紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです   作:ライドウ

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☆ ぱちゅりーが なかまになった!!

 

転生429年と20日(月曜日、三日月。ハレ)

 

新人ちゃんたちも少しずつ慣れてきたのか、だんだんと作業速度が速くなってきた。

その分、私によく甘えてくるのだがまあかわいいので許す。

そういえば今日なんだか見かけない子が数人いたけど気のせいかな?

まあ、作業に問題はなかったし何か壊したとかそういうのは聞いていないので大丈夫だろう。

 

そういえば今日、ついにパチュリーが目を覚ました。

偶然にも私が部屋の空気を入れ替えているときに、だ。

そして私を見て一瞬怯えたのだが、私が妖精だとわかると安堵していた。

すぐさまお嬢様をお呼びし、お嬢様と一緒にパチュリーがどうしてあんな状態になっていたのかを聞き始めた。

 

正直に言えば、パチュリーがあったのは教会が施行する魔女狩りだ。

彼女は魔女としては高名な方でおそらく彼女の成果や魔法論文に嫉妬したほかの魔女や魔法使いが密告したか。それとも、教会の”魔女狩り組織”が彼女を狙ったかのどっちかだろう。

詳しく聞くと、教会指定の制服、十字架、細いブロードソードを持ち合わせた集団。

戦闘が始まる前に、「我らは神の代理人。」とつぶやいていたらしい。

・・・・・・あれ、もしかして。『副メイド長の古巣』じゃないのかな。

 

軽く副メイド長に聞いたところ「マジっすか。つぶれてなかったんすね魔女狩り課は。あそこ汚職だらけで速攻つぶれると思ったんすけど。」とのことだった。

副メイド長の発言で確定した、おそらくパチュリーは他の魔女か魔法使いが場所を密告、そしてその魔女狩り組織に襲撃されたというわけだ。

 

話を戻すと、激しい戦闘の後何とか撃退することには成功したのだが。

撃退のために使った最大火力の火の魔法によって拠点は延焼、自身も魔力がスッカラカンになりながら懸命に逃げ、そしてお嬢様に拾われたということだ。

それを聞いたお嬢様は、「よかったら。この紅魔館に住まない?」と提案していた。

パチュリーは最初遠慮していたのだが、私が「なら、雇われる形でどうかな。住み込みってやつ。」と提案すると、それならと受けてくれた。

レミリアお嬢様は最初不満げだったのだが、パチュリーが「それなら助けてくれた恩義もあるから、頑張るわ。」と言ったあたりから随分と上機嫌になった。

 

 

転生429年と21日(火曜日、半月。ハレ)

 

パチュリーが紅魔館のメンバーになって早一日。彼女のおかげで、紅魔館地下室は完全に制圧されていた。

早速仕事が欲しいと言っていた彼女に、地下室にはびこるアンデッドの掃除を頼んだところ。

地下室は石造りだから燃えないという事と、アンデッドには火が似合うとのことで、精密な火の魔法による攻撃で焼き払っていた。

さすがに倉庫では丁寧に風の魔法で掃討していたけど・・・それでもようやく紅魔館地下室からアンデッドが一掃されたのだった。

地下倉庫はそのまま使うことになったのだが、その地下倉庫の隣に私の能力の応用でとても巨大な空間を作り上げる。

そしてその広げた空間に紅美鈴率いる狼女軍団が即座に建設を開始。その結果、倉庫の隣にかの有名な「ヴワル魔法図書館」が出来上がった。

今のところ本が入っていない本棚と読書用の椅子とテーブル、そして司書用のカウンターしか存在しないがそのうち彼女の要望により多くの本がここに収められることとなるだろう。

・・・そういえばクソ当主が「もし倉庫が使えるようになったら執務室の本棚の本を全部そっちに移してほしい」とか抜かしてたので使える魔導書や小説、単行本などはすべて「ヴワル魔法図書館」に、使えないものまたクソ当主の中二病感満載な自伝書や業務報告書などは全部、わかりやすいように箱詰めして倉庫にぶち込んでおいた。

ちなみに地下倉庫の中身も半ば混沌の迷宮(なんかランダムダンジョンっぽかった)になっていたが、昼メイドの人海戦術により綺麗にわかりやすく整理した。

 

そしてパチュリーの容体なのだが、なぜか原作とは違い随分とアクティブだ。

もちろん喘息持ちは喘息持ちなのだが、あのアクティブさなら段々とその症状もよくなるだろう。

なぜそんなアクティブなのか聞いてみると「レミィや貴女にこれ以上の迷惑はかけられないわ。だから私も引きこもるだけじゃなくて体を動かすことにしたの。」とのことだった。

ついつい感動して、頭をなでてしまったのは内緒だ。それにレミリアお嬢様ともすっかり仲良くなったみたいだ。昨日一晩で何があったんだろう。

 

 

転生429年と22日(水曜日、満月。クモリ)

 

今日は久々に、奥様の部屋を掃除した。

・・・相変わらず誰もいない奥様の部屋にはあらゆるところに埃が溜まりとても生活感のない静寂が続いている。

奥様は、フランドールお嬢様は出産なさった後フランお嬢様が12歳になるころまではこの部屋で、この屋敷で生活をしていたはずなのだ。

しかし、ある日突然。そう、突然なのだ。突然、奥様はいなくなった。最初は、その年に雇われた新人メイドたち(今の副メイド長補佐とすでに引退したメイドたち)が疑われたのだが彼女たちの必死の弁明と、私の証言もあり無罪であることが証明された。

そして次に、第三者による被害・・・と言いたかったのだが。そもそも吸血鬼最大勢力である”スカーレット家”に喧嘩を売るようなバカは人間ぐらいで、その人間も奥様はあくびをしていても捻るぐらいだ。よって、この可能性も無し。

さらにでたのが不倫による駆け落ち。だが、そもそも奥様”が”クソ当主に一目惚れ&猛アタック(しかも何ならレミリアお嬢様という名の既成事実だってある。これだけ聞くと、名家のお嬢様とはとても思えないぐらいアグレッシブだなおい。)して結婚したぐらいなのだ。クソ当主もそれを聞いた時、そんなバカなことがあるわけないと大笑いしていた。信頼しているのは何よりだが・・・

じゃあそうなるとというわけで、フランドールお嬢様に疑いの目が向けられた。クソ当主は、自分の娘がそんなことをするはずがないと言ったのだが。周りを見る家臣の上級吸血鬼たちの目は明らかに腫物を見る目だった。確かにフランドールお嬢様は10歳のころ「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を発現させ、副メイド長を爆☆殺していたのだがその時のトラウマで狂気に囚われることはなく、私の協力の元、12歳の時にはすでに狂気を克服していた。それ故にフランドールお嬢様が故意でもない限り、能力を発動することはない。そもそも、その時フランドールお嬢様は私の目の前でレミリアお嬢様とお茶会を開いていたので到底できるはずがないのだ。だが、その証言に対して家臣の上級吸血鬼たちは、「遠距離でも発動可能かもしれない」や「そもそも時間指定をしたのかもしれない」という「かもしれない発言」で、騒ぎ出した。当然、その場にいたフランドールお嬢様は泣きかけ、レミリアお嬢様は必死に慰めていた。ついつい私が、能力で首をちょんぱしようとしたところ。

その場にあった長テーブルを一つの大剣が叩き割った。

その大剣の持ち主は、もちろんクソ当主。さすがに自分の信頼できる家臣と言えど、娘をとやかく言われるのは我慢できなかったようだ。

机を割った大剣・・・正確には魔力で再現された「魔剣グラム」なのだが、それを消してから恐れを感じさせる笑みを浮かべて「囀るならば結構、だが俺の娘をそれ以上泣かせるな。フランにはやっていないという確かな証言と証拠があるんだ。それ以上囀るならば今この場で、この手で処分してやる。」と、家臣たちに言い放っていた。

 

そんなこんなもあり、捜索は続けられたのだが・・・ついぞ痕跡が見つかるわけもなく、つい100年ぐらい前に捜索は打ち切られた。

推測では、「死亡した」ともまた「生きている」とも言われているが、その真相は明らかではない。その理由でさえ分からない。

・・・しかし、いつでも帰ってきてもいいようにと掃除をしている。

あのアクティブな奥様の事だ、いつかフラッと帰ってくるはずだ。

 

湿っぽくなってしまったが、今日はちょっとだけそういう気分に浸りたかったのだ。

なにぶん、私も奥様には教えてもらったことがいっぱいある。だからこそ、今日ぐらいは湿っぽくていいかなと思った。

 

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