対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。   作:槍刀拳

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 討伐(退散)させられたことのある55種
 全クトゥモン言えるかな?

 あと今回は読みにくさのベクトルが違うぞ。




29章 『ひと悶着』(裏)
Episode-Inside29 『ようこそ。探索者の抱える(ヴェール)の裏側へ』


 

 ありえない。

 この俺が。

 ありえない。

 ありえない。

 ありえない。

 

こんなことは絶対に!

 

ありえない……ッ!

 

「お館様——」

「ィアっ」

「……」

「しょ、尚之助(しょうのすけ)か」

「——申し訳ございません。出直します」

 

 無様な姿を配下に晒して。

 些細な物音ごときに怯えて。

 俺の母御のように部屋の片隅で——

 誰もいない部屋の隅で震えていることしかできないなど……!

 俺は母御の言う通りふうま家の当主となるべく男で、宗家の目抜けの当主とは違って忍法も開花し、ふうまは対魔忍随一の一門として——

 

 そんな俺が。

 余所から転校してきたひよっこの対魔忍1人ごときに——

 

 ノイズが走る。

 キーンとした耳鳴り。

 思考が纏まらねえ——!

 違うヤツはひよっこじゃねえ“ヤツラ”のように本性を隠しているだけだ、アレの真の姿はもっと古来から生き延びてきた——

 ヤツは、“アイツ”は一体なんなんだ——!?

 

 俺はヤツに——

 青空 日葵に——

 対魔忍流の誠意ってヤツを教えようとして——

 

「ぎィィイイイィイィイイィィイイイイイイイイイッ!!!」

 

 生意気な身の程知らずを軽く脅すつもりだったんだ——

 4カ月前に転校してきたばかりで表世界の生活しか経験したことのない対魔忍など——

 表社会でしか生活したことのないやつの殺しなど然程でもないと——

 だが邪眼でヤツで見た時、あの刀に宿った怨念どもは——

 

 ——ありえない。

 

 ありえないんだ。

 こんなことはありえない——

 20年間生きていて、忍法にこんな現象が宿ったことは一度たりとも——

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

 アレはなんだ——

 あの“瘴気”は——

 あの“記憶”は——

 誰だ“ヤツ”は——

 俺の斬馬刀“猪助”が——

 意に反してアイツの額を——

 勝手に、本気で殺しに——

 

 こんなことは今までになかった——

 邪眼で敗れ去った亡者たちの怨念を身に纏った程度で——

 “記憶”が“アイツ”に敗れ去った亡者たちの“記憶”が——

 俺を意識化から支配に取り掛かろうと脳がミキサーで砕かれてかき混ぜられるみたいにぐちゃぐちゃになって徹底的に俺を破壊するつもりでペースト状になった脳みそに記憶という粉末が混ぜられてまだ混ぜられて混ぜられてまぜられてまぜられてまぜられて許しを請いても止めてもらえなくてまぜられてまぜられて——

 

——新しい形の凌辱

 

 口にするのもおぞましい、口にしただけ、いいや。認識しただけで標的にされてしまう緊迫感——

 名状しがたき姿の“異形”どもの記憶——

 

 その“異形”対する“アイツ”は、ヤツじゃなかった——!

 アサギのババアより老けた——

 俺の母御と同年代ぐらいの女——

 老化をいともしない機敏な身のこなし——

 それに“アイツ”は殺し慣れている……!

 恐怖を跳ね返すようなニタニタの笑みは面影があって——

 銀縁のメガネなんかかけやがって、だが姿がまったく似つかなかった——!

 なら俺のドロドロに砕かれたスムージー状になった脳へ徹底的に刷り込ませるかのように、報復への憎悪を植え付けさせるかの如く浮かび上がった“アイツ”は一体、何者だ——?

 どの記憶にも勝利を確信した顔で、弾丸みたいに射出できる改造された釘打ち機を使って——

 

「目を開けろ駄目だ。駄目だダメだダメだ駄目だ。目を瞑るな。瞑るんじゃねえ!開けろ開けろ開けろ!駄目だ。閉じるな!みえる!嫌だ嫌だいやだ嫌嫌やめろ!見えるミエル視える観える見得るみえるみえる見得ちまう…………ッ!」

 

 あの時に見えた光景が瞼の裏にヒリつくように浮かび上がる。

 ヤツラはありとあらゆる場所に潜んでいて人類を嘲笑い敵視し乗っ取ろうとしている!

 ヨミハラ経由の魔界の門から現れる魔族なんか比じゃねぇ!大々的な魔族なんかと存在を明らかにしている奴等とは格がちげえ!住む世界すら価値観すら人の物差しでは計り知れない!

 “アイツ”が対峙したヤツラはもっと、もっともっともっと姑息で気づいたときには侵略まで一歩手前まで計画を進めて気付けるのは常に直前になるほどに暗に潜んで自分達が真の地球の支配者に移り変わろうとしている!魔界から侵攻してきた魔族なんか比較にならないぐらい狡猾で陰険で狂気に駆られた極彩色の恐怖——科学力は俺達の時代よりも明らかに飛躍していてそこには感情なんかねえ異常なまでの探求心で満たされて倫理観や理性秩序など微塵にもない。それぞれの思想がそれぞれの一族が一団となって狙っている地球という銀河形態における田舎の星を狙っている。補足されている。もう安息の地なんかない。浸透しすぎている初期対応を誤った違う人類がはびこる前からそれは手先を撒いていたポッと出の魔族なんかとは違う地下も、空も、宇宙も、夜も、地上も、海も、洞窟も、火山も、マントルも、夢の中も、意識の外にも、月にも、闇の中にも、火星にも、市街地でも、人々の中にも、電波の中にも、光の中でさえも、並行世界だって、無意識や頭の中にだってさえも潜んでいる肉眼では捉えられない細菌の中にでさえも!ヤツラが人類に取って代わって地球を乗っ取ろうと計画が密かに進められている思考の中も筒抜けだ違う俺は例外だ例外だ違う俺はまだ乗っ取られてない。正気だ違う違う違う違うちがうチガウ!乗っ取られてなんかいない!俺は二車骸佐、二車骸佐なんだ液体の中に浮かぶ映像を見せられている憐れな脳みそじゃない。ちゃんと身体だってある、恐怖がある、感覚がある、考えられる、髪の毛の感覚だってある涙だって流せる味もするだから違うんだ。違う。権左も尚之介も比丘尼も黒崎も鬼蜘蛛三郎も実在する。打ち込まれたプログラムなんかじゃない!あいつらは二車家の優秀な家来で実在して冥王星の奴等に作られたなんてありえない!“記憶”のヤツラは大宇宙全体で見れば魔族も人類も対魔忍も矮小な虫けらにしかすぎず、本気になればいつでも簡単に星ごと滅ぼせる。まだ誰も本気になっていないだけで。人類がこれまで成してきた辺境の土地で先住民を迫害してきた移民のようにまだ脅威でも繁栄に必要でもないから見逃されているだけでだから気づいた連中が日常にも俺達が気づいていなかっただけで邪悪を信仰するカルティストが星を邪神に明け渡そうと画策している——魔族も一段となって立ち向かわなきゃならねえ奴等が大勢が大勢が——星辰が揃えば終わるすべてが終わる。違う始まるんだ次の支配者への受け渡しが始まって新しい時代が始まる歴史が0から始まるだから現状を維持するために備える仲間も集める世界終焉は等しく平等に魔族も逃げられねえヨミハラから流れる——違う気づいていないだけでもう奴等は魔界でも活動して魔族も俺達の星を地球を支配しに来たんじゃないヤツ等に奴等に追い出された。移住の地を求めてやってきた難民で底辺層は真実に気付いていないだけなんだ。魔族は言葉が通じる善であれ悪であれ歩み寄ろうと地球の文化に姿勢はみせている“記憶”の中のヤツラこそ俺達が定義しなきゃいけない真の魔族だ地球を奪うために人類違う先住民と移民を全面的に排除して自分達のものにしようとする魔族なんかよりもよっぽど貪欲で本能に従った理性という異質な思考が微塵にも存在しない“異形”どもなんだ。

 

「がぁぁぁああぁぁあああああああああああッ!!!!あぁぁぁああぁぁああああああああああああああああ!!!!」

 

 絶叫を挙げて意識を保つもう4日寝られてない寝てはいけない寝れば奴等が来る夢を介して俺を殺しに来る箱に閉じ込めて高原に放り出して洞窟に潜んで黒いガレー船がやってくる!

 

 青空日葵じゃない釘打ち機を持った“アイツ”とその他数人と対峙した存在するとも実在するなど頭がおかしい狂人の妄想としか言えない“異形”たち——

 “アイツ”は人間も殺めてきたそれこそ並みの対魔忍よりもよりずっと多く幾重にも、だが濁流のように流し込んできた記憶にあった人間などアレは前座。本命はヤツラが“アイツ”や“アイツ”の同類どもが阻止しようとしていた真の脅威、俺たち人類全体が気づいていない気づいてはいけない認識して団結してもどうにもならない圧倒的な存在——

 

 吐き気を催すような玉虫色に輝く鈴のような甲高いテケリ・リと主に反抗をする粘液状の生物すべてを憎む巨大なアメーバが人類を捕らえ実体実験を続ける魔術と超科学を使役するラミア族とは異なる蛇が南緯47度9分 西経126度43分の太平洋の海底で眠り復活を待ち望むウロコとぬめぬめの海藻を身体から生やした数多の海洋生物とその雄雌が最大成長した1対の巨影の魚人水底で不気味な歌声で人を溺死させる緑のヘドロとその幾千ものヘドロでできた仔を束ねるアメーバで胸糞悪くなるゼリー状の高度な知性を兼ね備えたゾスの女王が博物館の展示品のような造詣の人を穴だらけにして体液を啜る怪物があらゆるものを灰色に萎びさせるもわもわした虹色の雲が偉大で寛容な花粉で幻覚を引き起こさせるアルラウネのような火星の植物が人間の脳に潜む頭蓋骨の体積を持つ収縮可能な肉体を持つ電気の鞭触手を操る小型の虫がハナゲモグラの原生生物のような拷問を好む月の怪物が砂に潜むヒビ割れた亜人が合理的以外の思考を持たない人の脳を集めているキノコとひき肉色をした甲殻類が湖の底で注射針のような毒入りのレイピアのような針で死体安置所のようにゴロゴロとした死者の従者を増やす機雷のような唇が荒れぼったい夢にも顕現する怪物がスペクトラルで音楽を耳元で響かせ続け人を狂わす不協和音が赤子のような図体で顔にパーツがないのに両手に牙の生えた悪意を持った口が黄色の衣装を纏ったワルツを舞う静止を知らない蒼白の顔面とカルコサから黄衣を纏った巨大な水生の生物や嘔吐を誘う泥状の怪物ヴェールを剥ぎ取る幾何学模様が巨大な目メデューサ銅色の肌をした人類人の顔をしたキチン性素材のような表皮を持つ蜘蛛や鍾乳洞のようなふやけた皮膚をした球体や血液で彩られる透明な触手の塊奇妙に歪んだ奇妙な顔に1対だけの空飛ぶ邪竜時空の果てに住まう虫と猿を合わせた生物、巨大なクラゲのようにみえて内臓が長蟲のようで半透明に透けて何十条の光が反射して腕が4つに顔面が鮑のように割れた巨猿人類炎の塊人の顔をした鼠カラスモグラアリを混ぜた黄色のキメラ人を自殺に導く異質な瞳を持った邪神とのハーフやシューシューという樹木に潜む山羊のヒヅメを持った牙のついた植物人の肉体を栄養とする植物が這いずり回りヒトの姿に擬態するウジ虫の集合体が角の猟犬が大量の犠牲者の顔を貼り付けた巨大なヒルが巨大なヒル触手を生やしたぶよぶよの水死体絡みついたザラザラとした触手が先端に触れたものを丸のみにする不運に陥れる原始的な鬼火が骨格の関節の可動域を無視した動きをする髭のような触手を生やした殺しても死なない水死体がエジプトの壁画に描かれた頭部が獣人の集団は実在して雪山を空飛ぶ靴で滑空する青灰色の凶暴な人型実体も映画に出てくるよう火星人もヒキガエルに似ているのに常に外見を変化させる吹奏楽器を持った人には存在しない器官を持った奏者ツチノコとされていたもの近代に利用されていた機械装置や電力機器がまるで1つの生命体のように歪に組み合わさった集合体水面に潜む黄衣で8本の触手に骸骨に近い顔面を持つ人とタコの間の子のような人に化けた怪物は傷口から血ではなく腐食性の黒いドロドロを滴らせるもの怒りで姿を露わにする神経質な悪食の擬態玉色アメーバ赤茶色の衣服を纏わぬ首がない3ⅿ台の分厚い体付きのアルラウネに仕える宇宙人はえ取り草のような器官を生やした歩き回る植物血肉を養分に人から発芽する地獄のツタ鎌のような鋭利な四肢を持った邪悪なカエル様々な形態を持つゾンビと呼ばれるモノ——

 

 そしてすべての始祖。夜戸外で呼ぶだけで現れる瞬く間に体積が2倍ずつ膨れ上がっていくまるで怒りに狂いビッグバンを繰り返して拡大する惑星のような終焉しか彷彿させない悪夢と、その“記憶”に居た明らかに“アイツ”じゃなく記憶を垣間見ている俺を凝視している褐色肌で舌だけは赤い不気味な程の美貌の——

 

 過去に残された壁画や陶器などに記された奇怪な生物はファンタジーの生き物ではない実在する!実在してその姿が決して忘れられることが無いように口伝では正確に脅威を知らしめられないがために過去の人類は後世に伝えられるように記録を残して常に人類が危うい橋の上を歩いているのかいつかの滅びを現在(いま)迎えてしまわないような警句として記されていて決して幻覚でも想像上の生き物でも骨格が残っていないのはヤツラは地球上の生物ではないがゆえに身体は溶けて消えるし先人達も狂人が増えないように敢えて死体を隠滅して被害が広がらないよう常に最善のしかし危機だけは常に伝える方法として娯楽や歴史的文化財を選んで時の時代の現代人に隠匿されないようにいつの時代も現代人に警告していたんだ。

 

 対魔忍が束になっても奴等は正気を命を根こそぎ奪う人も魔族も等しく本能に駆り立てる俺だってふうまと敵視なんかしてないででもヤツはあの目抜けの昼行燈は動かねえだから俺が動く俺が動かなきゃ世界は終わる終わるおわるおわる井河のうつけじゃなにもでき政府の犬も役に立たないどうしようもない首輪にもそれはそこまで敵は浸透している内部から崩壊する信じられるのは身内だけもう終焉はすぐそこに終末時計は1秒もないすぐそこに破滅があるだから俺が俺が真実を知る者の筆頭としてふうま家を護る復興繁栄させなきゃいけないすぐにすぐにすぐにすぐにすぐに——

 手始めに何をすべきか——

 

………

……

 

「——お館様」

「権左か——どうした?」

「お館様の身を心配され、校医の室井様がいらっしゃられていますが……どうなされますか?」

 

 利用できるものは何でも利用する——

 それが“アイツ”のやり方ならば——

 

「——通せ。俺も話がしたい」

 

——俺も現状を変えてみせる。

 

 神の些細な気まぐれで崩壊する世界でも、神に匹敵する力でなり上がってやる。

 

 




~???~

「脅しは人を選ぶべきだったね。少年」


〜あとがき〜
 二車くんの夜叉髑髏・累ですが、原作だとSTORY event『別れの夜会(10)』の情報を元に能力を引用しました。シナリオ第一章Chapter47と48の間のイベントですね。

 探索者は常にこれらの、これら以上の“異形”へ対し、正気度ロールや魔術・物理攻撃の波状攻撃を受けながらも世界のためになんとか耐えしのぐことができています。

 さて。
 一度に()()()を視てしまった対魔忍は、どうなってしまうのでしょうか?

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