IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
IS学園、第二アリーナ。
アリーナの空間を飛び交う、5機のIS。
しかし状況は違う。篠ノ之箒が単機で4機のISと互角…いや、それ以上の実力で、4機のISを確実に疲弊させている。
「今だ!!!」
「…!!」
箒が周囲の注意を怠った隙に、鈴、シャルロット、ラウラが素早く3方面に展開。それぞれの得物で集中砲火を展開。それと同時に真也は
しかし、黙って墜とされる者はいない。
(…ならば‼︎)
箒は背部の展開装甲を一つ分離させると共に、イグニッション・ブースト。同時に、PICをマニュアルコントロール。イグニッション・ブーストによって生まれた推進力を真上に転換し、急上昇をする事で集中放火から逃れる。
真也はすぐに箒を追う様に急上昇をしようとした瞬間、目の前にシールドという名の壁が現れた。
「ぐがっ!!!?」
突然の出来事に真也は全く対応出来ず、顔面からシールドに衝突する。絶対防御が発動した為に怪我は無かったものの、衝撃により脳震盪を起こし、そのまま墜ちてゆく。
「「「真也(嫁)!!」」」
その光景を見た三人は、箒から目を離してしまう。
その隙を箒は見逃す筈も無く、すぐさまPICをコントロールし、急降下を開始。そして同時に空裂を構える。
そして三人と同高度になった瞬間、空裂を振るうと同時にイグニッション・ブースト。その推進力をPICで真横に転換する事で、高速で横回転を開始し、何重もの刃が三人に襲いかかる。
「「「っ!」」」
反応に遅れ、まともに攻撃を食らう三人。そして箒は両手の展開装甲を穿千へと展開。素早く甲龍とラファールへと照準し、発射。エネルギー弾を追撃に食らった2機はシールドエネルギー切れにより、戦闘続行不能になる。
「おのれ!!!」
唯一残ったラウラは、せめて一矢報いるべくレールカノンを照準した、その瞬間。
突然、背後から攻撃を受ける。
「っ!!!?」
突然の攻撃により、レールカノンの照準がズレる。そしてイグニッション・ブーストによってラウラに接敵する箒。
「くそっ…」
急いで再度照準を試みるが、遅すぎる。
ラウラの懐に入った箒は雨月を振り抜き、確かな手応えを感じる。
その攻撃によって、シュヴァルツェ・レーゲンのシールドエネルギーは尽きた。
夕方、IS学園食堂。
そこにて5人は共に食事を取っている。
「箒、あんた本当にめちゃくちゃな強さになったわよね。なんで1対4で勝てるのよ」
「…ああ。正直私も驚いている」
「しかし、一体どうやってPICをマニュアルコントロールにしておきながら、あの様な機動が出来る?あんな芸当、教官でさえも不可能だぞ」
「それに関しては何度も言っているだろう?私にもよく分からないと」
「だけど箒には僕達にも、箒自身も知らない何かがあるよ。そうじゃなきゃ、全く説明出来ないんだから。箒が強くなったのは、あの時からでしょ?」
「…ああ。紅椿を姉さんから貰った、臨海学校からだな」
「臨海学校か…」
その言葉に、5人の表情が曇る。
臨海学校。それは5人にとっては思い出したくない出来事。
セシリアの、カラードへの裏切り。
その事は重要機密にされ、表向きは「臨海学校中に起きた特殊作戦行動後、本国の都合により帰国を命じられたが、帰国途中で行方不明」という事になった。
そして、イギリスではオルコット家は直ちに極秘裏に家宅捜索が行われた。
しかし、オルコット家にはカラードと繋がる物は一切発見出来ず、唯一あったのはオルコット家のメイドであり、同時にセシリアとの幼馴染であったチェルシー・ブランケットへの一通の手紙のみだった。
その手紙は一度検閲された後、チェルシー・ブランケットへと渡された。内容は本人達しか知る由もないが、チェルシーはセシリアが闇へと染まっていたのに気がつかなかった事に後悔し、泣き崩れていた。
なお、オルコット家は当主がいなくなり、それを継ぐ者もいないため、事実上解体を喫した。
(…しかし何故あの時から、私は…)
そう思い、箒は紅椿の待機状態である、金と銀一対の鈴が通された紐を見る。
(…待て。確か篠ノ之の伝承の中で、何か似たような話が…)
箒はまだ幼い頃、母から聞いた篠ノ之の伝承を思い返す。
(………確か、2つある伝承の片方がー)
その時。
IS学園全体に、警報が鳴り響く。
「「「「「!?」」」」」
突然の警報により、驚きと困惑の表情が浮かぶ5人。
『緊急事態発生。緊急事態発生。一般生徒は誘導員の指示に従って直ちにシェルターへ避難して下さい。繰り返します。一般生徒は誘導員の指示に従って直ちにシェルターへ避難して下さい。
これは訓練ではありません。これは訓練ではありません』
警報と共に流れるアナウンス。
『全専用機持ち生徒!!!直ちに体育館へ来い!!』
千冬の怒鳴り声。その声には、焦りも見受けられる。
「っ…!!何をボサッとしている‼︎早く行くぞ!!」
いち早く冷静を取り戻したラウラが、全員に大声で呼びかけ、その言葉を聞いた4人はすぐに体育館へと目指し、走り出した。
数分前。全世界のテレビ、ラジオが電波ジャックを受けた。
テレビの画面は砂嵐が走り、画面は見ることが出来ない。しかし、音声は確かに聞き取ることが出来た。
『初見となる。こちら、反IS組織カラードのリーダー、オッツダルヴァだ』
『これから私が話す事は、数分後、全世界を混乱に陥れる事になるだろう。それを理解した上で、私の言葉を聞いてくれ』
『今から11年前、篠ノ之束によりISが開発され、世界は新たなる時代へと踏み入れた』
『その時代によりISは軍事利用され、核に変わる新た抑制力となり、新たな平和を手に入れた』
『だが、その平和は表面上だけにしか過ぎない』
『世界は、ISという宇宙への道を自ら捨てる愚行を犯し、更に女尊男卑という愚かな思想によって、人同士の争いの種となっている』
『このままでは、いずれ人類は、この狭い
『だが、その様な事があってはならない。人はこの小さな
『人類の未来の為ならば、私達は何人でも殺してみせよう。大罪人にでもなってみせよう』
『現時刻をもって、反IS組織カラードは…』
『全国家にたいして、宣戦布告する』
『人類に、黄金の時代があらんことを』
その声明と同時にカラードは全世界に対して攻撃を開始。
歩兵、戦車、ヘリ、戦闘機、艦隊等の他に、”ISに酷似した機動兵器”を多数確認。
アメリカに至っては全高600m、全長2.4kmもの超巨大兵器が突如出現。半径200km以内に存在する、ありとあらゆる建造物が人々と共に破壊され始める。
更に、各国の軍隊の一部がカラードに裏切り、世界各国で激しい戦闘が始まる。
こうしてカラードvs全世界という、圧倒的に不利でありながら、圧倒的に有利である、第三次世界大戦は幕を開けた。
しかし、戦争に参戦する勢力はこれだけではない。
「遂に始まったか…」
「ええ。一夏、貴方はすぐに武器弾薬の最終確認」
「ああ」
「真改、貴方には30分でVOB/PNの最終メンテナンスを」
「……ああ……」
「各自、40分後にはここに再集合!!ブリーフィングの後、反IS組織ORCAはカラードとの全面戦争へと突入する!!!!」
《No.000 オンライン》
《No.001 オンライン》
《No.002 オンライン》
《No.003 オンライン》
《No.004 オンライン》
『全員揃ったな』
『そんじゃ事も起こったし、現状報告〜』
『今から7分27秒前、カラードが世界各国に侵攻を開始し、第八次世界大戦が勃発しました。主な戦線はアメリカ、ヨーロッパ、IS学園。以上の3つです。
No.12856は太平洋、No.13447はヨーロッパ、No.13293はアメリカにて現地部隊の指揮を取っています。
尚、超巨大六足移動要塞《スピリット・オブ・マザーウィル》をアメリカに確認しました。
現時点で確定した候補者は29人。その中で最重要候補者は6人。No.12856、No.13447、No.13293、No.14621、織斑一夏、篠ノ之箒です』
『我々を甘く見ていた篠ノ之束も消え、全ては大方の想定内か』
『ま、大体そんな感じだね。それじゃあ、各自計画通りに動いてね〜。あ、T。お前に渡す物あるから、ちょっとここまで来てくんない?』
『了解した』
『それじゃ、いっちょ行きますか!!』
世界、カラード、ORCA、死神。
それぞれの思惑が今、正面衝突する。
カラードによって引き起こされた、第三次世界大戦。
世界各国、カラードに加え、ORCAによる三つ巴が形成される事となる。
しかし、彼等は忘れていた。
何よりも、恐ろしい存在が動いている事に。
第四章 第三次世界大戦
推奨BGM 「Fall」