NTRが苦手な自分でも楽しめるようにと書いた話です。

無理でした。














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誰も傷つかない優しいNTR

NTRは奥が深い。

 

寝取り、寝取られ、寝取らせ、寝取らせられ…

 

一概にNTRと言っても多種多様だ。

 

 

さて、私は妻と結婚して早半年の新婚ラブラブ状態だ。

 

普段の彼女の夜伽に対しても概ね満足している。

 

 

が、しかし、だ。

 

 

私はNTRというものに惹かれている。

 

妻を誰かから寝取りたい、寝取られたい、寝取らせたいという欲望にいつもいつでも悶々としていた。

 

 

どこの馬の骨とも分からない男に妻を抱かせるなんて耐えられない。

 

それがNTRというものなのだろうが妻が私以外の男にヨガるなんてどうしても嫌なのだ。

 

私はこんなんでも妻を愛している。

 

彼女を傷つかせたくないし出来ることなら私も傷つきたくない。

 

しかし…ああ、NTRというものはなんと残酷なものなのだろうか。

 

 

毎日毎日思考を巡らせて如何にNTRを行うかシミュレーションしていた。

 

世間一般で言うところのNTRプレイなんぞで私の欲求を満たせるとは思えない。

 

仕事中、妻との情事中、食事中、睡眠中ですらも考えていた。

 

 

思いついた。

 

 

思いついてしまった。

 

 

 

 

 

 

 

自分自身のクローンに寝取らせよう。

 

その後にもう1人の私から妻を寝取ろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

そうと決まれば先は早かった。

 

地下室に研究所を造りクローン作成に明け暮れた。

 

妻との時間は減らさぬようにしていたので気が遠くなる程の時間がかかると予想していたが

 

1年弱で出来上がってしまった。

 

私は所謂天才だったのだ。

 

 

私のクローンには特に何の問題も無く、記憶や欲求、能力は私と殆ど*1変わらなかった。

 

 

「…とまぁ、そういうわけだ。君は私のNTRの為に生み出された存在なのだよ」

 

 

「成程、──何故だろうな。生まれてまもないというのに私は自分の生きる理由を知っている。そしてそれに喜んで従う自分がいる。────いいだろう。私はクローンと言えど同じ君だ。記憶も何もかも君と変わらない。妻を抱こう」

 

 

「あぁ、それについてなのだが少し提案があるんだ」

 

 

「? なんだい?」

 

 

「殴り合いで、決めようじゃあないか」

 

 

私はめんどくさい男だ。自分のクローンでさても易々と寝取られさせたくないと思ってる人間だ。

 

だから武力で決着をつけることでその日の妻をどちらが欲しいがままに出来るかを決めようということにした。

 

全力を以て争うことで寝取った快楽、寝取られた快楽を増幅させようという寸法だ。

 

 

私は拳を振り上げて、既にファイティングポーズをとっているもう1人の私に飛びかかっていった。

 

 

 

 

 

 

 

長らく研究に没頭し、普段の仕事もこなしていた為かオリジナルの私の体には疲労が蓄積していた。

 

彼の右ストレートを捌ききれずノックアウトされてしまった。

 

 

負けた側は一日中地下室で家の中に設置された監視カメラを通して手の届かない所にいる妻を見、勝った方は仕事に向かい帰った後に達成感に浸りながら妻とくんずほぐれつするというルールが出来た。

 

 

無機質な光を放つモニターを眺める。

 

隠しマイクも設置している為、愛しい愛しい妻の嬌声がよく聞こえる。

 

 

これが、NTR。

 

 

耐え難い屈辱と背徳的な快感に震えている私の耳に地を揺るがす程の衝撃が飛び込んだ。

 

 

 

 

 

「あぁっ♡いつっ♡いつもよりぃぃっ♡いつもよりすごくいいっ♡」

 

 

 

 

 

なんということだ。

 

オリジナルよりクローンの私の方が、そっちのテクニックが優れているというのか。

 

 

おのれ。

 

なんたる悔しさ。

 

 

目の前が真っ赤に染まると錯覚する程の慙愧の念が私を支配していた。

 

そんな私を裏切るように、長年愛用していた「私の私」は悲しくなるぐらいにいきり立っていたのだった。

 

 

 

 

それからはオリジナル私は自分のテクニックを磨き続け、越されたことに対抗心を燃やしたクローン私と切磋琢磨していくようになった。

 

仕事と情事の疲れもあり、オリジナルとクローンの殴り合いは一進一退の結果に落ち着いている。

 

 

 

 

 

今日も研究所で彼と勝負しようと待機していた。

 

殴り合いのシミュレーションに気を取られて背後から迫る気配に気づくことが出来ず、私の意識は闇へ突き落とされた。

 

 

 

 

 

 

「う…」

 

 

「気がついたかね」

 

 

目を覚ました私の視界に入ったのは、私とそっくりな2人組だった。

 

1人はどことなくこの世界と乖離しているかのような衣服を身にまとい、1人は頭に白髪が目立ち始めている。

 

 

「許してくれたまえ。私の欲求を満たすためにはこうするしかなかったのだよ」

 

 

白髪が目立つ男が囀る。

 

痛む頭を働かせてすっかり見慣れたモニターを眺めると勝負もしていないのに妻と交わるクローンの私がいた。

 

 

「な…」

 

 

立ち上がろうとした私をおかしな衣装をした男が取り押さえる。

 

 

「彼に事情を説明すると喜んで受け入れてくれたよ。今君を押さえつけている彼もこれに同意してくれている」

 

 

まさか…こいつらは…!

 

 

「別次元の私と…未来の私か…!」

 

 

「そのとおり」

 

 

NTRは奥が深い。

 

つまり、こいつらは、

 

 

オリジナルを組み敷く別次元の私は「寝取られさせられ」と「寝取られさせ」、それを眺める未来の私は「寝取られさせられさせ」を、クローンの私は「寝取らず」をしているということか。

 

そしてオリジナルの私は現在「寝取らせられ」を味わっていると、そういう事なのか…

 

 

 

許さん。

 

燃え滾る瞋恚の炎が私を包み込む。

 

こんなことがあっていい筈がない。

 

絶対に許してなるものか…!

 

 

 

 

動かすことが出来ない体を恨みながら全開の殺意を込めた視線で未来の私を射抜いた。

 

モニターに目をやる。

 

妻が、あああああ!!妻が!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし、

 

しかしだ。

 

けれど、

 

けれども、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は今クッッッッッソ興奮している。

性的に。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
この僅かな差があんなことになるとは思いもしなかった






















こんなん書いといておきながら私はNTRを好きになれませんでした。

私には素質が無いようです。

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