IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
友人「ならさ、真改の方を先にすりゃ良くね?」
自分「その手があったか」( ゚д゚)
という訳で、先に真改編です。問題の先送りという事には変わりありませんけどね…
P.S.
第四十三話の加筆修正を削除、こちらへと回しました。第四十三話を再度閲覧した方々にお詫び申し上げます。
推奨BGM「Rememder」
一夏がVOB/PNを駆り、カラード航空部隊と交戦しているその頃。
ヨーロッパ諸国本土第2防衛戦線第5防衛ラインにて、カラード地上部隊と真改が交戦を繰り広げていた。
『こ、こちら第9歩兵小隊!!ORCAのスプリットムーンを確に───ぐわぁあああああ!!!!!!』
『くそッ!!スプリットムーンに近付かれるな!!撃ちまくれ!!』
真改は地面すれすれを高速飛行しつつ、03-MOTORCOBRAで歩兵を正確に、かつ素早く急所を撃ち抜いて行く。
そして、高速飛行を維持したまま大通りの交差点に飛び出すと同時に───
「───ッ!!!!」
真改は、ほぼ反射的に後方にクイック・ブーストし、緊急回避。
その瞬間、左から砲撃音が響くと同時に、前方4mを砲弾が超音速で通り過ぎて行った。
射線に何も障害が存在しなかった砲弾はそのまま超音速で建物に衝突。内部の弾頭信管が衝撃を感知と同時に起動。火薬に起爆、弾頭が炸裂して建物を破壊し、周囲に破片を撒き散らす。
そして、真改は砲撃元を見ると、砲口から煙を出しながら全速後退している戦車と真改へ射撃している随伴歩兵の姿を捉える。
「…」
真改は月光を起動と共に、クイック・ブーストで戦車へと接敵。随伴歩兵は03-MOTORCOBRAで撃ち抜く。
そして、月光のレーザーブレード発生装置から2mのレーザーブレードが形成。それと同時にブースター出力を調整しつつ、身体を横に向け、高速で横回転。そのまま戦車の上を月光で装甲を的確に抉りながら通り過ぎる。
そして、砲塔と本体の装甲を抉られた戦車はそのダメージから沈黙する。
それを真改は見ることなく、先に進む。その先には連合軍とカラードが大通りで戦闘を繰り広げていた。カラード地上部隊の中にはGAN01-SUNSHINE 2機がおり、連合軍は不利になっていた。
真改はすぐさま介入。連合軍の上を通り過ぎ、片方のGAN01-SUNSHINEに向かう。
「なっ───」
GAN01-SUNSHINEの操縦者が真改の存在に気付き、回避しようとするが、遅すぎた。
素早く月光を形成と同時に、抜刀術の様に神速の如き速さで振り抜いて、上半身と下半身を分離させる。
「───ッ!!!!!!!!!!?」
丁度腹の真ん中から下が無くなった操縦者は、声にならない悲鳴を出しながら地面へと落ちてゆく。
そして、もう一機のGAN01-SUNSHINEは真改へと射撃。プライマル・アーマーに命中するが火力が足りず、その一撃は弾かれた。
そして、スプリットムーンの赤いカメラアイが向く。
「ッ!!」
その瞬間操縦者に襲いかかる、これまで味わってきたソレとは桁違いな程の濃度の
「ッオオオオオ!!!!全ては人類の黄金の時代の為に!!!!!」
しかし、それに呑み込まれることなく、叫び、連射する。
真改はそれに一切動じる事なく、再び月光を形成、素早く接敵し、上から振り抜かれるのを操縦者は見て。
そして次の瞬間、操縦者は永遠の眠りについた。
そして数分後、真改は周囲のカラード地上部隊の殲滅に成功する。
「……次……」
ある程度の高度まで上昇し、真改は新たに他の防衛ラインへ向かおうとしたその時。
『久しぶりだな、真改』
真改の後方から掛かる声。振り向くと、両手に二丁のライフル、左背にグレネードランチャー、右肩に大型ミサイルランチャーを装備した黒色のワンオフ型アーマードコア「オープニング」がそこにいた。
操縦者の名は───
「メルツェル…」
カラード総参謀、メルツェル。
『お前の答えは、出たか?』
「…ああ」
『ならば、聞かせて貰おう。お前の”答え”を』
「…あの時のお前の選択は間違えていない。あの人が死んだのも不可避だった事は、頭では理解出来ている。
…だが、やはりこの感情だけはどうやっても抑えられそうにない!!!」
その言葉と同時に、真改は03-MOTORCOBRAを投げ捨て、拡張領域から新たな武器を展開。
その武器は、銃身がレールガンの形状なのが特徴の”レールライフルmk-Ⅲ”。
レールライフルの展開が完了すると同時に、月光を形成。しかし、その形状は今までより鋭くなっている。
「メルツェル、ここで決着としよう」
レールライフルmk-Ⅲからジャキン、という音が響いて初弾が薬室に装填される。
『…それがお前の辿り着いた”答え”か』
そして、メルツェルも両手のライフルを投げ捨て、二丁の”レールライフルmk-Ⅱ”を展開。左背の大型ミサイルランチャーをパージし、構える。
『しかし、皮肉なものだな。元が付くとは言えども、昔の同士と戦うとは』
「心にも無い事を」
『ふ、分かっていたか』
そして2人は睨み合い、その時を待つ。
「『………』」
周囲に響いた一つの爆発音。
「『ッ!!!!』」
それを合図に、2人はフルスロットルで突撃した。
ヨーロッパ諸国本土第2防衛戦線某所。
周囲360度が混沌と化した戦場にも関わらず、茶髪の青年が1人、左手に大きな革袋の紐を持って引きづりながら、周囲に散乱した戦車、ヘリ、IS、量産型アーマードコア等のパーツを拾い集めていた。
そして、青年は不意に地面に転がるパーツを拾う。
「…これもレアパーツっすね」
そう言ってパーツが大量に入っている革袋を開き、中に入れ込もうとしたその時。
「やっほ、お久」
「うわぁぁ⁉︎」
突然後方から掛かった声に驚き、反射的にパーツを投げ捨てて後ろに振り向く。それと並行するように左手を腰のホルスターにしまってある拳銃を抜き取りつつセーフティを解除。銃口を後ろにいる人物に照準する。
「……あのさ、驚かせた私が言うのもなんだけど、あの一瞬でセーフティ外してトリガーに指かけてるとかあんたおかしいわよ」
そこにいたのはセレンに酷似した…いや、あまりにも酷似し過ぎている少女。唯一はっきりとした違いは、青い瞳。それを除けば、セレン本人と変わりない。
その少女の両手は血で紅く染まり、右手にはナイフ、左手には自身の手に付いた血で紅く染まったサンドイッチが握られている。
「…あ、レイナか」
青年はその言葉と同時に銃口を下ろし、拳銃のセーフティを掛けてホルスターにしまう。そして「レイナ」と呼ばれた少女は右手に握られていたナイフを器用に回し、ヒュンヒュンと空気を裂く音が響く。
「…私だと分かった瞬間に全く警戒しなくなるのもどうかと思うけど」
「この形で会ったって事は戦う気がないんでしょ?警戒する必要皆無っすよ」
「まあそうなんだけど」
そう言ってレイナはナイフ回しを止め、パンが血で赤く染まり、血の味がしっかりと染みたサンドイッチを頬張り、十分に噛んでから飲み込む。
「…にしても、相変わらずハゲタカじみた生活してるみたいね」
「しょうがないっすよ。こうでもしないと”アレ”とかの維持費で全部持ってかれるから…」
「…もしかして、また最近飯抜かれてんの?」
「………」
「…食べかけだけど、要る?」
「…貰います」
レイナは食べかけのサンドイッチを青年に投げ渡し、受け取った青年はすぐさま頬張り、胃に送り込む。
「…そういえば、レイナは何でここにいるんすか?」
「特に理由と言った理由は無いわよ。邪魔してくる奴等を適当に殺りながら、ここら辺を彷徨してたら偶然あんたを見つけて声を掛けただけ」
「そうなんすか」
「…ねえ、今あいつと連絡取れたりする?」
「今は無理っすよ。ちょっと用事をこなしてる最中ですし。何か話す事でもあるんすか?」
「折角の機会だから里帰りしようかな〜って。駄目だったら駄目だったで無理矢理押しかけてやるわよ」
「そこは諦めないんすか…」
レイナの言葉に、青年は一つ溜め息をついた。
途中で真改の口調が変化してますが、間違っておりませんので。