DARK SOULS → SKYRIM でまったり()スローライフ() 作:佐伯 裕一
私は怒っていた。
まっとうな人であった頃は常に自らの死を望むろくでもない人生を歩み、不死人となってからは七転八倒の巡礼を半ば強要され、さらに灰となってからも似たようなものだった。
しかしやっと満足のいく終わりを迎えられ、今度こそ本当の意味で
それがどうだろうか。また世界の終末なのか? また私なのか? 私でなければならないのか?
私が見る限り、私がこなした役割を代われるだけの、いや更に言えばもっとうまくやってのけるだろう英雄達はいたはずだ。
何故、役目を終えた私をまた担ぎ出すのか。
実績か? なまじ実績があるからいけないのか?
ならば声高に言い返したい。「新しい挑戦無くして未来無し」と。
新しい時代は新しい者たちの手で作り、紡がれるべきであるのだ。
そんな大層な理屈を抜きにしたって、私は元々死にたがりなのだ。
希死念慮はなりを潜めて久しいが、世に対しつい斜に構えてしまう程度には不健康な人間である。
要するに、これ以上の厄介事は「勘弁してほしい」のだ。
私を眠りから覚ましたのはいったいどこのどいつだ、とっちめてやる、とばかりに己の収まっている棺の蓋を怒りに任せて跳ね除け ────。
「やぁ」と挨拶代わりに肩を叩けるほどの距離にいた亡者(?)と目が合った。
気がついたらソウルから『ブロードソード』を手元に生成し、首を刎ねていた。反省はしている。後悔はしていない。
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男の名前はブリニョルフと言った。
数年前に、男の所属する互助組織の『盗賊ギルド』で反乱騒動があった。
反乱自体はたった一人の幹部が引き起こしたものだったが、そこで暗殺されたギルドマスターの喪失はあまりに大き過ぎた。
彼は盗賊として一流の技術を持つだけではなく、知識と知恵と諧謔に富み、あらゆる人を惹きつけた。
それは配下のギルド構成員のみならず、距離も立場も遠く離れた外部にまで協力者を作るほどであった。
ギルドの大黒柱であった彼が殺害されたことによって、ギルドは壊滅状態にまで陥った。
人員についても、古参の幹部を含めて少なくない者が逃亡し、絶対数が不足している。
外部協力者との関係の多くは、代々つながりのある者のほか、先述のとおり亡きギルドマスターの個人的な手腕と交友関係により築かれていたため、彼らも手を引く気配を見せている。
おそらく、それがきっかけとなり、ギルドの衰退は加速度的に進むだろう。
男はどうにかそれを食い止められないかと、今も拠点である『リフテン』から比較的近い古代『ノルド』の墳墓へ忍び込み、宝物を手に入れようと企んでいる最中である。あるのだが……どちらも、困難極まりない。
一握りの傑物により権勢を誇った組織というのは、一度転ぶとたちまちの内に底まで落ちていくものだ。
再び栄光を取り戻したいのならば、取って代わろうとする新参者共の頭を押さえつけ、確実な仕事で信用を回復させ、そして何より財力や権力といった
それを成し遂げるには、言うまでもなく数々の困難が付き纏う。落ち目のギルドからすれば並大抵のことではなく、事実上『不可能』と言っても過言ではない。
そして墳墓の宝物奪取についても同じことだ。
男は隠密行動には格別な自信があったし、荒事についてもそれなりのものと自負していた。
しかし墳墓の最も厄介な点は、敵として立ちはだかる者の多くが『ドラウグル』と呼ばれる死者であることだ。
かの死者達はある程度の損傷を与えれば打ち倒すことができるが、生者のような明確な急所が無い。
頭部を斧でかち割ろうとも、胸を矢で射抜こうとも、腹を剣で切り開いてやろうとも、活力とも言うべきものが尽きるまでは動き続ける。
すると男の取るべき現実的手段は、隠密行動に徹して出来得る限り交戦を避け続けるか、死者独特の察知能力を掻い潜り不意をついた上で致命傷を与えるか、の二つとなる。
掃いて捨てるほどいるドラウグルの群れを相手にそれを刊行するとなれば、かなりの無茶無謀を繰り返すことに他ならない。
それでも、男はその危険な仕事に挑まなければならなかった。
もうギルドの衰退は避けられない。それを少しでも緩やかにし、再興の時期を少しでも早めるためには、ここが踏ん張りどころであるのだ。
ケチなスリ仕事では間に合わなくなる。
男は、ブリニョルフは、必死であった。
ブリニョルフは慎重に行動した。
比較的与し易い相手は一瞬で無力化し、手強い相手は隠れてやり過ごす。
古代ノルド人の悪辣な罠を解除し、意地の悪い謎掛けを解いて、少しずつ目的地である最奥の間へと近づいていた。
順調だ。何度「クソッタレ」と悪態をついたかわからない苦労を越えてここまでやってきた。さぁ、あと一踏ん張りだ。
おそらく宝物が収められているであろう広間への最後の大扉を前にして、気合を入れ直した時 ──── 違和感を覚えた。
原因は大扉の向こうから聞こえる小さな音だった。澄んだ音に鈍い音。聞き慣れた剣戟の音だ。
始めは、自分の侵入が扉を隔てて察知され、ドラウグル達が猛り待ち構えているのかと背筋が冷たくなった。
しかしそれでは剣戟の音にはなるまい。古代ノルド人は現ノルド人と同じく、猛り声を上げたり盾を得物で叩いて威嚇するのだ。
ではこの事態は何だ? 撤退すべきか? いや、予想外の事態とはいえ危険かどうかも確認せずに帰ったのでは、ここまでの苦労が報われない。
多少の危険を犯してでも、せめて何が起きているか自らの目で確かめなくては。
ブリニョルフは大扉をほんの指一本分だけそっと開けると、縦にも横にも上にも空間がとられた広間を目にし、そして、絶句した。
広間の中心では、一人の男が大勢のドラウグルを相手に大立ち回りを演じていた。
重厚な刃を持つ斧槍で目の前の一体を叩き割ったかと思えば、前転して死体を蹴倒し後ろに控えていた数体をまとめて薙ぎ払う。
豪快な立ち回りを見せた次の瞬間には、何処から取り出したのか盾と片手剣に素早く持ち替えている。敵対者へ死を運ぶデスロードの『黒檀』の両手剣と相対すには明らかに重量も厚みも足りないが、軽々捌き、腕と首を刎ねる。
ただの力自慢ではないと見ていてすぐにわかったが、よくよく観察していればそれどころではない戦上手だと理解できた。
派手な立ち回りも、技巧を凝らした挙動も、見栄えのためではなく全て必要であるから行っているのだ。
その証拠に、ドラウグル達は十重に二十重に男を取り囲んでいるにも拘わらず、常に攻めあぐねている。
仲間の身体が邪魔だ。仲間の得物が邪魔だ。折り重なった仲間の死体が邪魔だ。
男は、広間にある地形を活かし、時には自ら有利な状況を作り出し、一度に相手取る数を限るよう常に敵を誘導している。
ブリニョルフは混乱した。この光景は何で、あの男は何者であろうかと。
もし、あの場にいるのが自分であればどうだろうか。いや、あんな立ち回りはできない。膂力が違うし、そもそも自分は隠密行動を至上とする。あんな大勢に囲まれた時点で
観戦者の乱れた思考などお構いなしに、ついには最後のドラウグルが倒された。
ブリニョルフは自分が唾を飲み込むことすら忘れていたことに気がついた。
男には、激闘と呼べる戦いを終えても疲労困憊な様子が僅かにも見られない。なんという強靭な戦士だろうか。
どうする、このまま様子を見るか? それとも接触を図る? もしそれで敵対されたら? 逃走は……いや、まず失敗して自分は死ぬだろう。姿を見せて友好的な態度を示したとして、敵対されない保証はあるのか?
ええい馬鹿か俺は。保証なんぞあるわけが無い。決めるんだ、今、すぐに。ぐずぐずして状況が好転することなんてこの異常事態にあるはずが…………奴が弓をこちらへ向けている!
駄目だ! 考えている暇はない! 既に奴は俺に気がついている。俺の隠密を見破った? いやそんなことは今どうだっていい。とにかくすぐに姿を見せて敵意が無いことを伝えなければ。そして加勢しなかったことを詫びるんだ。それしか俺が生き残る手段は無い!
ブリニョルフは両手を上げたまま、胆力を振り絞って大扉から広間へと歩を進めた。
「待ってくれ! 頼むから射たないでくれよ? …………やあ、そこの御仁。優秀な戦士たる君には先の戦いでも物足りないのかもしれないが、生憎と俺は敵じゃあない。第二試合はまたの機会ということで、どうかその弓を下ろしてくれないかな?」
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目が覚めて反射的に眼前の亡者(?)を殺めてしまってから思った。
…………これは、多分、違うな?
時代を遡ろうが降ろうが、武具や衣服にはそれなりに文化というものが現れる。
それを鑑みるに、目の前の亡者(?)の鎧は見知らぬ上に馴染みがない。おぉ、新しい世ではこんな意匠が流行っているのだなあ、という感じがしない。
ついでにいうと多分、亡者ですらない。
私達、不死人は、人間だ。追い立てられようが、生き返ろうが、誰が何と言おうが人間なのだ。
しかし目の前のそれは不死人の成れの果てである亡者ではなく、動く死体であると直感的に理解した。
つまり、ここは自分の見知った場所ではないぞ、と。
或いは、新しく熾った火の時代では私の知るそれと様々な差異が生じているのか、と考えもしたが……今はわらわらと集まってくる死体共の処理が先だ。
下っ端らしい粗末な装備の死体から、
……どうも『銀騎士』を思い出すな。あの身形のいい死体はちょっと嫌いなヤツだ。皮肉を込めて、便宜上『上級死体』としよう。
死体とはいえ、別に頭の中が腐りきっているわけではないらしい。きちんと連携をとって攻めてくる。なればこそ
まずは下っ端共を『ハルバード』で吹き飛ばす。囲まれているのだ。自分が下るより相手を下がらせて空間を確保するほうが手っ取り早くて安全だ。
そこに上級が切り込んで来たため、すぐに『塔のカイトシールド』とブロードソードに持ち替える。一太刀躱し、二太刀躱し、見切ったと確信を得たために三太刀目をシールドでパリィする。
一瞬、上級が呆けたような顔をした気がした。動く死体にも感情があるのだろうかと頭の隅で考えたが、身体は動きを止めずに致命の一撃を叩き込んでいた。
その後も、極力一度に多数を相手取らないよう立ち回り、なんなら一時的に足を止めて死者共を倒し続け、死体を重ねた簡素な障害を作ってみたりもした。
広間の石壁。階段。石机。そして斬りつける度に増える
この程度の群れにやられているようでは、巡礼者も灰も務まらない。
全体の半分ほどを片付けたあたりで、死体連中の力量をおよそ把握した。そのため、以降は作業の様相を呈していたが……。とうとう最後の一体の首を刎ねた。
そして「やっと終わったか。あぁ面倒だった」と気を抜いた時、残心を忘れていた事実に、後悔の念と激しい怒りを覚えた。
たしかに
敵は狡猾だ。見えにくい物陰に潜んで、こちらの隙を窺っているかもしれない。
例えば…………目覚めたときに比べて若干開いているように見える大扉とか!
取り敢えず『ファリスの黒弓』を構えてみる。別に勘違いならそれでいい。徒労で安全が買えるのなら安いものだ。
構えたまま待つ。敵が焦れて姿を見せるなら儲け物。何か仕出かす前に射殺してやる。
しかし実際には私の予想を裏切り、敵の姿より先に人の言葉が聞こえてきた。
「待ってくれ! 頼むから射たないでくれよ?」
なんとまぁ。まさか動く死体共の巣窟に生者がいるとは。いや、アレも巧妙に化けた死者なのか? その可能性は留意しておいたほうが良さそうだ。
話が進まないので、ひとまず生者であろう男の様子をみる。
「やあ、そこの御仁。優秀な戦士たる君には先の戦いでも物足りないのかもしれないが、生憎と俺は敵じゃあない。第二試合はまたの機会ということで、どうかその弓を下ろしてくれないかな?」
明らかにこちらを警戒しているが、これは敵対心よりも恐怖によるものではないかと思われる。私とて、これまで化け物だけを相手に戦い続けていたわけではない。人や人に近い者達とも、数えるのが馬鹿らしい程度には相対してきた。
その経験から思うのだが、目の前の男に今すぐ私と敵対するつもりは無いのだろう。どちらかと言えば、こちらを刺激しない用心がうかがえる。飄々とした言い回しは、生来のものか舐められないためのハッタリか。
「そこで止まれ。まず一つ、お前は誰だ。二つ、その扉の向こうで何をしていた。三つ、この死者の巣窟に何故生者がいる。答えろ。こちらはまだ、お前が敵かそうではないか、判断しかねている」
「俺としては君が用心深い性格で助かったよ。阿呆相手では会話が成り立たないからな。……俺の名前はブリニョルフ。この墳墓にとあるお宝の話を聞きつけてやってきた、ケチな『
大扉の向こうで何をしていたかは、正直言いづらいな。君の戦いを、ただ見ていた。加勢しなかったことについては、全面的に謝罪しよう。
言い訳を聞いてくれるのなら言うが、俺程度の腕じゃあ、かえって君の足手まといになりかねないと思ったんだ。先程君を『優秀な戦士』と評したが、そいつは世辞でもなんでもないんだぜ?」
……おそらく、この言い回しは性格だな。伊達男といった風だが、微妙に損をしそうな感じでもある。主に、同性相手に。
とはいえこちらの誰何に対して素直に応じ、目的を話し、直近の行動についても釈明した。
正直なところ、自分以外に誰かいるとは思っていなかったので加勢云々はどうでもいいのだが、「全面的に謝罪」とまで言うのだから、少しくらい高圧的に出てもいいだろう。こちらにも、舐められないためのハッタリは必要だ。
「わかった。お前が妙な真似をしない限り、武器を向けないと誓おう。それで、そのお宝とやらは見つかったのか?」
「まずはありがとう。そして肝心の
石の棺……死体をどかしてみると、それらしい物があった。正直、長椅子か何かだと思ったから雑に扱ったのだが、宝箱だったとは。最悪、ハルバードで叩き割っていたかもしれない。危なかった。
ブリニョルフの言う通り見つかった棺を開けると、そこには金銀財宝の山。そして一際大きな輝石の
この広間の死者共は、これを守っていたというわけか。
ペンダントを良く見てみる。素人目にも美しいとは思うが、私の身に付けている指輪と違い、特別な効果があるようには思えない。
ただ、台座に家紋のような紋章と、それを囲むように文字が彫られている。……読めないが。
「そう、まさにそのペンダントが『お宝』だ! 古代ノルドの王家に伝わっていた代物でね。『付呪』が施された『アミュレット』とは違い特別な効果は無いんだが、好事家連中は伝説級の品として、そいつを文字どおり血眼になって探している。売れば一財産間違いなしだ。
……それでここからが本題だ。先程の戦いぶりを見て確信したが、君はまず間違いなく俺の勝てる相手じゃあない。
絶対に敵わない相手の手中に、絶対に手に入れたい品がすっぽりと収まってしまった。そんな悲劇的な俺はどうするのか。聞ける頼みならなんだって聞くしかないのさ。
まず、勿論金は適正な額を払う。そしてそれでも足りなければ、俺自身を売り出したい。俺は君には及ばずとも、この広間まで一人で辿り着くだけの腕前だ。
更に外へ出れば、こう見えてなかなか顔が広くてね。君が欲しい物、成したいこと、それらの力になれると思うんだが、どうだろう? 自分で言うのもなんだが、お買い得だと思うぜ」
このペンダントにそんな値打ちがあるとは。
しかし、ほいほいと奴の口車に乗るのも危険だ。自慢ではないが、私は知恵の回るほうではない。回転も速くない。口の上手な奴の言うことに大人しく従った結果、まんまと騙された、などということにならないとは言えないのだ。
「……悩ましいならもう一つ売出し文句がある。君は俺がそのペンダントについて説明するまで、そいつが何か知らなかったように見える。これは想像だが、君はそいつを適切な値段で売り捌く伝手をもっているだろうか?
君にとってどうかは別として、偉業とも言える激闘の末に勝ち取った戦利品を、商売人のくせに物の価値のわからない愚図や、悪意を持って近づく卑怯者に、けして買い叩かれないと言い切れるだろうか? 賢明な君ならどうするべきなのか、すぐに最適な答えへと辿りつくだろうと俺は予想するんだがね」
…………どうも先刻からうまく言いくるめられている気がしないでもない。だがこの男の言うことも道理である。
私がこのペンダントを町に持ち帰って、奴以上の値と安全性を保って売り捌けるかといえば、はっきりと言える。否、だ。
まぁ、ブリニョルフ氏が奴自身の言う卑怯者であり、「適正な額」とやらが真実なのかどうか、私には見極める手段が無いのだが。
しかし、しかしだ。多少の損を勘定の内に入れてよく考えれば、この展開は願ったり叶ったりなのではないだろうか。
見知らぬ場所に放り出され私。目の前には、警戒くらいはしても表向き敵意を向けない、それなりの玄人が一人。ついでに自称「顔の広い男」ときた。
実に便利そうだ。
まずは自分の置かれている状況が見えてくるまで、奴を使って情報収集するのが得策ではないだろうか。
拾い物のペンダントでそれが叶うなら、それこそ儲け物だ。
……多少、油断ならない気配を醸してはしているが、そこは用心していればなんとかなるだろう。少なくとも腕っぷしでは負けないと思われる。何せこちらは神殺しだ。目の前の男が鼻歌まじりに神を殺して回る異常者でもない限り、問題は無い、はず。
「いいだろう。というか、私からも提案がある」
こちらが交渉の席についたことで気を良くしたのか、奴の纏う空気が若干軽くなった。そのうえで、どんな提案かと促される。
「本題の前にまず確認だが、お前が所望するのはこのペンダントだけで、他の財宝はこちらの懐に納めて構わないな?」
ブリニョルフの頬が若干引きつるが、承諾された。交渉で揉めるべきではないと思ったのか、その他の財宝を手放してでも入手する価値のあるペンダントなのか。おそらく後者だろう。彼はずっとペンダントの話しかしていない。それ以外は追加報酬といった類のはずだ。
「それから、自分は有り体に言って迷子だ。近くの村か、できれば町までの案内を希望する。お前がそれを飲むなら、その場所まで到着し次第ペンダントを渡そう。ペンダントの代金は案内を以て帳消しとする。私だって人目のあるところで揉め事は起こしたくない。ある程度は安心できる話だと思うが、どうだ?」
私が「ペンダント代金は実質タダだ」と口にしたためか、奴は怪訝な顔色を見せる。何か裏があるように思ったか。迷子発言にも訝しいものを感じ取ったかもしれない。少し考える様子を見せた。
私としては面倒な交渉は切り上げて話を進めたかったために、「『あまり欲を張るものではない』、とは亡き母の教えでな。自分には残りの財宝がある。十分だ」と付け足すと、納得し、快諾してくれた。
彼にも良き母がいたのだろうか。
「いいだろう、交渉成立だ。君が桁外れの暴力性に十分な理性を伴った戦士で助かったよ」
褒めているのだろうが、奴の軽口を聞くと少々心外な評価を下されているように思える。
とはいえ、交渉も成立したのだ。いつまでも「お前」だの「奴」だのというのもな……。
「では改めて頼む、ブリニョルフ」
私が初めて名を呼んだことで、協力関係を築けたと思ったのだろう。案外可愛い顔で破顔して(こういうのがきっと異性に好かれるのだ)、「あぁ、兄弟!」と返してきた。気さくな男だ。
「さて、そうと決まればさっさと移動しよう。財宝を回収してくれ。出口の見当は付いている。交渉ではだいぶ譲歩してもらったからな。道案内でくらいは役立ちたい。先に行……」
ブリニョルフの行動が迅速なので、遅れないようにと慌てて財宝の類をソウルに還元した。『ゴミクズ』でさえ還元して持ち運べるのだ。況んや財宝をや、だ。
「これは、まいったな。『同胞団』にも勝る純粋な戦士だと思っていたのに、魔法使いでもあるのか。いやはや、敵対しなくて良かったとつくづく思うよ。ついさっきの自分を全力で褒めてやりたい」
……………………常のとおりの行動であったが、これは
第一村人がネームド。
(※あくまで参考にさせていただくまでで、必ずしもアンケートの結果に沿うかはお約束できません) 文字数について質問です。拙作において一話あたりの平均が8000字強くらいらしいのですが、この文字数が長いのか短いのか、読者の皆様がどうお感じになっているのか気になりまして。私としては深く考えず、キリのいいところまで、くらいの意識だったのですが。一つ、ご協力よろしくお願いいたします。
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最低文字数(1000)で十分。
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~5000くらいはいるくない?
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今よりちょい短めで(~8000弱)
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Don't worry.
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もっと長くしろよ読み応えがねえだろハゲ