いつも多くのご感想と誤字報告、ありがとうございます。
さて、覚悟しますか。やるときゃやる、あの走り屋もやるときゃやってるんでね。
こんな大騒ぎになるなんて思いもしなかった、ディープインパクトは記者会見場に向かう昼下がりの廊下で何度目かもわからない自問自答をしていた。
「どうしてこんなことになっちゃったんだろ…」
「ディープ…まだそんなことを言ってるのかい?」
今日の記者会見に付き添いで出席してくれる寮の同室であり先輩であるハーツクライの呆れたような声にディープインパクトは不機嫌そうに唸る。
それを見ていたハーツクライはやれやれを頭を横に振るしかなかった。この期に及んでまだ納得いっていないところがあるらしい。
「あれだけ皆に絞られたのに…まだお説教が足りないかな?」
「え゛!?いやそういう事じゃなくて!!勘弁して、もうみんなにさんざん怒られたから、さすがにやらかしたのは理解してるって…」
ディープインパクトが先の記者会見の一件でそれはもう大目玉を四方八方から食らい、関係各所に謝罪行脚を行ったのは知っている。
そして理事長、たづな、シンボリルドルフ、東条トレーナーをはじめとした学園上層部をはじめとして実家の家族にも散々説教を食らったのも有名な話である。
あの温厚な理事長がそれはもう底冷えするような声色で淡々とディープを言葉で詰めていたという話は学園の伝説となった。
ディープインパクトの記者会見でのやらかしとぶっちゃけはそこまでしてなお足りないと言われるものであるが、それでもひと段落はついている。
「まずあんなこと言う神経が私としてはまず信じられないんだけどね…」
「だって、あいつタービンを出汁にしてこっちをバカにしようとしたんだよ?許せないじゃん、よりにもよってタービンだし」
「で?それをまんまと利用して言いたいことぶっちゃけたと?」
「だってこの先ずっと言われるでしょ?だったらさっさとばっさりやってやんないとキリないもん」
「それで考えなしにぶっちゃけちゃダメでしょうが」
「反省してるよぅ…でも我慢できなかったんだよぅ…」
「まったく、それで迷惑すんの、君だけじゃないって理解してなかったのかい?」
「タービンなら大丈夫っていう不思議な信頼があって…」
「おバカ」
「返す言葉もありましぇん…」
こってり絞られた恐怖を思い出したのだろう、シュンとして肩を落とすディープインパクト。
一応お説教が効いているのは事実なのだろう、それはそれとしてやらかそうとしたマスコミにはまだ思うところはあるようだが。
しかし彼女にはまだまだお説教が残っている、ハーツクライは忘れようとしているディープインパクトにそれを指摘しなかった。
学校で怒られたとしてまだ関係各所にも親にも逐一怒られまくるだろう未来を確信していた。良い薬である。
この際徹底的に絞られた上で、きっちり学び直した方がいいに違いない。
「なんだ、随分とまぁ辛気臭い顔してるじゃないか」
ふいに耳に届いた声と、ずかずかと迫ってくる足音にディープインパクトとハーツクライは顔を上げる。
足音のする方には、芦名高校のセーラー服姿のシマカゼタービンが同じ制服のハーツクライには見慣れない茶髪の少女を連れて仏頂面で腕を組みジト目をしていた。
彼女は記者会見には呼ばれていないはずだ、なのにどうしてここにいるのか?疑問ばかり湧き上がるがそれを問うことはディープインパクトにはできなかった。
目の前の彼女は普段通りの様子で、両腕を組んでこちらを見ている。その表情に怒りは見えない、だから分かった。
見ただけで分かる、彼女は怒っている。それはもうものすごく怒っているのだ。
「君は…」
「ん?知らない顔がいるな…すまん、少しこいつ借りてくぜ。時間はかからん。ディープ、ちょいとツラ貸せ、裏に行こうぜ」
「それは困るな、これから記者会見があるんだよ、あとでいいかい?」
「悪い、こっちも今じゃなきゃダメでね」
ハーツクライの否定にシマカゼタービンはらしからぬ様子で真っ向から食って掛かる。
「自己紹介が遅れたね、私はハーツクライ。彼女のルームメイトで先輩だ、チームは違うが仲良くやっているとも」
「そりゃどうも、知っての通りシマカゼタービンだ。ちょいとそこのボケに野暮用がね。どうしてもだめかい?」
「立ち話程度なら余裕はあるけどね、校舎裏とかは無理かな」
「そうかい…じゃ、ここでいいや」
シマカゼタービンが肩を竦めて妥協すると、ハーツクライはわずかに目を見開く。
予想していた対応とは違っていたのだろう、そんな彼女が二の句を継ぐ暇もなくシマカゼタービンはディープインパクトの前に立った。
「あ、あのね、タービン、これは、その、こんな風になるとは思わなくて、その…ごめん」
「おい、ディープ」
「うん」
「歯ぁ食いしばれ」
瞬間、ディープインパクトは右頬の感覚が無くなり体が宙に浮かび上がるのを感じた。
何をされたのか理解しきれなかった。ただ衝撃とショックが先に来て、殴り倒されたのだと自覚してやっと頬の痛覚がよみがえった。
「君!?」
「はいはい、ここは黙ってなエリートさん。こっちにも引けないもんがあるのさ」
「んな!?は、放せ!!」
「あ、あが、痛ッ―――」
「痛いか?痛いよな?だがお前のやったことはこんなんじゃすまねぇんだ、こんなもんじゃ済まねぇ一生もんの傷残してんだよ。
ディープ、お前がやった意味わかってっか?お前が何で殴られたかわかってんのか?」
「わた、わたし…ごめん、こんなことになるなんて、おもわなくて」
「ディープ、謝る相手がちげぇよ」
制服の胸元を捕まれて強引に立たされ、シマカゼタービンが顔を至近距離に突き付けてきた。強い眼光にディープインパクトは目を反らしたくても逸らせない。
「お前が謝るのはレースを走ってる皆だよ。公式レースを走って、今ここで命を懸けて戦ってる皆だよ、解ってんのか?あぁ!!」
「ご、ごめんなさい」
「俺に謝ってどーすんだよ、だからちげぇんだよ。俺はさ、別にクラシックがどうとかどうでもいいよ?関係ないから。けどな、だからって敬意を持たねぇわけじゃねぇのよ。
お前さ、このトレセンでクラシック三冠がどれだけ大切かわかってんの?どれだけ重たいもんかわかってんの?責任ってもんがあるのかわかってんの?
解ってねぇよな?だからそんな口きいてんだよな?あのバカみてぇな口開けて、バカみてぇなこと言って、散々大人にも学校にも迷惑かけてんだよな?」
「そんな、そんなことないよ、だって、私は―――」
「解ってねぇよ」
ぴしゃりとシマカゼタービンはその言葉を叩き切るように潰す。
「お前さ、どうしてこの道に入った?」
その言葉には冷たいものであったが、その奥に悲しみがあった。
「みんな命かけてんだよ、この世界でなりたい自分になるために必死で頑張ってんだよ。そのために何かを犠牲にして、それを踏みしめて走ってんだよ。
最初の一勝勝つために、条件戦勝つために、オープン勝つために、重賞を勝つために、GⅠを勝つために、みんな必死こいて血反吐を吐いて必死でしがみ付いて上ってきてんだよ。
皐月賞も、ダービーも、菊花賞も、みんなそこを走った連中はそれが何であれ欲しくて一生懸命頑張ってきてんだよ
お前がクソ雑魚ってこき下ろしたクラシック三冠はな、お前らクラシックを走るウマ娘全員の目標であり憧れのはずだろうが。
汚しちゃならねぇ最高の栄誉のはずだろうが!それをなんだ?てめぇが俺に勝てないからクソ雑魚だ?ふざけたこと抜かしてんじゃねぇぞバカ野郎!!」
再び浮遊感が体を襲い、ついで腹部に激痛が走り体が浮かび上がる。息ができず唸り呼吸が止まる、空中に投げられたと同時に腹部を下から抉るように蹴り上げられたのだ。
「俺が同類?どこが同類に見える、この俺のどこが同類なんだ?」
「何言ってるの?同じウマ娘じゃない、同じ、レースが好きな―――」
「同じじゃねぇよ、見ろよ、よく見ろ!」
激痛と困惑と後悔の涙で滲む顔を上げて床に這いつくばったままシマカゼタービンを見上げる。
そこには知っている姿の彼女が、怒りと悲しみを滲ませながら仁王立ちしていて、形容しがたい表情でこちらを見下ろしていた。
「どこをどう見れば俺がお前と同じ中央の制服に袖を通してるように見えるんだ?どこに俺が走った公式戦があるってんだ!!」
シマカゼタービンが着る制服は見慣れた公立校、芦名高校のセーラー服。ウマ娘レースとは縁も所縁もないただの一般公立校のモノだ。
「俺は所詮は赤の他人だよ、公式なんざ関係ねぇからそれでいいんだよ。俺がどう言おうが所詮は外野の戯言、責任もなけりゃ義務もねぇ。
部外者は黙ってろって言われりゃそれで済むんだ。けどな、お前がそれ言っちゃダメなんだよ。
お前は中央トレセンのれっきとした競走ウマ娘なんだよ、お前にはレースを走った結果に対して責任と義務があんだよ。
そんなもん知らないなんて言わせねぇぞ、お前は自分で選んでここに来たんだろ?お前はここでなりたい自分になりたくてここに来たんだろ!!
この学校に走ってる全員がそうなんだよ、このレースの世界で走ってるみんながそうなんだよ!!
なにてめぇでその夢に泥塗ったくる真似してやがる」
「私はそんなこと―――」
否定しようとした瞬間再び浮遊感が体を支配し、体が半回転して頭から落ちて脳が揺られて意識が飛びかける。
しかし気絶できない、気絶しようにも全身に走る激痛がそれを許さない。
何をされたのかだけは解った、胸倉を再び掴みあげられて手放されたと同時に足を刈られて受け身を取れないままで床にたたきつけられたのだ。
「してんだよ、てめぇの夢はもうてめぇだけのモンじゃねぇ。お前が負かしてきた連中全員、お前と同じ夢目指して走ってきてんだよ!!」
「そんなことわかってる!!」
「解ってねぇ!お前の功績は俺なんかと比べちゃいけねぇもんなんだ、俺みたいな走り屋と比べちゃならんもんなんだ。
ましてや憧れなんて口にしちゃいけねぇんだよ、俺みたいな木っ端な走り屋なんて不良と同列になんざ語っちゃならねぇんだよ!!」
「木っ端…木っ端!?ふざけんな!!」
今度はその痛みを食いしばって耐えて、飛び起きてシマカゼタービンの胸倉に掴みかかった。
「そんなこと言わないでよ!!私は答えただけだ!何が悪いんだ!!私が目指してるものはまだある、もっともっとあるんだ!!」
「じゃぁなんでこんなことをした!!」
「私はあなたの事を知ってほしかった。世界にはもっとすごいウマ娘がいるんだって、もっと速い奴がいるんだって!!もっともっと上を目指せるんだって!!
公式レースだけじゃなくて、もっともっといろんなレースで、いろんな場所で、いろんなウマ娘がいて、その中にも強いウマ娘がたくさんいて!!
目指す目標がいっぱいあって、もっともっとそれはたくさん輝いてて、綺麗だって!!私もその一つに、憧れたから!!」
それは心の奥底に秘めていた正直な気持ちだった、ずっと彼女と出会ってから思い続けた気持ちだった。
胸倉をつかんでいた両手を振り上げ、力任せにシマカゼタービンの胸に振り下ろす。
何度も何度も、まるで堪えない彼女の胸板を叩きながら己が気持ちを吐き出して殴った。
「あなたは私よりずっと強いから、ずっと速いから!!あんなに速く走れるなんて知らなかった、あんなふうに曲がれるなんてわからなかった、車に勝つなんてとっくの昔に諦めてた!!
でも、でも本当はずっと追い求めてたんだ。やっと追い求めていたものに手が届くような気がしたんだ!!
あの日からずっと、ずっとずっと!!あなたに勝ちたいって憧れてる、あなたと同じ景色を見て見たいって思ってる!!
こんなの初めてだったんだ、こんなに悔しいのは初めてだったんだ、こんなに負けても充実してたのは初めてだったんだよ!!
私はもっとあなたと一緒に走りたい!もっとあなたを知りたい!!もっともっと強くなりたい、あなたと強くなりたいの!!
だからあなたの事をもっと知ってもらいたかった、私のライバルはあなただって、あなたを越えるために私は頑張ってるって!!」
これは心の底からの言葉だった。シマカゼタービンという自分のライバルをもっと知ってほしかった、自分よりも速くて強くてかっこいい、そんな憧れの彼女を知ってほしかった。
そんな彼女に憧れていて、だから彼女にならんで追い越すために努力したいと思っていた。今度こそ勝つために、だから頑張ろうと。
「もう誰にも文句なんて言わせない!!この私が、このクラシック三冠の私が認めた強いウマ娘なんだよあなたは!!
私より強いウマ娘は他にいる、だから私はまだまだ上に行く!!私はこれからも走るから、もっと強くなるから、速くなるから!!
あなたに負けないくらい強くなるって決めたから!!だから私はみんなに知ってほしかった!あなたの凄さを!!」
ひと際大きく振り上げたディープインパクトの右腕がつかみ取られる、その手をつかみ取ったのはシマカゼタービン。
ディープインパクトは睨み返そうとシマカゼタービンの顔を見つめ返すために顔を上げて、心の底から何かが冷えるような気がした。
「そいつが間違ってんだ、この大バカ野郎」
彼女の瞳にあったのは失望、自分を見下ろす表情にはどこまでも深い悲しみと失望があった。
「お前、やっぱり解ってねぇよ」
「何が!!」
「俺がここに来たのはさ、テメェが俺を怒らせたからだ!!
なんでキレてるか解ってるかクソ野郎、お前は俺の大事なもん全部に傷つけやがったからだよ」
「大事な、モノ?」
「全部、俺の大切なモノ、全部だよ」
シマカゼタービンに再び制服の胸倉をつかまれ、引き寄せられる。
「この世界に挑んでる後輩を、親友を!従妹を!!妹を!!!どんな気持ちで俺はいつも見送ってると思ってんだ?
いつ大怪我するかもしれねぇこの世界だ、それでも挑む価値があるってみんな真剣に挑んでる厳しい世界だ、なぁ?何が起きても不思議じゃねぇ。
お前解ってんだろ?この世界がどれだけ厳しいか。いつ目の前でアクシデントが起きて、足も夢も将来もフイになる覚悟があって走ってんだろ!!」
それはまるで悲鳴のような声だった。
「あいつらは夢を追いかけてんだ、自分の未来を求めて努力してんだ。それを止める権利なんてねぇよ。
俺だってやりたいことには全力だから気持ちわかるし理解もしてる、だから応援するしかできねぇんだよ。
でもよ、関係ないからって考えてないと思ってんのか?覚悟したから大丈夫だとでも思ってんのか?それでも怖いに決まってんだろ。
何かあった時、そこに俺はいねぇんだよ。もう守ってやれねぇんだよ、もう手出ししちゃなんねぇんだよ、助けてやれねぇんだよ」
それはシマカゼタービンの心に巣食っていた苦しみと堪えていた恐怖の発露だった。親友を、従妹を、妹を送り出した、残された者の苦しみ。
ただ彼女たちが無事で家に帰ってくることだけを望んでいる、帰りを待つ家族の心の悲鳴だった。
「だから、せめてその危険を冒すだけの何かがあるって思ってなきゃやってられねぇだろ。
重賞を取って大金稼いで、テレビや雑誌に取り上げられて、レースの歴史に名前を残して栄光を刻んで、命を懸けて挑戦した甲斐がないとよ。
そういう輝きがある、頑張る価値があるって思ってなきゃきついんだよ。なのになんだよ、なんでお前がこんなことしちゃうの?
どうして今まで積み上げてきたもん全てぶっ壊すような真似しちゃうの?
たかが走り屋と同列だ?走り屋にも勝てないクソ雑魚だ?なんだよそりゃ、そいつはおかしいだろ?」
信じられないモノを見たような、そんな乾いた笑い声に聞こえた。泣いているような笑い声だった。
「ふざけんなよ。俺はな、遊びでやってんだよ!テメェらみたいに仕事でやってんじゃねぇんだよ!!俺にとって走り屋ってのはそういうもんなんだよ。
背負うもんなんかちんけで下らねぇって言われるような意地とプライドだけなんだ、笑われたってそれでいいんだ!
外野がどう言おうが俺たちはそれが大切で面白くて大好きだからそれで終わりだ、それでいいんだよ。
お前さ、遊びと同じ気持ちでやってたのかよ。なんなんだよ、おい、そんな軽いもんなのか?なら峠でいいじゃねぇかよ」
それは彼女だからこそ言えることでもあった。
公式レースの伝説からライバルだと認められ、その伝説より強いと認められ、名実ともに挑戦される側になった峠の走り屋である彼女。
彼女からすれば簡単な話になってしまうのだ。地元でいいじゃないか、峠でいいじゃないか、公式に挑戦する必要なんてないじゃないか。
地元ならば手が届く、いざという時に助けられる、一緒に肩を並べて生活できる。親友が、従妹が、妹たちが求めた栄光と彼女が走る峠は同列だから。
行儀は良くともそこら辺にいるただの暴走族のストリートレースと公式は同列に語られるのだから。
だがそれでは公式レースに出るために家を離れた彼女たちの覚悟はどうなるというんだ?
その背中を言いたい事を飲み込んで見送って応援した彼女の思いはどうなるんだ?
「あぁ…」
それは侮蔑や軽蔑するよりもはるかにひどい、それは彼女たち残された者達の苦しみを全てなかったことにして無意味にしてしまうあまりにも無慈悲な言葉だった。
今ここに来て初めて自分が犯した罪の重さを自覚してしまった。自分が青春をかけて挑んでいる夢は、ただの遊びと同じだと認めてしまった。
「あぁッ」
彼女だって考えないはずがないじゃないか、一緒の学校に通って楽しく学校生活を送りたいと願う自分のように。
シマカゼタービンだって、親友と、従妹と、妹たちと一緒に過ごしたいと思わないわけがないじゃないか。
あるはずだった学校生活に思いを馳せないことがあるか?親友たちとバカをやって過ごす学校生活を思わないなんてあるか?
あるはずがない、考えないはずがない。
「おい、ディープちゃんよ。お前が見るべき相手は俺じゃねぇ、お前が戦うと宣言すべき相手は俺じゃねぇ」
それでも彼女は見送ったのだ、自分が自分の道を行くのと同じようにその背中を見送り続けてきたのだ。
「お前は峠の走り屋じゃねぇ、公式レースの競走ウマ娘だ。テメェの立場ってもんをもう一度よく考えろ」
一緒に居ようという言葉を飲み込んで、行かないでくれという願いを嚙み潰して、頑張れという言葉に変えて送り出してきたのだ。
そしていつか帰って来た時には、いつもと変わらない顔で『おかえりなさい』と迎えていつものように笑うために耐えていた。
「俺とお前が対等だと考えてんなら身の程を知れ。お前と俺はもう対等な立場になんざなれねぇんだよ。
お前はクラシック三冠の伝説で、俺はただの木っ端な走り屋、俺に宣戦布告なんぞしていい存在じゃねぇんだ」
それを自分は踏み躙った、彼女の覚悟を踏み躙った、大切なものすべての根本を踏み躙った。
「だというのにテメェはこんなことしでかしやがった、よりにもよってだ。
俺はどうでもいいんだよ。レースでどういわれようが関係ない、俺の事を認めようがなかろうが勝手にしろ。
こちとら所詮は峠の走り屋、峠の仲間に知ってもらえりゃそれで十分、テメェらの評価なんざ求めてなんざいねぇのよ。
けどな、俺の大切なモンを傷つけようとするのは許さねぇ。お前は、俺に、何をした?」
そんなことしたら戦争だろうが、シマカゼタービンの言葉にはそれこそ何も感情が浮かんでいない。
どこまでも突き抜けた感情、感じ取れないほどに覚悟が決まったその言葉は、余りにも鋭くよく透き通って聞こえた。
「テメェが俺のライバルだ? テメェの世界を傷つけてか。憧れた?俺の世界を傷つけてか。一緒に並びたい?俺の家族を傷つけてか?
ふざけんな、ライバルってのは互いを認め合い高め合う好敵手の事だ。これだけやらかして俺が認めると思うのか?
こんな恥知らず俺はライバルだなんて認めねぇ。テメェと同類なんざまっぴらごめんだ」
心の中でナニカが折れた、足元から何かが崩れていった。
◆◆◆◆◆
俺はいったい何してんだ、冷静じゃない心の中で残った冷静さがそう問いかけてくる。
こんなに熱くなってどうするんだ、こんなに感情的になっても変わらない、もっと穏便でうまいやり方がほかにもあっただろう?
そうなんだろうよ、冷静に対処すればなにもこいつをぶちのめす必要は無かったろうよ。きっとこんな姿、見られたらみんな呆れるだろうな。
でもな、ダメなんだ。やっとこいつと出会えたってのに、こっからまた面白くなるって考えてたのに、こいつは全部ぶち壊しやがった。
何のために俺は頑張ったんだ?何のために俺は柄にもなく体を張ったのかわかんねぇんだ。
俺はよ、ずっとずっと峠が好きで、この世界が好きで、仲間が好きで、家族が好きで、お前たちライバルが好きで、だからがんばったんだ。
ここが俺の生きる世界で、ここでしかお前には会えないから。
なのになんだよ、どうしてなんだよ、どうしてお前がこんなことしちゃうんだよ、おかしいじゃん。
「おい、なんか言えよ」
その場で俯いて座り込んだディープインパクトは答えない。答えてくれない、何故?
「なんか言えよ、おい!」
胸倉をもう一度ひっつかんで無理やり立たせる。ふざけた女だ、いまさらそんな目をするのか、このクソボケが。
テメェでやらかして、テメェで気づいて、テメェでへし折れて、今更言葉を失うか。
ふざけんなよ、もっとバカになれよ、もっと食い下がって来いよ、今更利口になってんじゃねぇよ!!
掴みかかってこい、殴り返してこい!もっとでけぇ声で罵れよ!!立ち上がって反撃して来いよ!!
こうなる覚悟があってやってんじゃねぇのかよ?なぁ、おい!!!
「俺は、こんなッ―――」
「そこまで」
ディープを突き放して、再び拳を振り上げた俺を誰かが掴んで止める。後ろからの手を止める小町の手は、いつも通り暖かで強い決心に満ちていた。
「放せ」
「駄目、今度は放さない」
強く握りしめられた彼女の手はとても震えている。振り払うのは簡単だ、たとえその手を解けなくても千切ることはたやすい。
けれどもそんなこと俺は出来ない、こいつの手を振り払う理由は俺にはなかった。
この手はきっとあそこで俺が振りほどいたあの時の手だ。
「だってさ、これ以上はあんたが傷つく」
俺の事、解ってるじゃねぇか。あぁそうだよ、きっとこれ以上は俺も戻れなくなる。何が何でも飲み込んで、振り上げた腕は降ろさにゃならん。
そうでなきゃ、俺を見送ってくれた連中に申し訳が立たねぇ。これ以上は本当にただの暴走、何も意味のない暴力になってしまう。
「それにもう十分よ」
「ごめんなさい、みんなごめんなさい、めいわくかけてごめんなさい、ばかにしてごめんなさい、ぶじょくしてごめんなさい、かなしませてごめんなさい、りかいしてなくてごめんなさい。
ごめんさいごめんなさいごめんなさい、ごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさいごめんなさいごめんんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんさいごめんなさい」
ディープインパクトはその場で土下座し、蚊の鳴くような声でひたすらに謝り続けていた。まるでこの世全てに絶望したような声色で。
ふざけんなよ、馬鹿野郎。今更それかよ。くそ情けねぇ、何やってんだ俺は、ほんと変われねぇバカだ、クソッ…
「行くぞ、もう話すことはない」
「へいへい、あたしもこんなエリート学校肌に合わんわ」
俺が背を向けると、ディープが顔を上げてこちらを見てくるのが気配で分かった。振り向かない、もう用は済んだ。
「俺は今のお前を認めない」
こちらを見上げたディープインパクトの声にならない悲鳴を上げてんのが分かった。
かまわず足を速める、何かが無様に這い寄ってきて地面に倒れる音がする。俺は伸ばされてきた手を見ないで足を避けて躱した。
そんな目をするな親友、てめぇはそれだけの事をした。だから折れないというなら、見返してみせろ。お前ならそれができるはずだ。
「で、あんたは見てるだけか?先輩」
「君はッ…」
「気に食わないなら掛かってこい。俺は逃げんぞ」
俺が睨みつけるとハーツクライは耳を引き絞って睨みつけてくるが、それだけだ。さすが優等生だよな。
ここで動けばどうなるか、きっと理解したうえで押さえつけている。さすがアスリートだが、それが限界か。
だが本当にこいつの事を思っているならそうじゃないだろう?これで終わらせちゃダメじゃねーか?
例えアスリートだとしても譲っちゃいけないもんはあるだろう?アメリカの知り合いにスポーツマンの上院議員がいるが、普通に殴ってくるぜ。
「来ないのか?最初の一発はサービスしてやる」
「生憎、君みたいに乱暴者じゃないからね」
中央が一般校をぶん殴るのはたとえ手を出された後でもできねぇか?やっぱりお高くとまってんな。
反吐が出る、若いのにそんな澄まし切った顔できるようじゃ世も末だ。
「そうかい、なら優しい先輩はさっさとそこの恥知らずをベッドで慰めてやんな」
「お前ッ」
良い顔はできるようだが、まだまだ甘ちゃんだ。
「…下品な奴だ。君の事はディープから聞いていたんだが、どうやら買い被りだったようだね」
「だから嫌なんだよ、俺はただの走り屋でただの一般校の不良だぜ?優等生さんよ、マナーを求める方が間違いだぜ」
「そうだね、普通の高校生と比べたら高校生に迷惑だよ」
「そっちの目が節穴だっただけだろうが、自業自得だよ。ざまぁみろ」
これ見よがしに中指を立てて挑発する。生憎こちとらFワードなんざ聞き飽きるくらい聞いてるんでね。何ならスラングでも吐いてやろうか?
「失礼するぜ、邪魔したな」
「…シマカゼ!」
「なんだ?」
「逃げるなよ。ディープが戦うまでもない、本戦では私がお前を倒す」
訂正だ、良い肝っ玉してるじゃないか。その啖呵を切れる根性は嫌いじゃないぜ。
「やってみな、やれるもんならな」
◆◆◆◆◆
「バカだよほんと、どこまでバカなのよ。こんなバカ騒ぎにして、こんな人前で殴ってさ、まったく…これがあんたの望んだ結果?」
「こうでもせにゃ、消えんだろうさ」
「ったく…難儀なやっちゃ」
周りから突き刺さる嫌悪と嫌味の視線と悪感情の嵐からやっと抜け出してきたトレセン学園近くの有料駐車場。
堂々と止めておいた愛車の前で俺と小町は向かい合って笑い合った。
走り屋が乗り込んできてかの三冠をぶん殴って喧嘩を売った、これだけで文屋共は大はしゃぎだろう。
やはりアウトローはアウトロー、暴走族は暴走族、危ない連中だと書き立てて公式の世界を守ろうとしてくれるはずさ。
ネットの阿保どもだってここまでやったらこっちに食いつく、叩いて面白いおもちゃで今度は文句も言われづらいと来てるからな。
走り屋なんてのは所詮は暴走族、公道で好き勝手にやらかしているだけの悪ガキで、必要悪として黙認されているだけに過ぎない。
だからこうして喧嘩っ早いのが出てくる、それこそ芦名にだって喧嘩っ早いのはいる。妙義も赤城にも素行の悪い連中はたんまりいる。
俺も例にもれず簡単に拳を握っちまう素行の悪い筋金入りの不良なんだってな。
公式レースなんて言う厳粛な表舞台の競技者とは絶対に同列で話しちゃいけないアウトロー。
こいつをケジメが付くガキの喧嘩にスケールダウンするにはそんだけ大騒ぎするのもバカバカしいもんにしなきゃならねぇ。
「思い切りが良いのも考えもんだよほんと、そんなことする義理がどこにあるんだか?」
んなもん、親友と妹たちが夢叶えるまで潰れてもらっちゃ困るからだろうが。公式が持ってる格と栄誉に死なれちゃ困るんだ。
まだ親友も、後輩も、妹たちもまだそいつを受け取ってない。トロフィーを配ってくれるまで無くなられちゃ困る。
「ダチのやらかしをフォローするのに理由がいるか?」
「だろうと思ったよ」
「しかしこれ、考えてた以上に迷惑かけちまうかもしれんな。埋め合わせ考えにゃならん」
「校長たちはむしろ大喜びすると思うけどね、学生は先生に迷惑かけてなんぼでしょ?こういう骨のある話はみんな大好きじゃん。
そもそも校長も親父もみんな解ってんのよ、あんたの考えてることくらいさ。みんなあんたを止めなかったってことはやって来いってことよ。
校長に話持ってった時の顔、覚えてんでしょ?」
「大変良い顔しておりました」
「でしょうが、そういう人なのよ。犬童さんとかだって普通に動いてくれてる、だからあんたはやりたいことやりゃいいの。
走り屋連中は…まぁ平常運転でしょ、何言われようが所詮は趣味人の集まりで、最初から悪いことしてる自覚あるんだし。
あんたに文句言う連中なんざいないわよ、そもそも兄貴とあたしがそんなことさせねーわ!」
確かに一心校長なら俺のやる事なんかお見通しか、あの人にゃまだまだかなわん。犬童警部も世話になっちまってるな。
峠の連中もそこは同じかね、まぁ素行の悪い連中は足と腕力で黙らしゃいいから楽ちんよね。
「ま、ダメだったら頭下げて回るっきゃないでしょ、そんときゃあたしも一緒に下げてやるから安心しなさいな」
「心強いね」
「あたしゃあんたのダチなんだよ、この場にいたんだから同罪さ」
ココアシガレットを一本口に咥える。心地よい嚙み心地と口の中に広がる甘味が心を落ち着けてくれる。やっぱりこいつが一番しっくりくる。
「んで?ここまでやったなら、腹括ったんでしょ?」
あいつらが正義の味方になるには悪役が必要、そして倒される悪が必要だ。
レースの威信に泥を塗る原因になった最悪の敵、ディープインパクトを惑わせ、その行動を歪めた諸悪の根源。
魔王を倒してすべてを取り戻す勇者たちの物語の始まりだ。
前よりかはいいかもしれねぇな。俺は倒されるべき悪で、あっちは全てを取り戻すための正義の味方。
あいつらは強くなる。ディープだけじゃねぇ、ルドルフやブライアン達だって鍛えれば鍛えるだけ強くなれるポテンシャルがある。
俺にはあいつらみたいな才能と可能性はない、土台が違うんだ。ただ経験を積んでテクニックで補っているだけでは限界がある。
あいつらが本気になればそれこそ、俺だって軽く超えられるほどに強くなるだろうさ。
「やるさ」
ま、ただで負けてやる気はねぇけどな。あいつらだっているけど、ディープならやってみせるだろ?
「そう来なくっちゃ、年末最後の目玉になるじゃないの。面白くなってきた」
「おいおい、俺の期待を分かってて言ってるのか?」
「親友の負けを祈るバカはいねーのよ。悪が勝ち逃げしたっていいじゃん?」
「バカ、まだトレセンの近くだぞ?」
「喧嘩が怖くて走り屋なんざやってられるかっての、ウマ娘がなんぼのもんじゃい!むしろかかってこいヤァ!」
「アホ」
「アホで結構!バカ上等!!こいつぁガキのケンカじゃい!!」
ったく、解ってくれてるね。ほんと、みんなに頭が上がらんわ。どーしよ、お土産なににするかな。
ふと空を見上げた。俺の気持ちとはまるで真逆な真っ青な青空、どこまでも、どこにでも続いていそうなきれいな透き通った空だった。
いつも見上げては忌々しくも感じた手の届かない空の向こう。もう会うことはないかつて仲間たちを、育ての親を思い出した。
もしこの場にいてくれたらみんなも同意して応援してくれるのだろうか。
それを問えないことが、すこし寂しく感じた。
「あっち側は、遠いなぁ…」
「ちょっと、何やってんの?やることやったんだし、せっかくこっちに来たんだからいろいろ回るよ!!
お土産だってたくさん必要になるんだから時間かかるし、いつものBARにも行くんでしょ?はよはよ!」
「へぃへぃ、仰せのままに。どちらに行かれますかな?」
「東京タワーでしょ!」
「あいよ」
でも安心もしている。
あとがき
デカい火災を一気に消さなきゃならないなら、もっとデカい爆発で火災を吹っ飛ばすのが一番なのだよ。爆風消火ってやつだ。
そして巻き込まれた無実の人が誠心誠意の囮を実行するまで大騒ぎしたボケ共の完成の図。
こんだけぶん殴っておけば矛先はこいつに向くし、トレセンで誘爆した恨み辛みも本人がボコボコにされた上にあの有様になったとあれば多少は弱まるでしょう。
え?警察沙汰?この状況でやる勇気があればやればいいけど、警察なんて呼んだらもっと厄介なことになりますよ?
ここは穏便になぁなぁの内輪もめで済ませて大人な対応をすることのがベター…にするしかない所まで計算済みなのが瀬名酒造です。
まだピッチリボディスーツハイレグシスター服の着させられるほうがマシに見えるわ、目の保養がないとやってられない。
馬時代みたいに峠純粋培養だとまた無敵の人が出来上がって二の舞にしかならんのでね、傷を付けなきゃならんかったのだ。
実家でも歴史と伝統を守る酒造会社で酒造を学んでて、これまた歴史と伝統を重んじつつ日々研鑽を続ける剣術も収めてるんで、その手の大切さ身に染みてるんですわ。
最愛の妹たち、従妹、親友たちが頑張ってる後姿を見てるんですわ、その世界に興味が無くてもリスペクトはあるんですわ。
そして何より、レースの世界から一抜けしたからこそ『帰りを待つ側』になったタービンはいつも耐えてるんですわ。
別件では『守ってあげられた』けどこっちでは『守ってあげられない』からいつも無事を祈ってるんですわ。
艱難辛苦を越えた先で努力が実ることを祈って、その晴れ舞台が大成功で終わるのを願って、みんなが無事に帰ってくることを願っているのです。
それこそ今際の時にその幻想を見て鬱くしい笑顔を浮かべちゃうくらいに。
そらディープのやらかしでキレるのはむしろタービンなんです、ぶっちゃけ逆鱗に触れてるんですよね。
そもそも前世で競馬の怖さ知ってます、予後不良や用途変更の意味を目の当たりにしてますもの。
だからやるときはどこまでも行ける覚悟がある、実際に実践した過去がある。なのでそれを止められる友に巡り合えたのは奇跡です。
これは競争ウマ娘とトレーナーには絶対にできません、辞める覚悟があれば別ですがね。
とまぁ真面目な言い訳はこれくらいにして、ぶっちゃけこいつのスタンスのせいでウマ娘ベースの舞台だと話が全く続かないのですわ。
こうでもしないとこいつはURAファイナルズに出ません。それが通せる力が自分にも家にもあるのが悪い。
人気が盛り上がったとか、ファンが付いちゃってでないと出ないと世間が黙ってないとか、その程度ではこいつはまるで堪えませんからね。
勝手にできた人気で勝手にできたファン、そんな外野の要望なんて考慮する理由が全くないんですよ、一個人だからね。
スタンス的に本戦前のレースが目当てで以後は大体進学準備に舵を切る可能性が高い、こいつ高校3年生ですぜ?
実はよほどのことがない限りURA本戦に出ることはありません、放っておけば勝手に辞退して消えるのです。
金?本戦前のレース賞金でそこらへん十分になってるのでもう理由にならない。
ダイオーたちと走ったらそこで任務達成だし、できなくても無理なもんは無理なので別の埋め合わせに舵きりしちゃいます。
ディープ?そもそもアウトオブ眼中。最初から計画のうちに入っていないのでそれで本戦に行く理由がない。
何もなかったら盛大に盛り上がっておいて本人出てこないか、一身上の都合で辞退しますという話にしかならない。
そこで非難轟々してようが瀬名家にもUMA娘にも痒いダメージしか入らないので…はい、全く話にならねーんだわ。
レースが関わらないならいい感じになるんですが、レースの話になると途端にフェードアウトする。
本当に走らせられない、走らせる理由がない!!走るには理由が必要なのだこいつには!!!
そう考えると学園設定はうまいよなって思う、基本それがしたいから入学するんでレースに直結してくれるから話作りやすい。
その他の雑音がシャットアウトできちゃうから盛りやすい、ネタに走り易くてキャラの特徴を生かせる。