IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

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第五章
The beginning of the end Part1


第三次世界大戦勃発から、3週間が経過した。

 

カラードの残党が時々テロ行動などでニュースを騒がせる程度に抵抗が収まっている現在。

 

主戦場となったアメリカ、ヨーロッパでは復興が今も尚進み、少しずつ元の姿へと戻りつつある。

 

 

だが、失われた命は、決して戻る事が無い。

 

 

過去現在未来、永劫に。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

IS学園。

 

第三次世界大戦勃発と同時に、カラードの標的にされた元戦場。

 

現在は機密エリア、寮の使用部屋以外が難民キャンプとして開放されており、約5000人が収容されている。

 

学園の周辺には自衛隊の艦隊が展開されており、カラードの残党に対する準備も万端。

 

更に教師達が交代で量産機の側に居るようにしており、IS学園からのスクランブルも可能となっている。というのも、IS学園に居た専用機持ちは、全員母国へと帰り、それぞれの役目を果たしている最中なのだ。

 

 

「追加のお皿持ってきたよ!」

 

「すまないな。そこのテーブルに置いてくれ」

 

 

そして今、学園に残っている専用機持ちである篠ノ之箒は、寮付近で朝食の味噌汁を難民に配給していた。

 

手慣れたように鍋から味噌汁を丁寧かつ素早く注ぎ、次々と手渡していく。

 

(………)

 

しかし行動とは裏腹に、箒は考えていた。

 

(…何で、まだ姉さんは連絡してこないんだ?)

 

それは自身の姉、篠ノ之束について。

 

(第三次世界大戦から3週間…なのに、姉さんから一切の連絡が来ない。いや、勃発と同時にここ(IS学園)も襲われているんだ。10秒で連絡が来ない時点で既におかしい)

 

(何で姉さんは連絡を取らない?何で私達の前に現れない?何で姉さんは動いていない?)

 

(…一体姉さんに何があったんだ…)

 

「箒」

 

「…何だ?」

 

「ちょっとペースが落ちてるけど…体調が悪いの?私が代わる?」

 

少し視線をずらすと、多少ではあるが行列が伸びてきているのが分かる。

 

「…そう、だな。頼む」

 

「うん」

 

クラスメートに担当を任せ、箒は歩き始める。

 

(…)

 

すっ、と建物の影へと移動。壁に背中を付け、ポケットから携帯電話を取り出し、電話帳に無い番号をダイヤル。

 

そのダイヤル先は、箒しか知らない束特製の盗聴不可な携帯電話の番号。束が唯一変えていない番号であり、箒の携帯電話にも通話履歴が残らないように細工されている為、篠ノ之姉妹しか知らない秘密の電話となっている。

 

ダイヤルを決定し、スピーカーに耳を当てると「トゥルルルル」という音が聞こえてくる。

 

しかし2回程で、留守番案内のメッセージが流れ始める。

 

『ヤッホー、箒ちゃん!!ゴメンねー、束さんは今忙しいんだ。後でこっちからちゃんと掛けるけど、何かメッセージがあるなら合図の後で言ってね!』

 

『それじゃ行くよ!箒ちゃん大好きー!!』

 

そのメッセージが箒専用となっているのだが、元々箒以外に知る由も無い為に出来るのだろう。

 

そして、箒はゆっくりと話し出す。

 

「………姉さん、今何処に居ますか?お願いだから、声だけでも聞かせて下さい」

 

「今まで、こっちから掛けて5分以内でいつも掛けてきてくれましたよね。私の悩みにも、弱音にも、姉さんはいつも真剣に聞いてくれていた」

 

「臨海学校の時だって、頼んでもいないのに勝手に紅椿を持ってきて、私の誕生日プレゼントと言わんばかりに披露してきた。まるで、私の気持ちが全部分かっているように」

 

 

「だから………だから、今の私の気持ちも、分かりますよね?」

 

 

ポロポロと、箒の目から涙が流れ始め、スルスルと座り込む。

 

 

 

「………会いたいよ、姉さん」

 

 

 

そこにいるのは、純粋に姉の無事を祈る、1人の女の子。

 

それ以外の、何者でも無かった。

 

 

 

数分の間泣き続けだから箒は、涙を拭い取り、再び立ち上がる。

 

「…これからも、毎日掛け続けます。だから、明日でも。1週間後でも。1ヶ月後でも構いません。私に、声だけでも聞かせて下さい」

 

その言葉を最後に、通話を終了した。

 

 

 

瞬間。

 

 

 

学園に、サイレンが響き渡る。

 

「ッ──!?」

 

このサイレンの意味は、「敵性勢力がIS学園防衛圏に進入された」非常事態。

 

それを示すように、上空に自衛隊が発射したミサイルが通過し、教員が乗るISがスクランブルしている。

 

その光景を見た箒は、即座に紅椿を展開。前もって指示されたように、近くのアリーナへと難民の避難誘導を開始。

 

近くにいる生徒達と協力し、難民を集めながらアリーナへと誘導。難民達の足が完全にアリーナへと向いている事を確認した箒は、直ぐに通信を取る。

 

 

「山田先生、聞こえますか!?」

 

『はい!!箒さん、どうしました!?』

 

「第3、第4アリーナへの大まかな避難誘導は完了しました!!あとは皆に任せて、私も合流します!!」

 

『分かりました!!それと、真也君の方も先程終わったとの事です!!』

 

山田真耶との通信を交わし、箒は教員の待機場所へと飛翔する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後の、IS学園防衛圏内。

 

 

 

そこには、自衛隊の艦隊は"存在していなかった"。

 

 

 

代わりに存在するのは、黒色に染められた巨大な暴力の権化のみ。

 

 

 

『それじゃ、計画通りにねー』

 

『了解した』

 

 

 

そして、背中のX字形ブースターから膨大なエネルギーが放出。

 

真っ直ぐに、IS学園へと向かう。

 

 

 

 

 

 

1時間後、全世界にIS学園襲撃のニュースが流れた。

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