IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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夏休みに入りましたが、暇つぶしが執筆しか無いという悲しい現実。
まあ、そのおかげで一日中執筆に時間を回せますが。


第二十八話(改訂版)

試験中止の後、専用機持ちは旅館内の作戦会議室代わりの大座敷に集められていた。その中には先程紅椿を束から貰った箒もいる。

 

「これよりブリーフィングを開始する。今から二時間前、ハワイ沖で試験活動中であった、 アメリカ、イスラエル共同開発、第3世代軍用IS《銀の福音(シルバリオ・ゴスペル)》、通称《福音》が突如、制御下を離れ暴走。監視区域を離脱した」

 

すると千冬の右後方にある中央モニターに表示されている太平洋周辺地図に赤い線が追加表示される。

 

「その後の衛星による監視の結果、福音は約一時間後、ここから約2km先にある空域を通過することが分かった。アメリカ、イスラエル軍及び自衛隊が配備を進めているが、恐らく間に合わない。故に、我々がこの事態に対処する事となった」

 

その言葉に、専用機持ちに緊張が走る。

 

「教員は学園の専用機を使用して、空域及び海域を封鎖。今作戦の要は専用機持ちに担当してもらう。それではこれより作戦会議を始める。質問がある者は挙手しろ」

 

「はい」

 

すると、すぐさまセシリアが挙手する。

 

「開示可能な範囲で構いません。目標ISの詳細なデータをお願いします」

 

「分かった。だが、これは二ヶ国の最重要軍事機密だという事を忘れるな」

 

開示される福音のスペックデータ。それを見て行われてゆく作戦会議。しかし、スペックデータに開示されていない性能があった。

 

「このデータでは格闘性能が不明だ…偵察は行えないのですか?」

 

「無理だ。目標は現在も超音速飛行を続けている。データによると最高時速は2400km/hを超えるとされている。アプローチ出来るのは一回だけだろう」

 

「…となると、一撃必殺の攻撃力を持った機体…白式で当たるしかありません」

 

セシリアの言葉と同時に、全員が真也を見る。

 

「…織斑。これは実戦だ。訓練ではない。…覚悟はあるか」

 

不安の表情で真也を見つめる千冬。

 

「…やります。いや、やらせて下さい」

 

「…分かった。では次に専用機持ちの中で最高速度を出せるのは誰だ?」

 

「それなら私のブルー・ティアーズが。丁度本国から強襲用パッケージが送られてきており、超高感度ハイパーセンサーも搭載しております」

 

「オルコット、超音速下での戦闘訓練時間は?」

 

「20時間です」

 

「ふむ。ならば──」

 

「ちょっと待った〜‼︎」

 

その時千冬の言葉を遮る様に、雰囲気にそぐわない明るい声が天井から聞こえてきた。全員が天井を見ると、束が天井から顔を出していた。

 

「とうっ」

 

そして、見事な一回転をしながら床に着地する。

 

「その作戦ちょっと待った〜‼︎ここは断然赤椿の出番だよ‼︎」

 

「何?」

 

「紅椿のスペックデータを見てみて!パッケージが無くても、紅椿は超高速機動ができるんだよ‼︎」

 

それと同時に表示される紅椿のスペックデータ。

 

「紅椿に搭載されてる第4世代装備の展開装甲をちょちょいと弄れば、簡単に追いつけちゃうよ‼︎私なら7分もあれば楽勝楽勝‼︎」

 

「………」

 

束の言葉に、思考する千冬。不意に箒を見ると、箒も既に覚悟を決めている表情であった。

 

「…では本作戦は織斑、篠ノ之による目標の追跡、及び撃墜を目的とする。作戦開始は30分後だ。各員、直ちに準備にかかれ。解散‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

三十分後。

 

真也と箒は砂浜に来ていた。そして、二人は専用機を起動させる。

 

《織斑、篠ノ之。聞こえるか》

 

「「はい」」

 

《いいか、先程も説明したがこの作戦は一撃必殺が要だ。短時間での決着を心掛けろ》

 

「織斑先生、私は状況に合わせてサポートをすればよろしいですか?」

 

《ああ。だが無理はするな。お前はその機体で訓練さえしていないのだからな》

 

「わかっています」

 

《そうか》

 

千冬は、箒の様子に浮かれている様な兆候が無い為、内心安心する。

 

《真也》

 

そして、真也に突然秘匿回線(プライベート・チャネル)が入る。

 

(姉さん…?)

 

しかも、千冬が《織斑》ではなく《真也》と呼んだ為、一人の姉として真也に話し掛けている。

 

 

 

 

 

《………無事に帰ってこい》

 

 

 

 

「…分かった、姉さん」

 

そして、秘匿回線が切断される。

 

「箒、よろしく頼む」

 

「ああ、真也。振り落とされるなよ」

 

真也が箒の背中に乗る。その直後。

 

《作戦開始‼︎》

 

その言葉と同時に、2人は空へと飛び立った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

福音撃墜作戦が開始された直後。

 

旅館の外にて、通信をしている者がいた。

 

「オッツダルヴァさん、緊急の報告が──」

 

《こちらでも把握している。篠ノ之束…余計な事を》

 

「どうしますか?」

 

《…計画を前倒しする。世界に荒波が起きる前に我々が動く。篠ノ之束はそちらに姿を表した、数少ないチャンスだ。兎には今退場してもらう。そしてお前に、新たな役目を与える》

 

「はい」

 

《今から銀の福音の強奪、及び篠ノ之束の抹殺の為我々がそちらに向かう。だが、十中八九ORCAも動くだろう。我々がORCAを引き付ける。お前は──

 

 

 

 

 

──第4世代IS《紅椿》を強奪し、IS学園から離脱しろ》

 

 

 

 

 

「了解しました」

 

『だが、無理はするな。状況的に、どうなっても一対多の戦闘を強いられる。不利だと思ったらすぐに撤退しろ』

 

「はい」

その通信から約20分後、白式の撃墜、及び作戦失敗の知らせが入る事となる。




次回は箒のターン。さて、どうなる事やら。
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