いつも多くの感想と誤字報告、ありがとうございます。
今回はちょっと未来の時間軸から、ちょっと競馬から離れた騒動を始めようと思います。
え?いつも離れてるだろうって?ま、そうね、今更だね!
2021年某月某日、群馬県・芦名市・瀬名酒造社内・社長室。
とあるゲームを運営するプロデューサーの一人を務める彼は緊張でおかしくなりそうな思考を何とか修正しながら目の前で企画書を読む初老の男性を見つめていた。
長い年月をかけて刻まれた手や顔の皴、だが老いが見える風貌には不釣り合いなほどに気力に満ちた双眸をもつ瀬名酒造の長。
瀬名茂三が目を通す企画書は自分たちが誠意を込めて作った最高の代物だという自信がある、普通の会社になら自信を持ってお勧めしてセールストークを行えるだろう。
しかしやはり馬主という肩書を持つ人たちが持つ一種の雰囲気という物は、そのような軽い自信など一気にかき消してしまう重さがあるのだ。
その上相手は瀬名茂三、群馬地方競馬の隠れた重鎮にして世界トップクラスの怪物競争馬を何頭も輩出してきた瀬名酒造のトップ。
彼とはすでに面識があるとはいえ、
(やはりだめなんだろうか…)
無理もない、自分自身望み薄なのはわかっている。
自分たちが手掛けるこの『ゲーム』の趣旨はこれまで、彼らが協力したそれとは全く別のものだ。
日本競馬界は中央・地方問わず、2017年の散弾銃乱射事件のせいで大きな衝撃とダメージを受けた。
馬主と競馬関係者からファンを見る目は大きく変わったし、牧場や生産者の安全意識も大きく変化せざるを得なかった。
そしてそれ以上にファンという人間そのものに対する信用が失墜した。
それは自分たちのプロジェクトにも大きなダメージを与えた、自分たちには関係ない事でも。
『一人がやった、しかも何の計画性もなくやった、他の奴もやるときはやるだろうよ。想定外に備えなきゃならん』
かつて群馬県警察のトップをしていた男性が、警察官の重装備化に関する取材を受けた際のコメントだ。
事実、その後の議会演説の帰り道、その彼はシュプレヒコールの中でトマトを浴びて『ほら見ろ』とばかりに笑って宣言した。
『これが火炎瓶だったら死んでるな。見ろよ、やる馬鹿いるじゃねぇの?俺は死んでもいいが部下は死なせたくないね』
その宣言通り、群馬県警の警察官負傷件数は犯罪発生率の増減に関わらず常に低調なものになった。
重装備故の防御力で『受け止めてやり返す』ことによって正当防衛として公務執行もできるようになったからだ。
それの発端となった事件の当事者である瀬名茂三に、自分は場違いな仕事の話を持ち掛けているのだ。
あの事件で許可を得ていた多くの馬主から待ったが掛けられ、中には許可を取り消すと言い出す馬主も出てきた。
そんな彼ら彼女らに面と向かって誠意を込めて説得をして回り、やっとのことでリリースしたこのゲームだ。
その存続をも揺るがしかねない爆弾が瀬名酒造。2005年、2006年の日本競馬界を語るには外せない存在だ。
彼らからは不気味なほどに例の事件でのアクションはなかった、許可の取り消しに関する問い合わせも、キャラクター使用に関する是非も何もなかった。
まるで関係がないと言わんばかりに何も言ってこなかった、だから自分たちもどうしていいかわからず放置するしかなかった。
でもやはりだめなのだ、彼ら無しでは自分たちの作品は限界が見える。そしてそのためにはもう一度彼らと話をする必要がある。
「なるほど、キミたちがどうしたいのかは理解できたよ」
「はい」
言葉は不要だ。不安で仕方なくて、いらない口が回りそうなのを押さえてただ肯定を返す。それでいいのだ、やりたいことは全て企画書に書いてきた。
それを彼はちゃんと読んで理解してくれたのだ、そうであってほしい。もう自分と彼とは以前とは違う。
2015年のプロジェクト始動時、熱意のままにアプローチを掛けて意気投合できたあの時とは何もかも変わってしまったと言っていい。
あの時のままでいられたらどれだけよかっただろうか、二人でシマカゼタービンにラフ画を見せてあんぐりと呆れられて偶然いたハルカゼサカヅキがゲラゲラ笑いだしたあの時のままならばと。
「良いだろう、使っていいよ」
「…はい?」
「約束を違える気はないよ、前の時も良いと言ったじゃないか」
先ほどまでの厳めしい雰囲気は掻き消え、朗らかに微笑む茂三。そこにはかつて意気投合した時と同じ温かみがあった。
「実は結構やきもきしてたんだよ?あれ以来音沙汰なかったじゃないか…もううちは無視するんじゃないかと思っていたよ」
「…我々のゲームは他とは毛色が違いますから」
「確かに。レースゲーム、育成ゲーム、ホラーにアクション、いろいろあいつは引っ張りだこだったが…まさか女の子にされるとは思わなかったみたいだしなぁ」
ウマ娘プリティーダービー、新キャラクター草案と書かれた資料をテーブルの上に置く。
そこには紫を基調としたセーラー服を着たウマ耳と尻尾を持った美少女たちのアニメ絵が載っており、名前と詳細設定のあるページがその下に記載されていた。
その中には青髪でオッドアイの少女も居て、彼女の下にはシマカゼタービンと名前が紹介されていた。
「それに、あんなことになりました。私どもは―――」
「それは関係がないことだ。あれをやったのはあのバカで、キミたちには一切関係がない。それともなんか協力でもしてたかい?」
「そんなわけありませんよ、あれは寝耳に水でした」
「なら関係ないじゃないか。私は何でもかんでも同一視するような輩ではないよ。
そもそもうちが扱ってるのは酒だよ君ぃ?ああいう手合いなんてそれこそ創業当時からの付き合いさ」
なんでこう、この人はこういう一番言ってほしいことを軽々と当然のように言ってくるのだろうか。
犯罪者がアニメを見ていればそれが原因と罵られ、ゲームをしていたと言えば蔑まれる。
理解のない人間から心ない罵声を受けたことは一度や二度ではない。
「それにこちらこそすまないね、迷惑を掛けちまっただろ?」
「いえ、あれは茂三さんたちが悪いわけではないですし…関係ないですよ」
「ふふふ、ならお互い様だ…でもなぜ今なんだい?」
「それは…少し前、栗東トレセンがあるデータを公開したのはご存じですか?」
「あぁ、あの時のか。もう10年以上も前のバトルのヤツな、まったく懐かしいもん見たぜ」
「あれです、あれを見て、堪えきれなくなりました。やはりこのゲームにはこの世代が必要です、シマカゼタービンが居なければ成り立たないと、そう思いました」
栗東トレセンが2021年の末に一般公開に踏み切った極秘資料は、文字通り世界の競馬・生産者、そしてモータースポーツを揺さぶった。
『シマカゼタービン・2005年』と題された記録映像には、2005年の芦名峠で行われた非公式な競走馬調教と峠レースが納められておりそのメニューは明らかに狂っていた。
その「競走馬」こそがシマカゼタービンだった。
2005年代の整備が満足にされていない山の峠道で行われる往復坂路調教、走り屋譲りの攻め込みとフットワークを見せるシマカゼタービンの姿は恐ろしく完成されていた。
そして同じコースで行われた併走調教では相手がスポーツカーであった。往年の名車であるAE86GT―APEX、そして主戦騎手の愛車らしいAE101GT―Zと行われた併走調教は圧巻に尽きた。
騒音や喧騒を嫌う競走馬が、まるで当たり前のようにスポーツカーに追従し、その動きを真似て峠道を爆走し続けるのだ。
馬でありながらドリフトを巧みに行い、コーナーでは内側の壁に本当にスレスレになるまで寄せて超高速で曲がり、直線では思い切り加速して速度を稼ぐ。
そして映像資料の中には一つだけ実戦映像が含まれていた。日本競馬界では伝説の一人となった大竹騎手が自ら記録した峠レースだ。
スカイラインGT―R33対シマカゼタービン、普通に考えれば負け戦だ。どうやったってシマカゼタービンには勝ち目がない。
さらに言えばこの時、シマカゼタービンの鞍上には誰もいない。無人の放馬状態であったのだ。
大竹騎手がシマカゼタービンの馬主である茂三の操るAE86の助手席から余すことなく撮影したそのレースは、まるで別世界のような光景であった。
その速度とテクニックは明らかに競走馬のそれではなかった、その姿は明らかに馬としては異常であった。
明らかに競走馬としての限界を超えた速度で降り道を駆け下り、まるで走り屋が馬に乗り移ったかのような攻めこみでR33に追従するシマカゼタービンの姿が映し出されていた。
彼はレースを理解し、コースを理解し、勝敗を理解し、峠レースを理解して走っていた。彼は一頭でレースができるのだ。
しかもそれだけではない、彼はそのレースに見事な勝利を飾った。競走馬としてではなく、走り屋としての勝利を見事に勝ちとっていた。
「彼が居なければ今の日本競馬は成り立っていません、中央と地方の実力差は今尚隔絶していて今のように互いにライバル視しつつ切磋琢磨できるような間柄には到底なれなかったでしょうね」
「なるほど、確かにそれなら君たちのプロジェクトには欠かせないか。
なら…一つお願いがある、できればあいつには自由にさせてやってくれ。やりたかったことをやらせてやってほしいんだ」
「と、言いますと?」
「あいつにできなかったことを存分にやらせてほしい」
茂三は少し愁いを帯びた表情で息を吐く。
「走り屋も、酒造りも、やらせてやってくれ。銃も撃ちたがってた、サバイバルゲームとやらにも興味津々だった、何とかできないか?」
「ちょちょ、ちょっと待ってください。落ち着いて!」
「あぁ、悪い…あいつがあんなふうになったのは俺のせいだ、俺がバカな夢を見ちまったからああなった」
「それは…」
違うと言いかけて口を噤む。否定するのは簡単だ、しかしただ否定するのは茂三に失礼なだけだ。
否定するなら否定するだけの理由がなければならない、そしてその理由を彼は持ち合わせていなかった。
「俺はツインターボが好きだった、だから一度でもいいからあいつにはあそこで走ってほしかったんだ。
別に勝てなくたっていい、どんな結果になろうが構わない、ただ走らせてもらえれば、あとはただ無事に帰ってきてくれるだけで…」
競走馬と騎手にとってそれは蔑みにも聞こえるだろう、しかし彼とシマカゼの間ではそうではなかった。
彼の気持ちは本心だった、シマカゼタービンにあのレースを走ってもらえるだけでよかった。
それだけで本当に満足だったのだろう、だがあんな結末はだれも望んでなんかいなかった。
「隠してるつもりなんだろうが…気づかねぇはずないだろうがよ。あいつ、後輩が峠を走ったり酒の仕込みをしてるところを見るとたまに羨ましそうにしてるんだ。
走りたい、走りたいって思ってるのが見え見えなんだよ。それがずっと目に焼き付いてんだよ。
痛かっただろうに、苦しかっただろうに…あのせいであいつは走り屋も酒造りも引退しなくちゃならなくなったんだ。
俺も走り屋だ、酒造りも好きだ、もし歳でだんだんできなくなるなら納得できたかも知んねぇさ。
でもそれがある日突然奪われたとなりゃ…それがどれだけ辛いか、想像もできん」
「だから、ですか?」
「あぁ、俺の我儘だ。聞き流してくれても構わねぇ、でもできればあいつには自由にやらせてやってくれ、好きなこともやりたがってたこともうんとやらせてやってくれ」
「解りました、できる限りのことはします」
全てできるかはわからない、しかしこういうしかなかった。それが条件というならやってやろうじゃないか。
むしろすっきりとする、そういう条件付きで使わせてくれるというのなら正々堂々好きなことやらせてやろうじゃないか。
「悪い、湿っぽい話しちまったな…そうだ、お礼に一つ、いいネタを教えてやろう。あ、もちろん許可は取ってるから大丈夫だよ」
「ネタ?」
これはうれしい、シナリオ担当者にインスピレーションが与えられる話ならば大歓迎だ。
それも群馬地方競馬の許可もとっているのならちょっとした機密なのだろう。
「君は学校にテロリストがやって来る的な妄想をしたことあるかい?」
「あー…まぁ学生の頃に少し」
「あれできるよ、たぶん」
「はい?」
「だからできるよ、学校にテロリスト。これはゴドルフィンの殿下が群馬トレセンに見学に来た時の話なんだがね…」
◆◆◆◆◆◆
自画自賛は好きではないが、自分たちはフリーの暗殺者としてはトップクラスだ。自分たちはそうは思ってないし、上には上がいることは自覚していたが、傍から見れば十分トップ層だ。
故に仕事には困ったことがない、顔見知りの同業はいくらでもいるし、いざとなれば手を借りるくらいには親しい連中もいる。もちろん仕事ではお互い様だが。
武器装備のツテもたっぷりとあるからどんな時でも金さえあれば完璧だ、もちろん仕事のための輸送だって顔が利く。
元KGB、元グリーンベレー、元GIGN、果てはSWATやらFBIやらの警察や軍人崩れの連中とも張り合った。
仕事の最中に腕の立つボディガード達のみならず、各国軍の特殊部隊とかち合い、付け狙われたことだって1度や2度ではない。
(だからあり得ない、あり得ないはずなんだ!!なぜだ!!)
そんな自分たち4人組は日本というアジアの片隅で絶体絶命の危機にあった。こんなことは予想していなかった。
周囲を野原に囲まれた道路の片隅で横転した逃走用のミニバンの助手席から転げ落ちるように降りた自分、血だらけの変装厩務員姿は情けないありさまだった。
それでも何とか持っていた銃を見やって歯噛みする、撃つ前に壊れてしまっていた。
何とか国内で調達した数少ないサブマシンガンであるステアーTMPは事故のせいで弾倉が折れて壊れていた。
マガジンキャッチを押すと壊れた弾倉がするりと取れたので交換すれば撃てるかもしれないがギャンブルだ、何よりそんな暇などない。
「フリーズ!」
自分よりも前に何とか這い出た仲間の二人を見やるがすでに決着がついていた。
一人は腹を押さえてうずくまるようにして倒れ、もう一人はあおむけになって完全に気を失っている。
二人を倒した日本の制服警官は忌々しい栗毛の馬に慣れた様子で騎乗し、槍のように物干し竿を携えて睥睨した。
彼らが持っていたマカロフPMとトカレフTT―33はすでに弾倉と初弾を抜かれて警官のズボンに挟まれている。
マカロフが妙にてかてかしているように見えて気分が悪くなった、トカレフは警官がやってマカロフをやったのはあいつなのだろう。
運転席で完全に気を失って伸びている長年の相棒が目覚める気配はない、むしろ出血がひどくなっている、病院に行かなければ死は免れないだろう。
「フリーズ!りりーず!ユーウェポン!!」
簡単な仕事ではない自覚はあった、だが少なくとも目的を達成できずに失敗することはないと思っていた。
日本という国は平和ボケした国だ、それは事実ではあるがだから仕事がしやすいという意味ではない。
まず入国・出国に関する危険性がほかの国とは違う、仕事道具の密輸に始まり密入出国の難易度が桁違いである。
自分たちのようなフリーの暗殺者チームにはそこでとん挫する例が後を絶たない。
国内ではギャップに苦しむ、まだ日本での仕事を経験したことがない若手は中に入ってしまえば楽だと思われているようだがそれも違う。
例を挙げれば普通の警察官だ、確かにこの国は警官さえも一般層は平和ボケしている。
故に普通の警察は簡単に違和感を感じ取って来る、そして平和ボケしているゆえに何の気なしに声を掛けてくる、裏の人間からしてみれば無防備かつ不意に来る。
自分たちはもともと裏の人間で戦うことが仕事だ、それゆえに居るだけで鉄火場を連想させる連中は目立ってしまうのだ。
ヤツラからしてみれば不良っぽい外人が居るから一応声かけてきた程度なのだが、行く先々でいちいち声を掛けられたらたまらないだろう。
しかもこの国では武器の類を正式に持っている風に見せるのには大変骨が折れる、拳銃なんて忍ばせていればすぐに御用であろう。
それでも自分たちならやれるはずだった、中に入ってしまえば外遊中のゴドルフィンのトップ暗殺は十分できる仕事のはずだった。
「フリーズ!!」
のしのしと歩いてくる蹄の足音と片言ですらないジャパニーズイングリッシュの鋭い掛け声に体がこわばる。
「ドントムーヴ!!マイネームイズマサタカオニワ!!アイアムポリスマン!!」
いつでも首をはねられるとばかりに寸止めされた馬の香りがする金属製の物干し竿、それを向けてくるPP―19ビゾンサブマシンガンをスリングで首に掛けた栗毛の馬に跨った青い制服を着たやや歳の警官。
この警官と馬に自分たちはあっという間に負けた、この馬に仕事を邪魔されてこの有様だ。
一人と一頭から向けられる鋭い視線は余すことなく自分を警戒し、周囲でうずくまる二人と運転席で気絶した相棒にも注がれている。
忌々しいことに馬に至ってはステアーTMPにまだ初弾が装填されているのを理解している節がある。
こいつらにやられたのだ、自分たちはこいつらのせいで失敗した。遠くからサイレンの音と蹄の音が聞こえ、一人と一頭の意識が僅かにブレる。
(逃げ道はない…ね。ごめん、みんな)
物干し竿を跳ね除け、驚く馬の顔にステアーTMPを投げつけて気を逸らす。
仕事人としてやるべきことをするまでだ、こうなる覚悟は常にあった、みんなあった、ただやる機会がなかっただけだ。
腰のシークレットホルスターからスミス&ウェッソンM40を抜き、気絶した相棒の頭を狙う。長年連れ添った夫の顔だ。
最初の一発が撃てれば後は楽だ、あとは仲間も同じようにして自分を撃つ。そんな未来を、顎を下から殴られて上を向きながら綺麗に空を舞うM40を見上げながら幻想した。
あとがき
ここから最終章的な始まり、まぁ大舞台は残すところ3回くらいだしね。
そろそろ風呂敷畳んでいこうと思ってます事よ!
次回『殿下、群馬に立つ』なお金魚のフンは当然ついてくる模様。
おまけ
『隠しシナリオ・HORSE SURVIVAR』
ホラーアクションゲーム『バイオハザード・アウトブレイクReFile(無印・ファイル2リメイク)』に収録されている隠しシナリオ。
作品本編の裏シナリオとして、ラクーンシティ事件に巻き込まれた競走馬『タービン』『インパクト』とその関係アニマル、関係者たちの珍道中と脱出を描く。
操作キャラクターは初期では『タービン』『インパクト』の両馬のみだが、一度シナリオクリアすることでシナリオ内に登場するアニマルキャラと関係者を選択可能になる。
シナリオと目的は本編とおおよそ変わらないが、操作キャラクターの大半が動物であるため各種行動や移動経路に大きな制限と変化が加えられている。
しかし基本的にどのアニマルたちも極めて賢いため、限定的ながら武器を用いた戦闘、文字の読み取り、収納具を用いたアイテムの取得などは可能。
また当シナリオAランククリアにより、本編シナリオでの選択が可能になり、操作キャラもしくはAIキャラに使用可能となる。
シナリオ開放条件は本編シナリオ『咆哮』にて、NPCとして登場する競走馬『タービン』『インパクト』と遭遇して彼らの持つサブミッションの一つを完遂したうえで当シナリオをクリアすること。
簡単な内容に思えるが、このNPCは難易度ベリーハードでプレイしかつ一定のタイミングでしかMAP内に配置されないため事前情報なしでは遭遇するどころか認識する事すら困難である。
知らなければただの配置物に見えない上に普通に調べるだけでは反応はなく、アドリブ発言による反応でチェックが入る仕様。
また登場条件であるベリーハードという難易度そのものがプレイヤーから探索の余裕を奪う高難度のため、発売当初は全くこの隠しシナリオの存在に気付くものは現れなかった。
なお彼らはシナリオの高難易度を緩和するお助けキャラでもあり、最初のサブミッション『逸れたインパクトの騎手を見つける』を完了することにより随所で出現して支援してくれるようになる。
中ボス戦の時にギミック操作エリアに現れるカットシーンが入り、当然のように舞台装置や兵器を操る馬の姿は必見である。
おまけ2
隠しシナリオでありながらシナリオ自体は前後編に分かれており、シナリオ二つ分の長さとなる長編となっている。(日本中央競馬協会、日本地方競馬協会の狂気)
前編はファイル2『咆哮』の裏、『タービン』『インパクト』達がなぜ本編に介入してきたかを描く。
生存者、生存アニマルたちの救出のために奮闘する2頭と関係者たちの姿と、偶然救助された生存者たちとの温度差には面白いものがある。
後編は無印『決意』の改変シナリオ、前編で動物園から避難した彼らが移動中に大学へ向かうジョージ・ハミルトン一行(本編キャラ、当シナリオのキーキャラ。同行NPCは本編キャラと通常NPCキャラから一名ずつランダム)を拾ったことで物語が狂いだす。
一時避難の目的でジョージに同行したアニマルたちと生存者たちであったが、大学内の捜索中に今回の事件の黒幕と原因を知ってしまうというのがストーリーである。
街を脱出するために自分を蝕むウィルスを除去するワクチン生成を目指し右往左往するのだが、その過程でとある陰険眼鏡が面白いように困惑して翻弄される姿は必見。
またシナリオ中、前作同様に海パン筋肉野郎に襲われるのだが本作の操作キャラは基本的にUMAである。
馬の尻を執拗に追っかけてきては顎を蹴飛ばされて一撃で撃退される姿は、前作の威厳はまったくない。
尚クリア後に他アニマルを使うと威厳を取り戻すが、可愛いもの好き筋肉変態のイメージが定着してギャグキャラ化している
残念ながらカプコンヘリはお休みで大学に派遣されたUBCSの軍用トラックと装甲車を修理して脱出、本作の高速道路ENDの同じである。
当シナリオをクリアすると本編と同じくエンディング、郊外のサービスエリアで朝日を拝む生存者と生存アニマルたちの物憂げな瞳と独白で締められる。