追記
誤字報告ありがとうございます!
「……この少年が、…か」
シャボンディ諸島から送られてきた一枚の写真を見つめ、カモメのオブジェが付いた制帽を被った大柄な男が目を細め、喉を唸らせる。
『センゴク元帥』。英雄ガープなどと共に名を馳せた、海軍の最高の階位に立つ男。通称、仏のセンゴク。「智将」と呼ばれる程の頭脳と高い戦闘力で任務を遂行し、多くの大海賊を相手にし海軍を牽引してきた。
威厳ある風格を醸し出してはいるが、その表情は仏とは程遠いほど歪み、写真を握るその手はブルブルと震えている。
「天竜人の殺害…! まったく、ルーキー共にかき回され心労が絶えんときに、こんな大事件を引き起こしよってッ!!」
今日の昼ごろ、突如電伝虫から発せられたこの知らせ。『全身が真っ白な少年に、天竜人が殺害された』。
天竜人に無礼を働いた、天竜人の住むマリージョアに攻め入り奴隷を解放した、などの事件は過去にあった。しかし、天竜人が殺されたなどという事件はあっただろうか。否だ、そんなことは前代未聞。神をも恐れる程のあり得ざる行為である。
「まったくッ、これで面倒が増えることが確定したな。……黄猿ッ!」
コツ、コツと、名を呼ばれた黄色のスーツを着た男が部屋の奥から現れる。サングラスを掛け、気の抜けた表情からはどこか抜けているような印象を覚えるが、大将と書かれた軍服を背負っているその後ろ姿からは不気味な雰囲気を醸し出している。
飄々とした歩きでセンゴクの前に立つと、独特な間延びした喋りで黄猿はセンゴクに問いかけた。
「お〜センゴクさン〜。いったいわっしに何の用でしょう?」
「惚けるな、昼の件は知っているだろう。赤犬は留守で、青キジは麦わらの一味を追っている。今ここにいる大将はお前しかいない。……やってくれるか」
「…ええ、まかせてください。世界貴族を殺害、なんてバカなことをしでかしたとかいう小僧を捕らえればい〜ンでしょう。軍艦一隻借りていきますよ」
「油断するなよ黄猿。目撃者の情報によれば、奴は敵の攻撃を反射し、絶大な力で天竜人の側近達を殴り飛ばしたのだそうだ。おそらく悪魔の実の能力者。実力もかなりのものだろう。天竜人を殺害するほどのイカれたやつだ。放置するのは危険すぎるッ!
……今はシャボンディのマングローブ帯に兵を集め、奴を足止めしている。必ずひっ捕えてこい!!」
「ええ、わかりましたよ。ご安心なすって」
瞬間、突如黄猿の体が発光して光の粒となりその場から消える。
残されたセンゴクは組まれた両手に額を置き、重いため息を吐くのだった。
###
ここは、シャボンディ諸島の海岸から少し離れたところにあるマングローブ帯。いつもは大量のシャボンが辺りに浮かんでいるというのに、今は全くといっていいほどシャボンの姿が見当たらない。何者かによって起こされた空気の振動が、空中に浮き出たシャボン玉を破壊しているようだった。
火薬の匂いが辺りに漂う。
辺りに散らばる複数の海兵。剣や銃は勿論のこと、中には迫撃砲を構えている者もいる。兵士の数、武器、その規模は最早軍隊と呼んでも過言ではない。
ならば彼らが相手にしているものはなんだ? 多大な賞金を賭けられた海賊? 世界政府に仇なす革命軍? 突如島を滅ぼそうと現れた大怪獣?……否だ。
彼らが、各々の兵器の照準を合わせている相手は、
明らかに過剰な戦力。火をおこすのに火炎放射器を用いるような、正宗の刀で大根を切るようなやり過ぎた行為。この事実を知った者は正気を疑うことだろう。
しかし、この白き少年の犯した罪を知れば皆納得するかもしれない。なんせこの少年は、あの『天竜人』を殺害したのだ。
『天竜人』の存在を知らぬ者などほとんどいないだろう。世界貴族の、この世の頂点に君臨する存在。800年前に世界政府を創設し、聖地マリージョアに移り住んだ王たちの末裔の一族。 すなわち、"世界を創造した一族"。逆らえば死、あるいは一生奴隷の人生。人々の上に立つ絶対的な存在。故に、彼らに逆らおうとする者は、革命軍などの一部を除いて存在しない。
だがしかし、この少年は数時間前、民衆達が見ている前で天竜人を殺した。手を銃弾で貫き、肋骨を踏み砕き、謎の能力で体内の血を逆流させるという残虐な方法で。彼の死体は、誰もが目を背けたくなるような有り様だったという。
天竜人の殺害。到底、許されざる行為である。少年には同情するが、犯した罪を思えばこの過剰戦力を投入されるのも仕方のないことだ。
しかし違った。この過剰な戦力を導入された主な理由は、少年の罪の大きさではない。
──
……いや、少し語弊がある。
白い怪物が腕を振るえば、生成された風の弾丸が海兵達を吹っ飛ばす。その余波で、辺りに生えた巨大樹から大量の葉が舞い散った。それを見て、怪物はニタリと笑みを浮かべる。自身の周囲に舞う葉を撫でるように触れ、その葉がチッと音をたてた瞬間、銃弾並の速さで前方に飛び海兵達の腕を貫いた。
「ア"ッハァ! もっと痛みを味わいてェっていうドM野郎は前に出ろよ。その肉ズタズタに引き裂いてやっからよォ! きっとあまりの快感に昇天しちまいそォになるだろうぜェ!」
そう愉快に叫びながら、少年は手の爪を立てて空中を掻っ切るような仕草をする。その次の瞬間、三方向に烈風が生じ、進路上にいた海兵達の肉体を切り裂いた。
「な、なんでただの風で傷が!? カマイタチか!?」
「ンな大層なモンじゃねェよ。風に砂利や砕けた武器の破片を混ぜて飛ばせば、風のミキサーの完成って訳だ。分散したせいで威力は落ちちまったが、オマエら三下には充分だろ!」
さらに少年は広範囲に風のミキサーを飛ばし、前列にいた海兵が次々傷を負っていく。
少年の動きを止めようと周囲に設置された迫撃砲が火を噴き、一斉に砲弾が発射される。それが少年に当たった瞬間、轟音と共に黒い煙が舞い、少年の姿を覆い隠した。
「……やったか?」
海兵の1人が、険しい面持ちでそう呟く。
間違いなく直撃した。まともに喰らえば、少年のあの貧相な身体ではただでは済まない筈だ。
しかし、黒煙が晴れ、少年の倒れる姿を幻視した海兵達の目に映ったのは、全くの無傷で悠々と歩く白い怪物の姿であった。
「ば、化け物め……!」
斬撃、銃撃、砲撃、ありとあらゆる攻撃が、効かないどころか逆にこっちに牙を剥く。少年がただ歩くだけで、こちらの戦力が削れていく。その無敵の能力に、海兵達の顔にも怯えが見え始めた。
しかしだ。顔を強張らせていた指揮官が、汗を伝わせながらもニヤリと笑みを浮かべる。
確かにあの少年の能力は脅威だ。だが、こちらの兵器が効かずとも、たった1人でそれらを補えるほどの力を持った兵士達がこちらにはいる!
「──
1人の海兵が、少年に接近して剣を振るう。当然剣は弾かれ、その反動は持ち手へと巡っていく。しかし、反射が作動する直前に、指の力を緩めて力を分散させることでダメージを緩和した。
「…ほォ」
そこで初めて、少年は1人の海兵を相手として認識する。海兵の身体目掛けて、自身の手を大きく横薙ぎに振るった。
「
しかし、それを剃による超高速移動で背後に回ることで回避し、さらに一撃を浴びせる。
当然効かない。なら十と浴びせれば? 百、千と浴びせれば?
どんな強力な能力も、使い続ければ限界が来る筈だ。その隙が出来るまで、何度でも、何時間でも攻撃を繰り返し続ける!
「……その程度かよ、つまンねェ」
そう呟き、少年はゆっくりと足を上げる。
「そンなモンじゃ、100年経っても俺には届かねェよ!」
そして、持ち上げていたその足で、ガッ!!と地面を踏み抜いた。
その次の瞬間、隕石でも落ちたかのような轟音と共に、少年を中心に半径50m程の範囲の地面が大きく砕けた。
「うぐっ!!?」
剃使いの海兵がバランスを崩して動きが止まる。
六式の一つ『
当然、その隙を少年は逃がさない。海兵に接近しようと、その身を屈める。
だがしかし、足場が悪いのは少年も同じだ。海兵は力を振り絞り、何とか後方へ退がって攻撃を避けようとする。
だが──、
「──は?」
突如、少年の姿が目の前から消える。
その次の瞬間、少年の拳が海兵の腹に突きささった。
「ガハッ!!??」
何が起きたか理解できぬまま、剃使いの海兵が大きく吹っ飛ぶ。進路上にいた味方を巻き添えにし、廃家にぶつかったところでようやく止まった。しかし立ち上がることなく、手足は力なく伸びている。
剃を取得し、音速に匹敵する力を得た海兵の目からしても、少年の姿を一切とらえることができずそのまま敗北した。
──なんのことはない。彼の剃の速度など、少年にとってはたった一歩で越えられる程度のモノだ。
「ア"ハハッ! さあて次はどいつだ。他にも俺に立ち向かってくるような奴はいねェのかよ!」
六式の剃を修めた優秀な海兵が倒されたのを見て、海兵達に動揺が走る。少年の圧倒的な力に気圧され、少年が近づくにつれて海兵達の足が退がっていく。
「うろたえるんじゃねえ!!戦う意思を見せろてめえら!!」
海兵達の後ろから、巨大な影が伸びていく。体長およそ20m、中将の文字が書かれた軍服を背に、『巨人族』の男が白い怪物の前に立つ。
「いいねェ、巨人族を相手にすンのは初めてだぜ! オマエなら、ちったあ楽しませてくれるかもなァ!!」
「喧しい! この青二才が!!」
白い怪物に怯むことなく、巨人は拳を振りあげる。
「うりぃいいいいいいい!!!」
巨人が怪物を前にとった行動は、ただ拳を少年目掛けて振り下ろすだけ。しかしその威力は絶大。大砲ですら彼の攻撃力の前では霞むだろう。
反射によって攻撃が弾かれるなら、強大な質量、筋力をもって力を加え続ければいい。
たとえこの腕が砕けようと、反射の壁を打ち破りこの少年を討ってみせると。そう決心し、巨人はその右腕を少年に叩き込む。
対して少年の取った行動は、ただ右腕を上にかざすだけ。巨人の海兵よりも工夫も意図も感じられない行為。しかし、少年は全く動じず、迫り来る巨大な拳を狂気を含んだ目で眺める。
結果は一目瞭然だった。
「ぐおあああああああああ!!!?」
巨人の拳が少年の右手に触れた瞬間、右腕全体からバキボキと骨の折れる音を響かせ、巨人の海兵が大きくのけぞる。
「巨人のくせに、考える脳は小せェようだなァ。相手の攻撃のベクトルを逆にしてる以上、力まかせに突破なんざできるわけねェだろ」
少年は、重力のベクトルを操って巨人の海兵の頭上に移動し、近くに生えた巨木の側面を足場にする。
「運動量、熱量、電気量。あらゆるベクトルを意のままに操れンのが俺の能力だ。それは勿論、
巨木を踏み抜き、音速を遥かに越えたスピードで巨人に突っ込む。そして、少年が己の拳を巨人の海兵の額に叩き込んだ瞬間。
──ドゴッ!!!!っと、この戦場一帯どころか、シャボンディ諸島全体が揺れたのではないかと思える程の振動が辺りを襲った。
少年に殴られた巨人の海兵は、勢いよく地面に叩きつけられ、頭を中心に大きなクレーターができあがる。白目を剥き、ピクッと痙攣した後に巨体は動かなくなった。
作用反作用の法則。Aの物体がBの物体に力 (作用) を及ぼすとき,逆にBは必ずAに力 (反作用) を及ぼす。作用と反作用との大きさは等しく、逆向きで、AとBを結ぶ直線の方向に力が働くという法則。
つまり、Bの物体がAの物体に接触され力を加えられたとき、Bはその力に対する反作用として同じ大きさの力を返そうとするのだ。その反作用によって、力を加えた物体は力を相殺され動きを止める。
ならこの少年、
あらゆるベクトルを操る。それはつまり、抗力(反作用)すらも作用側の向きに変換することが可能ということである。たとえ相手がどんなに頑丈で防御力があったとしても、
その結果がコレだ。自身の周囲にあるあらゆるベクトルを進行方向へと変換し、その勢いを乗せた拳を巨人の額に叩き込む。巨人族の体がどれだけ屈強でも、その攻撃を受け止めるため巨木の如き体重で踏ん張ったとしても、全ての力が
「ば…馬鹿な……!!?」
海軍有数の実力者が、たった1人の少年に倒される。その事実に唖然とし、海兵達の動きが完全に止まる。
そんな海兵達を気にも留めず、
「クハッ、イイねェ。愉快で素敵なコト思いついたぜェ!」
周囲の状況を確認した
そのとき、シャボンディ諸島全体の風の向きが変わった。人々を涼ませる癒しの風が突如止み、他と交わり唸りとなって
「くかきけこかかきくけききこかかきくここくけけけこきくかくけけこかくけきかこけききくくくききかきくこくくけくかきくこけくけくきくきくきこきかかか―――――!!」
膨大な演算量によってPCのように脳内が熱を帯びているものの、アクセラレータは更に思考を加速させる。観測した大気の流れを己の公式に入力し、シャボンディ諸島中の大気のベクトルを操り、自身の企みを形にしていく。
──そして、ついに"ソレ"は完成した。
ゴオッッッ!!!! と、集められた風はアクセラレータを中心に渦を巻き、マングローブ帯に
「な、なんだアレは………なんなんだアレは!!?」
目の前に起きたあまりに規格外な出来事に海兵達は驚愕する。
あの白い少年は今、自分の意思で"災害"を引き起こしたのだ。生み出された巨大な竜巻は鼓膜を揺さぶるような産声をあげ、ゆっくりと移動しながらこちらを呑み込もうと迫って来る。
「ア"ハハハハッ!!! ギャーハッハッハッハッハッハァッ!!! オラオラァ、さっさと逃げねェと巻き込まれちまうぜェ! ミンチになりたくなかったら、おとなしく尻尾ォ巻きつつ泣いて無様に元の居場所へ引き返しやがれェ!!!」
「う、うわあああああああああああああああああ!!!!」
怪我人を急いで担ぎ、悲鳴をあげながら海兵達がこの場から急いで逃亡する。最早あの少年は人間ではない。神にも等しく思える程の強大な力を振るうあの怪物に敵うはずが無い。
勇敢な海兵達は、誇りをかなぐり捨ててこの場から逃げ帰っていった。
「さァて、フィナーレだ!!」
そして、その炎の竜巻を圧縮し膨大な熱の塊を形成した後に、一気に空中で解放した。
──その瞬間、マングローブ帯で大爆発が起こり、その周囲の草木が跡形もなく消し飛んだ。
###
「アー……こンなモンか」
爆心地の中から1人の少年が出てくる。あの大爆発に巻き込まれたというのに、体には火傷ひとつ負っておらず、全くの無傷で悠々と歩いている。
「こンだけやっちまえばもォ来ねェだろ。さて、こっからどォするかなァ」
しかし、援軍が来れば話は別。ただでさえ天竜人を殺害しているのだから、
ため息を吐き、海軍を撒く方法を考える。
(…さっさとこの島から出るか。どっかで船を奪ってこの島から離れたところに身を隠せば、海軍共も追ってはこれねェだろ)
このシャボンディ諸島の近域で船を探すのは難しくない。いくつもの海賊がこの島にやって来ているのだから、その中から適当に選んで海賊船を奪えばいい。戦闘になっても
「ンじゃ、さっさと行くか」
そして、
──
「あン?」
反射によって跳ね返ったナニかは木々の奥へと姿を消すと、大きな爆発音を響かせる。
反射の作動。それはつまり、自身が攻撃を受けたことを意味する。
その正体を、自身が感知したベクトルを解析することによって割り出し、そして
(……光?)
そう、光。自分達が日常的に視界に捉えている、周囲にありふれたもの。
しかし、今飛んできたものはそんな生易しいものではない。なんらかの手法によって極限まで収集されレーザーのような熱量を持った、最早殺人光線ともいえるほどのものだった。もし当たっていれば、人体を焼きながら自身の体を貫通していただろう。
刃でもなく、銃弾でもない、自身の体を貫こうとする光の凶弾。初めての経験故に、
「ン〜、おかしいねェ〜〜。ちゃーんと当たったはずなのに、なンでこっちに跳ね返ってくるんだろうねェ〜」
「…よォっと」
指先に光を灯し、
それを見て、相手の能力を理解した
「ハッ、なるほど。ロギア系の悪魔の実の能力者か。さっきの攻撃を見るに、オマエの能力は光に関連するものだと考えていいのか?」
聞いたことがあった。海軍の最強戦力とされる『大将』。その中に、光を操り数多の海賊達を壊滅させた最速最強の能力者がいると。
感情の読めない表情でこちらを見下ろす男を前に、
「海軍大将の1人、
「いかにも…。わっしはピカピカの実を食べた光人間。……キミの能力はァ、いったいなんなんだろうねェ〜〜」
「ほォ、興味あンのか? ……なら、その身でちゃンと味わってみろよ!!」
右足を後ろへ大きく振りかぶると、側にある石を黄猿へ目掛けて全力で蹴り飛ばす。周囲のベクトルを込められた石は容易く音の壁を突破し、衝撃波を纏いながら黄猿の胴体にブチ当たった。当たった箇所を中心に黄猿の体が四方八方に飛び散り、弾丸となった石は自身のスピードに耐えきれず空中で粉々に分解する。
しかし、攻撃を喰らわせた張本人である
「やっぱその程度じゃ死なねェよなァ!!」
光の集合地点を特定すると、
しかし、まだ
合間をおかず
鳴り響く轟音。空中を漂う大量の砂粒。それらが収まり、砂嵐が晴れたそこには巨大な土の山が出現していた。
終わったか? と、
──ドゴォッ!!!!!!!!
直後、山の頂上から巨大な光の柱が現れ、大量の土砂によってつくられた土の山を内側から破壊した。
最早神々しささえ感じるような光景。山を粉々に吹き飛ばした光線は眩い光を辺りに放ち、シャボンディ諸島を輝かしく照らしている。
そして、徐々に、徐々に収まっていく光は収縮してやがて山の残骸の中央に集まり、光が完全に収まったそのときには1人の男が無傷でそこに立っていた。
体に土手っ腹をあけ、風で刻んで細かく散らし、最後に人為的に土砂崩れのようなものを引き起こして地中に埋めた。だが、それでも黄猿は何事もなかったかのように地中から現れ、
「せっかく立派な墓を作ってやったっていうのによォ。そのまま眠ってくれりゃあ楽だったンだがなァ猿野郎」
「大将があの程度でくたばるわけにはいかンでしょう。新世界には、あのような攻撃を仕掛けてくるやつはいくらでもいるからねェ〜」
「あの程度、ねェ。言ってくれンじゃねェか三下。楽しませてくれた礼だ、もっと愉快な死体にしてやっから感謝して泣き叫べよ猿野郎ォ!!」
足元のベクトルを操り、ロケットのように飛び出して黄猿の顔面目掛けて拳を振るう。しかし、音速を超えた
「能力は強力だけど、体の動きは素人同然だねェ〜。『覇気』も使えない上にそんなトロい動きじゃあ、わっしの速さは捕らえられないよォ〜」
「……ハキ?」
黄猿の発した"ハキ"という言葉。その正体について
(ハキ……覇気のことか? それが攻撃を当てることになンの関係がある? アイツの言葉から察するに、奴の予知みてェな能力が覇気ってやつなのか?)
未来でも見ているかのように、自身の攻撃を躱し続ける力。それが覇気とやらの正体なのかと
それを遮るように、黄猿は手に光を宿してそこから巨大な光剣を取り出した。
「
黄猿は、光で構成された剣を
埒があかない。
「ハァ、ハァ…」
流石に動きすぎたのか荒い呼吸をしながら、
「…なるほど。光になれる能力を持ってンなら、光の速度で逃げることも可能ってことかァ!?」
お互いが能力を駆使し、2人はマングローブ帯を超高速で飛び回る。
木々を挟みながら、石、光線、風、光剣、葉、光弾、と多彩で強力な攻撃を繰り出し続けるがその全てが反射され、透過され、無効化されていく。対象の相手から逸れた凶弾の数々は進路上のマングローブを抉り取り、2人の周囲にあったマングローブは轟音をたてながら崩れ落ちていった。
もし、この戦闘を見ている者がいたとしたら目を疑うことだろう。大地を穿ち、木々を薙ぎ払うなどの、最早自然災害を思わせるほどの争いが繰り広げられているというのに、両者共に傷一つ負っていないのだ。
戦闘が繰り広げられているマングローブ帯に近い位置に住む住民達は、皆が荷物をまとめその場から避難しようとしていた。
一際でかい衝突音が鳴ったかと思えば、2人の人影が空中から現れ地面に着地する。両者とも多少息が乱れているが、それでも無傷。このままでは勝負がつかないのではないかと思わせる光景だった。
それはロギアであっても例外ではない。確かに、ロギア系の悪魔の実の能力者は一見強力で、無敵のように思えるが、そんなことはない。たとえば、木の能力を操る者がいたとしたら、炎で燃やしたりすればダメージが通るだろうし、
故に、
対する黄猿も、
おそらく、自身が触れた物質のベクトルを自由自在に操ることができる能力。目の前にいる白い少年が暴風を発生させる際、周囲の風の流れが急激に変わる瞬間を黄猿は観測していた。少年が何かアクションをするたびに、日常的に相見えるあらゆる
そして、それは自身に向かってくる攻撃も同じ。己の脅威となる筈の攻撃のベクトルさえ意のままに操り、攻撃をした側は逆に自分の攻撃を受ける羽目になる。
「……埒があかないねェ〜〜」
両者が決め手を欠いた状況の中で、黄猿が間延びした声でそう呟く。
「互いの攻撃が効かない以上、このままどんぱち戦りあってもォ勝負はつかんでしょう〜」
──故に、黄猿はとある決断をする。
「仕方ないねェ〜。ちっとばかしリスクを負っちまうけど、この手を使わせてもらうよォ〜〜」
おもむろに手を上げ、指先に光を灯し
しかし、黄猿の攻撃の全てが光で構成されている以上、反射の壁が破られることはありえない。今までの戦闘で一度も傷を負っていないことがその証明だ。多数の攻撃を一度に受けても、どんなに強力な攻撃を受けても、意識外からの攻撃を受けたとしても、
…だが、何故だろうか。黄猿が発している光に、どういうわけか警戒心が拭えず一方通行の背に冷たい汗が流れる。
「いくよォ〜」
そして遂に黄猿によって光線が発射され、
──そのときである。
黄猿の放った光線は反射によって撃った本人にはね返ることは無く、
「なに…!?」
反射がまともに働かなかったことに
「やはりねェ〜。どういう仕組みかはしらねェけど、『武装色の覇気』を通した攻撃だと、反射をかい潜れるかもしれないねェ〜」
「…っ!! 覇気だと!?」
又もや黄猿の口から出た覇気という言葉に
さて、『覇気』とはいったいどのようなモノなのだろうか。
『覇気』とは全ての人間に潜在する「意志の力」のことである。体内に巡る目に見えないエネルギーのようなものであり、鍛錬を重ねることで覇気の力を意のままに操ることができるようになれば、強力な力をモノにすることができる。
覇気は大きく3つに分類され、黄猿が
1つ目は『見聞色の覇気』。相手の感情や気配を読み取ることで攻撃を先読みし、自身に襲い来る危険を回避することができる能力。
これによって黄猿は
そして、2つ目の『武装色の覇気』。体内の覇気を纏うことによって体を硬化し、攻撃力を増加させ、ロギア系の能力者の体を実体としてとらえ攻撃することができる能力。先程、黄猿はこの力を光線にのせ、
ここで注目すべきところは、
まさしく、最強の名に相応しい能力。血液操作、反作用の操作、風の操作など高い汎用性を誇り、そのどれもが強力な攻撃となる。
そして『反射』。自身に加えられた攻撃を自動的に跳ね返す能力。力の大小は関係なく、本人が認可していないベクトルは全て反転し、無意識に作動するためたとえ寝ている間でも
しかし、一見無敵に思える
──これが、黄猿の光線が
(……原理は不明。けど、これで戦況は大きく変わりそうだねェ〜)
先程の光線は逸れたが、攻撃を加え続けて反射の角度が甘ければ自身の攻撃を直撃させられるかもしれない、と黄猿は思考し、
では何故、黄猿は最初から覇気を使わなかったのか。それは、先程黄猿が言っていた通り、無視できないリスクがあったからだ。
黄猿が使用した武装色の覇気だが、効果として攻撃力をあげる他に、『ロギアの能力者に干渉』できるというものがある。それはつまり、黄猿のピカピカの実の能力で構成された体にダメージを与えることができるということだ。もし、黄猿の『武装色の覇気』を纏った光線が『反射』された場合、己自身の攻撃によって自滅する可能性がある。それを懸念して今まで覇気を使わなかったのだ。
「それじゃあ、キミの反射は後何発攻撃をしのぐことができるんだろうねェ〜〜」
黄猿の両手に、丸い光が灯る。ソレは段々と眩く光が強くなっていき、
「
視界を覆う程の大量の光の礫が
そのとき、
反射が正しく作動しなくなった以上、黄猿の攻撃を止めるものはない。継続して光の弾を射出し続け、黄猿は
木の幹を盾にしながら、
(……チッ、やっぱまともに反射ができねェ。覇気とかいうクソみたいなモンが邪魔していやがる)
デフォルトで設定してある反射のフィルタを確認するが異常は見当たらない。なのに黄猿の攻撃を思うように操ることができない。ならばやはり、この異常を引き起こしている原因は『覇気』なのだろう。
(科学の法則の何ものにも当てはまらない未知のベクトル。アレの正体がわからねェ以上、このままじゃジリ貧だ)
いつ、黄猿の攻撃が
(……一か八か、賭けるしかねェな)
逃げる足を止めて黄猿の方へと振り返り、そして身を大きく屈める。重力、自転、反作用などを束ね、前方へ向けて集中させる。
「ン〜〜?」
──その直後、
黄猿の見聞色の覇気ですら対応できない人智を超えた速さ。音速ですら置き去りにし、
光の弾丸の雨に真っ向から突っ込み、直撃する弾を能力で逸らし続けながら超高速で黄猿に接近し、遂に目の前までたどり着いたところで、
「あらゆる攻撃が光の体をすり抜けちまうンなら、直接この手で触れるしかねェよなァ!!」
光にすら干渉できる
常人では視認できないほどのスピードで黄猿は吹っ飛び、進路上の木々を貫通しながら光の体がマングローブ帯の奥へと消える。そして、凄まじい音を響かせながら大爆発を引き起こした。
爆発の余波で景色が揺れ、ゴゴゴと音をたてる。それが数十秒ほどたつとやっと収まり、やがて静寂が訪れた。
空中に浮かんでいた
拳を握って、開いて、また握って。拳の感触を確かめ、
「……
辺り一面が光に覆われる。一点の光が、抉れた地面、倒れ伏した木々、そして
──光が収まったそこには、無傷の黄猿が
「能力が能力だからねェ〜。光に干渉できるのなら、直接攻撃を喰らえばどうなるかわからなかったけどォ、…やっぱり、覇気を纏っていない拳じゃぁなんともなかったねェ〜〜」
「……チッ、また覇気かよ」
また覇気の言葉が出たことに反応し、
無理に八尺瓊勾玉を突破した結果か、
石や木をぶつけても駄目。風で切り刻んでも駄目。土に埋めても駄目。能力で直接攻撃を加えても駄目。
いよいよ
「それじゃあ、もうそろそろ終わりにするよォ〜〜」
八尺瓊勾玉が放たれる直前で、
「無駄な足掻きだねェ〜〜。いい加減諦めたらどォだい?」
繰り返し、
土の壁で防ぎ、破壊され、防ぎ、破壊されの繰り返し。膨大な黄猿の攻撃力は
そしてついに、この命がけの追いかけっこも終わりのときが訪れた。
黄猿から逃走していた
2人の眼前には、広大な海が広がっていた。
悪魔の実の能力者は海に触れることが出来ない。もっと正確に言えば、海に触れると力を失ってしまうのだ。体に力が入らず動けなくなり、能力も使用できなくなる。そして、海に入ると浮かぶことができなくなりそのまま溺れてしまう。全て悪魔の実の能力者に共通する最大の弱点が海だ。
つまり、海が
「追い詰められちゃったねェ〜〜」
黄猿がゆったりと手をあげ、人差し指を
「それじゃさっさと、くたばってもらうよォ〜〜」
絶対絶命。黄猿に対抗する打つ手は無く、そして逃げ場を失った。後は反射が破られるまで嬲り殺しにされるだけ。
そんな状況で、
「──クハッ、」
狂気の笑みを見せた。
「クッハ、ア"ハハハハッ!! ギャーハッハッハッ!! ギャーーハッハッハッハァッ!!!」
困惑する黄猿に向け、狂気的に、狂暴に、凶悪に、粗暴に、残虐に、獰猛に、強暴に、
「ヒャーハッハッハァ! オマエもう駄目だわァ」
「ン〜〜?」
圧倒的不利な状況の中で、狂ったように笑い続ける
「アン? まだわかンねェのか? 言動もそォだが、頭も鈍いとかホント救えねェなオマエ」
「……なにを、」
「なンのためにここまで誘き寄せたと思ってンだよ三下」
ゆっくりと、
「オマエをブチ殺すためだよ猿野郎ォ!!」
ダンッ!!!! っと、持ち上げた足を地面に振り下ろし、その直後に地面が大きく振動する。
土砂による生き埋めか、木々を用いた攻撃か、はたまた未知の攻撃手段か。額に冷たい汗を伝わせながら、黄猿は周囲を注意深く観察する。
ふと、ある異常に気づいた。
「……オイオイ」
気づいたところでもう遅い。ザワッと波が荒立った瞬間、高さ数十Mの"津波"が海岸から押し寄せ、一気に
「ア"ーハッハッハッハッハァ!! オマエがいくら強力な能力者だからって、海に飲まれりゃどォにもなンねェよなァ!! 海水浴とかしたことねェンだろ? こンだけお膳立てしてやったンだからよォ、一緒に楽しもうぜェ!!」
「……っ!!」
イカれている。この白い少年は自分が何をしているのかわかっているのだろうか? 悪魔の実の能力者なのはあちらも同じ。海が最大の脅威であるはずなのに、白い怪物は笑いながら自分の体ごと眼前の敵を呑みこもうとする。
急いで津波から逃れるため黄猿は後ろへ退がろうとする。
しかし、黄猿が後ろを向いた直後、目の前の光景に黄猿の目が大きく開かれた。そこには、黄猿の行手を阻むように、大量のヤルキマン・マングローブの木々が立ち塞がっていた。剥き出しになった巨大な根の数々が四方八方を囲み、その隙間からはまた別の木々が見え隠れしている。さらに合間を埋めるように、
「
そしてついに、巨大津波が海岸へと到達し、
###
巨大な波が辺りを通過し、根こそぎ持っていかれた草木の残骸や土砂たちが波に浮かびながら地上を荒らし、それに伴い海の漂流物であったものが波に煽られるように揺らいでいる。ザアアア、と川の音など比較にならぬ程の轟音が周囲に響き、瞬く間に景色がガラリと変わっていく。
それが数分ほど続き少し波の勢いが弱まった頃、海岸の近くに白い人影が現れた。
間違いなく巨大津波に攫われた筈だというのに、
悪魔の実の能力者の弱点である海。
黄猿のみならず、他の能力者からしてみればそれがどんなに異常なことか。
ふと
なだらかになり水深が低くなった陸の海から、
「……逃げやがったか」
まだ奥の手を持っていたのだろうか。一体どんな方法で津波から逃げおおせたのかは
ありとあらゆる手を使って攻撃を仕掛け、最終的には黄猿を倒すためにこんな大掛かりな手段も用いた。しかし、避けられた。他に打つ手がない訳でもないが、勝機はほぼない。
黄猿との戦闘を続行した場合、その後の戦いを脳内でシミュレーションしながら勝算を割り出そうとするが、結果は良くない。故に、
「…ハァ。しょうがねェ、逃げるか」
明らかに『覇気』という攻撃手段のある黄猿の方が有利。それにこのまま戦い続けて時間をかけてしまえば、さらに援軍が導入されてしまい、最悪の場合『覇気使い』が2人以上現れてしまう可能性もある。業腹だが、ここは引くしかないだろう。
海に向かって地面を踏み切り、海上から数十メートル離れた上空へと飛び立つ。そして、
###
「…まいったねェ〜〜。後でどンなに叱られることか……」
絶対に逃すなとセンゴク元帥に言われてこの有様。流石に黄猿も困ったような様子を見せる。
確かに油断はあった。自身への攻撃手段が無いと確信した後に、少しだけ気を抜いてしまった感は否めない。しかし、誰が戦闘中に津波を引き起こすことを予想できるのだろうか。
あの時、
『
もし戦闘中、事前に
突如、黄猿の持つ電伝虫が音を鳴らす。黄猿が受話器を手に取ると、
「大将黄猿殿! 白い少年との、戦闘の被害状況の報告のため連絡しました!」
「いいよォ〜続けてェ」
「は、はい。負傷者は237名。その内重傷者は97名。用意した迫撃砲は全滅。少年が起こした大爆発によって、マングローブ帯中心部、半径300m範囲内のヤングマン・マングローブが焼失しました! ……ただ、死者は0名です! 大爆発に巻き込まれた者もいません!」
「ンン〜? 死者は0…?」
死者はなし。その不自然さに黄猿は眉を顰める。少年の凶暴性、破壊力を考えれば大量の死者が出てもおかしくはない。運が良かった、で済むことなのだろうか。
「……そォいえば…」
さらにおかしな点に気づく。先程、
「……まァ、被害が抑えられたのはいいことだねェ」
そう呟き、仏とは程遠い鬼のような形相を浮かべるセンゴク元帥の顔を思い浮かべながら、黄猿はこの場を去るのだった。
###
シャボンディから少し離れた海の上。そこに一隻の海賊船が浮かんでいた。
しかしどこか様子がおかしい。船上の海賊共が騒ぎ立てる声は無く、聞こえてくるのは呻き声ばかり。甲板にいる乗務員の半数以上が倒れ伏しており、海賊団の船長と思われる人物が、白い少年によって這いつくばらされていた。
その惨劇をつくりだした白い少年は、近くの樽に腰掛けながら船長の頭を踏み付けにし、気怠げな様子でため息を吐いている。
「き、貴様、この俺が誰か分かっているのか……!? 俺は、懸賞金5千万ベリーの大海賊、キ──」
「うるせェよ」
グシャ、という音が
「進路を変更しろ。シャボンディ諸島から離れた、あンま海兵が寄り付かねェ島ならどこでもいい。そこまで連れてってさえくれりゃあ、オマエらの命は保証してやるよ」
「は、はい! わかりましたぁ!!」
慌ててシャボンディ諸島への進路を変えようとする海賊達を眺め、
(……覇気…ねェ…)
今日の出来事は
あの瞬間から、
──だが、
(……コレの
たしかに『覇気』は操れなかった。反射できなかった。だがそれは今の
あらゆるベクトルを制御し操る能力。そんなモノは
正体不明の法則は、黄猿によって直に体に受けることでその数値は入力された。ならばそこから逆算していけばいい。架空のベクトル軸を設定し、虚数のような『実世界に存在しない、机上の計算を解き明かすためだけの数字』を思い浮かべることで、未知の法則を徐々に浮き彫りにすればいい。宇宙に漂う無数の岩石や様々な現象に高度な数式をぶち込むことでビッグバンの発現を推測するように、自身の頭の
「クッ…カカ……!」
架空の数字を織り交ぜ、自分で組み立てたルールで未知の法則というパズルを解く。その先にある、最強を超えた無敵。立ち向かうことが無駄だと思えてしまう程の、そんな絶対的な存在になればいい。
──そうすれば……もう……誰も………
「うわああああああ!!」
突如、海賊達の叫び声が聞こえ、
「ちょっ、船長ォーーー!!」
海賊達が船長に向けて助けを求めるが、生憎呼ばれた人物は白眼を剥きながら伸びている。懸賞金5千万と言っていたので、もしかしたらこの状況を切り抜けられる程の手腕は持っていたのかもしれない。他の戦闘員と思わしき人物も、
「……チッ」
面倒くさそうに舌打ちしながら、
「ア、アンタ、何を」
船員達の前に出て、海獣の真正面に立つ。しゃしゃり出てきた無謀な獲物を前に、海獣は牙を剥き出しにしながら襲いかかった。
そんな化物を前に、
驚愕しながら身を捩る海獣の頭を、白い怪物の影が踏む。
「す、すげぇ……!」
「…フン。
そう返し、
この世界の『
原作とほぼ変わらない悲惨な過去を体験。海軍に目をつけられない程度で襲いかかってくる者達を返り討ちにしてきたが、天竜人を殺害してしまったことで遂に懸賞金をかけられてしまった。
もし続きが出るとしたら…。(書くかは未定。書けても多分遅れる)
-
麦わら一味出て欲しい!(ルフィと戦闘あり
-
麦わら一味出て欲しい!(ルフィと戦闘なし
-
麦わらの一味は出さないで!