IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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大規模修正により追加された話です。

P.S.
とある診察アプリをやって見たら、こんな結果が。

「感覚で物事を捉えて、感覚で物事を伝える。自分は分かり易いけど、他人には分かりづらい」

…あれ、自分って小説書くの向いてなくね?


第二十四話(改訂版)

オッツダルヴァ、リリウム、ウェンディー。カラードの単体戦力三強が、今目の前にいる。

 

(っ…)

 

その事実が、一夏の身体に緊張を生む。そして、服の袖に仕込んであるグロック26をいつでも取り出せるように構えようとする。

 

「構える必要は無いわよ、一夏」

 

「…」

 

「それにここで暴れた所で、私達にもカラードにも不利益しか生まないわ」

 

「けどな…」

 

セレンの説得でも、一夏はそう簡単に首を縦に振る事は出来ない。その様子を見たセレンは、軽くため息をついた。と同時に、オッツダルヴァも軽く笑っていた。

 

「お前のパートナーは頭が固いな」

 

「まあ…今までの状況が状況だったから。こうなるのもしょうがないわよ」

 

警戒を緩められない一夏に対して、まるで久しぶりに友人に会ったかの様に気軽にしているセレン、オッツダルヴァ、リリウム、ウェンディー。

 

どこからどう見ても空気の差が激しい。

 

「そうだな…セレン、少し付き合ってもらおうか」

 

「いいわよ。一夏、これ頼んだわ」

 

「え?」

 

戸惑う一夏に、無理矢理自分の持っていた袋を持たせる。

 

「リリウム、ウェンディー。一夏の面倒頼んだわよ」

 

「分かりました」

 

「全くお前らは…まあ、こっちは任せろ」

 

「それじゃ、行きましょうか?」

 

「ああ、セレン」

 

そして、セレンとオッツダルヴァはそのまま歩き出した。

 

「…え?」

 

取り残された一夏。そして、目の前にはリリウムとウェンディー。

 

「…まあ、何だ。とりあえず、どこかの店で紅茶でも飲みながら話すか」

 

「近くにある喫茶店は…地図によるとここから約30m先ですね」

 

「決まりだな。こちらも行くとしよう」

 

(…なんなんだ、この状況は)

 

その思いは、声に出ることは無かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後。

 

敵であるリリウムとウェンディーに連れられた一夏は、レゾナンス内にある喫茶店にてティータイムを満喫…

 

「ふむ…この紅茶、中々だな」

 

「これが隠れ名店、という事でしょうか」

 

「…」

 

出来ていなかった。

 

というのも、リリウムとウェンディーとは本来敵対関係にある。こうやって一緒にティータイムなど満喫できる訳が無い。

 

「…リリウム、ウェンディー」

 

せめて、この状況を出来るだけ利用しようと、一夏は問いかける事にした。

 

 

「お前等は、セレンとは一体どういう関係なんだ?」

 

 

それを聞いた2人の手が、止まる。

 

「…あいつの事を考えれば、自分から言える訳が無いか」

 

「そうですね…」

 

「…一夏、お前はセレンの出所は知っているか」

 

「ああ」

 

「なら話が早い。私達も同じだからな」

 

「っ…まさか!?」

 

「私達も、彼女と同じ存在(試験体)です。戦う為に生まれ、戦いの中で死ぬ存在」

 

「…」

 

「あの地獄の中で、私達は出会った。あの時のセレンは…人形と言っても良かったな」

 

「人形…?」

 

その単語に、一夏は疑問詞を浮かべた。今のセレンしか知らない自分にとっては、そんな姿を想像出来ないのだから。

 

「正確に言えば感情が死んでいた、と言った方が正しいか。今とは違って、まだ精神的には未熟な所があった。そんな状態であの環境だ…そうもなるさ」

 

少し、懐かしむような表情を浮かべるウェンディー。

 

「そして、あの出来事があった後…私達はアーマードコアを使って国から脱走し、”世界”というのを見た」

 

「そして”世界”を見た私達は、何の思いを抱いたか、分かるか?」

 

「…」

 

一夏は、2人の視線から目を逸らさず、見続ける。

 

「…正解を言いましょう」

 

そう言うリリウムの表情は、何も語らない。

 

 

「────”失望”、ですよ」

 

 

「失望…?」

 

「私達は何処にいても、男性は女性によって虐げられ、女性は男性を踏み台にしている光景を度々見て行きました」

 

「そして、私達は知りました。白騎士事件によって軍事バランスのトップに立ったインフィニット・ストラトス…ISによって、女尊男卑の世界へと変貌してしまった事に」

 

「それと同時に、私達は理解出来なかったのさ。力を持つ者が威張るのならそれは構わない。だがな、力を持つ訳でも無い、唯そいつらと同じ性別なだけの奴等(女性)が、何故男性を虐げているのか?それが私達には理解出来なかった」

 

「私達は考え続けました。考えて、考え続け、そして一つの結論に至りました」

 

 

そして、2人は同時に言い放った。

 

 

「「──この世界は、狂っている」」

 

「それを成立させたのは、ISだ。ISは現代兵器の常識を打ち破り、軍事バランスのトップに立った。──ならば、その軍事バランスを崩し、そして世界を強く統率する必要がある」

 

「だからこそ、私達は立ち上げたのです。ISによって形成された世界のシステムを破壊し、革命後の世界を統率する組織。反IS組織”カラード”を」

 

「セレンも、元々はカラードのサブリーダーだった。私達は共に戦い、そして狂った世界を取り戻そうと誓っていた」

 

「だが…いつからだったか。私達とセレンとの対立が始まったのは」

 

「最初こそは、意見の違いからだった。けど、徐々にそれは大きくなっていって、最終的にはセレンとオッツダルヴァは殴り合い一歩手前の大喧嘩だ。それが、決定的だった」

 

「あの後、彼女はカラードから脱退し、私達の対立組織を立ち上げました。しかし、それは形だけの組織で、1人で私達と戦っていました。しかし…」

 

「そこに現れたのが、お前だ。──だからこそ、お前に問いたい」

 

その時、ウェンディーの纏う気配が急変する。

 

 

 

「お前も、人類の未来の為ならば、人の死も厭わないのか?」

 

 

そして、静かに聞いていた一夏の口が、開く。

 

 

 

「”何を今更”。俺はもう500以上の命をこの手で奪ったんだ。その覚悟を今も出来てない程馬鹿じゃない」

 

 

 

それを聞いたウェンディーの気配が戻り、口元が緩んだ。

 

 

 

「──あの馬鹿を、頼んだぞ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。

 

レゾナンス内にある、別のコーヒーショップにて、セレンとオッツダルヴァはテーブル席で向き合って、コーヒーを飲んでいた。

 

「にしても、まさかお前にパートナーが出来るとはな…」

 

「うるさいわね、”テルミドール”。まあ、一夏が来て、暇な時でも話し相手が出来たのは嬉しいけど」

 

「本当は違うんじゃないのか?」

 

「…さあね」

 

「…一つ聞きたい。リードの時、お前とパートナーが使用したアーマードコア。アレは何なんだ?今の私達では新しく手に入れる事など不可能だろう」

 

「詳しくは言わないけど…そうね。”拾った”って言い方が1番近いかしら。後、あんたらアーマードコア作ってるでしょ」

 

「何の事だ?」

 

「リードの時、あんたが黒い鳥って言ってたでしょ。それ、開発中のアーマードコアのコードネームでしょうが」

 

「…知っていたのか?」

 

「あ、ホントだったのね」

 

「っ…鎌掛けか」

 

「半分推測、残り半分が勘。リードの時、あそこまで大掛かりな罠を仕掛ける程、カラードにとって重要な代物。そして、カラードの重要戦力はアーマードコア。そして、貴方達がわざわざ出向いた。こうまで来ると、嫌でも推測つくわよ」

 

「…」

 

「それで、私似の犯人ってどんな奴なの?」

 

「青い瞳である事以外はお前と同じだ。身長、体格、髪色、髪の長さ、その全てが。性格や口調は違うらしいがな」

 

「身長、体格まで…となると、私の偽物の可能性は高くはない、か…偶然私に似た奴か、それとも…」

 

 

 

「俺達とは別の試験体か、だろう?」

 

 

 

「…ええ。後者の方が可能性は高い。けど、貴方達ならともかく、私に酷似するとなると…(最後期)の時期に造られた試験体ね。恐らく私達とは別に脱出し、何らかの形で生き残ってきて、貴方達(カラード)の施設を襲撃した…かしら」

 

「答えは本人が知っているさ」

 

「そうね」

 

会話を一旦終え、オッツダルヴァは腕時計で時刻を確認する。

 

「…時間を少し掛けすぎたな。そろそろ行こう」

 

「そう」

 

2人はレジで割り勘し、そしてコーヒーショップから出た。

 

 

そして、入り口付近でオッツダルヴァが立ち止まり、それを察したセレンも後ろを振り返らずに立ち止まる。

 

「…セレン」

 

「私はカラードに戻らない。抜けた理由も、貴方達と私の理想がすれ違っていたから。今もそれは変わらないわよ、テルミドール」

 

「…そうか」

 

 

その時。

 

 

 

 

 

「…あら、こんな所で会えるなんてね。”兄妹”」

 

 

 

 

 

 

((…!?))

 

2人の耳に響いた、”セレン”の声。しかし、セレンは一言も発していない。ましてや聞こえた方向は右だ。そこから聞こえる筈が無い。

 

 

反射的に、右へと振り返る2人。

 

 

そこには。

 

 

 

 

「初めまして。No.14261、No.12856」

 

 

 

 

”もう1人のセレン”が、そこにいた。

 

 

 

 

身長、体格、髪色、髪の長さ、声質。その全てが同一。唯一違うのは、瞳の色が青い事のみ。

 

 

 

 

「私は”レイナ”っていう名前で通ってるわ。もう一つの名は、No.15670[A.M.S.]。よろしく、兄妹?」

 

 

 

 

そして、彼女(レイナ)は笑みを見せた。その中に潜むナニカを、隠しながら。




もう一話追加します。
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