IS インフィニットストラトス 〜The beginning of the end〜   作:クローサー

9 / 66
サクサクと書けたので投稿。


第七話(改訂版)

リード離脱から、数時間後。

 

一夏とセレンの2人は、シークレットアイランドに到着。休息を取りつつ、会話をしていた。

 

「…私も予想外の事態だったわ。まさかあの3人が集結してるなんて…ウェンディーを相手に、良く耐えたわね」

 

「いや、セレンが早く出て来てくれたからだ。今の俺だと30秒も持たない」

 

一夏は、対決したウェンディーとの実力差を把握し、自らの未熟を自覚していた。

 

「とにかく、今回は散々な結果ね。機密は手に入らず、その上罠にかかって貴方の存在を予定より早く明かした…」

 

「…」

 

その時、セレンの手元にある通信機器が鳴り、セレンは手に取って回線を開いた。

 

「随分と遅かったわね」

 

『少し仕事があったのよ。それで、場所はどうするの?』

 

「6時間後に例の場所に来て」

 

『分かったわ』

 

話を終え、回線を閉じる。

 

「それでだけど、今後は貴方も参加してもらうわよ。どっちにしろこれには変わりが無いからね。今日はもう休みなさい」

 

「セレンは?」

 

「少し気になる事が、ね。あとは情報の受け取り。帰りは少し遅くなるわよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

6時間後。

 

某国、某都市の裏路地にある裏喫茶店に、20代前半の女性が1人入店した。

 

「お前か。いつものお友達が待ってるぞ」

 

そういって、マスターはグラスにワインを注ぎ、カウンターに置く。

 

「ありがと」

 

女性はそれを受け取り、店の奥の席に視線を向けて。

 

「……ねぇ、マスター」

 

「……お友達にも、色々とあったんだろ」

 

 

そこには、テーブルに突っ伏しながら、右手に持っているビンに入っているワインを、その姿勢のまま器用にグラスにゆっくりと注いでいるセレンの姿があった。

 

 

女性は軽く引きながらも、セレンの向かい側の席に座る。

 

 

「ん〜…ようらくきたぁ。おひょかったひゃないの、メイ〜」

 

「まだ約束の5分前よ…」

 

「わらひがおろいってひったらおろいのよぉ」

 

(やっぱり、完全に出来上がってるわね…)

 

テーブルには空のビンが4本転がっており、何れもアルコール濃度80%以上の代物だ。

 

グラスが一杯になる寸前で、セレンは注ぐのを終え、顔を上げてグラスに入っているワインを一気飲みした。

 

セレンの目はトロンとしており、頬は紅く染まっている。メイと呼ばれた女性が思っていた通り、完全に酔っている。

 

そして、再度セレンは机に突っ伏した。

 

「一体どうしたのよ」

 

「わらひにもひろひろとあんのー…ひひゃしふりにのまにゃいとやってらんないのー」

 

「…情報の受け取りは大丈夫なの?」

 

「らいひょうふらいひょうふ〜。にゃかみをれんぶにゅきとにゃいいんだしぃ」

 

「…とりあえず、これが頼まれてた奴よ」

 

そう言って、メイはポケットからUSBメモリを取り出し、セレンの左手の甲に置いた。

 

「ん〜」

 

突っ伏したまま、右手でUSBメモリを掴んで首元のメモリ挿入口に差し込む。

 

10秒後、USBメモリを抜き取って机に置いた。

 

「ありらと〜、あろれみとくぅ。それれ、ろれりつりろりらいのひょうはいほはいへはるらら〜」

 

「ごめん、何言ってるか分からないんだけど」

 

メイのツッコミを無視し、乱雑にポケットから折りたたんであったメモを取り出してメイに差し出した。

 

何を言ってるかは分からないが、とりあえずメモを受け取り、折りたたみを拡げて中身を見る。

 

そこには、セレンの文字で次の依頼内容が書かれてあった。

 

「…分かったわ」

 

「らよりにひへるらよ〜、れい〜」

 

「とりあえず貴女は酔いを覚ましなさい」

 

「いやらー、れいほわらひひょられろろりらりょうろ〜。るろひふらいはふひはいはらい〜」

 

「だから何言ってるか分からないって言ってるでしょうが…!!」

 

「お〜、いいろれ〜、ろれひゃはんはんろみらひょ〜」

 

最早会話もまともに通じて無いらしく、セレンは中身が入ってるビンを手に取り。

 

「ちょっ!!?」

 

「ろら〜、ろれれんふにょめ〜!!あはははっ!!」

 

僅かに入っていたワインを全部メイのグラスにドバドバと注いだ。

 

「ん〜?ろうらいー…まひゅはー!!ほうひっほんほっへひへー!!」

 

「何言ってるか分からんが、ワインならもう出さんぞ」

 

「へー!?まひゅはーろへひー!!はれはららすららほうひっほんひょうはいー!!」

 

「とりあえず寝ろ」

 

「きゅうっ!!?」

 

これ以上はめんどくさい事になると判断したマスターは、手元にあった修理用ハンマーを投げ付けた。

 

投げられたハンマーは正確にセレンの額に命中。酔っていた事もあり、可愛らしい悲鳴をあげて気絶し、座席のソファーに横たわった。

 

「…」

 

「…とりあえず、お友達はこっちで寝床を用意して寝かしとく」

 

「すまないわね…」

 

 

少し気まずい空気の中、メイはセレンによってグラス一杯に入ったワインを口に入れ、そして咽せた。

 

 

マスターは静かにグラス磨きを始める。

 

 

そしてセレンは、外見年齢そのものの、安らかな寝顔で眠っていた。

 

 

…頬が紅く染まっているのと、額にハンマーの跡が付いているのが玉に瑕だが。




ど う し て こ う な っ た 。
いや、確かに酔わせるのは確定はしていた。だけど軽く酔っている程度だった筈…なのにどうしてこうなった。
まあ、酔っているセレンを想像したら可愛かったからいいけど。(おい)
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。