IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜 作:クローサー
何故最新話をこのタイミングで投稿した、というツッコミは無しで。
ヨーロッパ諸国本土第2防衛戦線 最終防衛線より、2km離れたとある場所。
そこに、1台の大型トラックと、それに牽引された大型トレーラーがあった。
大型トレーラーの中は即席の格納庫になっており、様々な機器や道具が揃っていた。
その中に、2人の青年と1人の少女がいた。
3人共座れる場所に適当に座っており、茶髪の青年は解凍したハンバーグ、灰髮の青年は解凍したピザを食べており、少女は暇そうに浮いている足をプラプラとさせている。
古びたラジカセから流れる曲、食事の音。そして遠くから聞こえる戦闘音。それ以外の音は聞こえない。
そして少女は暇潰しに、適当に話題を持ち出し、呟く。
「なんかブラブラと旅してたら弟妹が世界に喧嘩売ってるし、おまけにこの二人は平常運転どころかこの戦争で生き生きしてるし……」
少女は1度言葉を切り、茶髪の青年と灰髮の青年を見て、ため息をつく。
「ホント、ワケ分かんない」
その言葉を聞いた灰髮の青年は、口に入っている解凍したピザを十分に噛んでから飲み込み、言葉を発する。
「お前も人のこと言えないだろうが」
続いて、茶髪の青年。
「俺は死にたくないんっすけどねぇ」
そして不意に、少女はプラプラとしていた足を止めて、不機嫌そうな顔付きになる。
「つーかさ、あんたら……私の飯は?」
「自分で探せ。俺はこの解凍して温めたピザを食ってるんだからな」
「じゃあなんか作ってよ」
「俺っすか?食ってる真っ最中だから無理っすね。どっか適当に探して下さい」
「…ああもう、分かったわよ。探せば良いんでしょ、さ・が・せ・ば」
そう言って少女は軽く飛び降り、適当な所を探し始める。
とても食材があるとは思えない場所を探したり、物探しでは絶対に出ない音が出る時があるような気がするが、気のせいだろう。
2人の青年はそれを気にすることなく、そして何かを思ったのか、灰髮の青年が呟く。
「しかしアレだな、これは世界大戦なんてもんじゃない。そんなものよりもっと規模が大きい」
それに反応する形で、茶髪の青年が言葉を発する。
「そもそも
「これじゃ、国家の解体を求めて起こした戦争になるな。良くも悪くもISを真ん中に起きすぎたが故に、こんな無様を晒してる」
「”国家解体戦争”、ねぇ……」
「…案外、あいつの言う通りかも知れんな」
「ん…何か言いました?」
「ただの独り言だ、気にするな」
その瞬間、ラジカセから流れていた曲が止まり、別の曲が流れ始める。
「「…!!!?」」
2人の青年は史上最速の反射速度でラジカセを置いてある方へ振り向く。
「〜♪ やっぱりこの曲ね。懐かしいわ〜」
そこには、食材探しをしていた少女が鼻歌交じりにラジカセを操作していた。
…いや、食材探しはどこに行った。
それを見た2人の青年は、手にある物を全て置いて立ち上がり、怒号を挙げる。特に灰髮の青年の怒りっぷりは凄まじい。
「何勝手に変えてんだこのバカ!!」
「今すぐ戻して下さいよ!!」
それを聞いた少女は上機嫌だった所にこの意見。すぐさま少女の機嫌は急降下し、ブチ切れ状態で反論する。
「はぁ!!?嫌よそんなの!!あんたらはこの曲の良さが分からないの!?」
「お前が今すぐ戻したら善処してやるよ!!!」
「その答え知る気皆無よね!!!?あ、ちょ、さりげなく変えようとしてんじゃないわよこのっ!!!」
「痛っ!!」
少女と灰髮の青年が口論を繰り広げている最中にこっそりと曲を戻そうとする為にラジカセに近付いていた茶髪の青年を殴る。
そこからは口論から2対1の殴り合いの大喧嘩。
…最初は、が付くが。
確かに最初は殴り合いだった。しかし誰かが道具を使った途端、全てが狂った。
最初は拳。
その次にスパナ。
その次に鉄パイプ。
その次には2人の青年が拾い集めたISパーツ。
その次にはイス。
その次には机。
その次には…
この様な具合にどんどんと凄まじい勢いでエスカレートしていき、最終的には3人が持つ拳銃で半径5m以内の至近距離で銃撃戦をやらかす始末。
いや、何あんた達は平然と銃弾避けたり撃ち落としたりしてんだ。てかなんでここまでエスカレートした。
…こんな阿鼻叫喚でカオスな状況でも、機器や料理、ラジカセ等には一切被害が出てないのも凄まじいが。しかもそれは、3人共”意図的に”そうしているのだ。3人共ブチ切れ状態だが。
そんな状況が数分続いた時、一つの携帯端末が着信音を鳴らす。
「「「…!」」」
その瞬間、3人の過剰な興奮が一瞬で消え去り、目線が一斉に携帯端末へ向く。
「…依頼か」
灰髮の青年が銃をしまって携帯端末を手に取り、内容を確認する。
「…行って来る。子供の子守を頼んだ」
「はいはい……って誰が子供よ!!!」
「お前以外に誰がいる」
そんな会話を交わしつつ、ちゃっちゃと準備をした灰髮の青年はトレーラーから出て行った。
数分後。
すっかりラジカセの件は忘れ去られたかの様に、茶髪の青年は食事を再開し、少女は物漁りを開始していた。
しかし、少女が興味を示す物は見つからず、最終的にラジカセを弄っていた。
「…そういえばさ、ふと思ったんだけど、このラジカセって何処で拾ったの?」
「拾って無いっすよ。あの人が”掘り当てました”」
「…はい?」
「だから、”掘り当てた”んすって。地面に埋まってました」
「…何それ」
「さあ?一応動きますし、今まで気にしてなかったんすけど」
「聞こうにも、掘り当てた本人もとっくに死んでるし…この件は分からずじまいって訳ね」
そう言って少女はじっくりのラジカセを見る。
古びたラジカセは殆どの文字が潰れており、解読が出来ない。しかし、唯一何とか読める文字があった。そこだけは元々大きい文字だった様だ。それでも一部が完全に潰れていたが。
その文字は《Fr-Qu--cy》と、書かれていた。
「Fr…Qu…cy?どういう意味かしら、これ」
その少女の問いに、答える者はいない。
クリスマス編書けって?純度99.9%のシリアスを書く自分には無理。