対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
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「えーっと、鹿之助くんのお土産を買ったでしょ? 蛇子ちゃんのお土産もよし。お父さんとお母さんのお土産もよし。ふうまくんのお土産も買った」
「心寧ちゃんと鹿子ちゃんのお土産も買ったよ!」
「青空ちゃん、東京銘菓のぴよこ買えました!」
「ちょァッ!?待って!?なんで!?どうして!?駒ちゃん?!それは福岡県のお土産だよ?!!」
「えっ……」
「東京で買うなら鳩ザブレーのほうだって! クッキーだから日持ちもするし!」
「で、で、でも日ノ出さんが、東京のお土産はぴよこのお菓子がいいって……」
「駒ちゃんに間違った情報を教えたのはお前かーっ!」
「わーん!怒らないでー! だってお店の人に聞いたらぴよこは東京の名産品だっていってたんだもん!」
「そりゃお店の人に聞いたら、売り上げと商品買わせるために嘘つくでしょうが!!」
東京キングダムで手に入れた武装難民の名義と偽造の身分証明書を使って宿を取り、私達はホテルと駅に直通している東京百貨店に訪れていた。
目的はお土産の購入。
『東京キングダムの観光では何事もなかった』と。『無事に帰ってくることができた』と。多方面へ暗に表現するための菓子折りである。
陽葵ちゃんの話では、心寧ちゃんがお土産を買うならココだと太鼓判を押した高級品から庶民品表向きに売られるものなら何でもそろっているデパートらしい。勝負下着もここで買ったとか。
早速、修福の国こと福岡県民に東京のお土産と言って渡すとキレちらかさせる特級呪物を買ってきてしまった駒ちゃんだが、送る相手には『東京のお土産』としてではなく『おいしい薄皮お菓子のお土産』として手渡すように指導する必要が出て来てしまっていた。
そんなこんなでお土産の調達は無事(?)に済む。
「ところで今日の夕飯はどうしましょう? 何か食べたいものでもあります?」
私がいるとしても防犯や臨時の逃走ルート考えた結果。
少し高めの宿屋を選択したものの素泊まりを選択したので、夕食をどこで摂るか適当なタイミングで2人に話を持ち掛ける。
「あ、私は、青空ちゃんに色々お金を出してもらったのでコンビニでも……」
「そうだね……。日葵ちゃんのお金でお土産買ってもらっちゃったし、コンビニでおにぎりとかにする?」
両手に紙袋を携えた陽葵ちゃんと駒ちゃんは少し遠慮がちの声のトーンで、安い食事を提案してくる。
これには両目を瞑って後頭部を掻く。
かァ~~~ッッッ!!!!
育ち盛りの16歳が何言いだすかと思えば!
おばさんね!!!悲しい!悲しいよ!
東京では
せっかく東京に来たんだから、もっといいモノ食べなさいよ!!!
コンビニなんてまえさき市でいくらでもあるでしょ!
「よし、わかりました。お二人がお金を気にするのなら、安くて美味しくてたくさん食べられる場所、焼肉くいーんに立ち寄ってコメタ喫茶、そしてトドメのスタバに行きますよ! せっかく東京に来たんですから、コンビニはまた今度にしましょう!」
遠慮がちな田舎娘たちを引っ張り回して、真昼間から仮眠を取ってから率先する形で東京百貨のフードエリアで食を満喫する。
焼肉プレミアムコース食べ放題、初見殺しのクソデカ・ド・スイーツ、ド田舎ニュータウン五車町にはない呪文詠唱オシャレ
若い時の新陳代謝、肝臓全盛期を全力で有効活用するぞ!
喰らえ!デブの素!一緒にデブるぞ!
幸せ太りだっ!
大丈夫!大丈夫!若い時はすぐ運動すれば、あっという間に痩せられるから!30、40代じゃないんだから!
まる1日徹夜の状況に身体にガタがきつつあるが、昼間の仮眠とカフェイン350㎎入りコーヒーの追加ドーピングを施し、アドレナリンのテンションで振り切る。
東京キングダムでは味わえなかった観光気分を本土の東京で発散する。
もちろん、警戒は怠っていないが今日ぐらいは楽しむと決めたのだ。
パァーっと!パァーッと華々しく遊びたい!
嵐の前の静けさ(賑やか)