IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
太陽が消え、月明かりが周囲を照らす太平洋の海。
海上300m上空に、
福音は膝を抱えて身体を丸め、頭部から一体に伸びた巨大な翼で自身を包み込んでいた。
『─────!』
不意に、福音の索敵センサーに反応。
南東より、2750km/hで急速接近するISを感知。現在も尚、接近中。
『La─────♪』
福音は戦闘態勢に移行。36門の砲門を持つ
殺到する36の光弾。接近するISは依然方向を変える事は無い。これならばダメージも速度も十分に落とす事が出来るだろう。
普通ならば、その筈だった。
『─────⁉︎』
福音のセンサーに映し出された情報。
-銀の鐘 命中弾0-
福音に迫るISは殆ど進行方向を変更せず、36の光弾を躱し切ったのだ。
ISは、既に視界に捉えている。夜にも関わらず遠距離から視界内に捉えられたのは、ISから紅色の粒子が放出され、紅く輝いているからだ。
福音は、後退しながら銀の鐘を再度斉射。今度は一点ではなく、周囲にばら撒く様に掃射する。
「…………福音」
しかし、紅のIS…紅椿を纏う箒は進行方向を変える事無く、そのまま突っ込んでゆく。そして、3発の光弾が箒に迫る。
しかし、2発の光弾は左にバレルロールする事で回避。残りの1発の光弾はーーー
右手に握られた雨月で、文字通り
『─────!!』
「………貴様を、墜とす」
そして後退する福音の懐に入った瞬間、紅色の粒子の放出が停止すると同時に、両肩部にある2つの展開装甲の内部機構が剥き出し、クロスボウの形状に変形。一瞬でチャージし、同時発射。
福音は回避機動を取ろうとするが近距離から、2750km/hから放たれた二つの紅いエネルギー弾を回避出来ず、2発とも直撃。
体勢を崩し、動きが止まった所に空裂の一振り。近接ブレードのダメージに加え、エネルギー刃による追撃を食らい、右翼に大きなダメージを与え、亀裂が入る。
(切り裂けないか…だが懐に入った‼︎)
切り裂けない事を悟った箒は直感に従い、5m程下がり懐から抜けない様に距離を取る。
その時、背部にある2つの展開装甲が分離、独立飛行を開始。エネルギー放出口からエネルギーソードが形成される。
そして、福音は再度距離を取る為に後退し、反撃に銀の鐘を一斉砲火。箒に向けて光弾の嵐が殺到する。
しかし、紅椿の両腕部及び両肩部の展開装甲のエネルギー放出口が前方を向き、エネルギーを急速照射。
その瞬間、紅椿の前に巨大なエネルギーシールドが現れ、36の光弾を防いだ。
『─────!』
突然現れたエネルギーシールドに驚愕した様に一瞬動きを止める福音。だが、その一瞬が命取りになった。
突然、福音の背後から2つのエネルギーソードが振られ、福音の右翼を切り裂いた。
『─────!!!?』
突然の背後からの攻撃により、右翼を切り裂かれた福音はバランスを崩す。そこに、追撃で空裂を振り、エネルギー刃を放出。更に流れる様に雨月から6本の紅いエネルギー刃を放出し、連続攻撃。
『─────!!!!!!』
あっという間に怒涛の攻撃を受け、装甲をみるみると破損させてゆく福音。
そして、箒は至近距離まで福音に接近し、空裂を振り上げ。
「墜ちろ」
空裂を振り下ろした。
『──────────!!!!!!!!』
福音は悲鳴の様な声を上げて海面に激突し、墜落した。
「………」
それを見下ろしていた箒は背部の展開装甲を回収し、絢爛舞踏を起動させて消耗したシールドエネルギーを補充していた。
福音は海面に墜落し、後は回収するだけだというのに箒は臨戦態勢を解除しない。ただ、福音の墜落地点を見つめている。
(…………来る)
その時、福音の墜落地点の海面が爆ぜ、巨大な光の球体が現れる。
その中にいるのは、銀の福音。福音の装甲や左翼は再生し、身体に青色の雷を纏っている。
「
箒は、両手に握る雨月と空裂を構える。
「二次移行だろうが何だろうが、貴様は必ず───
───墜とす」
その言葉を合図に、両者は同時にスラスターを吹かした。
まだまだ箒のターン。次回は福音後半戦。