紅魔館に住み込みで働くことになりました。そして咲夜さんの先輩メイドです   作:ライドウ

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この小説は次が最終話。
しかし、続編はあります。お楽しみに!!


△ 貴女に捧げる、我が忠誠心

「敵襲!敵襲でーす!!」

 

見張りをしていたメイドがそう叫ぶ。

その叫び声で、メイドたちは即座に戦闘態勢へと移行する。

私も、愛用の武器であるハルバートを取り出しテントから出る。

 

「数は?」

 

「そ、それが・・・」

 

敵襲を知らせてくれたメイドが言い淀む。

・・・表情のそれは恐怖一色でとても脅えている。

 

「大丈夫、教えて。」

 

「か、数は・・・300。しっかりと、端から端までかぞえましたっ!」

 

「さっ!?」

 

たった10人のために、幻想郷の妖怪組織が300人もの戦力を差し向けてきた。

・・・無論そんな数はいくら私でも撃退するのは難しい。

なら、

 

「私の能力で避難所を作ります。そこに避難を。」

 

「「「「「は、はい!!」」」」」

 

その一言で全員が戦闘態勢をといて並ぶ。

すぐさまに入口を開き、とある場所をイメージする。

 

かつて私がこの空間を開いた時、入った時。

空間の内部は高級スイートホテルのようになっていたことは覚えているであろうか。あれは、私の空間が、私の考えから作り出した部屋だったのだ。

・・・とても簡単に言うならば、空間に入った時の部屋は、私が考えていること、思っていることを反映すると覚えてくれるといい。

さらにわかりやすく言うならば、某運命の固〇結界と同じようなものだ。

 

空間の入口からは何も見えないが、入口の先には紅魔館の中庭に繋げてある。メイドたちには言ってはいないが、逃がすことを最優先とした。

 

・・・ちなみにその入口に私が入っても、例の高級スイートホテルになるだけなため、私は紅魔館に戻ることは無いだろう。

それに、戻るつもりもなかった。・・・一方通行にしたため、向こうに行ったメイドが戻ろうとしても戻れないはずだ、8人目のメイドがゲートに入り、最後の一人が振り向いた。

 

「メイド長・・・」

 

「どうかしたの?」

 

最初の5人の妖精メイドのうち、私の部下であのフレイルを振り回していた子が、泣きそうな顔でこちらを見つめている。

 

「いっ、一緒に行きましょう!メイド長が”犠牲”になる必要なんてないです!!それに、私嫌です!

 

 

 

 

 

 

 

 

メイド長の命と引き換えに、こんなところで暮らしたくないです!!」

 

 

 

 

 

その子がそう叫ぶ。何を隠そう私は八雲紫に取引を持ち込まれていた。曰く、

 

「貴女の能力は、この幻想郷にとって不必要、さらに言えばこの私の幻想郷を崩壊させる極めて邪魔な能力です。そんな貴女をもつ紅魔館は受け入れることは出来ませんが・・・どうです?少しお話でも」

 

私に、最初から拒否権というものは存在しなかった。

人質は、紅魔館。交換条件は、私の死と八雲紫と敵対している妖怪組織の戦力低下。

 

・・・つまるところ、捨石だ。

 

その時、護衛していたこの子はそれを聞いて猛反対したが、八雲紫は聞く耳を持たず、私を脅して無理やり約束を結ばせた。

 

いいお返事を期待しております。(貴女に選択肢はありませんよ?)

 

・・・その時の私は、その条件に乗るというものしか無かった。

仮にこれを断り帰還したとしても・・・吸血鬼戦争によってレミリアお嬢様に危機が及ぶ、私は生きていけるだろうがレミリアお嬢様に少しでも危険が及ぶことは、とても嫌だった。

 

・・・・・・だからこそ。

 

「ごめんなさい。私は、レミリアお嬢様が危険な目に会うことがとても嫌なの。」

 

「それは、レミリアお嬢様にご説明すれば!!」

 

「でも、吸血鬼戦争はもう間近なのよ?」

 

「メイド長達がいれば、吸血鬼の100や200なんてどうってことは無いです!!」

 

「でも、戦い続けられる?」

 

「っ!!」

 

ボロボロと大粒の涙を流しながら、私に抱きつく。

頭を優しく撫でてあげて、目を合わせる。

 

「・・・向こうに行ったら、レミリアお嬢様とサクヤに伝言をお願い。」

 

「っ・・・はいっ。」

 

「レミリアお嬢様には、【私は、お暇をいただきます。あの時、拾っていただいて、今でも感謝しております。】と、」

 

「・・・はい”。」

 

「サクヤには、【私を親と慕ってくれてありがとう。私の机の上から二番目の引き出しにあるものを、しっかりと読むこと。】」

 

「・・・っ、!」

 

「そしてみんなに、【ありがとう】って」

 

「メイドちょっ・・・!?」

 

トンと軽い力で突き放し、ゲートにその子を放り込む。

手を伸ばしてくるが、私はその手を掴まなかった。

 

 

 

そしてわたしは、うまれてはじめて、涙をながした。

 

==========

 

「別れの挨拶と遺言は済んで?」

 

しばらくしてから八雲紫が出てくる。

 

「ええ、お陰様で。そしてさっさと消えなさい。貴女の敵対者たちと一緒に殺すわよ?」

 

溢れ出る殺気と一緒に今まで使ったことのない暴言を、八雲紫に言い放つ。

 

「おお、怖い怖い。では、約束は守るように。生き残ることは許しません、きっちり死んでいただきます。」

 

それだけ言って、八雲紫は隙間を閉じる。

本当に本当に

 

「辺境の管理者のくせに、神気取りの小娘がっ!!」

 

ムカつく。

 

ゾロゾロと”ゴミムシ”共がゲスな笑いとともに私を取り囲む。

 

「初めまして、生きる価値のないゴミムシ諸君。」

 

私の挑発に、そいつらの顔が大きく苛立ちに歪む。

 

「そしてさようなら。私もあなた達も誰も生き残れませんが」

 

せいぜいこの命、派手に散らせてレミリアお嬢様への祈りとしましょう。

 

 

 




八雲紫のやらかし一覧その1。

・マリアを紅魔館の使い捨て妖精メイドだと思っている。
・マリアの能力を”無理やり空間を広げる”ものだと思っている
(マリアの能力は、館などの閉所しか広げられない。幻想郷のような広大な土地を広げることは出来ない。)
・マリアが幻想郷を崩壊させると本気で思っている。
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