IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
アリーナで相対する、黒と白と赤。しかし、その戦いは一方的だった。
「このっ…いい加減当たりなさいよ‼︎」
赤色の甲龍から、次々と吐き出される不可視の砲弾が黒のunknownへと飛んでゆく。
『………』
しかしunknownは、余裕の色を見せながら衝撃砲を回避。お返しと言わんばかりに、左手に握る大型マシンガンを発射。しかし、その銃口は鈴には向けられていない。正確にはunknownの左方向、その先には…
「うおっ⁉︎」
白色の白式に、弾丸が集中。シールドエネルギーを奪っていく。まさかの攻撃により、真也の顔に驚愕が浮かぶ。
「嘘⁉︎」
鈴も、まさか真也の行動を勘付かれ、更には
目を、逸らしてしまった。
『目を逸らすな』
「っ‼︎」
鈴が再び視線を戻した時には。
既にunknownがレーザーブレードを起動し、今まさに振り下ろそうとしていた。
(あ…)
「鈴ぃぃぃぃぃぃぃぃん!!!!!」
真也がunknownへ全速力で向かうが、どう考えてもunknownがレーザーブレードを振り下ろす方が早いのは明白だった。
そして、unknownがレーザーブレードを振り下ろし───
「危ないっ‼︎」
「キャッ‼︎」
黄色の閃光が鈴を攫い、青の刃は空を切るだけだった。
「せ、先生⁉︎」
そして、周りを見ればunknownを取り囲む様にラファール7機、打鉄5機、合計13機のISが取り囲んでいた。
「2人共、よく耐えたわね。後は私達に任せなさい」
「…はい」
「分かりました」
教師が鈴を離し、鈴は真也の元へ、教師は他の教師達に合流しようとした時。
突如、unknownの周囲に緑色の爆発が起きた。
「「「!!!?」」」
突然の爆発、そして吹き荒れる爆風に揺さぶられる。
「い、一体何が───」
そして、爆発の中からunknownが飛び出し、教師のラファールをレーザーブレードで切り、そして頭を右手で掴む。
『邪魔だ』
そのまま大型マシンガンを腹部に突きつけ、発射。教師のシールドエネルギーを削り、空中に放り出し、トドメにアリーナと観客席のシールドを貫通させた青色のレーザーを翼の先端部の武装から発射。
重い鎧になったISを纏う教師は、回避も出来る筈も無く、直撃。装甲の破片を撒き散らしながら墜落した。
「な……⁉︎」
「嘘……でしょ……」
教師達は緑色の爆発に巻き込まれ、墜落。最後の一人もたった今撃墜された今、残ったのは真也、鈴、そしてunknownのみ。
『この程度、か。所詮、戦いを知らないアスリートだな』
そして、unknownのカメラアイが真也に向かう。
『幻滅した。お前にも、お前の力にも』
「っ……」
手に持つ雪片二型が震える。今すぐに逃げたい衝動が自分の体に走る。
逃げたい。逃げられない。逃げたい。逃げられない。逃げたい。逃げられない。逃げたい。逃げたい。逃げたい───
そして、unknownがレーザーブレードを起動。真也に接近し、右腕を振り上げる。
真也は、鈴が何か叫んでいるのを、頭の何処かで聞きながら、その刃を見る事しか出来なかった。
『消えろ、何も知らないまま』
そして、その刃は。
「させるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!!」
『っ⁉︎』
その咆哮を合図に消え失せ、右から凄まじい速さで接近する打鉄が振るう刃を、大型マシンガンで受け止める。
「おぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!」
受け止めれると同時に、打鉄の操縦者は空けていた左手の刃をunknownの腹部に突きを繰り出す。
だが、unknownは後方に下がる事でそれを回避。突きは空気を裂くだけだった。
そして、unknownは打鉄の操縦者を睨み、警戒の色を見せる。
『篠ノ之箒、か』
そう、打鉄の操縦者は箒だった。箒は2人に背を向けたまま話し掛ける。
「真也、鳳。私があいつと戦っている内に逃げろ」
「な…何言ってんのよあんた‼︎」
「箒、無茶だ‼︎俺達もー」
「その状態で何を言っている‼︎もう限界の状態で続けても墜とされるだけだ‼︎」
箒は一瞬だけunknownから目を逸らしてしまったが、その一瞬にunknownが動く事は無く、ただそこに佇んでいた。
『篠ノ之箒』
そして、unknownが箒に声を掛け、三人に緊張が走る。
『何故織斑真也を庇う?そいつはいずれ世界を混乱に陥れる、それを分かっているのか?』
「例えそうだとしても、私の大切な親友だ。それに…また失うのが怖いだけだ、私は」
『…失うのが怖い、か。甘いな、お前は』
「………」
『心しておけ、篠ノ之箒。その答えが、お前の守る物も、お前自身をも滅ぼすと言う事を』
そう言ってunknownはアリーナのバリアの穴へ向かい、アリーナから逃走した。
「ガルーダ、こっちは終わった。今からそっちに合流する」
『…分かったわ、ストーム』
「…どうした?」
『…ストーム、そっちのレーダーに何か捕捉していない?』
「ちょっと待て…こっちには何も捕捉していない」
『そう…』
「何かあったのか?」
『…”死神”と接触したわ』
時は少し遡る。ガルーダはストームと別れた後、”外野”の始末の為行動を起こしていた。
「…あれね」
そして、目標を視界に捉える。
が、その直後異変を感じ取る。
「…損傷している?」
そう、目標の全身装甲型ISは、装甲の所々が破損し、内部構造が見え隠れしており、既に満身創痍の状態だった。
(…一体何が?)
その時、青色のレーザーが全身装甲型ISのコアを貫き、墜落した。
「なっ…⁉︎」
突然の出来事に驚愕するガルーダ。何せ、レーダーには目標以外には何も映っていなかったにも関わらず、レーザーが飛来したのだ。当たり前だろう。
「あの桜色の
「っ…⁉︎」
突如聞こえた声。その方向に振り向くと…
右手にはライフル、左手にはブレード、左肩にはレーザーキャノンを装備した白いアーマードコアが、そこにいた。
「…何で貴方がその事を知っているのかしら?」
「…あの時だったな。お前を撃ち、私達があの組織から抜けたのは」
その言葉を聞いたセレンに、”あの時”の記憶がフラッシュバックする。
セレンの目の前にいる、2機の白いアーマードコア。
その圧倒的な力の前に、次々と墜とされる仲間達。
そして、セレンの師匠とでも呼ぶべき人がセレンの目の前で墜とされる姿を。
「まさか、貴方が…‼︎」
「ああ、そうだ。私達がお前達を堕とした」
「………!!!!!」
それを聞いたセレンの表情に、怒りが浮かぶ。
「貴方が…貴方がスミカさんを…!!!!!」
そして、両手のライフルを構える。
「止めておけ」
「………」
「お前は、私に勝つ事は出来ない。お前が一番知っているだろう?」
「………っ」
カタカタと、ライフルを持つ手が揺れ始める。
「…ふん」
そして、白いアーマードコアはセレンに背を向けて、離脱しようとする。
「…待ちなさい」
だが、セレンの振り絞った様な声で引き止める。
「…貴方は、貴方達は一体何なのよ!!答えなさい、”J”!!」
そして”J”と呼ばれた者は何も応える事も無く、その場から去っていった。
『ガルーダ、こっちは終わった。今からそっちに合流する』
そして数分後、ストームから通信が入る。
「…分かったわ、ストーム」
『…どうした?』
「…ストーム、そっちのレーダーに何か捕捉していない?」
『ちょっと待て…こっちには何も捕捉していない』
「そう…」
『何かあったのか?』
「…《死神》と接触したわ」
今の所、修正入っても殆ど変わってないです。