DARK SOULS → SKYRIM でまったり()スローライフ()   作:佐伯 裕一

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半ば説明回。
また、町長様、たまごん様、ごま0325様、サザエサザエサザエ様、秋刀魚ブレード様、使用人様、teemo様、あんころ(餅)様、水澄 尋様、デーテ様、誤字報告ありがとうございます。大変助かりました。
※感謝の意を込めてお名前を挙げておりますが、もしご迷惑であれば、お手数ですがその旨をご一報くだされば幸いです。修正し、以後そのようにいたします。



八、作戦会議

「兄弟の言い分はわかった。俺の個人的な思いや計画成功の可能性の多寡を別として考えれば、かなり有効な一手と言えるだろう。

 それどころか、もし目論見どおりにことが推移したとしたら、支援者の発言力が相対的に小さくなるだけじゃない。多くの問題が解決し、ギルドの復興も格段に早くなるはずだ。良いことずくめだな。

 ちなみに、主だった支援者は『ブラック・ブライア』家と言い、他にも何家かある。まぁ、筆頭支援者殿の顔色を損ねない程度だから、そいつ等は然程気にしないでいい」

 

 我が友は蜂蜜酒を片手に机へ両足を乗せ、すっかり寛いでいる。これが彼の自宅での()()なのだろう。少々行儀の悪いことだが、家主であり、盗賊でもある彼にそれを期待してはいない。

 その寛ぎ姿勢のまま、私に説明するような、ほろ酔い気分に任せて一人語るような、そんな調子で続ける。

 

「……話を戻すが、計画の恩恵は直接的収入源が増えるという実利に収まらない。

 まず、ギルド運営を多少大胆にできる。どんな物事もそうだろうが、労力や危険を抑えれば利益もそれなり程度にしか得られず、逆もまた然りだ。

 メルセルに任せておけば()()()()()ことは間違いないが、あまり萎縮した活動は皆の士気に関わる。

 誰だって失敗したくないとは思いつつ、その一方で、自分の持てる全ての力を使って難題に取り組みたい、とも思うものさ。腕に自信のある奴や若い奴ほどそういう傾向があるな。俺も、まぁ、無いとはいえない」

 

 私はどちらかと言えば臆病な性質であるため、そういった冒険心はやや薄いのだが。言わんとすることはわかる。

 そして、士気に関しても。これが底をついたままでは、折角ギルドを纏めるためにメルセル・フレイを担ぎ上げたというのに、櫛の歯が欠けるように脱落者が出かねない。

 

「そして、更なる支援を募ることもできるようになる。これはブラック・ブライア家に対してもそうだし、全くの別口にも言える。

 君、『ブラック・ブライア家の発言力を弱める話をしているのに受ける支援を増やしてどうするのか』いう顔をしているな? からくり、と言うほどでもないが、まあ聞いてくれ。

 支援者と被支援者の力関係ってのは、後者が困窮しているからこそ成り立つ。だが被支援者たるギルドが独自の収入源と影響力を得たなら話は別だ。

 ギルドの困窮が一息つき、将来的に解決する目処が立ったとしたらどうなると思う? 切羽詰まっているわけでもない連中に金を貸したとして、感謝されるかな? 借りだと認識されるだろうか?

 支援者の伝家の宝刀たる『言うことを聞かないのなら支援を打ち切る』、こいつが(なまくら)と化した時点で、支援者の発言力は額面どおりになる。額面以上にあったはずの価値を失うと言い換えてもいい。

 個人対個人でも言えることだが、これが組織対組織では更に顕著でね。色々理由はあるが、わかりやすいところで言えば、お互い図体がデカイせいで動きが鈍くなるんだ。

 何か気に食わないことがあったとしても、即座に『よし殴りに行こう』とはなりにくいのさ。だからこそ、弱い立場にいるはずの側が多少調子づいたとしても、ある程度は目を瞑ってやるしかなくなる。無論、限度ってものはあるがね。

 そして発言力を保持するためには、支援の額を釣り上げるしかなくなる。それはギルド復興へ大いに役立つだろうさ」

 

 なるほど、私の計画に関わらず、何かしらの要因によってその状況が齎されたのなら、それだけでギルドの窮状はかなり緩和したと見て良いわけだ。

 貸しがあり、そのために立場の強かった者が、ある意味対等な立場まで引きずり降ろされるのだ。全くの善意からの出資でもない限り、何のために金を出したのかわからなくなるな。

 

「当然、守銭奴のブラック・ブライア家は妨害工作を行いたがるだろう。

 だがそれは悪手と言わざるを得ない。

 ブラック・ブライア家はリフテン一の名家であり豪商だ。スカイリム全土を見渡しても、上から数えたほうが圧倒的に早い。

 しかし、だ。俺達ギルドだって、腐ってもスカイリム一の闇ギルドだ。これから新参者共が小蝿の如く湧いて出てくるだろうが、現状はまだそうだ。

 計画が順調に推移したのなら尚の事だな。

 そんな状況で、両者が手切れとなって困るのはどちらだと思う? 支援者たる栄光のブラック・ブライア家の方々さ。

 あくまで仮定の話ではあるが、ギルドには収入源があり、影響力を保持する土台もある。

 となれば、ブラック・ブライア家は俺達に代わる都合のいい番犬を探すだろうな。しかしリフテンの闇を支配しているのは俺達だ。

 俺達から喉元に刃を突きつけられながら、俺達に対抗し得る闇ギルドと新たに関係を構築する? あり得ないな。端的に言って自殺行為だね。

 だから争いは水面下でのものに限定される。だがその手の工作活動でメルセルを出し抜くのは至難の業だ。我らがギルドマスター殿は、人の裏を読むのがやたらと達者だ。同時に、自らの行動や思考を読ませないこともな。そんなことはあの連中も理解しているだろうから、つまり『()()はならない』。

 長々と話してしまったが、要するに兄弟の提案は、成功すれば起死回生の一手に他ならないわけだ」

 

 フラゴンやラットウェイで見た、メルセル・フレイの目を思い出す。あの目が常に支援者の腹を探り、()()を見つけ出そうとしている。その状態で自ら急所を作り更には曝け出すなど、辣腕振るうブラックブライア家相手では考えられんだろう。

 回らない頭で考えついた思いつきであったが、友からこれだけ絶賛されれば悪い気はしない。

 だが、『しかし』とその友が続ける。

 

「だからこそ計画を成功させることそのものが困難だ。

 先程も言ったが、まずは何をおいても莫大な資金と、ある程度の人員が必要だ。

 資金のほうは、できれば継続的な収入によって賄われるのが望ましいな。

 次に人員だ。俺は謹慎を言い渡されている手前、幾らかは助けられてもあまり大っぴらには動けない。謹慎が明ければ本業へ従事することになるだろうしな。だから基本的には君が中心となって動くしかないわけだが、一人でできることというのは限られている。君の手足となって動く多くの人間は必要不可欠だな。

 当面の課題としては、この二つをどうやって解決するかが問題になってくるわけだ。そして言い換えれば、これさえ解決してしまえば計画は成功したも同然と言っても過言じゃない。

 というか、別に町を牛耳ることに固執しなくとも、ある程度目的は達せられたと言えるだろう。何せ配下が居て、稼ぎがあるんだ。大概の事業に手を出す土台にはなるだろうし、そこで満足してしまっても何も問題はない。だって稼ぎがあるのだから」

 

 たしかにそのとおりだ。

 私は、どうせならリフテンの有力者に比肩するだけの資金力と影響力をと考えたが、それに及ばずとも、ギルドへの貢献として見れば、計画の途中であっても有益であることに変わりはないだろう。

 とはいえ、それはギルドの困窮を幾らか軽減させるに過ぎず、根本的な解決とは言い難い。目指すなら、やはり計画の完遂を終着点としたいところだ。

 しかし、どうも友の言葉を聞いていると、ブレックス一派を我が傘下に置く、というのは難しいと見ているようだ。私が他に提案した、一派を始末した後に他所から持ってくる、も同様だろう。

 如何に実現困難なのか、私の頭ではすぐに理解できない。

 私はその旨を正直に伝えた。友は順を追ってそれに答える。

 

「まず砦の連中だが、当たり前の話ではあるが君の傘下につく理由が無いな。特に頭目ブレックスは今もなおガルスを信奉しているあたり、誰かの下に付く、ということ自体しないだろう。

 主立った連中を始末したとしても、他の連中が君に従うかは望み薄だな。希望的観測でやっと未知数、と言ったところか。

 兄弟には自信があるようだが、一体、連中をどうやって傘下に収める腹なんだい?」

 

「正面から訪ねて話をしようかと思っていた。抵抗されれば腕力にものを言わせようかとも」

 

「…………さっきの称賛を返してもらってもいいかい?」

 

 そんなに馬鹿なことを言っただろうか。一派と何の関わりも無い私が其奴等を従えようと言うのなら、基本的には腕尽くしか無いと思うのだが。

 

「根っからの、頭にチーズでも詰まってるような山賊共ならそれでも良いかもしれないがね。奴等は腕利きの元盗賊だ。

 君に抵抗するだろうし、敵わないと思えばとっとと逃げる。

 何なら、降伏したフリをしてその場をやり過ごす、くらいはやってのけるだろうさ」

 

 なるほど、確かに成功率は低そうだ。では一派を始末した後の策はどうなのだろう。

 

「他所から人を入れる、という案自体は悪くないとは思うがね。しかしブレックスが討たれたという話は絶対に伝わる。『代替わりをした』と報告をしたとしても、余程うまくことを進めなければ討伐指令が下るな。

 これを回避するには、執政官を抱き込むためにメルセルに話を通してブラック・ブライアの人間を動かす必要がある。連中にバレている段階で本末転倒だな。

 リフテンの前に立ち寄った開拓村よろしく、砦を中心とした開拓計画をでっち上げるにしても、やはり町の有力者たるブラック・ブライアと執政官、更には首長へ話を通す必要がある。

 そこに孤児なんかを押し込んで盗賊として教育する、なんてことも今、思い付いたが、どちらにしても同じことだな。

 ギルドにとっては有益と言えるが、君の計画として考えれば破綻している。痛し痒しと言ったところか」

 

 簡単にことが運ぶとは思っていなかったが、どうも私の想定以上に実現は困難であるようだ。

 支援者であるブラック・ブライア家に気取られないよう動く、ないしはギルドとは無関係だと思わせる、というあたりが全てを難しくしている。

 ……いや、視野を狭くしてはいかん。

 手近な場所に脛に傷持つ集団がいると聞いたものだから砦の一派を中心に考えてしまったが、別に私自身は盗賊でもなんでもないのだ。

 協力を仰げるならば、()()の者達でも良いのではないだろうか。

 ブリニョルフにそのことを伝えてみると、考えながら口を開く。

 

「伝手ができてうま味がある連中と言えば、まずは同胞団の名前が挙がるな。

 こいつらは、言ってみればスカイリム随一の武芸者集団でね。比較的安価な報酬で、狼からそれこそ巨人退治なんて害獣駆除や、賊退治、果ては市民のちょっとした困り事解決まで請け負う。

 スカイリムは強い戦士が尊ばれるからな。ここに所属しているというだけで、尊敬の眼差しを向けられるほどだ。

 だが奴等は()()での強さに拘る。ブレックスじゃないが、信奉者と言ってもいい程にだ。

 君は腕っ節で言えば何の問題も無いんだが、ソウルの業だったか? あれを連中が魔法だ、邪道だと思えば、毛嫌いされるかもしれないな。

 奴等とつながりを作ろうとするのなら、その最中は一切使わない、とでもするのが無難かな。君が窮屈でなければなんとかなるだろう」

 

 ソウルの業を隠し通す? ……できるだろうか。まるで自信が無い。

 ソウルの業は私の日常と共にある。両手の揃った者に、「完全に自由な状態のまま片手だけ使うな」と言うようなものだ。しばらくは我慢できるだろうが、いつかはボロを出しそうな未来が見える。

 しかし、そのときまでに私の戦士としての腕前を認めさせていれば、何とかならないだろうか。

 

「たしかにな。君の圧倒的武力を前にすれば、連中がソウルの業を些事だと思ってくれる公算はそれなりにあるだろう。

 ついでに言えば、同胞団は清廉潔白な印象が広く認知されている。

 もし所属が叶った場合、君が盗賊ギルドの協力者だとは思われないだろう。『まさか』ってね。そういう意味ではいい隠れ蓑になる」

 

 同胞団、表の顔としては有望、と。私は頭の隅に刻んだ。

 

「他で言えば、『闇の一党』なんて連中もいるな。平たく言えば、殺し屋集団だ。正直、薄気味悪いんで俺はあまり近寄りたくない。

 そしてこちらは既にギルドと協力関係にあり、デルビンが窓口になっている。

 盗賊ギルドの人間が不手際で殺人を犯してしまった場合、主な対処としては、ブラック・ブライア家などの有力者に頼んで握り潰させるか、この闇の一党に話をつけて、『最初から連中の標的であった』ということにしてもらうのさ。

 こちらの落ち度だからな。当然、それなりの金を要求される。だが必要なことでもある。

 この連中に関して言えば、もし下手をうって敵対関係にでもなった場合、我らがギルドマスターが君を『協力者とは認めない』と言い出し、君と連中の争いに不干渉を決め込むだろう。それどころか、俺と君の個人的友誼にも物申してくるかもな。

 あまり触れないのが吉、だと思うぜ」

 

 殺しの専門、となると微妙に闇霊を頭に浮かべてしまう。

 だが連中はソウルや人間性、あるいは誓約の主に捧げる供物を求めて襲いかかって来るのだ。

 純粋に『殺すために殺す』というのは少々理解し難い。……いや、いたな。殺しそのものが目的になっているような闇霊も。

 あの手の輩が集団になったのが闇の一党か。なるほど、たしかに薄気味悪い。

 ついでに言えば、既にギルドと協力関係にあるのなら、私が接触して得られる利益は少ないだろう。

 

「更に毛色の違うところを挙げると、『ウィンターホールド大学』や『吟遊詩人の大学』なんてのもある。

 前者は魔法大学とも呼ばれるな。その名が示すとおり、魔術師共の総本山だ。年がら年中、胡散臭い実験だの調査だのに走り回っているよ。

 あくまで噂だが、俺が生まれるよりずっと前にウィンターホールドの大部分が海没する、なんて大災害があったらしいんだが、その原因ではないかとも言われている。

 元々変人共の巣窟なんて印象があった上に、大災害の件が絡んで、スカイリム中の、特にノルドからは白い目で見られているよ。

 ついでに言うと、大学にはガルスの協力者がいたらしい。

 そいつをあてにできないかとは俺も思うんだが、ガルス暗殺騒動なんて事件を防げなかったギルドに対して今も協力的なままでいてくれるか、不安だな。最悪、好意が裏返って敵対感情すら抱いているかもしれない。

 ……町に根を張ることだけを考えるなら、この大学があるウィンターホールドの町が最も容易いだろうな。何せ首長会議(ムート)に参加権を持つ首長を擁していながら、町自体は村と言ったほうが相応しい規模と衰退具合だ。

 尤も、そんな町を手にしてどの程度うま味があるのか、という話も持ち上がるわけだが」

 

 ウィンターホールドという土地は、なかなか魅力的に見える。

 ある程度の影響力を持つ大学と、衰退した町。この対象的な二つは、自惚れでなければ、私なら上手に扱えるように思うのだ。

 私は魔術が使えるし、魔術に傾倒した人間なら、ソウルの業を見ても頭から否定はしないだろう。……多分。

 こればかりは、彼等が、亡き友の話していた竜の学院のように、排他的かつ権威主義的ではないことを祈るしかないのだが。

 私に前ギルドマスターとのつながりはないが、元協力者とやらもあてにできるだろう。

 

 そして、衰退したウィンターホールドの町自体も魅力的だ。

 友の言うとおり、町を牛耳ったところでうま味が無いのでは意味が無い。無いが、その『うま味』をこちらで用意できればどうだろう? ウィンターホールドの首長は、町に潤いを齎した人間を無碍に扱うだろうか。私なら厚遇する。

 というか、そのような特殊な事情の無い町では、まっとうな手段で名を挙げる他ない。可能不可能で言えば可能であろうが、それは私の取れる様々な手段を封じての話になりかねん。友に相談すれば知恵をかしてくれるやもしれんが、いつもいつも側に置いておけるわけでもない。基本的には私一人の力でやり遂げるべきだ。

 

 まだぼんやりとした程度だが、徐々に道筋が見えてきた。

 そのあいだにも、ブリニョルフによる『吟遊詩人がいかに盗賊の協力者として優れているか』の講義が行われている。

 曰く、吟遊詩人は様々な場所へ赴き、歌う。怪しまれることなく人の集まる場所を転々とできる人材。それは各地の情報収集に最適である、とか。

 曰く、盗賊である自分達とは異なる目線を持つ、という点も捨てがたい。情報というものは、多角的に見ることでその精度を飛躍的に上げることができる、とか。

 だがしかし、如何せん吟遊詩人という人種は、『趣味人の集まり』という趣きが強いらしい。それ故、我が友の勧誘も難航しているとのことだった。

 

 その後も私が幾つか問いかけ、ブリニョルフが答える。そんなやり取りを繰り返し、気が付けば日が高く昇っていた。

 

 

 

 話を一度中断し、昼餉の支度をする。

 食事を始めたところで彼に切り出す。

 

「ブリニョルフ、君のおかげで私の行動指針がだいぶ煮詰まったぞ。やはり頼りになる。

 まず、狙う町はウィンターホールドだ。現状、恒常的な稼ぎを用意できるかは不明だが、首長を始めとした町の上層部に伝手があって困ることもあるまい。

 魔法大学という集団も、少々奇異の目で見られているようだが、味方にできれば力になってくれるだろう。

 町の有力者に就いても稼ぎを用意できなければ、伝手を維持したまま、別の町に食指を動かしてもいい。ひとまずの狙い、といったところだな。

 

 次に資金、それを生み出す人員だが、第一候補はやはり砦のブレックス一派としたい。第二候補が同胞団、第三候補は先の大学だ。

 話がうまくまとまらなければ鏖殺して、ギルドの手柄とすればいい。その場合私は、第二第三の候補を回る。

 それでも駄目だった場合は、また改めて考えよう。状況も少しは変化しているだろうし、時間を置けば君のことだ、何かうまい考えが浮かぶだろう?」

 

「兄弟。煽ててくれるのは嬉しいんだがね、俺は便利屋じゃあ無いんだぜ? 叩けばほいほいと妙案が出てくる魔法の知恵袋でもない。あまり期待してくれるなよ」

 

 私としても、何でもかんでも彼に丸投げするつもりはない。

 しかし彼の所属ギルドはおそらくスカイリム随一の情報通であるし、彼自身がそこから策を考えることのできる人間だと信じている。少なくとも、私より上等な頭脳を持ち合わせていることは確かだ。

 

 そして、行動を起こしても特に不利益が無いのなら、まずはやってみるのだ。試行錯誤は不死人の得意とするところである。取り返しの付かない話でなければ、大概の物事は回数を重ねることでどうにかなるものだ。

 

 一応、ブリニョルフを通してギルドへ私の行動指針を伝えてもらう。

 メルセル・フレイは、私がブレックス一派を傘下に収めることに成功した場合、嘴を挟んでくるかもしれない。だが、私はまだギルドの協力者ではないし、ブリニョルフの友ではあっても部下ではない。言うことを聞かなければならない理由も無い。

 メルセル・フレイが私に対して面白くない感情を抱いても、私がギルドにとって有益な人物となったのならその貢献を認めるべきである。個人的感情でそれに反するのは、ギルドマスターとして許されないだろう。大袈裟に言えばギルドへの背信ともとれる。

 

 何もかもが全てうまく行かず計画が完全に頓挫したとしたら、冒険者にでもなって各地の宝物を狙うのも面白いだろう。

 ブリニョルフの話では、そういった探索の場合、持ち運べる物資の限界から、戦利品を選別しなければならないらしい。私はその手の悩みと無縁だ。根こそぎ持ち帰ってしまえばいい。それなりの稼ぎにはなるだろう。

 失敗しても良いというのは気が楽だ。駄目で元々。成功すれば儲け物。責任が無いとはある意味素晴らしいな。

 腹の決まった私は、明朝、砦へ向けて出発することにした。

 

 

 

********************

 

 

 

 男が行動を開始してから数日後、帰宅した男が言った。

 

「ブリニョルフ、ブレックスと友達になってしまった。連中は殺せない。メルセル・フレイには上手に伝えておいてくれ」

 

 ブリニョルフはマスター・メルセルの血走った目、ふんだんに嫌味をまぶした詰問、ほか諸々の後処理を考え、溜息をついた。

(※あくまで参考にさせていただくまでで、必ずしもアンケートの結果に沿うかはお約束できません) 文字数について質問です。拙作において一話あたりの平均が8000字強くらいらしいのですが、この文字数が長いのか短いのか、読者の皆様がどうお感じになっているのか気になりまして。私としては深く考えず、キリのいいところまで、くらいの意識だったのですが。一つ、ご協力よろしくお願いいたします。

  • 最低文字数(1000)で十分。
  • ~5000くらいはいるくない?
  • 今よりちょい短めで(~8000弱)
  • Don't worry.
  • もっと長くしろよ読み応えがねえだろハゲ
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