ひょんなことから前世を思い出してしまった憑依型転生者ちゃん
憑依した体はfgoのつぎはぎサーヴァントこと「クリュティエ・ヴァン・ゴッホ」だった!?

(漫画の世界にまでは流石の邪神も手は伸ばせないはずなので邪神による被害は)ないです。たぶん。




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ただようひまわりの画家

幼い頃から私はついていなかった。

 

道を歩いていたらカモメにフンを落とされるし、もらったお小遣いもガキ大将的なポジションの子供に取られるし…

 

母は海賊に殺されるし、父は稼ぎに出かけたまま帰って来なくなったし、弟は風邪を拗らせて死んでしまうし…

近所の人からは「呪われた子」「こっちに来ないで!」などと散々な言われようでしたよ。

 

そんなとにかくついてない私にも一つ誇れる物がありました。それは画家としての才能。

頭に何かを思い浮かべれば、手が勝手にその光景を描いてくれるという優れものです。美しい景色や驚いちゃうような光景を見ると手が勝手に動いてしまうのは困りものでしたが、こんな私にも喜ぶべき才能があったと喜んだものでした。

 

しかし、私はこの才能のせいで前世を思い出してしまいました。

 

きっかけはひとつの花を描いた時。

 

何気ない気持ちで商店街を歩いていると、いつも通っている花屋に珍しい花が売られていました。店主が言うには"ひまわり"と言う花らしく、遥か遠くの「愛と情熱の国」から輸入してきたと話していました。

 

私はその花に目が釘付けでした。その時の私の顔は店主に心配されるほどすごかったらしいです。

 

結局その花は買いました、いや、買ってしまいました。

 

家に着いたときにはあれよあれよと言う間に腕や体が勝手に動き、ひまわりを描く準備ができていました。

 

問題はここからです。数日かけてひまわりの絵自体は描けたのですが…

 

「そうですね…この絵の題名は「ひまわり」なんてどうでしょう、へへっ」

 

そのときでした。頭が焼き切れるほどに熱くなり、記憶が溢れ出したのは。

それはすごいものでしたよ。前世は男だったとか、この世界は漫画の世界だったとか。大事な情報から生活で役に立つちょっとした豆知識まで全部脳に入ってきましたからね。

 

まあその日からですかね、"クリュティエ・ヴァン・ゴッホ"として生きようと決めたのは。

 

 

 

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○

 

 

 

 

クリュティエ・ヴァン・ゴッホとしてこの世に生を受けてから数日後ぐらいですかね?英霊ボディによる超身体能力になれてきたり、自分の体に見合わない大筆を見繕ったりし終わったころです。

 

せっかく漫画の世界に入ったことだしこの島から出ようと思いまして…

ですが私はこのONE PIECEという漫画の内容をよく知らないんですよね。海賊がたくさん居るってことと、不思議な力が手に入る果実があるってことぐらいしかわからないんですよ。

しかもゴッホの技である作品を空中に描いたり、ひまわりを生やしたりすることができないんですよ。転生したときに体の構成が変わってしまったのですかね…

 

まあ、それは後々考えることにして、一つ問題があります。海に出るには船が必要なんですが、私には1日を過ごす分くらいのお金しかないので客船や輸送船なんかには乗せてもらえないのです。小舟で出ようにも噂によると海獣やら海王類なんかがウロウロしてるらしいじゃないですか…そんなの小舟で渡れるわけないですよね。

 

そこで明日出港するという商船にこっそりと忍び込むことに決めました。ということで、リュックに生活必需品や筆などを詰めて乗り込んだってわけです。

 

「うふふっ、まだ見ぬ出会いが待ってますね…シャリシャリ」

 

前世と今世を合わせても船旅なんて初めてですからワクワク気分で船の積み荷にあった果物を口に頬張ります。まあ、お金の代わりに私のサイン付きの絵を置いていくので泥棒にはならないんじゃないんですかね?知らないですけど。

そんな果物の中に古いながらもしっかりとした箱が1つ。

 

「おや、これは…」

 

そのときです。凄まじい音と共に船が揺れ出したのは。

 

戦場からは悲鳴とと共に荒々しい怒声が聞こえてきました。海賊船に襲撃されたというのは明白でした。

 

このままでは船ごと沈んでしまう。急いで戦場に出て体に見合わない筆を振るいます。

 

「なんだぁ?テメぶっふぉ!?」

「兄弟!?こ、このアマあっブュッフェ!?」

「どおしたぁ、テメェら…女1人に情けねぇぞぐっひゃっ!?」

 

「「「せ、船長!?」」」

 

船長?もしかして今殴りつけた人がそうだったのでしょうか…。

とりあえず子鹿のようにプルプルと震えている海賊たちに声をかけます。

 

「あ、あのぅ」

 

「「「ひ、ひっ!?」」」

 

この怯えよう、今なら私の交渉にも乗ってくれるかもしれません。ここは舐められないように焦らず…威圧感を感じさせないようにこやかに…

 

「せ、船長さんも倒れてしまったみたいですし…。エヘヘッ、撤退してくれないですか? なんて…」

 

「「「り、了解しましたぁ!!」」」

「ほら!船長帰りますよ!!」

「ぬぅ…不覚っ」

 

スタコラと船に乗り込み去っていく。離れていく海賊船を見て体の力が抜けていくの感じます。

 

「は、はふぁ〜〜。し、死んだと思いました…」

 

「き、君!!そこの助けてくれた君!!」

 

「は、はいっ!?ゴ、ゴッホに何か御用ですかね…エヘヘッ」

 

声をかけてきたのは恰幅の良いご老人。服装からしてこの船の船長かもしれませんね。…ってそうですよ!!ゴッホは無賃乗船中の身じゃないですか!!

 

「ひ、ひぃ!?すみませんすみません!!お金がなくてしょうがなくこの船に…。ご、ご迷惑はおかけしないので何とか次の島までは乗せて行ってくださいぃ!!」

「まぁ、落ち着きたまえ…。ゴッホくん、だったかな?私はこの商船の船長を務めているベール・ミラーマンというものだ。よろしく頼むよ」

「え、あの…。わ、私の名前はゴッホ。クリュティエ・ヴァン・ゴッホと申します。えっと、無賃乗船の件は…?」

 

にこやかに微笑むミラーマンさんに思わず一歩後退りながら質問を投げかける。

 

「なーに!君が居なかったらこの船の積荷は全て取られ、我々全員が殺されてしまっていましたからな。金より何より命優先ですぞ!!そうですな…。君さえ良ければ次の島までこの船の護衛を頼みたいのですが、どうですかな?」

「え、えっ!?急にそんなこと言われてもゴッホ困惑…」

「ただとは言いませんとも。お礼として君の好きなものをこの船の積荷からひとつ譲りましょう。どうですかな、受ける気になってくれましたか?」

 

ふむ…。この提案は普通に良いものなんじゃないですかね?無賃乗船もさっきの戦闘で帳消しになったし、なによりこの船の積荷からひとつ譲ってもらえるなんて願ったり叶ったりじゃないですか!

 

「ミ、ミラーマンさん。私、この船の積荷で欲しいものがひとつあるんですが…」

「むむっ、既に目星をつけていたのですな。それで、その欲しいものとは?」

 

駆け足でさっきまで自分が隠れていた積荷置き場から、古いながらもしっかりとした箱を持ってミラーマンさんに見せる。

 

「これなんですけど、ダメですかね?エヘヘ…」

 

私の手からその箱はミラーマンさんに渡りジロジロと箱を眺める

 

「ふむ、これは悪魔の実ですな?中に入っている紙には"アトアトの実"とだけ書いてありますがよろしいのですか?食べると決まったわけではありませんが、いかんせん名前だけでは能力がわかりづらい実も世の中にはありますからな…」

「いえ、大丈夫です。何となくですがその実の能力はわかる気がするので…」

 

この実が入ってる箱を見つけてからだろうか、私の中の英霊としてのクリュティエ・ヴァン・ゴッホがこの実を食べろ食べろと騒いでいるのだ。おそらくこの実の能力は芸術関連じゃないのかなと予想しているのです。

 

「そうですか。ならばこの悪魔の実はゴッホ殿に譲りましょう。それでは次の島に着くまでの間は護衛を任せましたぞ?」

「は、はい!何から何まで本当にありがとうございます!エヘヘ…」

 

渡された悪魔の実と交換で自分の大きなカバンから既に完成してある油絵を取り出してミラーマンさんに渡す。

描いてあるのは船から見えた私のこの世界での故郷である町である。私の住んでいた町は貿易が盛んな港町であったので、その絵から懐かしい潮の匂いが感じられる様だ。

 

「これは?」

「私が描いた絵です。こう見えて旅の画家をやってまして…まあ、始めたばっかなんですが。本当におこがましいとは思うんですが、私は絵の才能だけはあると思うんです!!なので、あの、将来お金に困ったらその絵を売って少しでもお金になればなんて…へへっ。すみませんなんか変なこと言っちゃって」

 

私の急な早口にポカンとするミラーマンさん。これはやらかしてしまったかもしれません。

 

「ふっ………はっはっはっはっはっ!!久しぶりですぞ!こんなに笑ったのは」

 

急な大きな笑い声に思わず体が固まってしまう。

 

「ああ、何もゴッホ殿の夢を笑ったわけではないですぞ。あなたの絵は実際上手だ。それこそ私の見てきた絵画の中で1番のうまさですな!」

「は、はあ…」

「さっきまでおどおどしていたゴッホ殿が絵の話になると目がキラッキラして強気になってるところを見ると、絵が大好きなのが伝わってきてねぇ。不快に感じてしまったならすまない」

「い、いえ不快だなんてそんな」

 

そこまで見られていたと思うと照れてしまう。夕日のおかげでわかりづらいだろうが今の私の顔は真っ赤だろう。

 

「それではわたしはこれにて。襲撃が来た時のために基本は外が見えるところに居てもらいますぞ。船の上では基本自由にしてくれて構わないですからね」

「あ、ありがとうございます!ゴッホ感謝です!!」

 

 

 

○●○●○●○●○●○●○●○●○●○

 

さて、あとは想像通りです。わたしは悪魔の実を食べました。すると驚くことに英霊であるゴッホの様に片手にはひまわりを模した筆が現れ、空中にも絵が描ける様になっていたのです。数日かけて何とか能力も把握できました。

 

もうウッキウキです。カナヅチになるらしいですが悪魔の実の力を使い英霊的な能力も手に入ったのですから。これで私の絵を描く旅の未来は明るいものです!

 

「ゴッホ殿!ゴッホ殿!!無事に次の島に着きましたぞっ!」

 

扉の向こうからミラーマンさんの声が聞こえてきた。どうやらこの船での船旅はここまでの様です。

 

「いやはや。本当に助かりましたぞ。海賊の襲撃もバッタバッタと薙ぎ倒してくれたおかげで船自体もほぼ無傷です!」

「いえいえ。感謝するのはこっちのほうです。また会える日を楽しみにしてます…えへへ」

「ええ、良き旅を祈りますぞ!」

 

わたしは手を振りながら商船を後にする。

 

英霊ボディに加えてアトアトの実によるゴッホパワーの再現があればこの先の船旅も安定することができる。

この世界には前世に見ることのできなかった巨大な海がある。知らない景色や珍しい動物などが溢れている。せっかくのこの姿での転生だ。どうせなら今世が終わるまで気ままに絵を描いてやろう。

 

 

 

 

 

ゴッホを乗せた小舟は海月のように海をゆらゆらと漕ぎ出したのです。

 

 

 

 

 

 




この世界のゴッホちゃん(仮)の体の構成は
80%がクリュティエ、10%は前世のオリ主、8%は悪魔の実、2%は画家ゴッホの画才のみと言う安心素材?で出来ております!!
ゴッホとしての記憶はなく、オリ主がゴッホムーブを演じています。

邪神はきっと、恐らく、たぶん介入してきません。

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