紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです 作:ライドウ
転生429年と23日(木曜日、半月。クモリ)
今日も今日とて一日が終わった。
朝から見かけないメイドが混ざっていた。
副メイド長に何かおかしい行動があったら捕まえるように伝えて、その日の一日を過ごしたのだが、破壊活動もしなければ諜報活動らしいこともしていない。
メイドたちの足を引っ張るような行動もしなければ、だからと言ってこの紅魔館を調べることもしない。一体どういう意図で調べているのか気になった私は声をかけてみたが、すぐさま逃げられてしまった。しかも逃げるときに窓ガラスをぶち破って逃げたので次来たら問答無用で捕まえて地下牢獄にぶち込むことにしよう。
さて、今日のレミリアお嬢様は久々にお散歩をなされた。
お散歩をなされた結果、数人のホブゴブリンを連れてきた。
何でも、ボロボロで休憩しているところを見つけて説得してつれてきたとのことだ。
毎度のことながら、私は他のメイドたちにお風呂の用意を指示してホブゴブリンたちの怪我を手当てした。
転生429年と24日(金曜日、三日月。アメ)
今日も今日とて、見慣れない人間のメイドが居たので即座に無力化、地下牢獄に閉じ込めた。警備は美鈴のところの狼女たちに任せて私たちは普通に業務をした。そして美鈴のじんも・・・お話のおかげで、大体のことが分かった。
まず、ここ最近送られてきた見慣れないメイドというのは、
そのために御三家全員が雇っているメイドに扮して、情報を集めるために潜入したのが彼女たちと言う事らしい。
・・・それを聞いて思わず吹き出してしまった。
その吹き出してしまった理由にはまず、それぞれのメイドの雇用体制について説明する必要がある。
まずは我がスカーレット家。
雇用の仕方はとても簡単、この紅魔館の周辺にある村にメイドを募集するということを伝える。
そして、自分から希望したメイドを”メイド長”が審査し、選ばれたメイドだけがこの紅魔館で働けるという仕組みだ。
ごくまれにだが大規模なことをするときは、周辺の村から男手を雇うことがある。この時に渡すのは大体お金や食料、そして趣向品の品々だ。
最近、美鈴が植物を育てることにハマっているらしく、紅魔館の裏手辺りに小さな畑を作っているとのことだ。(しかも最近では酒造に手を出しているらしい)
もちろんメイドとして雇われた子たちには、終始保証付きの働いた年数による退職金、普段から高月収と絶対に血を吸わないことを条件として契約書に書かせてもらっている。
ちなみにこの雇用体制は不夜城も全く同じ条件、むしろスカーレット派の家々はほとんどこの方針をとっている。
次に、ハンターグリーン家。
雇用の仕方は何というかとても吸血鬼らしいやり方である。
気に入った女性を吸血してから連れ去り、自分専属のどれ・・・メイドにするのだ。
一度、とある会合でそのメイドと会話したことがあるのだが、あれはだめだ。意志というものが感じられなかったし、そもそもその仕えている吸血鬼の都合のいいように精神が操作されている。
おそらく飽きられたら最期、お亡くなりになるだろう。
最期にミッドナイトブルー家なのだが・・・
正直に言うとここの雇用体系は変態だ。というかここは血縁者しかいねぇ。
当主以外の男の吸血鬼はミッドナイトブルー家の秘術により一瞬にして性転換、そのまま当主付きの側室かメイドとかいうハーレム貴族だ。しかも大半がその当主の元息子だったり娘だったりするので結構ヤバい家系図だ。ただやばいなんてもんじゃない、お見せできないぐらいにヤバい。
うん。正直関わりたくない。
つまり、真っ当な雇用体系をしいているこのスカーレット家以外では十中八九間違いなく失敗するのだ。
いまごろそのハンターグリーン家とミッドナイトブルー家に行った人間は死んでるか食われたかそれとも隷属化したころだろう。
そういうと、その偵察員は笑い出し「どうせ死ぬのによく吼える」と言いやがった。
・・・今の情報から察するにもうすぐこの紅魔館に教会が攻め込んでくるのかもしれない。
その時を見越して今のうちに準備するのもいいかもしれない・・・。一応、不夜城にもこの事情を説明しておくか。
転生429年と25日(土曜日、新月。アメ)
今日は随分と、平和で静かな一日だった。
見慣れないメイドである対化け物討伐教会の偵察員は捕縛してあるため追加の偵察員が来ることはなく、新人メイドたちもすっかり慣れたようで、中央館の掃除が随分と行き届くようになった。
それにレミリアお嬢様も久々にフランお嬢様と一緒にお散歩できたことが楽しかったらしく、今日は何も拾わずに帰ってきたのだ。おかげで、地下倉庫が圧迫されることも急に怪我の手当てをすることもなく済んだ。
ちなみにこの前レミリアお嬢様が拾ってきたホブゴブリンたちはその後一度彼らそれぞれの集落へと帰り、この紅魔館の事を話して一族総出で、3つの部族が引っ越してきた。
狩猟と農耕が得意なホブゴブリンの一族は、そのまま美鈴の畑ところに住まわせた。もう一つの部族は意外なことに鍛冶が得意らしく地下室に新たな空間を作り上げて鍛冶工房(出てくる煙は、紅魔館に元々あった煙突につなげた。その結果煙突から煙が延々と出ることになった。)を作り上げよく壊れる刃物類を作るように依頼しておいて、それ以外の暇なときでは紅魔館の備品の武器や近隣の町や村に譲る用の丈夫な武器を頼んでおいた。
ちなみにアクティブなパチュリーはその鍛冶工房に対して防音魔法を使ってくれたのでこれで鍛冶工房からの音を気にしなくて済むようになっている。
そして最後の部族は、パチュリーの部下として雇うことにしたのだ。今はまだ慣れないだろうけど、メイドたちはメイドたちで掃除や料理、洗濯などに注力できるということだ。パチュリーはそれこそ最初遠慮していたのだが、メイドたちの現状を伝えると、ヴワル魔法図書館の整理だけでなく地下室の事大抵をできるように仕込むとのことだった。
なんというか、私がメイド長に就任してから随分と紅魔館は様変わりした。
最初の頃こそ、人手は足りず。問題は起きるわ、庭の手入れはできなくなるわで大変だったが・・・
メイドが増え、紅魔館のメンバーが増え、そしてそれぞれの部下ができて。
なんというか、毎日がとても楽しい。そう思えてならない。