対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
「ブラック様、制圧いたしました」
「ご苦労」
振り回していた武器を取り上げられ、腹ばいを強要され、両手は後ろに回され、持参したダクトテープと私兵部隊持ちのナイロン製の
ご丁寧に足は膝を折り畳むように拘束しちゃって、まぁ厳重なこと。
これではまるでハードコアなBDSM系のAVを撮影するかのような格好だ。
あと私の所持品のダクトテープは自縛用で持ってきたわけじゃないんですけど? 人の持ち物を漁って、勝手に使わないでもらえます?
おまけに畳み掛けるように銃口を押し当てられ、オーク共の返り血を拭うことも、立つことすら許されていない私へエドウィン・ブラックが歩み寄って来る。
「♪」
無論、ブラックの隣には言葉に表さずとも分かるほどにツヤツヤテカテカした『超満足!』な蛇子ちゃんも一緒だ。
幸せで満たされた陽葵ちゃんみたいな顔してるなァ!お前さァ!
女騎士のような『くっ……殺せ!』という状況はまさにこのことだろう。
ん?
なんかデジャヴを感じる。
ついこの間、五車学園でも女騎士になったような……?
定期的に女騎士みたいな状況になっている気がするなぁ……?
いずれにせよ。
ここで生き長らえれば死よりもつらい凌辱の宴が待っていることは確定している。
であるならば、抵抗して不慮の事故で死んで次の
しかし相手もそう簡単に殺してくれるとは思わないし、どうやって死のうか考えると鹿之助くんや陽葵ちゃんの顔が脳裏にちらついて自殺への思考切り替えができない。
『新クトゥルフ神話TRPG』11頁“勝者と敗者”の第二段落目に基づいている——
——私が死ぬことによってエドウィン・ブラックの “地球を隷従させようとする根本的な計画を阻止できるならば、1人の探索者の死は小さなこと” なのだろうが、唐突に死んだところでエドウィン・ブラックの計画は阻止できる算段がつかない。
それどころか今、死ねば……被害は “より” 拡散するような気すらする。
正直、極論を言ってしまえば私は世界がどうなろうと知った事ではない。
だけれども、その絶望の未来となってしまった世界を生きる私の大切な人達が苦しむことはとても耐えられない。
ああ。そうだ。
『新クトゥルフ神話TRPG』210頁にはこんな一説もあったっけ。
“
——ならば、刻の探索者として。
この場面では動けなくなるまで、この場では抵抗すること——いいや。
絶対に目覚めた時に所持していた書物を決して譲らないことが最善の選択に違いない。
でも相手側も私の行動など把握しているかのように、突きつけられた数多の銃口は生命維持に不要な四肢へと向けられている。
ああ。返り血がじわじわとカーゴパンツに染み込んできて、ぬるぬるとローションのように気持ちが悪い。
染み込んだ血液がメンソールでも塗られたように化学反応を引き起こして、じんわりと熱を帯びているような気もする。
「…………」ギリッ
「ふむ……。ここまで追い詰められた詰みの状態であれ、なお瞳の奥の鈍い輝きは未だ鈍らず、か。倫理観に欠け、脅しも効かなければ、人質交渉も通じない、時には己の死すら厭わない。力技では口を割らぬ、
「ゼラトちゃんは特別な子だからね♪ ウフフフフフフフフッ♪」
「日常の中での “鉄砲玉” のような振る舞いについては、対面前よりフュルストから聞かされていたがよもや “ここまで” とは」
無警戒さながらな悠々とした足取りで2フィート以内にまで高位魔族共が寄って来る。
相変わらず不敵の笑みを浮かべたエドウィン・ブラックの表情からは内情が読めないが、スネークレディの方は既にこちらを完全な新しいペットとして見ているような目で見下している。
そうだ。
エドウィン・ブラックの言う通り、今の私は詰んでいる。
一族伝来の肉盾技法をスネークレディに潰され、起死回生・一撃必殺の〈改造した釘打ち機〉を握ることすら許されない。
おまけにこんな危機的状況なのにムラムラ、えっちな事をしたくなるような気分にもなって——
邪念を払おうとするが無性に秘部がイライラしてくる。
無意識下で陰核を太ももで擦り合わせて内股オナニ——自慰しないように堪える。
だがこちらの意に反する生理ように半透明の分泌液がドロッと、下腹部から抽出されて流れ出ていくのもわかる。
落ち着け……………私。
これはきっと〈医学〉的な可能性の話として、レイプや首絞めックスのように身体が危機を感知して性欲が高まっているのだろう。
決して私がいじめられていることによって、マゾっ気が生じているわけではない。
そもそも元来より私にマゾヒズムの感性はない。
「ねぇ、エドウィン? 約束通り私の取り分はゼラトちゃんでいいわよね?」
「それは成功した暁での報酬だ。お前は交渉に失敗しただろう?」
「ん?ん~~~? 失敗? 何を言ってるのかしら? 籠城する強情なゼラトちゃんを引き出せたのは私の手柄だってことを忘れていない?」
「ああ、だが元の
「わかっているわよ。元の
「…………」
「ふふふっ♪ それはダーメっ♥ ゼラトちゃんは私が飼うって最初から決めてるんだから♪」
高位魔族共の会話の内容が既に『ヤンデレの女の子達に死ぬほど愛されて眠れないCD』
ムラムラした感情に毒されつつあっても嬉し……嬉しくなんかない。
そもそも先の話の流れである『カオスアリーナの女戦士として飼う』ってことは、要は体のいいペット——クトゥルフ神話TRPG世界の文言に言い換えるならば邪神の眷属化というポテンシャルになるのだろう。
謎のムラムラで下腹部は強い熱を持ち、眷属化という待遇に好奇心の方は湧くが、嫌悪感の方がまだ強い。
それに飽きたらアレだろう?
ダンボールに入れて『いい人に拾われてね』とか言われて道端に置き去りにされるのだろう?
いいや、スネークレディのことだ。
川へ流すに違いない。
丁寧に
あと日常生活に戻れないようにポルチオ淫紋*1とか
良い人(オーク)に拾われて、性的な意味での人豚肉便器になるまでがセット。
これ以上ない説得力のある理由のはずだ。
また、たとえ眷属化というポテンシャルになったとしても日本国には、日本国憲法 第20条に信教の自由が定められているのだ。
誰が対魔忍世界の邪神を信仰するものか。
私は、私の神を信仰し偶像崇拝を続ける。
「
蛇子ちゃんは伏せた身動きの取れない私と、なるべく同じ目線になるようにしゃがみ込む。
小悪魔的な笑みを浮かべ、人間が犬を撫でるように気安く手を伸ばし人の頭に触れて撫でようとしてくる。
これまでの経験から奴に触れられることは避けようと身じろぎするが、あらゆる方面から銃口を突きつけられ、背中を踏みつけられて逃れることはできず成されるがままになる。
あれだけ “触れられること” を拒んでいたのに……屈辱。
“触れる” 手の動きがいやらしくてその手で秘部を弄ってイかせてほしいと…………ああ!違う!何か身体の調子がおかしいだけだ!その変な感情を押し殺せ!
いったい何が原因なんだ!クソッタレ!
……とにかく。
とにかくだ。
彼女達には身の保身——保険の趣旨を既に伝えているが、あの解答ではもっともらしいが納得できないとでも言いたげだった。
「………………私にはアレに何が書いてあるのか、読めないですが想像はつきます。貴女方に渡せば今よりも最悪な事態に陥ることが未来視できますから」
ご褒美をもらえるメス犬のように尻尾を振って媚びてしまいそうになる必死に感情を抑えながら、煩悩を堪えて睨みつけて返答する。
「♪」
されど蛇子ちゃんがこの程度を意に返すはずもなく、本心を白状した私に気味の悪い笑い声を漏らす。
頭を撫でる彼女の細い指先が、頬へと延びていく。
滑らかな動きで指は涙のように頬を伝っていき、恋人の下唇をやさしく捲るように触れる。
やがて。
じっとりと湿る私の首元を、まるで首にナイフを当てているかように念入りに触れてくる。
でも本人の触り方は子猫をあやしているかのような手付きだ。
表情もどこか愛おしげな小動物をみるかのような魅せられる表情。
唾液を飲み込むだけで、締め付ける彼女の細い指先の僅かな存在を感じる。
肉体が彼女の
「やぁぁぁっと♪ 本音を話してくれる気になったのね♪ 少し素直になって、友達の距離感を狭めてくれているみたいで嬉しいわ♪」
「……ははっ。友達? 冗談は顔だけにしてくださいよ。こちらは蛇子ちゃんの強制的な
「そうかもね♪ でも私としては作り物じゃない、ゼラトちゃんの心の奥底から怯えた泣き顔が見たかったしぃ……このやり方に間違いがあったと思わないわ♪」
「……まぁ、わからないことはないかもしれませんね」
「あらそう!私とゼラトちゃん♪ ついにお友達としての類似点がやっと見つかったみたいね♪」
「ええ。私もまえさき市で蛇子ちゃんを泣かしたときは満足感を得られましたし。蛇子ちゃんの『コ、コノ!』って余裕のない捨て台詞が——」
この期に及んだ私の事実を含んだ言葉に、喉仏を撫でる蛇子ちゃんの手が鷲掴むように力が入る。
「コキュッ」
彼女の手の位置から必然的に喉輪をされている状態になる。
彼女の手には全く力が入っていない筈なのに苦しい。
なのに下半身は悦んで、我慢していた絶頂に至りそうになる。
足ピン状態で激しく初期痙攣に及ぶ。
「ウフフ♪」
最初は余計な真実を口走った私への牽制行為だと思ったが違うらしい。
締め付ける力は血圧計のように徐々に強まり、流石にこの期に及んだオホ顔すら浮かべられなくなる。
首を絞められてみっともない顔のうえ、視界がチカチカとハジける。
全体的に薄暗い桃色だったカラフルな色彩が、スチール映像のように変貌しつつある。
耳の中が水が入ったようなくぐもった音になる。
足が感電したかのように地面めがけて激しくのたうつ。
暴れているのに芋虫を踏み付けるみたいにエドウィン・ブラックの私兵から足で押さえられていて苦痛を外部に逃せられない。
口の中にたまった唾液が成す術もなく口端から零れる。
口端からあぶくが吹きこぼれる。
視界が空へとぐるりする。
死——
~一方、その頃……①~
日ノ出 陽葵「まさか親切な店先の店主さんが奴隷商人だったなんて……」
日ノ出 陽葵「はぁ……日葵ちゃん、いったいどこに居るんだろ……?」
日ノ出 陽葵「日葵ちゃんは大丈夫かな? 日葵ちゃんも悪い人たちに捕まって酷いことされてないかな?」
日ノ出 陽葵「うぅん! あの日葵ちゃんだもん! きっと大丈夫、だよねっ!」
日ノ出 陽葵「うーん、あと何処に行きそうかなぁ……。どこにいけば会えるかなぁ……」
日ノ出 陽葵「……」ポクポクポクポクポク……
日ノ出 陽葵「……あっ!」チーンッ!
日ノ出 陽葵「私が紹介した華優麗華に行けば何か情報があるかも!」
日ノ出 陽葵「お腹が減って夕ご飯食べていたもしれないし、店員さんが日葵ちゃんのことを見てるかもしれないもんね! 行ってみよう!」タッタッタッタッ
~一方その頃……②~
【偵察任務】八津 紫
前回と変わらず。
~あとがき~
オリ主が発情していますが、発情に至るまでの原因は既に劇中で発生しています。
一人称視点だと、作者≠探索者なので発情の原因はコレだ!と断定できないの辛いですね。オリ主は見事に発情のおかげで思考力も鈍って原因の特定にも至れていませんし……。
ほんまオークさん達は腐っても死してもなお、デバフを撒き散らす魔界の住人さんですわぁ。
全身が精力増強剤で構成されているんじゃありません?
ところで陽葵ちゃん!
今なら確定でオリ主を押し倒せるぞ! 高位魔族をなんとかしなきゃだがな!