対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。   作:槍刀拳

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Episode126 『超フィジカルおっぱいオバケ』

………

……

 

 

「んー。言語について正確に調べたいのなら、僕達なんかよりも言語学をマスターしている高坂(こうさか)先生に聞くのが1番なんだけどねぇー」

 

「今、出張中でいないのよね」

 

「高坂先生? 聞いたことのないお名前です。どなたですか?」

 

「英語の先生だよ。高坂(こうさか) 静流(しずる)先生。妖精ちゃんは会ったことないのかい?」

 

「……。ないですね。めっぽう顔合わせをするのは、紫先生と蓮魔先生、あと校医の室井……先生と彦四郎さんの4人なので」

 

「それは貴様が毎度問題を起こさなければ会わずに済む話では……?」

 

「ぅひぃぃ! 殺さないでー!」

 

「貴様の——人をおちょくるところが——一番に癪に障る」

 

……。(まぁまぁ。)……………………、(彼女は入院期間とかもあるから、)…………(高坂先生と)………………………(会えないのは仕方ないと思うな)

 

「……彦四郎さん? 彦四郎さんって誰だい?」

 

「もしかして用務員の沼津さんのことじゃないかしら? 泥だらけの深緑色のジャージにつば付きキャップを被ったいやらしい目つきで女子生徒を見つめる太った男の人」

 

…………(魂の色が汚い人)

 

「……。僕の記憶にはそんな人物は存在しないな。僕は可愛くないものが嫌いだからね。泥まみれの汚い男なんか、見た瞬間に忘れているよ」

 

「ねぇ、青空ちゃん。すぐ僕の後ろに隠れるけど黒田さんとの対話……超余裕だったりしない?」

 

 

 コロ先輩が呼んだとされるもう1人の友達が到着するまでの間。

 

 五車学園の先輩である、コロ先輩、なお先輩、のぞみ先輩、氷室先輩、黒田先輩と、5人の先輩に囲まれながら雑談でもして過ごしていた。

 

 今回の件に関しては、なお先輩が誤解を解いてくれたおかげで居心地も教室内に入る前と比較すれば悪くはなく、それなりに円滑なコミュニケーションは取れている。

 

 黒田先輩の心象は相変わらず悪いようで鋭い眼差しがザスザス刺さる。

 

 ただ直接対峙したことのない氷室先輩からは必要以上に詰問してくるようなことは無くなった。

 

 それどころか氷室先輩は、私の知らない学校の事(主に規則や校則)について色々と手厚く教えてくれたりもしていた。

 

 氷室先輩に対して特に驚いたことは『あまりにも入院生活が多くAO入試や推薦入試枠は取れないだろうし、大学に進学できないかもしれない』という話を持ち掛けたところ。

 

 周囲がざわついたあとに、一呼吸あけてから彼女が五車学園校則四章第20条2項に休学という申請規則があることを教えてくれたことだろう。

 

 内容としては『傷病その他のやむを得ない事情のため累計3カ月以上、1年未満出席することができない学園生徒は、その事情を証明する書類を揃えて休学願(第8号様式)を校長に提出しなければならない。』というものだった。

 

 既に室井による私を監禁して自己退院させない趣旨の発言はICレコーダーで録音し、自宅のパソコンの中には保管済みである。

 

 あとは室井から入院期間の証明書を受け取れば、私がやむなく五車病院に幽閉されていたことが証明できることだろう。

 

 幸いにも本について疑った侘びとして、氷室先輩が休学願を職員室へ赴いて持って来てくれた。

 

 ボールペンでの記入だったため、仮に誤字や失敗しても良いように数枚貰ってきてくれて、ワンツーマンで書き方を指導してくれる辺り……本当は面倒見のよい先輩ではあるのかもしれない。

 

 私との出会い方が最悪だっただけで。

 

 先輩集団の中それも全員風紀委員所属の学生達に1年の私が囲まれているという状況は、夏休み期間も様々な理由で登校している学生にとっては珍しいというより……。いつもの悪さをした青空と現場を取り押さえた風紀委員の面々に見えたのかもしれない。

 

 タイミングによっては校長先生に提出するための休学願を執筆している瞬間もあった。

 

 その時は、さしずめ周囲から〈威圧〉されながら夏休みに反省文を欠かされる青空日葵の姿のように見えたことだろう。

 

 3-C教室前を通る生徒達が、学年を問わずに一旦こちらに視線を送ってから通り過ぎ去って行く。

 

 

——ガラララララッ

 

 

 休学願を書き上げ、あとは必要書類を添付し校長先生へと提出することになって、道行く学生たちがこちらを覗き込む光景を何度か目撃した後。

 

 ついに扉が開かれる音した。

 

 必然的に視線も新たな来訪者側へと向かう。

 

 

「おまたせ。さくら先生に頼まれごとされちゃって。待たせたわね」

 

……。(ほんとに。)………………(でも長いこと時間が)…………………(かからなくてよかった)

 

 

 ——私は。

 

 その人物を見た瞬間に目が丸くなり、左手が自身の口元へと延び息を吞む。

 

 私。

 

 釘貫 神葬にとって見覚えのある人物が、五車学園3年生の制服を纏った状態で佇んでいた。

 

 真っ先に目についたそれは、Pカップはあろうかという爆乳。

 

 陽葵ちゃんもダブル蛇子ちゃんも篠崎さんも、神村さんも十分爆乳だが……。いま目前の爆乳は、爆乳という単語では収まりきらない超乳級のおっぱいを持った存在。

 

 『青空 日葵』の対義語。

 

 

 超フィジカルおっぱいオバケの最終形態。

 

 

 アレはおっぱい大好きな絵師がアニメキャラの胸を盛りに盛りまくったら完成したかのような超乳と例えるのが一番いい大きさだろう。ガルパンの家元みたいな。

 

 メジャーで総丈を測ろうものならば30㎝はくだらないそんな乳だった。

 

 その人物のその他の髪の毛はくすんだ金髪をしていて、その長い髪の毛は両サイドツインテールとして結んでいる。やや細目で、氷山の水底で眠る氷結した氷のような色合いをした瞳。気は強そうで吊り上がった細い眉。唇を固く閉ざし、心なしか形も『ヘ』の字を描いている。

 

 むちむちとした大腿部はサイハイソックスで覆われ、赤ネクタイであることからきっと3年の先輩だ。身長は私なんかよりもはるかに高く、ふうま君(177㎝)ほどあり——

 

 

 アレ? キララ先生。

 

 ()()()()()()()()()()()()も、なんか身長が縮んでません?

 

 

「あんたが噂の転校生……」

 

 

 キララ先生はツカツカツカと歩み寄って来ては、顔見知りの登場に茫然として座ったままの私の前に立ちはだかる。

 

 しばらく会わない間に、姐さん系の気風から気高い騎士……。

 

 例えるならエバンゲリオンに登場するアヌカ・ラングレーみたいな気質になっているが、そんなことなどはすぐには気にならないぐらいの相変わらずのドでかいお胸のドスケベボディが私の正面、視界いっぱいに特盛下乳が広がる。

 

 顔面格差ならぬ胸面格差である。

 

 このおっぱいは今の私にとっては酷い暴力だ。

 

 Big tits harassment.(爆乳ハラスメント)

 

 キララ先生による再会の歓喜によるパフパフは普通に窒息するので、再会パフパフされる前にそっと逃げ幅の広い窓側へと反れて逃げる。

 

 

……(なお)

 

「あ、あぁ! 妖精ちゃん紹介するよ。こちら——」

 

「知ってます。キララ先生ですよね? 鬼崎(おにざき) キララ先生」

 

「え?」

 

「は?」

 

(え?)

 

「……えっと、きららさんにどうして “先生” が付いているのかは置いといて。……妖精ちゃん。君は彼女を知っていたのかい?」

 

 

 なお先輩がキララ先生のことを紹介しようとするが、私としては彼女……彼女? 

 

 まぁ。彼女を知っているのと、まさか対魔忍世界(こんなところ)で奇妙な運命のめぐりあわせとして出会うとは思わなくて、自分が青空 日葵であることも忘れて釘貫 神葬として『知ってます』アピールをしてしまった。

 

 

「えっ? あんたとは初対面のはずだけど…………どこかで会ったかしら?」

 

「えっ」

 

「え?」

 

「あ」

 

 

 ここで自分が今、『青空 日葵』であり『釘貫 神葬』の姿ではないことを思い出す。

 

 

「あ、あぁー!そっか!そうでした!そうですよね!すみません!」

 

「……。……本当に噂通り不思議な子……」

 

「きららさんも彼女が “不思議ちゃん”(“妖精ちゃん”) と呼ばれている所以が分かったかな?」

 

「えぇ。まぁ。ちょっとね」

 

 

 左手を顔の左半分に当てながら、まるでアメリカ…………米連製のアクション映画でヒロインが狼狽するかのような動きをする私にキララ先生はキョトンとした顔をしている。

 

 コロ先輩の方を見てキララ先生がコロ先輩の友達なのか、視線を送るとコクリと頷いてくれる。

 

 

「すみません、キララ先生!驚かせてしまって。いやあははは! でもまさかコロ先輩のお友達がキララ先生だったなんて思いもよりませんでした! ちなみにこちらが例の言語なんですけど、先生にはなんの言語か判別つきますか?」

 

 

 ちょっと挙動不審なギクシャクした動きになってしまうが、コロ先輩から回収した魔族語が描かれている冊子を渡して確認してもらう。

 

 

「…………」

 

 

 キララ先生もそんな挙動不審な私に、若干引きつった顔で不審者でもみるような視線を送ってはいたが渡した冊子を手に取り、ペラペラと頁をめくって確認し始めてくれた。

 

 




~あとがき~
 おわかりいただけただろうか……。

 次回投稿は明日なので、五車学園解読班・6人目である『鬼崎きらら』パイセンについて気づいたことがあればネタバレ感想予測・推測を感想で投げても大丈夫ですよ!
 Episode126では『鬼崎きらら』パイセンの予測・ネタバレに限り作者が許す。

 鬼崎きららファンの皆様ならきっと気付くはず……。

 作者は信じているからな!!!

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