IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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戦闘描写が手抜きだったり急展開だったりします。


第三十五話

(…おかしい)

 

千冬と真也が太平洋に墜ちた海面を見つめる一夏。その脳裏は疑問が浮かんでいた。

 

 

(確かに2人を捉えた…なのに、手応えが薄い)

 

 

一夏はこの2年、何百何千もの命を自身の手で奪ってきた。

だからこそ分かる。命が尽きる瞬間が、その感触が、その手応えが。

 

 

(…まだ、生きている)

 

 

だからこそ、一夏には分かる。2人がまだ生きている事が。

だが、一夏は確実に殺す為に07―MOONLIGHTの出力を最大限まで上げた。その出力ならば、絶対防御など紙の様に、いとも簡単に切り裂き、操縦者を確実に死に至らしめる。

それを2人はまともに受けたのだから、生きている筈が無い。そう思い、一夏は右手の07―MOONLIGHTを見ると、そこには青色のレーザーブレードがあった。

 

 

(…待て。まさか…)

 

 

しかし、それに違和感を持った一夏は、すぐさま07―MOONLIGHTの出力を確認する。

 

 

-07―MOONLIGHT 出力65%-

-07―MOONLIGHT 出力65%-

 

 

「………チッ」

 

 

07―MOONLIGHTの出力を確認した一夏は忌々しげに舌打ちする。

 

何故、手応えが薄かったのか。

それは、2人にその刃が振るわれる直前に、一夏が無意識に07―MOONLIGHTの出力を下げてしまっていたからだ。

 

(…まあいい。生きてても死んでても、俺達を止める事など出来やしない)

 

そして、一夏は振り向き、オーバード・ブーストを起動する。

 

(今行く、セレン)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻。日本の海岸より700m地点の太平洋上空。

 

そこにて、ORCAのリーダーであるセレンと、カラードのオッツダルヴァ、リリウム、ウェンディーは激戦を繰り広げていた。

オッツダルヴァとリリウムが牽制して引きつけている間に、ウェンディーが後方に回り込もうとしてるが、そうはさせない。

 

まず、ミサイルを迎撃。レーザーはクイック・ブーストで回避し、銃弾はライフルで”撃ち落とす”。

そして後方から飛来してくるハイレーザーは、右方向に2段クイック・ブーストで回避。しかし、それは唯の2段クイック・ブーストではなかった。

 

 

2段クイック・ブーストが0.12秒で”二回”発動し、最高瞬間時速は3160km/hを叩き出したのだ。

 

 

(”アクセル・クイック・ブースト”…‼︎やはり、簡単には当てさせてくれんか…‼︎)

 

 

アクセル・クイック・ブースト。

それは、2段クイックブーストを0.08秒間のみ噴射し、そのエネルギーを再回収。それと同時に再度2段クイックブーストを行う事で、圧倒的な回避機動を実現した超高等技術。

あまりにも難易度が高過ぎる技術故に、習得出来たのはセレン唯1人。しかし、セレンであっても”通常”では発動する事は不可能だった。

 

しかし、セレンの神経に搭載されたUFTシステムを使用する事で発動する事が可能になる。

 

UFTシステム。正式名称、Ultra-Fast Thinking(超高速思考)システム。

光ファイバー化神経の伝達速度を極限まで高速化。更に脳の伝達信号をコントロールし、心拍数を280以上に上昇。アドレナリンも過剰分泌させ、”世界()”を千分の一まで遅める事が出来る。しかし身体の負荷は強く、起動中は超高速で情報処理していく為、常に頭に激痛が走り、更にはアドレナリンの過剰分泌により、一時的人格変化の危険性を伴う画期的(狂気的)なシステム。

 

これらの存在があった事により、セレンは一夏に出会うまで、たった1人でもカラードに対抗出来ていたのだ。

 

次々と飛び交う攻撃。その中を縫う様に飛行する4人。

 

 

「…セレン」

 

 

オッツダルヴァが発する声は、戦闘音とステイシスのブースター音にかき消され、更にはUFTシステムを使用しているセレンに届く事はないだろう。

 

 

「もう少し、IS学園を調べるべきだったな」

 

 

しかし、オッツダルヴァは言葉を続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

「カラードは、もう1人ここにいるぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方、ORCAとカラードの戦闘を見ているIS学園の教師達。そして箒、セシリア、鈴、シャルロット、ラウラ。

何故戦闘に介入しないかというと、あまりにもハイレベルな戦闘な故に、介入する隙が一切無いからだ。

無理に介入しようとすれば、あっという間に墜とされるのは明白。だから、一同は目の前に起こっている戦闘を見るしか出来ない。

 

 

それが、続く筈だった。

 

 

「ッ!!!!?」

 

 

箒が突如感じた、殺気。

その殺気に、反射的に回避機動。その瞬間。

 

 

 

 

 

 

青色のレーザーが、頬を掠める。

 

突然起こった事に、全員が反応し、飛来先を見ると。

 

「…一体どういうつもりだ────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

セシリア」

 

そこには、スターライトMkIIIの銃口を箒に向ける、セシリアがいた。

 

「…単刀直入に言いましょう。箒さん、貴女が持つ第4世代IS、赤椿を奪わせて貰いますわ」

 

スターライトMkIIIの銃口を下ろし、銃身に添えた左手をゆっくりと離す。

 

「それが”(わたくし)”の………いえ」

 

 

 

その瞬間、セシリアを纏っているブルー・ティアーズが青く輝き、その姿を隠す。

そして、徐々に青から赤へと変わってゆき、完全な赤色に染まった途端、その輝きが消え、セシリアの姿が再び現れる。

 

 

 

しかし、ブルー・ティアーズは大きな変貌を遂げていた。

 

 

 

装甲は赤く染まり、装甲は全身装甲になり、セシリアの素顔は見えない。更に両手には赤色のスターライトMkIIIに酷似したレーザーライフルが二丁握られていた。

 

 

 

「”(わたし)”と、《ブラッド・ティアーズ》の役目よ」

 

次の瞬間、ブラッド・ティアーズから12基のビットが分離飛行し、12本のレーザーが放たれた。




8/5〜8/8の間に、設定集更新予定。
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