IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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時間がめちゃくちゃ飛びます。

,;゙ ・ω・;, もふ。


第三章
第二十二話


『…お前がそうか。確かに、似ているな』

 

『…』

 

私の目の前にいる、私とそっくりな女性。

 

『初めてまして、だな。これから宜しく頼む』

 

その人は、あの時の私と違って生き生きとしていた。

 

『…よろしく』

 

『…名前を名乗ってなかったな。私は”ーーーー”だ。お前の名は?』

 

『…No.14621』

 

『…そうか、よろしくな、”ーーーーーー”』

 

『…?』

 

『お前の名だ。そんな肩苦しい名前は、お前には似合わん』

 

 

 

 

 

 

 

その人は、私の新しい名をくれた。

 

 

その人は、感情を教えてくれた。

 

 

その人は、心を教えてくれた。

 

 

その人は、想いを教えてくれた。

 

 

その人は、暴力ではない、守る為の力を教えてくれた。

 

 

その人は、私にとって、大切な人だった。

 

 

 

 

 

 

 

だけど。

 

 

『下がれ、”ーーー”‼︎』

 

『嫌です‼︎そんな事をしたら、貴女が‼︎』

 

『我儘を言うな‼︎さっさと………”ーーー”!!!!!』

 

 

 

あの時、あの人は私を庇った。

 

 

『………”ーーー”さん?』

 

 

 

あの人は、私の目の前で墜ちていった。

 

 

 

『い……………………嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!』

 

 

 

あの人は、私を庇って………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「っ‼︎」

 

ORCA本拠地の寝室。その一室のベッドで眠っていたセレンが目覚める。

 

「………嫌な夢ね」

 

今まで見ていた夢は、”ーーーー”がまだ生きていて、まだ自分が”ーーーーーー”という名前だった時の記憶。そして、目の前で墜ちていった記憶。

 

「…スミカさん」

 

不意にセレンは、近くにあった白い首輪付きの犬のぬいぐるみを抱き締める。もふ。

 

「…死神…」

 

思い出される、あの時、”ーーーー”を殺した、2機の白いアーマードコア。

 

(…そういえば…”ーーーーーーーー”の操縦者は一体…)

「…考えても仕方ない、か」

 

そう結論付けたセレンは、ベッドから起き上がり、着替え始める。

 

服を全て脱ぎ終え、新しい服を手に取ったその時。

 

 

 

ドアが開く音が聞こえた。

 

 

 

「セレン、そろそろ起き…………………」

 

「…………………え?」

 

 

 

さて、ここで状況を整理しよう。

 

今、入って来たのは間違い無く一夏。

 

一夏が入った部屋の主はセレン。

 

当のセレンは、服を全て脱ぎ、新しい服を手に取った時だ。

 

 

つまりセレンは、本当の意味で肌を全てさらけ出している時に、一夏が入って来たという事だ。

 

 

 

「「………………………………」」

 

 

突然の事に固まる二人。そしてセレンの顔が徐々に紅く染まっていく。

 

「…………」

 

先に膠着から復帰したセレンは目のハイライトが消え失せ、冷め切った目線で一夏を見つめ、そして一瞬で一夏に詰め寄り、その勢いを殺さずに一夏の顔面に回し蹴りを放った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「全く………起きるのが遅かった私も悪いけど、いくらなんでもノックの一つ位してから入るでしょ普通」

 

「すみませんでした」

 

あの後セレンの説教(物理)を終えた二人は、リビングにて朝食を取り終え、現在はリクライニングルームにて説教を再開していた。一夏の頭部がボロボロの様に見えるのは気のせいだろう。

 

「…まあ、とりあえずこの話は終わりにしましょう。引きずっててもしょうがないし」

 

「え……………あ、ああ」

 

「何?」

 

「いや…てっきりまだ怒られると思ってたからな。その…見ちまったし」

 

「まあ、恥ずかしいとは思ったけど…何か問題でもあるかしら?」

 

「………え?いや、問題あるだろ普通」

 

「…そうかしら?私は何とも思わないけど」

 

「えー…」

 

「ま、それは置いといて…今後の事を決めましょう」

 

 

 

その時、二人の周囲に幾つかの空間ウィンドウが現れ、二人の雰囲気が切り替わる。

 

 

 

「まず、これからね。一夏、一ヶ月前の事は知っているかしら?」

 

「亡国機業の件か?」

 

「ええ」

 

空間ウィンドウの一つに、燃え上がる建物の映像が映る。

 

「ただ、あれは分からない事が多過ぎるわ。たった5分で世界最大規模の組織の総本山を壊滅させ、証拠を何一つ残さないなんて…」

 

「死神の可能性は?」

 

「視野には入れてはいるけど…襲撃する理由が分からないわ。元々分からない事だらけだけど」

 

「もっと詳しく情報が手に入れば良いが…」

 

「こればっかりはしょうがないわ。次よ」

 

別の空間ウィンドウにIS学園が映る。

 

「再来週、IS学園では臨海学校が行われるわ。1日目はただのバカンスみたいけど、2日目と3日目は専用機のパッケージの試験が行われるわ」

 

「…偵察か?」

 

「んー…それもあるけど、本命は別ね。篠ノ之箒の誕生日は、いつかしら?」

 

「…まさか」

 

「そ。本命は篠ノ之束。彼女は必ず7月7日…臨海学校2日目に現れるわ。ただ会いに来る可能性もあるけど、何か妙な物を持って来る可能性もあるわ」

 

「このタイミングで束と敵対するもあるぞ?」

 

「どっちにしろ、篠ノ之束とはいつか喧嘩を売る時が来るわ。それが早まるだけよ」

 

「…それもそうか」

 

「で、そこでなんだけど…」

 

「?」

 

 

 

 

「せっかくだし、一緒に買い物しましょう?」

 

 

 

 

「……………………………………え?」

 

突然の買い物宣言に、固まる一夏。それを他所に、セレンは話を進める。

 

「明日、観光客に偽装して日本のショッピングモール《レゾナンス》に向かうわ」

 

「いや待て、買い物⁇」

 

「そうよ?せっかく綺麗な海に行くんだから楽しみましょうよ」

 

「え…いや、偵察…」

 

「1日目は意味無いわよ」

 

「…………………けど」

 

「リーダー権限」

 

「………分かった」

 

「じゃ、さっき言ったけど明日行くから、ちゃんと準備しときなさいよ♪」

 

「ああ…」

(けどまあ…悪くない、か)




次回は二人でショッピング。お楽しみに。


,;゙ ・ω・;, もふ。
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