気儘に生きた転生馬物語   作:イナダ大根

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いつも多くの誤字感想ありがとうございます。
なんとなく書いてみた小ネタ。プロローグでも宣言してますが基本的に主人公には悪運が付きまといます。





小ネタ・20XX年・ウマ娘プリティーダービー緊急告知

何も変わらない毎日、朝起きたら朝ごはん、そして通勤、電車で10分の会社へGO。

務めているのは一流大企業の地方支社、やることやって御上の機嫌を見てれば気楽な風通しのいい部署で私は今も務めている。

私の席は事務所に入ってすぐ近くだった、そこに座ると私より少し後に部長が来る。時間通りだけど少し遅い、それで仲のいい同期や後輩に弄られて社内を明るくする30代の自称中年オヤジ。

仕事は可もなく不可もなく、正直に言えば私のほうができるし彼よりすごい部下はたくさんいる。でもこの部署も私も彼のことを認めていた。

もういい年なのに独身で、自分がオタク気質なのをネタにしてもう親も兄弟もいないから独身のほうが気楽だと豪語していた。

仕事に真面目でも付き合いを間違えない割り切りの良さがあって、それでいて頼りになった。

彼は自分が困っていた時に助けてくれた、頼りにしてくれた、そんな人がこの部署には大勢いたの。

学歴信奉の家に生まれて物心ついたときから勉強一択、友達も作らないで学校生活では空気と一緒になって乗り切って、一流大学に入って良い成績で卒業した私は社会では頭のいいお荷物だった。

この会社の本社、第一線で活躍する部署に鳴り物入りで配属されて、理論派頭でっかちな仕事をして社会の荒波に揉まれて大失敗した。

見た目も頭は良くても使えない女、そう言われてここに流された私に彼は笑いもせずにこう言ってくれた。

 

〈これ出来る?俺…じゃなくて私と一緒に〉

 

それは規模こそ違うけど私が失敗した仕事と同じタイプのプロジェクト、何度もどうして失敗したのか考えて、どうすればよかったのかずっと頭の中で答えを作り続けていた過去とおんなじ。

知っているはずなのにいきなり仕事を任せてきたこの男は一体なんだ?何様だ?私はそれに少しムカついてできると啖呵を切った。

 

〈できます、簡単です〉

 

〈んじゃ、やろうか〉

 

そして仕事は大成功、でも危ない所がなかったわけじゃなかった。でもそこは部長が補佐してくれたり、私の経験が生きて無事に乗り越えた。

正直に言って終わった時は腰が砕けるかと思った、そんな私に彼は短く褒めてくれた。

 

〈やったじゃん。次もお願いね、頼りにしてるよ〉

 

あとから聞けば彼は配属される私の事を調べて、私の失敗と同じ仕事を探してまで任せたそうだ。

失敗したら学ぶはず、できないはずがない。そう言っていたらしい、自分の汚点だと思っていた失敗を経験という武器に変えてくれたのだ。

そんな人間がここにはたくさんいた、だから彼の事を慕っていた。でももう来ない。

 

〈部長さん、亡くなったってさ…〉

 

ある日突然そう言われた、出社したら社内の空気がおかしくて変だなと思っていたけど自分には関係ないと思ってた。

部長は何の前触れもなく、特別な理由もなく殺された。帰宅途中におやじ狩りの若者に襲われて後ろから頭を金属バットで殴られたそうだ。

警察から話を聞いた同僚によれば即死、彼は何もわからないまま死んだだろうとのこと。どちらにしろ最悪だ。

そいつらは奪った荷物から部長の家も見つけ出して漁って盗んで好き勝手にしていたらしい。

何より最悪だったのはその犯人がうちらよりでかい会社の社長の息子、絵にかいたようなバカ親と20代のでっかいクソガキだったこと。

そのうちよりも良い噂のない企業でも規模も財力もデカいあっちの圧力にわが社は簡単に屈して、身寄りがいないことを良いことに細々と処理して、優秀な人食い弁護士の元で見事に執行猶予付き懲役、その後保釈金で自由の身だ。

部長を襲って命を奪って、挙句金品も尊厳も奪って、最終的には親の権力に縋る典型的な糞野郎、世も末だ。

まぁ、その後両親の急逝で社長になったその馬鹿が会社をしっちゃかめっちゃかにして完全ドブラック企業に変えて、ついに過労死出して一年経たずに倒産して盛大に自爆したけどね。

日本経済に微震起こすくらい滅茶苦茶ほかの企業に悪影響が起きてたけど、部長の一件で取引を一切合切お断りしてたうちには関係なかったし。

 

「おはよう、今日もよろしく」

 

今は私が部長の席にいる。私はうまく彼の後釜を務められているだろうか? 出来ていると思いたい。

時間はあっという間に過ぎて夜、疲れた、今日も仕事はいつも通り。だけど気が抜けるわけじゃないからね。

一応終わったけど、ちょっと休んでから帰ろ。にわか雨来てるし、ウマ娘でもやりながら様子見ますか。

今日こそウララでディープインパクトぶち抜いてやる、待ってろ有馬記念。

そんな時にふと気づいた、会社の資料作りで調べていたネットサイトの脇に出ている広告記事だ。

 

(ウマ娘に大型アップデート?新イベントと新キャラ実装?へー、ディープインパクト達に続いてすぐってことは…いいじゃん)

 

ウマ娘プリティーダービー、私もちょこちょこやってるソシャゲ。ちなみに微課金、部長の教えで賭け事も課金も遊びで済む程度にしてる。

どんなウマ娘たちが来るんだろう?ちょっとワクワクしながら、室内に誰もいないことを確認して広告をクリックした。

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

新シナリオ『来襲、地方ウマ娘!』実装!!

 

心地よい日差しの入る夕方、仕事も時期に終わるという頃。

普段ならば大分ダレた理事長が最後の仕事に取り掛かるときだが、今日は違った。

 

「緊急告知!!」

 

「ど、どうしたんですか理事長!?」

 

仕事終わりの紅茶を入れて戻ってきた緑の悪魔…もとい秘書の駿川たづなにどう見ても子供にしか見えない猫搭載帽子合法ロリ、もとい秋川やよい理事長が扇子を突き付けて宣言した。

 

「たづな、知っての通り我々はURAファイナルズという新レースを立ち上げた。結果は極めて順調、そうだな?」

 

「はい!新レース設立の後の成績の伸び率は前年の比ではありません、生徒の皆さんもトレーナーさんたちもみんな奮起してくれています!」

 

「うむ!だがこのままではいかーん!!」

 

「え!?な、なぜですか!!」

 

「狭隘!なぜならばURAファイナルズのまだ一番の目的を成していないのだ!!」

 

「それは一体?」

 

「制限!URAファイナルズには日本ウマ娘トレーニングセンター学園所属のウマ娘、すなわち!中央所属のウマ娘しか出場できていない!

なぜか、それはこのレースがこのトレセン学園主催のURA公式新レース故に、出走登録に大きな制限があったからである!!

それではすべてのウマ娘が活躍できるレースを作ったというにはさすがに不足!! 故に!!!」

 

理事長が扇子を広げる、そこには『大幅拡張』の文字!!

 

「この度、各地地方トレセン学園と連携し、URAファイナルズへの出走登録基準を再指定し、より多くのウマ娘達がチャンスを得られる祭典に大幅拡張した!

これにより日本ウマ娘トレセン学園生のみならず、地方トレセン学園および一般からの出走者も見込まれより面白いレースになるはずだ!!」

 

「り、理事長!…え、もうしちゃったんですかぁ!?」

 

「うむ、さらに!」

 

理事長が新たな扇子を開く、そこには『留学』の文字!

 

「URAファイナルズのみならず中央および地方主催レースでの交流を大幅に増やすため、短期および交換留学制度を導入した!!

これは中央から地方に、地方から中央へ、あるいはトレセン学園から一般校への短期留学による人材交流をより盛んにするものである!」

 

「それはいい刺激になりそうですね、しかしなぜ一般校への留学が?」

 

「進路!我がトレセン学園は学び舎である、しかし現状ではウマ娘レース関連以外の進学ルートがいささか乏しくなっているのが現状である!

故に在校生たちの進路をより多様化するためにこの制度に追加枠で設けられた。しかし!それだけが目的ではない!」

 

「そ、それは一体?」

 

「聞けば、一般校に通いながらも実力では引けを取らない在野のウマ娘達がいると聞く。そんな彼女たちを私はぜひとも見つけ、新たなチャンスを与えたいと思っている!!」

 

「おおっ!」

 

「すでに各地の有力ウマ娘達が次期URAファイナルズに出走登録および短期留学希望をしてくれている。さぁトレーナー君もぜひその目で見てくれたまえ!!」

 

そういって突然カメラ目線になる理事長、そして差し出された書類が…

 

 

 

新ウマ娘、実装!!

 

 

 

「ひとーつ!油断禁物、競争ウマ娘たるもの相手を侮ることなかれ!…守れてないよぉ?」

月明かりに照らされた竹林、その中を音もなく疾駆する現代戦闘装備を纏ったくノ一姿のウマ娘が背中に背負った大太刀(梟のアクセサリー付き)を抜刀する。

無言で大太刀を構え、鋭い視線でこちらを見つめてわずかな羽音もなく一瞬で突進してくる。

☆☆☆「ハイドオウルラン・ホクリクダイオー」

 

 

 

「作戦開始。指揮官、ご命令を」

完全に隠蔽された掩体、その中で左ひざを立てて座り込み両腕をクロスさせて狙撃銃を構え、気配を殺し狙いを定めるタンクトップミリタリールックなシルバーブロンドのウマ娘。

彼女の視線が一瞬鋭さを増し、一瞬の息止めと同時に引き金を引き、スコープから目を離して息を吐く。

☆☆☆「スナイピングホワイト・ノルンファング」

 

 

 

「巴の雷、お見せしましょう」

晴天の天守閣、緑を基調としたやや露出の多い和装ドレスに稲妻の家紋が描かれた近代化軽鎧を付け、アサルトライフルを背負う芦毛のウマ娘が腰に梳いた日本刀を抜いておもむろに鯉口を切りゆっくりと抜く。

すると空が曇り雷雲が立ち込め、天守閣は薄い雲に包まれて外の雲から一筋の稲妻がすらりと抜かれた刀に吸い込まれ、その刃が雷を帯びたと同時にカッと視線が鋭くなる。

☆☆☆「稲妻一閃・ツバキプリンセス」

 

 

 

「迷えば敗れる、平地も峠もビビったら負けだぜ?」

暗闇に包まれた山を走る峠道、そこを攻めるスポーツカーを猛追する白黒のスポーツウェアを纏った青髪のウマ娘。

コーナーをドリフトするスポーツカーに自身もドリフトしながら追従、次のコーナーに入る直前、スポーツカーが見せた一瞬のスキを突いてさらにインコースをぶち抜き追い越していく。

☆☆☆「本物の仮想敵・シマカゼタービン」

 

 

 

 

さらに新サポートカード実装!!

 

 

青いスポーツカーをドリフトさせながら獰猛に口を吊り上げて楽しそうに笑うシマカゼタービン、その横で悲鳴を上げて涙目なディープインパクト。

SSR『峠の走り屋・シマカゼタービン』

スキル・インベタグリップ

 

 

自分の前を走るシマカゼタービンの背中を見つめ、悔しそうに息を乱しながら走る泥だらけのディープインパクト。

SSR『次は負けない!・ディープインパクト』

スキル・全身全霊

 

 

その他、SR、Rサポートカード多数実装!!

 

 

 

◆◆◆◆

 

 

 

「攻めたな…ついにこの世代実装か、日本競馬の天国と地獄」

 

実は中央組だけ実装してこの話題は避けるかなって思ってたけど…この世代の先を深くするとなると避けて通れない道か。

地方競馬を取り上げるにしたって、群馬地方競馬の躍進が地方競馬再起と海外重視のターニングポイントだから絶対逃せないところだもん。

アルト姉妹とかシャッタードスカイも出したいだろうし、ブニーキャップ、ハルナイナリ、ポケットクリークもイベントあるし。

メジロジョンソンとハルカゼサカヅキなんか絶対逃せないっしょ、群馬と高知の凱旋門賞馬とかさ。

そもそもハルウララ初期実装なのに他が遅すぎなのよ、もう未実装のお友達のことを話すウララちゃんを見なくてもいいのは非常に気が楽だわ。

でもよく許可が下りたな。中央競馬とファンのトラウマを相当抉ると思うよ?またやらかすんじゃない?前科あんじゃん。

 

「とはいえシマカゼタービン、マジで出すのか。産駒も弟子もヤベー奴だけどシナリオどーすんのよ?」

 

キャラ紹介を見る限りウマ娘の中じゃ珍しいタイプ、一般校所属とかなんでやねん…洞星シナリオとか勘弁よ?

お試しボイスは…なんか妙に部長っぽいなおい。

 

 

 




あとがき
小ネタ何でこんなかんじ。死んだ奴のことは気にするな、どうせなんも覚えちゃいないし知りようがない。
この世界だと地方競馬も普通に強いのがいて運営も安定して正常化してる、海外でも暴れるから海外からも人と馬が来たりする。
それ以外は史実とほぼ同じ、実装済みウマ娘の戦績も多分変わらない。中央競馬所属馬は未実装の連中の戦績が少し変わる以外は史実のまんま。
でも魔改造された地方は中央より海外で暴れるので国際戦績だと地方のほうがやばいかもしれない。





おまけ・群馬競馬組ウマ娘勝負服試作案

ホクリクダイオー『タクティカルくノ一』
葦名の大梟カラーのFGOの加藤段蔵・第3段階衣装にコルセットリグ、マグポーチ類などの現代戦闘装具(偵察用)を付けた感じ。
武装は大太刀(梟のアクセサリー付き)とサブマシンガン。


ノルンファング『ライトウェイトマーセナリー』
下半身は迷彩ズボンにレッグホルスター、靴は半長靴、上半身は黒タンクトップ一枚、後ろ腰に多目的ポーチ、マグポーチ類も腰。見たまんま軽装PMC。
武装はスナイパーライフルとリボルバー。


ツバキプリンセス『近代化巴御前』
深緑色のやや肌の出る和装ドレス(深緑色のヤエノムテキ?)に稲妻の家紋入り胸当て、各部にマグポーチや発煙筒などの現代装備。
靴もタクティカルブーツ、太ももに隠しレッグポーチ、魅惑の絶対領域を装備。
武装は日本刀とアサルトライフル。


シマカゼタービン『私服のスポーツウェア』
そのまんま、勝負服でも何でもない。下半身が黒のズボン、上半身が白の長袖ジャージ型のスポーツウェア。
現段階では存在しないので汎用勝負服を着せてあげよう、たぶんそのうち実装される。武装は無し。



なおまだ試作であるため、本編では違うかもしれない。


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