IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
それは、唐突に訪れた。
ドガァァァァァァァァァァァン!!!!!
「「!!!!?」」
突如試合中のアリーナに響いた、シールドの破壊音。そして同時にシールドを貫通した青色のレーザーが地面に着弾、着弾地点に煙を巻き上げた。突然の出来事に全員の目がそちらに向く。
「な、何だ⁉︎」
試合を行っていた真也と鈴も、構えを解いてそちらに向いた。着弾地点の周囲は煙に覆われており、ハイパーセンサーを用いてもその地点の状況が把握出来ない。
「真也、試合は中止よ‼︎あんたはすぐにピットにーーー」
逃げなさい。その言葉を鈴は発する事は出来なかった。それは何故か。
突如着弾地点付近から、何かが蒸発する様な音と共に青色のレーザーが飛来。レーザーは真也にも、鈴にも向かう事なく……
”観客席のシールド”を貫いた。
「「なっ……⁉︎」」
2人は、その光景に戦慄する。観客席から聞こえる悲鳴。そして誰もが観客席の出口に向かって駆け出す。
パニックに陥る者、生存本能に従う者、泣き叫ぶ者、押し倒され、逃げる人々の下敷きになる者ーーー
その光景を見て、恐怖を感じない者はいないだろう。
『織斑くん、鳳さん、聞こえますか⁉︎今すぐアリーナから逃げて下さい‼︎すぐに教師達がISで制圧します‼︎』
焦りに満ちた声で2人にアリーナから脱出を指示する真耶。だが…
「…いえ、山田先生。先生達が来るまで煙の向こうにいる奴を食い止めます」
『お、織斑くん⁉︎駄目です‼︎もし生徒達に何かあったら…』
「奴は観客席に向かって、シールドを貫通出来る出力のレーザーを放ったんですよ⁉︎先生達が来るまで放っておいたら、間違いなく死人が出ます‼︎」
「真也の言う通りです、山田先生。無茶しない範囲で私達が奴を止めます」
『け、けど………………………。…分かりました。2人共、5分耐えて下さい。出来るだけ早くします‼︎』
通信が切れた直後、乱入者の姿が見え始め、2人は再度構える。
「…何だ、あれは」
まず特徴的に見えたのは、赤色のカメラアイ。
次に、背中から生えた機械的な翼。
そしてISと変わりない程の大きさの黒色の
-警告 未確認高エネルギー反応を確認。該当データ無し -
白式と甲龍に表示される警告。
「…該当データ無し?まさか、あれISじゃないの⁉︎」
驚愕の表情を浮かべる鈴。
そしてーーー
『織斑真也』
「「!!!」」
突如、黒の全身装甲…《unknown》の外部スピーカーからマシンボイスが響く。
そして、unknownはゆっくりと左手の大型マシンガンを構え。
『ーーー手合わせ、願おうか』
そして、unknownが”消えた”。
「「…え?」」
いや、正確には一瞬で真也の目の前まで接近していた。
「っ!!!!!?」
真也が気付いた時には、もう遅い。
unknownは右腕のレーザーブレードを起動。青色の刃が白式を斬りつける。
「うわっ!!!!?」
もちろん回避も出来る訳も無く、一気に残存エネルギーの半分を持っていかれ、バランスを崩して落ちていく。
「真也っ!!」
真也の隣にいた鈴は、すぐさま衝撃砲をunknownに向け発射。
衝撃砲はいわば不可視の砲弾。初見で、尚且つ至近距離から放たれたら、普通なら必中だろう。
普通ならば、だが。
「喰らいなさいっ‼︎」
そして、鈴は衝撃砲をーーー
ドヒュン‼︎
ーーー発射する直前に、再度unknownが消えた。
「ゔっ‼︎」
そして次の瞬間、腹部に強烈な衝撃を感じ、吹き飛ばされる。
しかし、ほぼ反射的に体勢を立て直し、unknownを睨みつける。unknownは鈴を蹴りつけた右脚を下ろし、鈴を赤いカメラアイで見つめる。
「鈴‼︎」
そして、真也も鈴の近くに寄る。
「大丈夫か?」
「ええ…にしても何なのよ、あの動き。ハイパーセンサーでも見失うって…チート過ぎでしょ」
2人の前にいるunknownは、自然体で2人の様子を伺っている。2人が行動を起こしたら、unknownも同時に動き出すだろう。
「…マズイな。さっきの攻撃で、零落白夜が3〜4回位しか使えない」
「じゃ、私が奴の注意を引きつけるわ。あんたは背中を突きなさい!!!」
「ああ‼︎」
(真也…)
突如現れたunknownを真也と鈴が抑える為に、全力を尽くして戦っているアリーナの観客席の出入り口から避難…せずに、出入り口に立って戦いを見ている者がいた。
その名は、篠ノ之 箒。
(…押されている。このままだと…)
そう、現在unknownに真也と鈴は押されている。このままだと、2人は落とされてしまうのは確実になってしまうだろう。
(…させるものか、絶対に。もう2度と、あんな事にはさせない)
そう思った時は、既に身体が動いていた。
後編をお楽しみに。