IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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無理矢理感があるかもです。結構調整が大変だったので。


第二話(改訂版)

「これが…セレンの愛機?」

 

「ええ。とは言っても完全大破してて、修復も今は止まってるわ。装甲に加えて内装の殆どが死んでて、肝心の修復もままならないから」

 

セレンの言う通り、コンテナに眠っているセレンの愛機”ブロッサム”は原型を半分以上無くしていた。

 

装甲が半分以上失っているせいでかなりの面積が空いており、ブースター等は全て外されている。

 

そして、機体の様々な箇所にコードが接続され、幾つかの機器にブロッサムの機体情報が映されている。その全てに数多くのエラー警報が表示されており、以下に損傷が酷いかが一目瞭然だ。

 

「…なんでこうなってるんだ?」

 

「この機体の惨状を見ても分からないの?」

 

セレンは無言でブロッサムに近付き、桜色の装甲を撫でる。そして、振り返らないままセレンは話し始める。

 

 

 

「私は、1度墜ちたのよ」

 

 

 

「…なっ!?」

 

その言葉に、一夏は驚愕した。

 

一夏の中では、正にセレンこそが最強の存在。

過去に1度、一夏にある根本の実力を図る為に無制限の模擬戦を行ったが、どんな戦法でもセレンの前には全く歯が立たなかった。

 

一夏が篠ノ之道場で培った篠ノ之流剣道で挑んでも結局は同じ。常人離れした反射速度、的確なカウンターで一夏は一本も取れずに負けた。

 

そのセレンが、墜ちた。一夏が驚愕するのも無理はなかった。

 

「ブロッサムの欠陥部分の装甲の殆どがその時の戦闘によって損傷、もしくは大破。ブースターも私が掛けた負荷で使い物にならなくなったわ」

 

「そして操縦者の私も重傷を負って、墜ちた。そして次に気が付いた時には、私はここにいた」

 

「…一体何が?」

 

セレンは、一夏に視線を向ける。

 

「…一夏は、私の過去についてはどのくらい話してたかしら?」

 

「俺が知ってる限りだと…何処かの国で進行していたプロジェクト「アーマードコア」にて生まれた試験体。研究所から脱走して、此処を拠点として活動している、位だ」

 

「…そのくらいなら大丈夫ね」

 

そう呟いたセレンは近くにあった機器の操作を始める。

 

 

「研究所を脱走した後、ちょっとムシャクシャしてた時期があってね…その時の私は様々な研究所を次々と襲撃してたわ」

 

 

「そしてある時の夜。私はいつも通り、廃墟に隠された極秘研究所を襲撃した」

 

 

「大した防衛戦力も無く、今まで通りに研究所を壊滅出来ると思ってたわ…あの化け物が来るまでは、ね」

 

 

「化け…物?」

 

 

「…まあ、とりあえずは映像を見た方が早いわ」

 

そう言ったセレンの手には、USBが握られていた。

 

機器の中に埋もれていた空中投影式のプロジェクターを取り出して電源を入れ、USBを差し込む。

 

そして空中に映像が浮かび、再生が始まる。

 

「…相変わらず、データの破損が酷いわね」

 

セレンの言う通り、映像や音声等にはノイズが酷く走り、映像に関しては砂嵐の状態で、とても映像を見れる状態ではない。

 

 

『──こも───ね』

 

 

ノイズ越しから聞こえる、セレンの声。そして、僅かながらの銃撃音。

 

 

『けっ──は──も────』

 

 

爆発音。

 

 

『ア───ド──!!?』

 

 

その言葉の直後、より一層激しく響く銃撃音と爆発音。おそらく、激しい戦闘を行っているのだろう。

 

 

数分間言葉が聞こえる事はなく、銃撃音が響くだけだった。

 

 

『ゔっ…!!!』

 

 

突然のセレンの苦悶の声。そして次の瞬間。

 

 

 

『アァ───ァァ──ァ─────ァァァ!!!!!!!!』

 

 

 

「ッ!!!!?」

 

突然のセレンの悲鳴に、一夏は思わず身構えかける。

 

セレンの方を見ると、右手が震え始めており、左手で抑えようとしても肝心の左手も僅かながらに震えている。

 

 

そして、激しい衝突音が響く。

 

 

その数秒後、映像のノイズが軽くなり、映像が一応見えるようになる。

 

 

映像の下部には、血で染まった胸部の装甲が僅かに見える。

 

 

場所は何処かの廃墟。時刻は夜。そして、満月が映っている。

 

 

その時。

 

 

映像のセレンの前に、1機の人型兵器が満月を背に降り立つ。

 

 

装甲は漆黒と灰色で構成されたツートンカラーの全身装甲。深紅のカメラアイ。そして左肩には大鎌を構えた死神のエンブレム。

 

 

『…脆いな』

 

 

突然、響く声。おそらく…いや、十中八九映像の人型兵器の操縦者の声だろう。

 

 

そして、右手に持つレーザーライフルの銃口をセレンに向け。

 

 

 

 

 

映像は、そこで途切れた。

 

 

 

 

 

「…」

 

それを見たセレンが、プロジェクターを操作し、映像の再生を止めた。

 

「…この後、どうなったんだ?」

 

「私にもわからないわ。墜ちた時の私は殆ど意識が無かったから。肝心の映像もこれだからね」

 

プロジェクターからUSBを抜く。

 

「次に目を覚ました時には、私はここにいた。重傷だった身体は手当てされてる状態で。すぐに無理をしない程度に身体を動かして人を探したけど、誰1人いなかったわ」

 

「結局、何も分からないまま3ヶ月が経った時、このコンテナの中にあったホワイト・グリントを見付けて、完全大破したブロッサムの代わりになった」

 

 

「…大体こんなものよ。ここに私の愛機が眠ってる理由は。とりあえず私は作業に戻るわ。それまでここにいてもいいわよ」

 

そう言ってセレンはコンテナから出て行った。

 

「…」

 

一夏は、ブロッサムをずっと見続けていた。

 

まるで、意思の無いブロッサムに何かを問いただす様に。

 

 

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