IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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福音後半戦です。


第三十一話

月明かりで照らされる海。

 

海面ギリギリに紅い粒子を振り撒く赤いISが飛行し、海面を裂いてゆく。

 

そして、そこに上空にいる白いISから幾つもの青色の光弾が飛来して周囲の海面が爆ぜ、巨大な水飛沫を上げ、赤いISの姿が一瞬見えなくなる。

 

その一瞬に、水飛沫の中から6本の紅いエネルギー刃が飛び出し、白いIS…福音へと飛来するが、紙一重で回避される。

 

しかし、回避先に赤いIS…紅椿を纏う箒が急速接近してきていた。

 

『La─────‼︎』

 

福音は直ちに迎撃。36の光弾が発射される。

 

しかし、箒はそれを気にせずに光弾の嵐を強固突破。光弾を何発か食らうが、勢いは一切落ちていない。

 

「おぉおおお!!!!」

 

そして、福音の右翼に空裂を一振り。

 

だが福音はまたしても回避し、反撃に左翼の銀の鐘を発射。

 

「っ!!!!!」

 

箒はそれを回避出来ず光弾をまともに受け、落ちてゆくが何とか体勢を立て直す。

 

(速い…!!!)

 

二次移行した福音の機動力は、正に異常。一瞬で瞬時加速並みの速度を叩き出し、翼の再生機能も持つ為に、幾ら翼を破壊しても直ぐに元通りになってしまう。

 

(このままではこちらが持たないか…‼︎)

 

箒の紅椿には、絢爛舞踏というシールドエネルギー回復機能を保有しているが、それはISだけの話。箒本人の体力まで回復する事はない。

 

このまま福音のシールドエネルギー切れを狙う持久戦にしようにも、そうなると30分も戦い続けている箒自身の体力が持たないのは明白だった。

 

(どうする………)

 

その時。

 

 

-警告 北西より未確認エネルギー確認。急速接近中-

 

 

紅椿と福音に警告メッセージが流れる。

 

「何…………⁉︎」

 

いきなり出現した謎の反応。しかもこちらに向かってきている事から、第三勢力というのには間違いない。

 

そして次の瞬間。

 

 

 

突如音速で飛来した青色の巨大なレーザーが福音に直撃し、爆発を起こした。

 

「…は?」

 

直撃を受けた福音は、装甲の破片を撒き散らしながら高度を落とすが、なんとか体勢を立て直し、レーザーの飛来元を見る。

 

箒もレーザーの飛来元、暗い空を見ると………

 

 

 

 

 

翼を生やした白き天使が、そこにいた。

 

 

 

 

その姿は、一ヶ月前のクラス別トーナメントに現れた、あの機体と酷似した形状をしていた。

 

『篠ノ之箒。銀の福音は私に任せて、貴女は後ろにいるストームと遊んでなさい』

 

「っ!!!!?」

 

その言葉に驚き、慌てて後方に振り返ると。

 

 

 

『一ヶ月振りだな、篠ノ之箒』

 

「お前は………あの時の!!!!」

 

一ヶ月前、クラス別トーナメントに現れたunknownだった。無機質なマシンボイスにも変わりはない。唯一違う所は、装備を何も持っていない所か。

 

『一応自己紹介はしておこう。反IS組織《ORCA》所属、ストームだ』

 

「………」

 

後方から戦闘音が聞こえるが、箒は振り返らない。いや、”振り返れない”と言った方が正しいだろう。

 

ストームから発せられる殺気に当てられ、金縛りの様に動く事が出来ないのだから。

 

『………そうか』

 

そして、不意にストームから発せられる殺気が消える。

 

(っ…‼︎)

 

殺気が消えた事により動ける様になった箒は、空裂と雨月を構える。

 

『篠ノ之箒。お前は何故、力を求める?』

 

「………私の大切な物を守る為だ」

 

『全てを、か?』

 

「ああ」

 

それを聞いたストームの機体の、複眼のカメラアイの輝きが一瞬鈍くなる。

 

『………それの為に、何を犠牲にする?』

 

「…?」

 

『お前の掲げる物は、結局は理想論なのさ。何かの成就の為には、必ず犠牲が生まれる。犠牲なき達成は絶対にありえない』

 

「…何が言いたい」

 

『お前には、大切な物は守れない』

 

「…貴様」

 

『現にそうだろう?織斑真也と共に出撃しておいて、目の前で墜とされる始末…それで大切な物を守る?笑わせてくれる』

 

「っ…」

 

『それでも守りたいと言うならば、お前の力を見せてみせろ。

 

 

 

 

 

織斑一夏の様にな』

 

 

 

 

 

それを聞いた箒の表情に驚愕が現れる。

 

「…何故貴様が一夏の名前を知っている」

 

『さて、な。知りたかったら、俺に一太刀入れてみせろ』

 

マシンボイス越しからでも、人を小馬鹿にする様な口調を伺える。そして、両手の甲にレーザーブレード発生装置が展開される。

 

「…私を舐めるなよ!!!!!!」

 

その言葉を合図に箒は空裂を振り、エネルギー刃をストームに向けて飛ばす。

 

それに対し、ストームは右手の甲にあるレーザーブレード発生装置を起動し─────

 

 

 

 

 

 

 

─────エネルギー刃を切り裂いた。

 

 

 

 

 

 

「!!!!!!?」

 

『どうした?この程度か、篠ノ之箒』

 

「くっ!!!!」

 

そして、箒は紅椿のスラスターを吹かした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方その頃、福音はガルーダと戦闘を繰り広げていた。

 

いや、正確にはガルーダの一方的な蹂躙なのだが。

 

何せ、福音の唯一の射撃兵器である銀の鐘は全く擦りもせず、近付こうにもガルーダの機動力が福音と同等の為に一切近づく事も出来ない。その為、一方的にガルーダのライフル弾と巨大レーザーの嵐をずっと受け続けるのだ。既に福音の装甲はボロボロで、もう少しで機能停止を起こすだろう。

 

そしてガルーダの、戦闘での福音の評価は…

 

 

 

 

(この程度で、第3世代軍用ISの性能とはね…所詮はパワードスーツだし、あまり期待はしていなかったとはいえ…)

 

 

 

 

”この程度”だった。

 

(もうすぐ墜ちるだろうから…さっさと終わらせましょうか)

 

そして、ガルーダの後方にある翼のブースターが起動。収縮音が響き、次の瞬間、一瞬で2640km/hに到達し、福音の懐に入る。

 

その直前、ガルーダの周囲にあるエネルギーバリアが緑色に輝く。

 

そして福音の懐に入った瞬間、爆発。ガルーダの動きに全く反応出来なかった福音は直撃を受け、吹き飛ばされ、機能停止を起こして強制解除されて待機状態となり、操縦者が空に放り投げられる。

 

そして、ガルーダは先に回り込んで操縦者を受け止め、待機状態である銀の鐘を取り上げる。

 

 

「悪いけど、銀の福音は貰っていくわ。さて…」

 

 

ガルーダはレーダーを使い、あの2人を捜す。

 

 

-捕捉。7時方向、距離2032m-

 

 

「…あっちも終わらせますか」




ちょっと中途半端ではありますがここまで。

どうしても戦闘がサックサクと進んでしまう………
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