちゃんも私は大好きだよ~!」

「あぁ!もう、陽葵ちゃん!この夏の暑い日にベタベタくっつかないでください!暑い!暑いィ゙!」

「アツゥイ! アツゥイ! でも私は日葵ちゃんの匂いに包まれて幸せー♪」

 

 搦め手で私を鎮圧すると言っていた陽葵ちゃんは有言実行と言わんばかりに背後から飛び掛かり、〈回避〉すら許されなかった私の動きを封じる。

 本当に陽葵ちゃんの言う通り、私の素の力では彼女には敵わなかった。こちらを抱き枕のように包み込む彼女の〈組みつき〉はトリモチのように剥がれない。

 さらに私のことを完封しつつあるのにも関わらず、本人は手加減をして余裕があるのだろう。背後から〈組みつき〉に来たにも拘わらず力の差を見せつけるが如く、わざわざ正面に回り込んでニタリと笑ってからドヤ顔を浮かべ、一呼吸を置いたのちに私の存在しない谷間に顔面を押し付けて深呼吸している。陽葵ちゃんの2つのたわわは私のへそに直撃し圧迫。

 合体した今の私たちの姿は、さながら寝違えたケンタウロスみたいな状態になっている。

 

「やめっ……ヤメロォー!!!!」

「ファァア↓ハァァァア↑ッハ 良イッ↑ タァイ↓ アタマガァ……↓ アーッアーッ……!」

 

 約2ヶ月前。

 紫先生の15㎏のバーベルを片手でクルクルと新体操のバトンのように回していた、まえさき市で3時間もウンコしていた蛇子ちゃんですら陽葵ちゃんに敵わなかったのだ。魔界医療に精通した桐生に血液(STR)を700mlも抜かれた私程度が、徐々に力をこめて封殺している彼女に敵うはずもなく、どうやっても引き剥がせない。

 あー! あー! やめて! 色々とこの身体を弄ってわかったことで、青空 日葵の身体は濡れやすいの!!! 野外プレイでこれはまずいってぇっ! 私のショーツがビチョビチョになるでしょうが! やめて! すみません! マジでやめて! 今日は替えのショーツを持って来てないの! やめろォ!!!

 

「スゥー……ハァー……スゥー……日葵ウム(ヒマリウム)……

 

 おい! 私の鹿之ニュウムみたいなノリで放射能元素記号へと変換するんじゃぁない! 私だって鹿之助くんを怯えさせないように、本人には多分まだ直接的には急性中毒尊死危険核融合物質:鹿之ニュウムの存在は公開していないんだぞ!!!

 そして押し倒されそうになっている感想だけど、同性でもめっちゃ怖い!

 鹿之助くんには怯えて欲しいけど、怯えて欲しくないから陽葵ちゃんのやり方以外のアプローチで愛を囁くことにするよ!? 実演ありがとうね?!

 でも、そろそろなんとかしないと、アメリカンフットボールにおけるタックルのように押されていては、そこの田んぼへと続く斜面に連れ込まれて本当に陽葵ちゃんに抱かれるだろう。もう半分、抱かれてる!!! 私の両手首がいつの間にかに後ろへと回され、陽葵ちゃんの片手に抑え込まれているし、もう片手が私のお尻を鷲掴みにしている! あっ…… 陽葵ちゃんの指使いすごっ♥♥♥

 こ、これは、思わず雰囲気に流されて……♥♥♥

 

 ええい! 待て!待て!待て!

 

 私ですら知らない青空 日葵の性感帯を同性の友人に撫で回されて雰囲気に流されるな私!年上としての威厳を見せつけろォ!今日は稲毛屋で陽葵ちゃんにソフトクリームを奢るのが目的であって、田んぼの斜面で炎天下と晴天の青空の元、青姦することが目的ではないだろう?!!! 青空 日葵に重なる日ノ出 陽葵だけに。やかましいわ!!!

 これはもう頭をフル回転させる他なかった。

 片手と両足で威勢のよいバッファローのように押し込んでくる陽葵ちゃんを抑え込みながら、両目を瞑って後頭部を掻きむし……れない!? ぐぬぬ……。

 とりあえず〈組みつき〉を試みている陽葵ちゃんを『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』の小技で引きはがすこと自体はそう難しくはないのだが……荒っぽい小技のため、友達にそんなことをするのは、やはり躊躇がある。しかし、このまま為されるがままになれば捕食()されることは間違いなく……。

 

 




〜あとがき〜
 更新が今日だったことをうっかり忘れていた午後22時…。

 そんなことよりも、東雲兄貴から対魔忍GOGOのお知らせを聞かされたのですが、あれは笑うしかなかったですね!!!
 4月のタイムリーな陽葵ちゃんにしかり、私服の心寧ちゃんにしかり…なんか公式の人に見られている疑惑が?????
 今回はオリ主の『対魔忍にはなりたくない』が逆輸入(うぬぼれ)ですか…。
 私もなー。TAMA先生のところの黒田巴ちゃんみたいにオリ主の逆輸入とかされてみたいなー。とか思った今日この頃です。

 さて、完全に今日は投稿日を見落としたのですが、実はこの前挿絵をもらいました!
 すごいかわいい絵なんですよ! 前書きに添付させていただきました!ありがとうございます!

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