対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
前回からアンケートの回答ありがとうございます。
統計学的に視ると『自由・新書式型』が推奨されていましたね。
いつだったか、ダッシュ線の途切れ目に関する内容で悩んだ話と似ている案件です。『
本作品ではダッシュ線は『
今回はスマホから本小説を見たとき(従来型だと圧迫感がある、新書式は圧迫感がない)と、パソコンから本小説を見たとき(従来型だと安定した文字列、新書式だと妙なスペースが歯がゆい)の違いで悩んでいるところでした。
………
……
…
三連ジャンピング土下座をする陽葵ちゃんを群衆の中へ取り残したまま、迎えに来てくれた鹿之助くんの手を引きながら入学当初から親しくしている友人の元へ向かう。私の進行方向上に居る他の五車学園の生徒達が、海を割ったという伝説を残すモーセのように道を開いた先に彼等は居た。
今日も元気にふうま君を中央へ、バチクソやり合っている心寧ちゃんと蛇子ちゃんの姿。
それと、私が知らない女子生徒の姿も1人見受けられた。
彼女は五車学園の制服に薄橙色のつば付き帽子を被り、篠原さんとは逆の上縁メガネを掛けたピンク色のマッシュルームヘアをした子だ。この試験会場にいるという事と、首元のネクタイの色が青色なことから彼女もまた私と同学年であるようだ。
「おっ、青空さん。無事に鹿之助と合流できたか」
「えぇ。私もちょうど助け舟がほしいところに、鹿之助くんが人をかき分けて私を探しにきてくれたのを見つけたので、合流して来た次第です」
「それにしても……その恰好は準備万端って装備だな。登山用の装備か?」
「う……これは……」
「だが今回の期末試験の服装は原則制服らしいぞ。インナー程度であれば認められると思うが……」
「…………それは、あとでちゃんと着替えておきます……」
合流できたところで、今日も何気ないふうま君の何も考えていないような発言が私の心を傷つける。
「いやですね~。ふうまくん、彼女の装備は登山用ではなくて平野のキャンプ用の装備ですよ~」
「え? そうなのか?」
「ここら辺の装備については実際に取り扱ったことのない人だとわからないですからねぇ~。うふふ~♪」
「あ、はい。そうです。えっと……」
「はじめまして、
「ゔっ」
彼女は持田めぐみと名乗り、私へペコリと緩やかに頭を下げてきた。『噂の転校生』という言葉に、ふうま君の何気ない発言で傷つけられた私の心に更なる追撃が突き刺さる。
のほほんとしたのんびりとした口調から、彼女がマイペースな性格が予見できる。
更にその……腹が出っ張っているというわけではないが、モチモチとしたふくよかなボディはサイレントキラーの名で幅広く知られる餅のようで——胸部の乳袋も白い布で包まれているがゆえにまさに餅だった。
「うわーん! 日葵ちゃーん! 待って~!!!」
「あゔっ」
ここで人ごみをかき分けて、陽葵ちゃんが私達のグループに合流してくる。
合流と同時に大荷物の私の背中めがけ、大しゅきホールドの要領で陽葵ちゃんが飛び乗ってきた。お、おも……っ!
ま、まぁ? 確かに私も『陽葵ちゃんは心寧ちゃんと合流してね』って言ったし? 心寧ちゃんがここでふうま君争奪試合会場に存在している以上、陽葵ちゃんも遅かれ早かれ来ると睨んではいたが……まさかこんなに合流が早いとは……。
「あ~。日ノ出ちゃんだ~。うふふ、青空ちゃんのことは日ノ出ちゃんからよく聞いていて~。今回の実技試験で自由にチームを組むことができたらよろしくお願いしますね~?」
「……ひ、陽葵ちゃんから私のことをよく聞いている? …………まさか」
「うふふ~」
そんな様子の私達へ向けて持田めぐみと名乗った彼女は、大麻忍あぎりのように自身の人差し指をその肉厚な下唇に当てて笑う。
更にここで気づきを得る。そういえば、陽葵ちゃん。私が洋館帰りでの入院時に『おもちちゃん』なる人物に色々話したといっていたような気がする。もしかして、今、私の目の前でまったりと話している人物こそ陽葵ちゃんに
彼女も軽装であるもののキャンプセットを所持している。と言っても私の平地用のキャンプセットとは異なりピッケルなどを含めた登山用のキャンプセットのようではあるが……。
「装備が気になりますか~? わたしは登山が大好きなので、青空ちゃんの装備とは違って山用なんですけど~」
「そう、みたいですね。ピッケルとか登山用ロープ、全身ハーネスなどは私の装備品には含まれていないものですから……。登山用となるとやはり装備も軽量化されているものなのですか?」
「はい~。その分、荷物も減って、活動しやすくなりますからね~」
そんな私の視線に気が付いたのか、持田さんはのんびりふわふわとした口調で私の問いかけにも応じてくれる。
「あ、そういえば——」
ふと、ここで今回の期末試験の内容がキャンプではないのであれば『一体何をするのか?』とふうま君に尋ねようとすると、紫先生の声で館内放送が響き渡った。
「時間だ。これより期末試験:実技の部を開始する! 今回の試験内容は部隊戦。こちらで指定した3人1組でチームを作り、他のチームとの戦闘訓練となる。負けたチームは再試とする! それではこれよりチーム分けの発表を行う。電子掲示板にて自身の名前を確認後、各自集合後、隣の部屋で対戦表を受け取って作戦会議に移れ!」
あれほどガヤガヤと賑わっていた
組み合わせによってときどき歓声や苦悶の声が上がるが、やはり学生間でも相性の良し悪しがあるようだ。
この様子では好きなペアでチームを組んで対するチームに立ち向かうという方式にはなら無さそうだった。既にふうま君、鹿之助くん、陽葵ちゃんの3人はこの期末試験の方式に対して、この世の終わりのような沈んだ顔になっている。
——別に邪神が世界を牛耳っているわけじゃないんだから、その顔をするのはまだ早いぞ。
そんな私もできることならば、私も慣れ親しんだこの場に居る誰かとは一緒に組みたいものだが……駄目だったときは駄目だった時だ。うまく立ち回って再試験にならない程度には生き残ること・合格することに尽力を尽くそう。
……それにしても、私としては鹿之助くんのことが一番心配だった。
私は参加すらしたことがはいないが、体育の授業でのアスレチック踏破ではいつも最下位だし、日常生活においても僅かなフォローが必要だと思うほどには心配でたまらない。出来ることならば護ってあげたくは思うが……。
「おっとぉ~? わたしは陽葵ちゃんと速水ちゃんと同じチームですね~。よろしくです~」
「そうみたいですね、97組目……。」
「わっ。ほんとだ! でも……」
「……言っておきますが、陽葵ちゃん……」
「わ、わかってるよ。日葵ちゃんと同じチームになれなかったことは残念だけど、まだ対戦相手として会えるかもしれないからね! もし対戦相手になったら私が日葵ちゃんを屈服させるんだ!」
張り出された電子掲示板を眺めていると、持田さんが声を上げ、それに続いて心寧ちゃんと陽葵ちゃんも反応を返す。できる女の心寧ちゃんは、陽葵ちゃんがチーム決めの際に余計な事を口走ってしまわないように先回りして持田ちゃんに対するフォローを入れていた。
陽葵ちゃんが私と同じチームに加わらないことに関して、持田ちゃんの気持ちを愚弄することを言い出すんじゃないかと思ったが……陽葵ちゃんも陽葵ちゃんでちゃんとそこのところは理解しているようだ。
でもやっぱ、まえさき市で3時間ウンコしていた方の蛇子ちゃんを牽制できるほどの恋愛クソ強女は一味ちがうな! ちゃんと人の気持ちを察することに長けているわ!
……別に蛇子ちゃんは人の気持ちを察することに疎いってわけじゃないけど。
蛇子ちゃんは、ふうま君が私の前で鹿之助くんの好きな人が神村さんだって暴露しようとしたのを止めたりできる——むしろ私達のグループ4人の中で一番、フォローや空気の読み方が上手い友人なんだけどさ。
やっぱり陽葵ちゃんとのペアでは、心寧ちゃんは蛇子ちゃん枠なんよ。
されども陽葵ちゃんの『屈服させる』発言は頂けないなぁ……。私が陽葵ちゃんに対して腕力では敵わないと言っても、私が陽葵ちゃんを
3人は私達へ向けて、それぞれ個性溢れる手の振り方で振ってから試験会場へと歩いていく。
さて、残されたのは私と、鹿之助くんと、蛇子ちゃんと、ふうま君の4人だが……。
「おっ! 日葵! ふうま! 俺達の名前があったぞ!」
「やったー! 鹿之助ちゃんと一緒だ~!」
「あぁ、よかったな」
「えぇ、本当によかったと思います」
続いて、鹿之助くんと蛇子ちゃんの2人が自分の名前を発見して手を取り合って喜んでいる。そんな2人を他所に、わたしとふうま君は顔を見合わせるが……どうやらその中に私達の名前が入っていない。
更に気になることに——
「あの、鹿之助くんと蛇子ちゃんのところのチームですが……1人足りないですよね?」
「ああ、確か3人で1人チームだよな? 本当はあと1人居るはずなんだが……」
「えぇ~!? という事は蛇子たち2人なの?!」
「ちょちょちょちょっと待ってくれよ! 流石に俺と蛇子だけで3人も相手にするのはキツいって! 武闘派の日葵と蛇子の組み合わせなら大丈夫かもしれないけどさ、俺じゃまだ無理だって!」
「ちょっと、鹿之助くん………?」
「ちょっと、鹿之助ちゃん……?」
「でも、実際そうだろ!?」
相手が乙女であるというにも関わらず武闘派という単語を強調する彼に反応して、鹿之助くんに詰め寄る私と蛇子ちゃん、ふうま君の背後に隠れる鹿之助くんのことはひとまず置いといて……。
そう。電子掲示板には2人の名前が書かれているだけであって、3人目の名前は空白だったのだ。
否、正しくは書かれているのだがその文字が空白だと言っても過言ではないほどに滲んでしまっていてよく見えない。〈目星〉を用いた観察眼を以ってしても見抜くことはできそうにない。それほど念入りな滲み加工だ。
「表記され方も何か変、ですね? その文字が滲んでいて……よく見えません。『
「もしかしてシークレットって奴じゃないか? でもシークレットにするような奴なんか、五車学園の生徒に居たっけなぁ……?」
「そこの詳しいことはここで考え込むよりも、先生方に聞いてみた方がいいかもしれません」
「そうだな。蛇子、鹿之助。青空さんの言う通り、ここで悩むよりも前に居る紫先生に聞いてみた方がきっと原因の究明が早いかもしれないぞ」
「うぅぅ……それじゃあ、ちょっと怖いけど行ってくるぜ……」
「うん。わかった。それじゃあ、またあとでね。ふうまちゃんに日葵ちゃん。2人も頑張ってね」
「おう、そっちもな」
「ご健闘をお祈りしてます」
私とふうま君の後押し付の見送りに、鹿之助くんは緊張した面持ちで。蛇子ちゃんはこれぐらいの不安要素には慣れっこなのか堂々とした様子で前へ赴いて試験会場へと向かって行った。
待合室に取り残される、私とふうま君。
当然、先ほどから電子掲示板で自分の名前を探しているのだが見つからないのだ。それはふうま君も同じようで……——
………
……
…
——30分後……。
「ふうま君。私、気が付いてしまったのですが……」
「奇遇だな、青空さん。俺も気が付いたことがある」
「俺と青空さん、掲示板に名前が存在しないな?」
「私とふうま君、掲示板に名前がないですね??」
互いに顔を見合わせて、お互いに電子掲示板に指を指した。
~あとがき~
やったぜ。15日にユニットの紹介確認を行っていたのですが、ついに4周年目にして五車学園高等部2年生のネクタイの色が判明したぞぉぉぉぉ!
五車学園が3年制の場合。
1年生=青色(ふうま君や鹿之助くん、蛇子ちゃん)
3年生=赤色(なお先輩やコロ先輩、きらら先輩)
そして、2年生は緑色ですね。(蛍先輩やもみじ先輩)
喜瀬 蛍ちゃんという紫先生を憧れにしているキャラ(初登場は、まえさき市で人間風情に泣かされた方の蛇子ちゃんと同じくCHAPTER6かな?)がいるのですが、彼女はストーリー上では五車学園2年生という情報。
また今回、登場した【制服半鬼】皆瀬 もみじちゃんのネクタイの色が緑色をしていたことによって判明しました。
よっしゃ!これで心置きなく2年生の描写ができるな!
それでも……せめて、皆瀬ちゃんと喜瀬ちゃんの繋がりが分からないと断定はできないんですけどね……。
(3年生のなお先輩、コロ先輩、きらら先輩の赤色ネクタイに変更は見られないので、高確率で2年生だと思うですけど……未来編以降きらら先輩はともかく他の2人を学園内で最近見ないなーと思ってもいます。卒業しちゃった?)
——16日追記————
今度はハロウィンイベントで持田めぐみちゃんの追加差分ですかぁ……。
対魔忍RPGが、本作の二次創作で登場させているキャラを追従登場させてて、タイミングがめっちゃ怖いんですけど。
また公式登場かぁ……壊れるなぁ。
でもこれまでのユニット発言だけだと、語尾を伸ばす系のキャラ的なイメージしかなかったので今回を期に『おお!普通に喋れるんかい!』ときっかけを頂けたのでありがたいです。
——17日追記————
活動報告の方にも色々、情報を追加させて頂きました。
ひとまず、私が小説を書けなくなった後から書き始めた区切りとして、16章からは『新書式』で好きに書いてみます。
今後とも本作品をよろしくお願いいたします。
小説の書き方の書式について、Episode101の書式はどちらが見やすかったですか?(アンケート時期を変更してEpisode106まで集計を取ろうかと思います(挿絵のアンケートはEpisode-IFへ変更))
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新書式 (描写文にも適宜、行を空ける)
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従来型(行は描写とセリフの間のみ)
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両立型(作者の好きなように行を入れる)