IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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執筆が自分でもビックリするくらい捗りました。

キャラ崩壊してないか不安です。


第二十七話

臨海学校2日目。

 

昨日のバカンスとは違い、今日からはISの試験になる。専用機持ちは、母国から専用パッケージが送られ、テストが行われる為に、より一層気合いが入っている。

 

1学年の専用機持ちである織斑真也、鳳 鈴音、セシリア・オルコット、シャルロット・デュノア、ラウラ・ボーデヴィッヒは一般生徒とは別のビーチに集められていた。

 

万が一、専用パッケージの試験中に不具合が生じた場合に備えての配慮の為だ。

 

「よし、専用機持ちは全員集まったな」

 

そしてその試験を仕切る織斑千冬が、専用機持ちが全員集まった事を確認する。

 

「織斑先生、質問があります」

 

「なんだ、オルコット」

 

「何故、箒さんがここにいらっしゃるのでしょうか?」

 

そう、何故か千冬の隣には、専用機を持っていない篠ノ之箒がいるのだ。本人も疑問の表情を浮かべている。

 

「ああ、篠ノ之には今日から専用機がーーー」

 

「ちぃーーーーーーちゃーーーーーーん!!!!!!!!!!」

 

千冬の声を遮る声。千冬は頭を抱え、その他は声がした方向を見る。

 

そこには崖を滑り降り、そこから人外並みのジャンプを見せ、千冬に向かって頭から落下してくるワンピースを着た女性がいるではないか。

 

そして当の千冬は、その人物の頭を片手で掴んでアイアンクローをしながら受け流す。

 

「やあやあちーちゃん‼︎会いたかったよー‼︎さあ、再開の証のハg」

 

「うるさいぞ、束」

 

「むぅ〜、それにしても容赦ないアイアンクローだねっ」

 

束と呼ばれた女性はするりとアイアンクローから抜け出し、何事も無かったかの様に箒の方を向いた。

 

「やあ‼︎久しぶりだね〜箒ちゃん‼︎」

 

「…久しぶりですね、姉さん」

 

相変わらずのテンションの高さと満面の笑顔の束に対して、箒は複雑な表情で束を見る。

 

「うんうん、お久〜。また大きくなったね〜箒ちゃん。特におっp」

 

束がその言葉言い切る前に、箒の手刀が束の頭部に炸裂する。

 

「殴りましょうか?」

 

「な、殴ってから言うなんてひどいよ〜‼︎」

 

「…おい束、自己紹介くらいしろ」

 

まるでコントの様な会話を打ち切る為(本人達は真面目なのだが)、千冬が会話に割り込む。

 

「え〜、めんどくさいなぁ〜」

 

そう言いつつもセシリア達に振り向く束。なんだかんだ言っても、千冬のアイアンクローはそう何度も食らいたくないらしい。

 

「私が天才の束さんだよ〜。ハロー。終わりー♪」

 

「「「「!!!!!?」」」」

 

その瞬間、セシリア達の表情に驚愕が現れる。しかし、それには無理はない。

 

 

彼女の名は、篠ノ之束。世界から姿を消していた、ISの開発者であるのだから。

 

 

「…それで、何故姉さんがここにいるんですか?」

 

ずっと疑問に思っていた事を束に問いかける箒。すると、束はまたしても満面の笑みを見せる。

 

「ふっふっふ…よくぞ聞いてくれたね、箒ちゃん!さあ、大空をご覧あれ!!!」

 

全員がそれに従うように、束が指差した上空を見る。

 

すると、空から縦に細長いひし形の物体が高速で落下してきて、地面にそれ相応の衝撃と轟音を立て、外装が捲れる。

 

その中には、赤いISが入っていた。

 

「ジャジャーン‼︎これぞ私お手製の、箒ちゃんの専用機にして第4世代IS、《紅椿》‼︎その能力は現行の全てのISを上回っているよ‼︎」

 

そう言って胸を張る束。だが、その説明の中に驚くべき単語が入っていた。

 

「第4世代IS…!?」

 

「各国で、ようやく第3世代の運用が始まったのに…」

 

そう、世界各国はようやく第3世代の試験機の運用が始まったばかり。

 

現に鈴の甲龍、セシリアのブルーティアーズ、ラウラのシュヴァルツェア・レーゲンは第3世代試験機である。

 

しかし、束はすでに第4世代ISを開発済みであった。

 

「それじゃ、早速フィッティングとファースト・シフトを始めよっか、箒ちゃん!」

 

「…………はい、お願いします姉さん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから、フィッティングとファースト・シフトを終えた紅椿に纏い、箒は空を飛んでいた。

 

(これが第4世代ISの、紅椿の力か…)

 

先程束が言っていた様に、紅椿の性能は凄まじいものだった。

 

全てを置き去りにするスピードを持ち、特徴の違う日本刀型の二本の近接ブレード、《雨月》と《空裂》で敵を断つ。

 

更に全ての機体チューニングは、箒に合わせる様に調整されており、まるで身体の一部になったかの様に、箒の思い通りに動いてゆく。

 

 

 

(これが、私の…………)

 

 

 

これならば、無意識に浮かれてしまうのも無理はないだろう。

 

 

 

(…いや。浮かれるな、篠ノ之箒。これは《紅椿》の力だ。決して《(篠ノ之箒)》の力ではない)

 

 

 

しかし、箒は決して浮かれない。何故なら…

 

 

 

(この力に浮かれたら終わりだ。私が守れる物も、二度と守れなくなる…)

 

 

 

箒は、一度大切な物を失っている。それ故に、失う痛みを知っているのだから。

 

 

 

(……一夏……)

 

 

 

その時。

 

 

 

『篠ノ之、試験は中止だ。すぐに戻ってこい』

 

「…?分かりました」

 

突如入った試験中止の知らせ。

 

(…一体何が?)

 

嫌な予感を感じつつ、箒は高度を落としながら、千冬達の元に戻っていった。




箒は紅椿の力に溺れていません。力に浮かれる事なく、自分自身を保っています。
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