好きな人を前にすると素直になれないツンデレ少女の佐藤。

そんな彼女を好きな人とくっつけようとする嘘つきの鈴木。

この二人のちょっとしたコッテコテの恋愛青春話。

なろう、カクヨム、アルファポリスでも投稿します

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ツンデレ少女が嘘つき少女に素直にさせられるおはなし

「おはよう佐藤ちゃん。あれ? 田中くんは?」

 

 

 

「鈴木さんおはよう。あいつは、知らないわ。いつもみたいに家に迎えに行ったらいなかったもの。全く……どこほっつき歩いてるのよ。少しは連絡の一つも欲しいくらいなんだけど」

 

 

 

 プンスカと彼女に愚痴る。

 

 

 

 彼女はそんな私のことを見て、

 

 

 

「へぇー、そうなの。お熱いわね」

 

 

 

 にやにやしながら言った。

 

 

 

「ちょ、なんでそうなるのよ」

 

 

 

「いつもみたいに……ねぇ。それってもう彼氏彼女の関係じゃないの?」

 

 

 

「ち、違うわよ。ただの幼馴染ってだけだから。勘違いしないでよね」

 

 

 

 すると彼女が、

 

 

 

「へえ~。じゃあ、私がもらっちゃおうかな~」

 

 

 

 とさらににやついた顔で返してきた。

 

 

 

「ちょ、冗談きついよ」

 

 

 

 心がチクリとする

 

 

 

「あら? 私は本気だよ」

 

 

 

「っ……それも、どうせいつもの嘘なんでしょ」

 

 

 

 彼女は少し悩んで、指を鳴らしながら、

 

 

 

「正解。さすがはわが幼馴染。じゃあ先に教室行ってるよ」

 

 

 

 そういって、早々と立ち去って行った。

 

 

 

 ……嘘か……。彼女は……鈴木は嘘つきだ。ほんと、誰にだって平気で嘘を付く。出会ったときから、昔からそうだ。

 

 

 

 でも……、

 

 

 

 でも、あの時の目はとてもそうには見えなかった。

 

 

 

 心にモヤモヤを違和感を感じながらも、私は教室に向かおうとた。すると、

 

 

 

「あんた」

 

 

 

「ん? おう、左藤か。おはようさんって、そんな暗い顔してどうしたんだ? 風邪か?」

 

 

 

 さっき鈴木が来たところから、田中が現れた。

 

 

 

 

 

 

 

「さっきから黙っているけど、何かあったのか? 。風邪とからなら今から、

 

 

 

「あんたには関係ない。ほっといてよ」

 

 

 

「関係ないけど。でも、幼馴染だろ。相談くらいは

 

 

 

「関係ないって言ってるじゃん。だいたい、私に連絡も入れないでどこほっつき歩いてるのよ。心配したじゃない」

 

 

 

「? あっ!!! 、連絡するの忘れた。すまん。今日、先生に手伝い頼まれてさ、言うの忘れてた」

 

 

 

「そ、そう。ならよかったけど。でも、今後はちゃんと連絡入れなさいよね」

 

 

 

「おう」

 

 

 

 ……

 

 

 

「じゃあ、自分の教室に行くから。また放課後」

 

 

 

「おう。あ、あと、体調が悪いなら保健室行けよ」

 

 

 

「もう、別にそんなんじゃないんだってば」

 

 

 

 そういって私は教室に向かった。

 

 

 

 ……いないよね。

 

 

 

「はあ~」

 

 

 

 ……まただ。

 

 

 

 またやってしまった。

 

 

 

 ここ最近、私はいつものこうだ。彼に強く当たってしまう。

 

 

 

 溜息まじりに、とほほと歩いていく。

 

 

 

 さっきも、お門違いとは言え彼はただ、私のことを心配してくれただけなのに、

 

 

 

 それなのに

 

 

 

「もうちょっと素直になれたらなあ」

 

 

 

 廊下で一人むなしくつぶやく私であった。

 

 

 

 

 

 

 

 放課後になった。

 

 

 

「じゃあ、私は先生に用事があるから」

 

 

 

「わかった。じゃあまた明日ね」

 

 

 

「そっちも、彼に言いたいことはちゃんと言うんだよ。72時間の法則って言葉もあるくらいだからね」

 

 

 

「72……何それ? ていうかそれどういうこと?」

 

 

 

「72時間以内に行動を起こさないと、一生しないって感じの言葉だね。

 

 

 

 早く自分の思いを伝えなきゃ、いつの間にか取られちゃうよ。誰かにね」

 

 

 

 ウィンクして、こっちを見る

 

 

 

「もう、からかうのはやめてよ」

 

 

 

「あら? こっちとしては結構真面目な、本気のアドバイスなんだけど」

 

 

 

 キョトンとした顔でこっちを見る。

 

 

 

「だいたい、思いを伝えるって誰に伝えればいいのよ。皆目見当もつかない「まあ、嘘なんだけど」

 

 

 

 イラッ(#^ω^)

 

 

 

「あんたねええええええええええええ」

 

 

 

 立ち上がって追いかける

 

 

 

「キャッ、怖ぁい。佐藤さん怒ったあ」

 

 

 

「アンタがいけないんだろうがああああああああああああああ」

 

 

 

「ふふっ、じゃあね」

 

 

 

「おま、ちょ、ま」

 

 

 

 どーんと勢いよくドアにぶつかってしまった。

 

 

 

 顔ぶつけた。

 

 

 

「っててえ~」

 

 

 

 あいつ、ドアを直前で閉めやがった。

 

 

 

「あいつ絶対許さん。明日覚えてろ~」

 

 

 

 ……はあ……

 

 

 

 ……早く合流して帰るか。

 

 

 

 そう思った私は、彼がいつも待っている待ち合わせ場所に駆け足で向かった。

 

 

 

 向かおうとした。

 

 

 

 この声……あいつの声じゃん。

 

 

 

 2組……彼の教室からだ。

 

 

 

 でもまた、なんで? 

 

 

 

 わけがわからなかった。

 

 

 

「てか、遅れるなら連絡のひとことよこしなさいよ」

 

 

 

 あいつ朝から何も学んでねえ。

 

 

 

 ……まあ、私も人のこと言えないけど。

 

 

 

 もう一人の声? 

 

 

 

 女の声? 

 

 

 

 聞いたことのあるというかさっき、

 

 

 

 この声……鈴木!? 

 

 

 

 ……気になる。

 

 

 

「まあ、ちょっとくらいは聞き耳立ててもいいよね」

 

 

 

 そういって私はドアに耳を当てようとした。でも、それも必要ないくらいの声で、

 

 

 

「田中君、好きです。付き合ってください」

 

 

 

 ────────────────────ー

 

 

 

 え? 

 

 

 

 どういうこと? 

 

 

 

 好きって、

 

 

 

 あいつのことが好きって、

 

 

 

【「早く自分の思いを伝えなきゃ、いつの間にか取られちゃうよ」】

 

 

 

 ふと、さっき彼女が言った言葉を思い出す。

 

 

 

 え? でも、そういう、わけじゃ。

 

 

 

 それに、あいつも、

 

 

 

「いいぜ。わかった」

 

 

 

「っ」

 

 

 

 走り出した。

 

 

 

 そこから逃げ出すように。

 

 

 

 走った

 

 

 

 走った

 

 

 

 走った

 

 

 

 走った

 

 

 

 走った……

 

 

 

 どこかわからない知らない所にまで走った。

 

 

 

 そんな時スマホから通知音が鳴る。

 

 

 

 彼女だ。彼女からのラインが来た。

 

 

 

『私たち付き合うことになったから』

 

 

 

 ご丁寧に画像付きだ。

 

 

 

 ああ、くそ。

 

 

 

「せっかく現実逃避したのに」

 

 

 

 その日私は、

 

 

 

「最悪だ」

 

 

 

 失恋した。

 

 

 

 

 

 

 

 次の日になった。

 

 

 

 自分の精神状態で休むわけにはいかないので、学校に向かう。

 

 

 

 ほんとは二人と顔も合わせたくないくらいに、行きたくない。

 

 

 

 憂鬱だ。

 

 

 

 どんな顔を合わせたくないぐらいに、

 

 

 

 ふと昔のことが、走馬灯のように流れた。

 

 

 

 私と彼は幼少の頃からずっと一緒にいた。

 

 

 

 家が隣同士で、親同士が仲が良くて自然に遊ぶような、

 

 

 

 よくライトノベルとかにあるようなありふれた設定みたいな関係だった。

 

 

 

 それから、小学生、中学生、今と一緒に過ごして行った。隣にはいつも彼がいた。それが私にとって当たり前だった。ありふれた光景だった。

 

 

 

 でも、

 

 

 

「おはよう。佐藤ちゃん」

 

 

 

 コイツに打ち砕かれた。

 

 

 

 滅茶苦茶にされた。滅茶苦茶にグチャグチャに汚され、壊された。

 

 

 

 昔から仲は良かった。彼女も小学生の時に出会って、よく知っている人物だった。

 

 

 

 昔からは、彼女は嘘つきで一人ぼっちで、そんな姿が見てられなくて一緒にいた。

 

 

 

 最初のうちは、そんなだった。

 

 

 

 いつからか、彼女のことが何となく理解できるようになって、一緒にいるのが楽しくなって、腐れ縁て感じのやつになった。嫌いになれない、そんな関係性だった。

 

 

 

 仲のいいやつだ。

 

 

 

 なのに。

 

 

 

 それなのに!!! 

 

 

 

「おはよう。鈴木さん。……あっ」

 

 

 

「よお、おはよう」

 

 

 

 ムカつく。

 

 

 

「おはよう」

 

 

 

 そんな感情二人に向けちゃいけないはずなのに。

 

 

 

「悪かったな。今日も手伝い任されてさあ……って、どうした? 気分悪いのか?」

 

 

 

「別に」

 

 

 

 ムカつく。イラつく。

 

 

 

「そっか。そう見えたんだけどな」

 

 

 

「じゃあ、また教室で佐藤ちゃん。行こうよ、鈴木君」

 

 

 

「え? ああ。またな」

 

 

 

「ええ。また」

 

 

 

 負の感情ばっかがいっぱいいっぱいになってしまって気が滅入る。

 

 

 

 二人が結ばれたのだ。喜ばしいことじゃない。

 

 

 

 なんで明るくふるまってしまったんだろ私。

 

 

 

「馬鹿馬鹿しい」

 

 

 

 鬱々と私は教室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 授業が終わって、放課後になった。

 

 

 

 いつもだったらいるんだよね。あいつが。

 

 

 

 無いものねだったってしょうがない。

 

 

 

 早く帰ろう……

 

 

 

 廊下を歩く。

 

 

 

 その時、

 

 

 

「私は忠告したよ。早く自分の気持ちに素直になれって」

 

 

 

 隣には彼女がいた。

 

 

 

 

 

 

 

「なに?」

 

 

 

「今日一日、ずっと表情暗かったじゃない。心配になってさ」

 

 

 

「あっそ。別にそんなことないわよ」

 

 

 

「そう。ならいいけどさ。嘘だし。でも、機能すごい動揺してたじゃん。走り去ったりしてさ」

 

 

 

「気づいてたんだ」

 

 

 

「最初からね。だから気になっちゃってねえ」

 

 

 

「心配してくれてありがとう。嘘でもうれしいよ」

 

 

 

「わかってきたね」

 

 

 

「彼、嘘は通じないわよ。傷付けないように気をつけなさいよね。馬鹿だから」

 

 

 

「知ってるわよそれくらい。それにこんなに嘘つくのは、貴方くらいよ」

 

 

 

「あっそ。光栄だわ」

 

 

 

「さっきからさあ……貴方、感情的になるのはいいけど誰かに当たるのはよくないわよ」

 

 

 

「心配してくれるの? うれしいわ。嘘つき」

 

 

 

「そういうところよ。なんであなたは自分の感情に向き合わないの?」

 

 

 

「壊したあなたがそれ言う?」

 

 

 

「言うわよ。貴方と、私の中だもの」

 

 

 

「親しき中にも礼儀ありってご存じ」

 

 

 

「自分でもおかしいことくらいわかってるわよ。でも、

 

 貴方は少しくらい正直になりなさい!!! 」

 

 

 

「アンタ……わけわかんなよ。人の関係壊して自分に正直になれって、貴方頭おかしいわよ。ほんと意味が分かんない。

 

 

 

 自分のことは棚に上げて、人をさんざん罵倒して、もう、ほんと……

 

 

 

 返してよ……かえして……好きなのに……私、昔から、彼のことが好きなのに……

 

 

 

 大好きなのに!!!」

 

 

 

 ああそうだ私は彼が好きだ。

 

 

 

 大好きだ。

 

 

 

 だから、

 

 

 

「ああああああああああああああああもう!!! 。めんどくさい!!! 。私よりもめんどくさい!!! 。やっと自分の気持ちに気づくとか田中も田中で酷いけどさあ、貴方も貴方よ」

 

 

 

「ちょっと、それ」

 

 

 

「それ、私に言ってどうするの?」

 

 

 

「あんたねえ!!!」

 

 

 

「どうせいつもの場所にいるだろうから、今から本人呼ぶわ。後の気持ち全部田中にぶつけなさい」

 

 

 

「え?」

 

 

 

「まったく……なんでこんなことしてんだろ私」

 

 

 

「ちょ、ま、どういう」

 

 

 

「あ、そうそう。昨日のあの告白、嘘よ」

 

 

 

「は?」

 

 

 

「アンタこうでもしないと自分のこと理解できないじゃない。じゃあ、今から呼ぶから髪の毛とかまとめて少しは身だしなみをきちんとしなさい。

 

 

 

 まったく。なんでこんなことしてんだろ。こんなのキャラじゃないのに」

 

 

 

 そういって、彼女は立ち去って行った。

 

 

 

「はああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

「よお、鈴木に言われてこっちに来たんだけど、話ってなんだ?」

 

 

 

「ふぇ? ちょ、えっと、その……」

 

 

 

「ん? どうしたんだ?」

 

 

 

「その、私」

 

 

 

 言葉に詰まる。

 

 

 

 だいたい、気持ちを伝えるってどうゆうことよ。

 

 

 

 いや、あの時は、頭に血が上っていたってこともあって、それで、言えたってこともあるけど? 

 

 

 

 でも、

 

 

 

 ピコンと携帯の通知音が鳴る。

 

 

 

『応援してるから』

 

 

 

 鈴木からだ……

 

 

 

 ……良し。

 

 

 

 

 

 

 

「私、その」

 

 

 

「その?」

 

 

 

「その……」

 

 

 

「貴方のことが好きなの!!!」

 

 

 

「そうか」

 

 

 

「だから、付き合ってください!!!」

 

 

 

「ああ。いいぜ」

 

 

 

「じゃあ」

 

 

 

「これからもよろしくな」

 

 

 

「うん」

 

 

 

 私は今幸せ者だ。


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