対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
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そして本話の執筆中、思い出せない葛藤がありました。
対魔忍RPGにて、ふうま君が本を読みながら対魔忍の忍法について言及していたと思うのですが、それがCHAPTER(?)の話だったのか思い出せないのです……!
確か対魔忍でとある忍法を覚えていた対魔忍が死んだとしても、その術を覚えた対魔忍が新たに誕生する。忍法は1人につき1つみたいなことを言及していたと思います。
それが何処の情報だったか、これが思い出せない。
対魔忍RPG有識者兄貴姉貴、もし知っていれば教えてください。(2022/5/31時点【未解決】)
——バァン!
「よっ♪ アサギに、紫、蓮魔までなにを雁首揃えて見てんだよ♪」
その時、ノックもせずに荒々しく校長室の扉が開かれる。
今回の一件で憂鬱な気持ちのまま視線を向けた先には、今回の被害拡大要員の
即座にパソコンにて再生していた映像記録を停止させ戦闘用プログラムソフトごと閉じる。それからゆっくりと息を吐きながら、猫背のようになった背中を背もたれへと倒した。
「随分な身なりだな眞田。これが貴様の今回の長期任務の報告書と、貴様の給与から差し引かれる破壊した教室の机と椅子、蛍光灯の修理伝票だ」
「はぁっ? なんで、私の給料から差し引かれなきゃなんねぇんだよ。おかしいだろ! これは教室で暴れまわっていた問題児への生徒指導の流れで破損したんだから、経費で落とせよ! 経費で!」
「その生徒指導は、地下のシミュレーションルームで実施すれば良かったものを、先輩であるお前が黒田を焚きつけるようにして、教室で暴れたのがそもそもの原因だろう?」
「うっ……それは……」
蓮魔から差し出された伝票と報告書を払いのけ、食ってかかる眞田だったが紫の正論も入り途端にたじたじになる。一度は払いのけた修理伝票と報告書を受け取り困ったような顔をしながら後頭部をかきむしり始めた。
紫と蓮魔が校長室に到着した際、紫から机と椅子、蛍光灯の修理伝票は書かなくていいと進言してきたのは、そういうことだったというのね。
思い返してみる分にあの映像記録を見る限りでは最初に『青空 日葵』に危害を加えたのは眞田ではなく、黒田からではあったものの……開戦の火蓋を切るような発言とその模擬専用の槍を頭上で大旋風させていたのは眞田だったはず。
ここは紫の進言を尊重し、今回の修理費の一部は眞田自身に負担してもらうことにした。
「お帰りなさい。眞田。……それで? 紫の話だと、教室での生徒指導ののち問題児の
「率直なことを言わせてもらえば、まだまだ弱え。だが、アイツは私が見込んだ通りガッツはあるぜ。何度気絶に持って行っても、全身を打身だらけにしても、叩き起こせば即座に食らい付いてきたのは評価できたな」
「……。……続けて」
「後半は茄子みたいになっていたにも関わらず、私の槍撃にも慣れてきたのかSEKIRONINのように槍を踏みつけてきやがったかと思えば攻撃を受け流して、顎目掛けて殴ってきやがった!」
彼女は私の問いかけに対して報告書を面談用の机の上に放り投げると、面白そうにギラギラとした笑顔に戻って当時の状況を語ってきた。
……余程、青空 日葵との殴り合いが楽しかったのだろう。実際に殴られた顎の部分まで人差し指で指して、少し皮が剥けて赤くなったのを見せつけてきた。
「まさかあのひよっこに、急所を的確にぶん殴られるなんてな。流石の私も一瞬だが脳が揺れて怯んじまったぜ。ま、即座に地面と抱擁させてやったけどな! ……アイツはもっと鍛えてやれば、間違いなく強い対魔忍になれる。そしてあの1年は日ノ出 陽葵だったか? アイツの介入を拒否して、最後まで単身で立ち向かってきやがった。紫の話では忍法はまだ覚醒してねぇみたいだが、アイツが任務に出られるようになったら真っ先に私に教えてくれ! アイツの芯には決して諦めねぇ……なんつーかな……。決意。そう、決意の炎が宿っているそんな気がするんだよな。お前等が見て忍法が覚醒しないと判断しても将来は火遁衆に引き入れてぇし、火遁衆期待の神村 舞華ほどじゃねぇが、みっちり鍛え上げれば前線を張れる絶対に良い対魔忍になれる! 私が保証する!」
「……えぇ、考えておくわね」
彼女はまるで子供が新しい玩具を見つけたときのような眼で、キラキラとした目を見せつけてきた。正直、これ以上、対魔忍の問題児を抱えるのは私としても胃が痛くなるような思いだったが、ここで渋ったとしても正面の眞田が納得するはずもないため生返事をしておくのだった。
……彼女には『青空 日葵』が一般人であることは伝えてはいない。彼女に対して『青空 日葵』が一般人であることを伝えることは、彼女の感情が高ぶった際。ふとした拍子に事情を知らない教師や生徒、本人へ対し、余計なことを直接的に口を滑らしてしまう危険性があると考えた上での対応だった。現に、今回も紫が計画した『青空 日葵』の生徒指導について口を滑らせてしまっている。
しかし対魔忍と同等の訓練を付けられても、何度も立ち向かっていくだけの耐久力と気合には見入るものがあるのは確かなことだ。
「……念のため聞くけど、殺してはないわよね?」
「殺すわけねぇだろ。将来有望な対魔忍って言ったろ? ひとまず半殺し程度には留めておいた……と言っても、死なないギリギリのラインまで痛めつけて室井の緊急治療室送りにしたけどな」
「そう。既に紫からは彼女の忍法が覚醒していないことを聞いたみたいだけど。貴方との戦いの中でも忍法に目覚めた……あるいは何か気が付いたことはないのね?」
ふと先ほどの彼女が言った『私達が見て忍法が覚醒しないと判断しても』という話口調に引っ掛かりを覚え尋ねてみる。まるで、何か気づいたが隠したいような……そんな気持ちが浮き彫りになっている発言のように聞こえたからだった。
「……。さぁな……私が見た感じだと何にもなかったが」
「……」
やはり。先ほどまで饒舌だった彼女が途端に言葉を濁し小声になった。
何か彼女は隠し事をしているようだ。万が一の事故に備え、シミュレーションルーム内での出来事はすべて記録として残されている。例え眞田が『青空 日葵』の変化に気が付いた上でそのことを隠蔽したとしても、今、目前のパソコンで内容を即確認することはできるのだが……。しかし、その変化が戦った張本人しか分からないものだった場合。手の打ちようがない。結果的にここで聞き出す必要が出てきていた。
彼女が言葉を濁し小声になったところで、こちらは何も言葉を発することなくすぅっと目を細め睨みつける。
「…………」
「おいおい、流石に“最強の対魔忍”と特訓する気はねぇよ。本当は……火遁衆へ引き入れるチャンスを不意にしたくないから言いたくはねぇけどさ。アイツが今後、対魔忍として活躍することを考えるなら……チッ。しょうがねぇな。私が見た感じだと、それらしい忍法と言えば何度気絶に追い込んでも意識を取り戻せば即座に動けるその
……なるほど。
何度気絶に追い込んでも意識を取り戻せば即座に動けるその
眞田の気づきの確認のため、机上のパソコンを操作してシミュレーションルームの映像記録を閲覧し始める。
映し出された状況によると、戦闘結果としては眞田の一方的な蹂躙で終わったようだが……彼女の発言通り、一般人にしては気絶からの活動復帰行動が他の対魔忍と比較しても早いことがわかった。眞田による手加減が一切感じられない攻撃によって気絶したとしても、水を頭から浴びせられて目が覚めたその瞬間から苦痛と疲労に顔を歪めながらも教室で見せていた動作をそのまま体現している。
流石に今まで彼女を気絶に追いやっては、即目覚めさせるような拷問まがいの検証は執り行なってはいなかった。それゆえに気が付くのが遅れてしまったが、この映像を見て確信を得る。
だがしかし、どうしても不可解なのはDNA鑑定では確実に『青空 日葵』は父親の青空 源太と母親である青空 八雲の子供であり、血液やDNAの情報にも魔族の血が混じっているという記録が無い。五車学園に在籍している3年生の
もし仮にそれが彼女の忍法とする場合……。紫の忍法に関する分類ということになる。特に似ている者と言えば、青空 日葵と入れ替わるようにして卒業した五車学園生の
ここでふと紫と蓮魔の方を見る。彼女達も私の顔を見て頷いていた。それは『青空 日葵』の一連の立ち振る舞いにも納得することができたと言った顔だ。
それが忍法であるとするならば、仮に気絶するような負傷をしたとしても……。何かのきっかけで気絶から意識を取り戻せることができればその場からの逃走は可能である。それに、その忍法が彼女の特性であるとするならば彼女が提示してきた『
1週間前に危篤状態から病院で目覚め、即退院するために大暴れをし元気であることをアピールしたという話にも合点が行く。
さらに言ってしまえば『青空 日葵』は自身の
五車学園の図書室に保管されている蔵書によれば。本来、対魔忍は忍法が覚醒したとしても。原則どんな対魔忍であれ1つの忍法しか開花しない。ふうま八将を継ぐとされていた
「……ところで、SEKIRONINって何かしら?」
「あぁ? SEKIRONINを知らねーのかよ。SEKIRONINってのはな——」
「ふっふっふっ。そこは私が解説しよう!」
考えれば考えるほどに頭が痛くなるような彼女の情報に、ここでふと彼女の説明にあった『SEKIRONIN』について問いかけてみる。これについては聞いたこともない名詞だ。もしかすると何か重要な気づきに対するきっかけになるかもしれない。そう思ったところで、不意に眞田の影からさくらの声が聞こえ、ぬっと眞田の影から飛び出るように対魔忍スーツ姿でその姿を見せた。
「『SEKIRONIN』とは! ふうまくんとゆきかぜちゃんが遊んでいるフロロムソフトウェア開発のゲームの事なのだー! ほむほむの聞いている話だと、どうやら日葵ちゃんは、そこに登場する主人公が使用する突き攻撃を伴う敵の攻撃を受け流す技の『見切り』を使ったんだと思うよ!」
「げっ……さくら。テメェ、いつのまに私の事の影に入り込んでやがったのか!」
「めんご~☆ お姉ちゃんから簡単な
「このっ……! あと、ほむほむって呼ぶのやめろっつってんだろ! ぶっ飛ばされてぇか!!」
「だから、めんご~めんご~だってばー」
「眞田! ここで暴れまわるのはやめろ!」
「…………はぁ……」
さくらの登場により、校長室の内部が一層賑やかになった。
直ちに可愛らしい渾名呼びされた眞田が激昂し槍を構え振り回す際の動作に入ったが、さくらは跳ね回る猫のように悪びれていない笑顔のままの謝罪を繰り返しながら、家具の影へ次の家具の影へとその身を潜める。
更に校長室内の家具が破損する危機が迫ったかと思いつめたところで、先に紫が静止の一声を放ち大事には至らずに済んだ。
蓮魔はというと、小さくため息をつきながら鼻頭側へと落ちた眼鏡を調節して呆れたような顔をしている。
「……それでさくら、頼んでいた
「うん。何も起きてなかったよ」
「何も?」
「何も。それどころか『
さくらの言葉に思わず顔をしかめる。
実のところ言うと、今回さくらには『青空 日葵』は騒ぎを起こす裏には何者かに工作や反乱のチャンスを与えているのではないかと、その反乱者および工作員の監視を行わせていたのだが動きはなかったようだ。この話を聞く限りでは、その反乱者は呆れすら覚えていたようにも聞こえる。
……つまり、この情報から導き出される情報としては、青空日葵のあの問題行動は本人が意図していたかどうか完璧に差し測ることはできないが、日ノ出 陽葵の発言やこれまでの『青空 日葵』の行動を観察してあり得る可能性は『本人も意図していなかった成り行き』で窓ガラスを頭で叩き割ったのだろう。でなければ、あの生徒指導宣言前の狼狽っぷりと黒板に残された文字の心理的状況の説明が付かない。
もしもそれが演技であるというならば彼女はとんでもない役者に違いないだろう。
「はぁ……」
部下に見せるべき溜息ではないことは分かっているが、これは溜息をつかざるをえなかった。在学している1カ月以内の話に限っても、彼女が起こした事件だけを換算した場合、『紫の基礎能力試験』、『まえさき市』、『入院中での暴走』、そして『今回の出来事』……きっとこんなトラブルメーカーの事だ。近いうちに絶対、何か別の騒ぎを起こすようなそんな気がしてならない。
しかし、今回の一件で大きな進展もあった。それは間違いなく彼女の弱点ともいうべき存在の発見。ふうま小太郎を隊長に独立遊撃隊に任命した際、『青空 日葵』を部隊へと参加させて欲しいと進言してきた『
紫から制止のために告げられた時の反応は充分な効果を発していた。あの感電したかのような身体を震わせる動揺に顔を赤らめ凄まじい恥辱に晒されたかのような顔。本人もまた外へ飛び降りるか、それとも紫の指示に従うか少し迷った反応を見せた後で、上原鹿之助の話題を出すことはやめて欲しいと言及し素直に机から降りている。
彼はきっと今後も彼女を制御するうえで必要不可欠な存在だ。存在だ、が……上原鹿之助を独立遊撃隊からは外せないという点と、期末試験開けの判断が下り、正式な対魔忍として属するまで『青空 日葵』は独立遊撃隊に参加させることができないという点を除けばの話ではあった。
……。一瞬、彼女の牽制の為、問題を引き起こすたびに上原 鹿之助へ報告するという案も浮かんだが……。これはこれで予測不能な事態が引き起こされかねないのでは? と脳裏に一抹の不安がよぎり、口に出すことなくそっと胸の中にしまい込むのだった。
~あとがき~
対魔忍達も脳筋だらけだけど、頭対魔忍ばっかりじゃないんだお~。見抜く力もあるんだお。ということをコンセプトとして執筆していました。
必要部分だけEpisode41と繋げるとEpisode41がとても長くなりスマホで読んだときに『
やはり8000文字で話を展開するよりも、3000~5000文字で話を展開した方が閲覧者兄貴姉貴達も内容が入って行きやすいと思いました。
……ちなみに最近本作品を読み始めたばかりの閲覧者兄貴姉貴に説明すると、今回、眞田先輩と他の教師陣3名も気が付いた『気絶回復からの即時行動』は別に忍法ではないです……。
『クトゥルフ神話TRPG』『新クトゥルフ神話TRPG』を嗜んでいる兄貴姉貴達は御存じかと思われますが、これは“探索者の標準身体能力”です。(詳しくはEpisode5参照、自身の
それを忍法として認識しちゃったなら、やっぱり脳筋やんけ!!!と思った兄貴姉貴達がいるようなら、それは対魔忍がオリ主の情報を見抜いたことをうまく伝えられなかった作者の文が拙いだけなので対魔忍を責めないでください。
むしろ、探索者の特性を1つ見抜いた対魔忍を褒めて。褒めて。よろしくお願いします。
~ステマ(宣伝)~
私が対魔忍にハマるきっかけになった新クトゥルフ神話TRPGシナリオ『濃度3000倍』を執筆されているレルタナ様が。
この度11月中。なんと毎日シナリオを投稿されているらしいです!
レルタナ様の作品URLはこちらから:https://3000-times.booth.pm/
レルタナ様のTwitter:https://twitter.com/Relutana
更に対魔忍シナリオである『感度3000倍』のキャンペーンシナリオも30日に頒布(Twitter情報)されるだとか……私は身内呼んで遊ぶ予定です。
更に情報を漁った所によると、Twitterでは11月中毎日シナリオ投稿企画に失敗したら露出狂になるとか、宣言をした時点で公開できるシナリオが13本足りないことに気が付いたのとか……。
いやぁ、クトゥルフ神話TRPG界隈の人は狂人しかいないのか……(困惑)
そんな状況にも関わらず11月10日までちゃんと毎日シナリオを投稿していると……本当にCoC界隈はPL(探索者)もKP(シナリオ製作者)も、ぶっ飛んでますね!(誉め言葉)
末筆ながら、私は直接リプを飛ばす勇気はないですが、レルタナ様を応援しております。
『感度3000倍』キャンペーンの執筆頑張ってください。楽しみにしています。