対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
こんばんは47。
整数である3と7の平均値と中央値って【5】らしいわよ。
そんな誰でも分かりそうな雑学を披露し、この【5】が今後何に使われるかはひとまず置いといたところで、評価を頂きましたので返信していきます!
次に一歩、前に踏み出した時。気が付いたら地面にうつ伏せで寝転がっていた。動けない。身体を引き起こさなきゃいけないのに、身体が動かない。視界が真っ暗だ。
ああ、この状況は……まずい通り越してやばい。まずい通り越してやばい状況は、まえさき市でえっちなマッサージ店を開いている方の蛇子ちゃんに、背後から骨が軋むほどに熱く抱きしめられてアヘらされて以来だ。いや、あの時のレベルはまずいか?
やばいだと、やっぱり陽葵ちゃんの獅子舞モドキの頭部装飾された鉄球で左足の脛の骨を折った瞬間ぐらい? でも今回のやばさレベルは、何処から選択を誤ったのか後悔し始めるレベルでやばい。
私の説明書の情報上では、問題なく動けるはずなのに動けない。何も見えない。
すぐに皆が駆け寄って来てくれて、仰向けに床へ寝転がされる。
視界が、完全なブラックアウトから、ほのかに窓から差し込む淡い光で辛うじて照らされている室内と皆の顔が映し出される。みんなだ。この場にはみんながいる。
なんかみんな何か言ってるけど、よく聞こえない。突発性難聴を発症してしまったか?
あぁ……ふと思うことがある。葬儀の棺桶から見下ろされる視界ってこんな感じなのかぁ……。
手が誰かに握られる。なんだか入院先で、蛇子ちゃんやふうま君から『鹿之助くんが私と二度と会いたくないって言っている』だなんて、そんな話をしてもらった時にも似たようなことをしてもらったっけ。でもあの時のような温かい手ではないけれど、崖から落ちそうな私をしっかりと支えてくれているかのようなそんな安心できる手だった。誰の手かわからないけど。
いや、待ってくれ。今はそんな納得や関心を得ている状況ではない。そんなことを実況している暇がないほどに、まずいことが目の前で起きようとしている。起きてしまいそうになっている……! あぁ、まずい……! 陽葵ちゃんが決壊する。決壊する。決壊した。決壊した! 希望が! ムードメーカーが!!!
これは何が急いで取り繕わないと! ここで前向きなムードをガタガタにしてはいけない!
大丈夫! 眠いの! そう、これは眠い!
大丈夫! 大丈夫だって。安心しろよ~。すぐ、よくなるから! ちょっと寝たら、よくなるから。でもずっと同じ場所に滞在するのは亡霊から発見されやすくなるし、私の事は捨てて行って良いから。そうそう。……なんでみんなそんな愕然としたり、困惑した顔するの? 『私だけをベッドに寝かして、少し仮眠を取らせる』って話だよ? ちょっと眠いだけ。そう、これは眠いだけなの。言ったでしょ? 昨日は夜更かしした上で、今日は早起きしたから、眠いって。これは皆にも言えることだよ! こういう探検をするときはちゃんと事前に十分な睡眠を取ろうね!
だから、泣かないで陽葵ちゃん。ほら心寧ちゃんを困らせちゃだめだよ。あはは、陽葵ちゃんって普段から体温高いでしょ。ぬぐった涙がすっごく熱いよ。私には金属ベッドとヒカキボルグがあるし、私だけ少し休んで、後でみんなと合流するから。鍵を見つけて先に外で待ってて良いから。
みんな、なお先輩のいう事をよく聞いてね! 脱出の『鍵』はこれぐらいの……クレジット大のカードキーだよ! 私のいないところで分散したり、脱出の『鍵』を回収し忘れたり、私の合流が遅れているからってどこかで待機しちゃだめだよ! その時は私は私で打開策をちゃんと練っているから、大丈夫!
それじゃ、なお先輩と細かい引き継ぎのお話があるから、少し離れていてね。
大丈夫! すぐ済むよ!
………
……
…
穂稀さん。年端も行かぬ貴方に指揮系統を委ねることは酷かもしれませんが、あとのことは宜しくお願い致します。
……不安なのは分かります。ですが希望的観測を持ってください。脱出の糸口は見えていて、少し前に神村さんにお話されていらっしゃられましたが、穂稀さんは……風紀隊の隊長を務めた経験があるのでしょう? ならば、この状況は容易に打開できるはずです。ここまで来れたのですから、亡霊と遭遇しない対策はバッチリでしょう?
錯乱なんかしてないですよ。私はわたしですし、これは私に定められている概念を実行しようとしているだけです。
錯乱されているのは穂稀さんの方ですね。落ち着いてください。
リーダーたるものが部下……いいえ、この場では仲間を錯乱や混乱させてはいけません。……今は年下であり、噂では問題児に分類されている私が言っても説得力がないでしょうけど。トップが混乱すること、すなわちその下につく仲間達も混乱してしまいますからね。
でも穂稀さんには、死々村さんという慣れ親しんだ友人がいるのですから、混乱を抑えきれないときや困った時は彼女を頼ってみるのも私はありだと思いますよ。貴方は彼女を信頼しており、彼女もまた貴方を信頼しているでしょう? 言葉にしなくても、洋館内でのあなた方の関わりを見ていれば察することはできますよ。
……私はできませんでした。貴方に声を掛けられるあの時まで、険しい顔で指揮を執ってしまいました。でも、穂稀さんならできると思います。なんて言ったって、あの神村さんをうまく懐柔されたのですから!
そのチームプレイを成し遂げるために、今の私から貴方に助言できることとして……。
まず陽葵ちゃんはムードメーカーなので、ここのご機嫌は適度に取って前向きな姿勢を保持させてください。私について触れてきた時は『すぐに合流する』と楽観的な姿勢で対応を。この場を離れるときにいう事を聞かなかった場合には私に頼ってください。うまく説き伏せます。
心寧ちゃんは頭の回転が速いので、有事の際は戦闘よりも索敵や調査に回した方がいいと思います。それに両足が義足なのでこの部位を破壊するような事態になった場合、私の二の舞を演じることになりかねません。そして彼女は何よりも頭の回転がはやいので……つまり。その分、繊細ではあるので適度に調子と様子を見守って心のケアをしてあげてください。
私が言えたタチではございませんが、神村さんは猪突猛進なトラブルメーカー。ははは、知っているって顔ですね。ですが目標を狙撃する砲撃の腕は悪くないかと。彼女の放つ砲のバックブラスト……つまり彼女の背後にだけは立たないようにする・密室空間での砲撃を避けさせる警戒を常に怠らないようにさせてください。
……私はここで、亡霊を引き付けます。大丈夫です。いつものように今回もうまくやりますよ。だから——
ゴッ
………
……
…
~あとがき~
文章上の私に定められた定義について。こちらは本小説上に掲載済となっている既出の情報と『新クトゥルフ神話TRPG』におけるルールになります。
~評価返信~
『tyanドラー様』
■ 内容は面白いのに批判的な感想とそれを挑発する作者のやり取りが前書きに書かれていて物語に触れる前の段階でイメージとして損してる気がします。
個人的にぷるぷるこんにゃくみたいに揺れる文字は面白いと思います。
◇ そうですよね。……(´ω`;)
読んでいる読者側に立ってしてみれば、当事者以外はなんのこっちゃ?とは思いますし、それに皆様、本小説に興味を持って読もうと来てくれているのに閲覧者兄貴姉貴を不快にさせるのは、間違っていますよね……。
これを機にリメイクさせて頂きました。注意して頂いてありがとうございます。物語を楽しむ前段階でスマートな見栄えになっていると嬉しいです。
~閲覧者様各位へ~
本小説を楽しみに来てくださっているのに、作者の評価返信で不快にさせてしまった皆様、その節は申し訳ございませんでした。
評価返信は継続していきますが、同じ過ちは繰り返さぬように心がけていきたいと思います。