対魔忍世界へ転移したが、私は一般人枠で人生を謳歌したい。 作:槍刀拳
発狂により、新必須タグ増えます。
さて。状況は最悪の一途をたどっていた。
五車学園の生徒、6人中5人が発狂状態。そのうち1人は爆速で室内からフェードアウト。手の付けられない行動をしているのが2人。自分の力で動けないのが2人。
ひとまず、爆速で室内からフェードアウトして行ってしまった心寧ちゃんは後で探すものとして今は置いておく。この神話生物を目前にして、狂気的状態にある4人を放置することは見殺しにするよりも惨い行いに違いない。更に言ってしまえば分散を避けることを目標として定めたのに、私がこの場から去ること自体誤った判断だろう。
ブラッドドレスを纏った首のない貴婦人がここにいる間は、今のところ得てきた情報や遭遇してきた怪奇、
話は変わって、神村と最初に合流したときにはロケットランチャーをためらいなく撃つ彼女に対し、気絶させ装甲として持ち運ぼうとしていたものの……あの時は心寧ちゃんの目を気にして実際には、その方法は実行しなかった。今こそ、その方法を解禁すべきだろうが……確実にその光景は3人に見られてしまう。
「これならば!!!」
『何やっているんだか……あの人は……』と、もぞもぞ動く陽葵ちゃんを下敷きに伏せ状態で呆れ返る私は信じられないものを目撃することになる。
なお先輩がブラッドドレスを纏った首のない貴婦人に対してFN2000に似通った穂稀プラグスーツカラーのモデルガンの銃口を向ける。そしてトリガーを向けて……——
——ビシュンッ!!!!
モデルガンだと思っていた銃口から、オレンジ色に近い赤色の閃光が放たれたのだ。
——チュィン!!! チュンチュンチュンッ!!!
驚きの連鎖は止まらない。初め、何が起きたのか理解できなかった。
なお先輩の銃口から放たれたビームのようなレーザーが、その爆炎にたじろいでいるように見える怪物に直撃をした! 直撃をした筈なのに……光が分散したかと思えば壁や床、天井に焦げ目を残したではないか。でも怪物は嫌がっているように腕を振り上げてはクネクネと白旗を振る様に、その鹿子ちゃんの体液で満たされた半透明の赤い腕を振っている。
ちょうどその焦げ目を残す光は私達が伏せている目の前の床にも着弾する。そっと焼け焦げた床を触り、何が起きたのかを確認する。
——ジュッ
「ぐっ……!」
触れた指に刺したかのような痛み。指先を見れば皮膚が赤く爛れている。
でもレーザーを出していた銃は怪物に直撃していたはずだった。でもそのレーザーは分散して、床や天井に刺さり今は地面を焦がしていたことを考慮すると……まさか、レーザーが鏡に当たったかのように光の屈折と反射を引き起こしている……?
更によく見れば怪物の方も鹿子ちゃんの複合有機液体を啜った直後よりも、輪郭が薄れつつあった。アイツはアイツで、また不可視の状態に戻ろうとしている……!
「こっちは、まだまだいけるよ! くらえっ! 集光解放! フルバァースト!」
「マッスグネラッテブッコロス。マッスグネラッテブッコロス。マッスグネラッテブッコロス。マッスグネラッテブッコロス。マッスグネラッテ——」
「」
「きゃはははははは!」
「陽葵ちゃんは伏せてろ!!!!」
——ビシュンッ!!!!
——チュィン!!! チュンチュンチュンッ!!!
再びなお先輩の閃光が怪物に直撃した。同時に拡散し、地球防衛軍2から皆勤賞の
反射した光線の直撃は免れられるものの……反射して床に直撃した光線だけでも
苦肉の策ではあるが、やはり私が『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』の荒業を用いてこの場を離脱する他はなさそうだった。言い訳は後で考えるものとして、今は人命の方が優先されるべきなのだ。
運べるにしても精々同時に1人の人間、特に鍛えているとしてもさほど筋力の付いていない青空 日葵が持ち運べる人間は2人が限度。
この場には4人いる。誰か2人を諦めねばならない。
——いいや。ここまで来たんだ。鹿子ちゃんは助けられなかったかもしれないが、今はこの場にいる
力を出し惜しみしている場合じゃない。アレを使えば……私なら一度に3人は運べるはずだ。
即座に作戦を頭の中で構築する。
それぞれの様子から〈精神分析〉によって、おおよその発狂内容を推測する。
陽葵ちゃんは感情爆発。神村は暴力衝動。なお先輩は常軌を逸した行動。コロ先輩は分かりやすい気絶あたりだ。この場において自力で動けそうにないのはコロ先輩と陽葵ちゃんの2人。あとの2人は自力では動けるが……あの様子では簡単に連れて逃げることはできそうにもない。
ならばどうする?
いつものノックアウト打撃?
ブラッドドレスを纏った首のない貴婦人が再度透明化をしている状況から……そんな時間も惜しい。
神村のロケットランチャーの弾薬もいつまで持つかも分からない。
なお先輩のレーザー砲のチャージ時間はおおよそ
彼女たちの狂気状態がどれほど続くかも分からない。
不確定要素が多すぎる——!
多すぎるが……! それでも、私がやらなきゃ誰も助けられない!
「陽葵ちゃん! 聴いてください! 笑って居る場合じゃないです! この洋館から出ますよ! 私の肩に掴まって、背中に乗ってください! 出口まで走り抜けます!」
「んっ? んふっ♥ ちゅちゅっ♥♥」
「」
ちゅぽんっ♥♥♥
「あぅー? ぅーひひ! あーはー! あはははは! あむっ♥ んー♥ふぅー?♥♥♥」
ちゅぱっ♥♥ ちゅ♥♥♥ ちゅちゅちゅ♥♥♥
こ い つ は な に を し て い る ん だ。
洋館から脱出するための算段を立て、神村のロケットランチャーから放たれる爆風から陽葵ちゃんを護ったと思った。『護った』と思っていたら、陽葵ちゃんが日葵ちゃんの下で日葵ちゃんの上半身にある日葵ちゃんをしゃぶっていた件について。
一瞬目の前の状況が理解できなさすぎて、完全に言葉を失ってしまった。
ごめん。今、そういうお色気要素は要らないから。そういうギャグはもっと別の時にするべきだから。
ちゅぽん!
自身の片手で彼女の頭を抑え、青空 日葵の太陽へとしゃぶりつく日ノ出 陽葵を引きはがす。
いつの間にか胸元の衣服がはだけて、青空 日葵の初日の出が『コンニチハッ!』と……。仄かに温かくじっとりとした唾液で濡れたことで、日葵の太陽がテラテラと発光をし、外気によってハッカ油でも塗られたかのような冷気を感じられる。
陽葵ちゃんと友達じゃなければ、渾身の〈精神分析(物理)〉をかましてやったところだ。
まずはこの狂ったメンバーの中で実害は出ているが比較的に無害そうな陽葵ちゃんを背中に背負う。背負うためにも、改造に改造を重ねた消火器は取り外して傍らに投げ捨てた。消火器とは異なった陽葵ちゃんのズンとした重みが足に。ああ! 折れている脚に! 脚に! ぐっ……伝わるがっ、運搬自体に問題はなさそうだッ!
「んむっ♥ んっ♥ んっ♥♥♥」
ちゅるっ♥ ちゅぱっ♥ ちゅちゅちゅ……♥ れろっ♥
おい!やめろっ!!!やめロッテ!
耳を舐めるな!ニジエに投稿されている細型触手のような舌使いで私の耳を舐めるなぁっ!!!お前は感情の噴出をしているんじゃなかったのか?!!!!
わたしにソッチの趣味は無いんだ!!!黙ってケラケラ笑ってろッ!!!
シュゴォーッ! シュゴォォォーッ!!!
耳をしゃぶられ首が傾きながらも、投げ捨てた消火器を拾い上げて完全な透明可を果たしてしまいそうな赤き霧/磯八目巾着鰻に対し消火薬液を全て吹きかける! これでまたしばらくの間は、私は奴の姿を肉眼に捉えることができ、なおかつ奴の身体の一部が消化薬液まみれとなったおかげで、立ち位置的になお先輩のレーザー砲が私へ反射して跳ね返ってくる心配もない!
空になった消火器は今度こそ放り投げ捨て、今度は背後から神村の首根っこの衣服をねじり上げるように掴む。この運搬方法は私がまえさき市のショッピングモールの裏方、カルティストに対して利用した荒業、その1ッ!『クトゥルフ神話TRPG系統』では装甲は重量に含まれない!』荒技を流用して彼女をロケットランチャーごと引っ張っていく。
そして、そのまま寝転がったままのコロ先輩へと近づいては、彼女の両足首を掴み持ち上げた。これこそ『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』(72頁 冒頭)記載、私が前の肉体で対魔忍世界へ訪れた時。アンダーエデンで成し遂げた対魔忍:秋山 凜子に使用した荒業……そのにいッ!『気絶した人間を“途方もなく大きな棍棒”として流用する』だ!!!
『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』70~71頁 “武器の表”には掲載されてはいないが、物理的近接武器最強の『木斧』と並ぶ火力を併せ持つ、様々な物体を転用させることのできる汎用性の高い棍棒だ!
「うぐぁあああぁあああああああああああああっ!!!!!」
左手に神村、右手に気絶したコロ、背中に私の耳をしゃぶり続ける日ノ出 陽葵を背負って、自分を鼓舞するように絶叫と唸りを上げながら駆け出す!
もう折れた脚が足として機能していないが……固定したヒカキボルグが私にとっての新しい足として、簡素で粗悪な義足として地面を蹴りつけ前へと出る。
「待て! コロちゃんをいったい何処に連れていくつもりだ!!!」
背後からなお先輩の声。振り返れば、彼は今 物言わぬ死体となったであろう鹿子ちゃんをあの現場から背負って私目掛けて走って来ていた。
乱射魔のいねぇ安全な所だよッ!と心の中で悪態をつきながらも、思わぬ好機に笑みが零れた。海老で鯛を釣る。棚から牡丹餅ということわざが存在するが、そのことわざは今の状況にピッタリだろう。いわば、コロでなおを釣る、なおから鹿子ちゃんと言うべきか。
だが、物事は早々に楽な方へとは流れては行かない。なお先輩の手には、神村の炎で充填された不気味に赤く輝くレーザーを放てるライフルがあって——
——おいおい、マジかよ。今、そのライフルを向ける相手が間違ってんだろッ——!
「コロちゃんを……返せぇぇええええええええッ!!!」
——ビシュンッ!!!!
放たれた太めのマジックペンほどの太さを持つレーザーポインターのような赤い閃光。
それが背後を振り返り、笑みを零しながら走る私の脇や髪の毛を掠る。ジュッっとまるで熱したフライパンに水滴が落ちたかのような音が聞こえてきたかと思えば、右脇の服に穴が開き、泥が付着した髪が途中でポトリと落ちた。おかげさまでこちらの笑顔は、瞬時にして緊迫した表情へと変わる。
続いて再び高出力レーザーが私の背中……ではなく、陽葵ちゃんやコロちゃんを避けた左上腕や右の太ももに当た……
私の肉が焼き焦がされ、抉られる感覚が伝わってくる。
それはまるで熱によって赤く彩られた鉄の槍を突き立てられたかのような痛み。刺された傷口は当然痛いが、体内の肉が焦がされて内側から爆発するかのような痛みが……ッ! 最悪な事にこのレーザーで抉られた熱傷は、即時レーザーによる超高温で肉が焦がされて乱雑な止血をされているのは想像に難くなかった。なお先輩が振り回しているライフルがエゲつない武器であることを認識するとともに、背面ゆえにどれほどの熱傷かは判別できず、熱傷の深度を知ることも恐怖を煽ってきた。——しかし、幸運にもまだ私は走れる。
「ここで止まっちゃだめだ……。ここで止まっちゃダメだ……っ。ここで止まっちゃダメだ……ッ!」
ブツブツと独り言を呟きながら、足を動かす。
なお先輩の背後には、きっと赤き霧/磯八目巾着鰻が迫ってきているはず。だから、私がここで彼に撃たれて転び足を止めることは、どんな惨状が引き起こされるかなんてわかり切ったことでもあった。
——ビシュンッ!!!!
なお先輩による3度目の射撃が放たれる刹那。砲撃が響き、周囲の景色が明るく鮮明になるっ! ……ふと左手をみれば、装甲として用いている神村が私の背後を目掛けてロケットランチャーを放っているではないか。
——やっと正気に戻って援護にまわってくれたのか?! と思ったが……私の判断は甘かった。彼女の口元はまだパクパクと動き、『目標をセンターに入れて
これは状況的に『新クトゥルフ神話TRPG』109頁“掩蔽と遮蔽”の効果と123頁 戦闘の選択ルール:“完璧な遮蔽”および“掩蔽を通して対象を射撃する”の効果が適応されていると考えて良い!
なお先輩は、全力疾走しながらライフルを射撃、その上でぺナルディ・ダイスを2つも取得し、攻撃対象が炎に隠されている状況で正確な狙撃技術を要求されている! 地獄に仏とはこのことだろう! この件にしては現在も発狂している神村に感謝だ。お前の砲撃のタイミング、最高だぜェッ!
……でもこれ。もう状況も、誰が敵で味方かもわかんねぇな。
~あとがき~
ダイスの女神、おまえさぁ……。
ほんと人のプロット粉砕するの好きだよな。
そして、日ノ出 陽葵ちゃんですが……。
今度、対魔忍RPGの方で【サンライズチアー】日ノ出 陽葵として再登場・実装するみたいですね! 嬉しいです!!! おめでとう! 陽葵ちゃん!!!
それと【サンライズチアー】の陽葵ちゃんの衣装に関して思う事として、レースサーキットでチェッカーフラグを振る
でもこの陽葵ちゃんも、かわいいなぁ。ほしい(迫真)
手にカラフルポンポンを持っているので、回想シーンでは両手にカラフルポンポンを上下に振りながら、騎乗位からの腰を上下にパンパンしてほしいですね。『がんばれ♥がんばれ♥』な伊藤ライフしてほしいです。
ところで……。
このタイミングでの、日ノ出 陽葵の実装……。
まさか本小説を対魔忍RPGの関係者が閲覧者兄貴姉貴としているとか……ないですよね?
~評価返信~
『tiel様』
■ よく作り込まれた作品を求めている人にお薦め、恐らく前提知識がなくても楽しめます。
◇ んまっ! よく作り込まれた作品だなんて褒め上手ですね!(((*ノ∀`*)σ))
前提知識がなくても分かってもらえるという事はうまく描写ができているのですね! お褒め頂きありがとうございます!
『米狐様』
■ 素晴らしい。非常にェチで本当に素晴らしい!
◇ 今回は同じ対魔忍小説を描かれているセキシキ様を参考にしながらのェチ路線での執筆になっています! お気に召したようでしたら何よりです! 評価ありがとうございます!
『酒井 遼太郎様』
■ 日々の生き甲斐が増えました。有難うございます。
◇ 私も今回のきっかけを気にいろんな人に見て貰えて続けられるだけの気力と執筆甲斐を頂きました! こちらこそ、ありがとうございます!