▪️NTRが蔓延る世の中にボーボボが立ち上がる!
 行け! 僕らのボーボボ!
 頼りになる仲間を引き連れてボーボボたちが助けに来た!

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※ボーボボを読んでいないと本作品を理解できない可能性があります。
 もっともボーボボを読んだからってボーボボを理解できる可能性はほぼないです。


ボーボボ vs 間男ども

  

 

 とある高校の教室、机に突っ伏してイスに腰掛けている一人の男子生徒がいる。横向きに机の上に置かれている顔のその表情は暗い。全てを諦め、未来に希望を見いだせない。そう感じさせる死んだ魚の目をしていた。

 

 

 それも彼の事情を知れば致し方ないといえようか……

 

 

 タイムループ

 

 

 彼は何度も何度も同じ時間を繰り返しているのだ。

 

 

 それも質の悪い「NTR」ものである。

 

 

 彼には幼馴染みの恋人がいるのだが、最終的には転入してきたチャラ男に恋人を寝取られ、その情事をむざむざ見せつけられ、その直後に過去へと戻った。

 

 

 そんなことを何度も繰り返していた。

 

 

 無論、彼だって屈辱的なバッドエンドを変えるための行動をした。

 

 

 しかし

 

 

 何度、試みても結末はほとんど変わらなかった。

 

 

 茶髪のチャラ男に、担任の体育教師に、ハゲ頭の校長に、街に徘徊しているナンパ男どもに……

 

 

 幼馴染みだけではなく、姉が、妹が、母が、ロリババアな白髪祖母が、男の娘な弟が、水をかぶると女になる兄が、見た目ドSなオールバック黒縁眼鏡父が、家で飼っている美少女顔の人面犬が、次々とNTR野郎どもの毒牙にかかってしまうのである。

 

 

 そして彼は心が折れてしまった。

 

 

 もはや彼には抵抗する気力はない。

 

 

 自殺しても脱け出せない無限ループから、いつか脱け出せることをただ願っていた。

 

 

 教室の扉が開く。彼はそれを茫然と見ていた。

 

 

 ああ、また地獄が始まるんだな……と。

 

 

 

 

「お前たちの担任は来る途中、アフロの男に背後から頭を殴られたうえに数人の男にボコボコにされたから代わりに俺が出ることになった」

 

 

 扉をくぐって現れたのはアフロ頭の身長の高い男であり、その男に荷物のように肩に担がれているのはボロボロ姿の担任の体育教師だった。

 

 

「「 いや、やったのお前だろ!? 」」

 

 

 クラスのツッコミにどこ吹く風と言わんばかりに無視して件のアフロ男は担任の体育教師を「重い!」と床に叩きつけて落とすと何事もなかったかのように教壇に立つ。

 

 

「俺の名はボボボーボ・ボーボボ。趣味で毛狩り隊を退治しているものだ」

 

 

 そう自己紹介する男にクラス一同は唖然とした表情で眺めていた。困惑するクラスをよそに扉がまた開かれる。そこに現れたのは水色のゼリー状とおぼしき身体を持った人型の存在。体をぷるぷると震わせながらボーボボの横に立つ。

 

 

「副担任の天の助だ。短い間だがよろしくな」

 

 

 爽やかに挨拶するどう見ても人間じゃない存在にクラスのあちこちからなんとも気の抜けた「はあ…」という返事が返ってくる。

 

 

「それから転入生を紹介するぞー、喜べ男ども。二人とも女の子だ」

 

 

 そう言われて色めき立つ男子生徒、対して女子生徒は大人しく男子生徒を冷めた表情で見たり、件の転入生について思案したりしていた。そしてクラスの大多数は見た目はあれだが、多少マトモな部分もあるんだなあ、と少し安心した。

 

 やがてボーボボに促されて転入生が教室に入ってきた。

 

 入ってきた転入生を見てクラス一同は「え?」という表情になった。

 

 現れたのはどう見ても日本人には見えない制服姿の金髪の小さな女の子。へたすれば小学生だろうか? そんな女の子が現れたのである。おまけに背中には鳥の羽根のような──枯れ木に宝石がぶら下がっている──そんなものがついていた。

 

 

「転入生の吸血鬼のフランドール・スカーレットだ」

 

 

 ボーボボからそう紹介されたフランドール。彼女はクラスメートを前に笑顔を見せるとクラスに向けて可愛らしい声で話しかける。

 

 

「明日、転校します」

 

「「 何しに来たの!? 」」

 

 

 そう言うとボーボボに促されて空いている机にルンルンと歩き、すとんと席につく。宙ぶらりんになった両足と背中の羽をパタパタとばたつかして愉しげに待っている。

 

 そしてボーボボが頃合いを見計らって次の転入生を教室に入れる。

 

 はたして入ってきたのは

 

 一言で言うと珍獣だった。

 

 顔のついたデフォルメされた太陽、あるいはオレンジ色のコンペイトウに手足が生えた謎の生き物……とでも表現すべき物体がやって来たのだ。そんな生物をボーボボは紹介する。

 

 

「妖精の首領(ドン)パッチだ。こいつとは仲良くしなくていい。むしろ、するな。したら命はないと思え」

 

「なんでだよ!? ふざけんな!!」

 

 

 正体不明の生き物といえどそう言われれば腹が立つのだろう、ボーボボに対してそう噛みつくが……

 

 

「気安く俺に話し掛けるんじゃねえ!! うらあ!!」

 

 

 ボーボボはそう言いつつ、突っ掛かってきた首領パッチの腹に蹴りを叩き込んで蹴り飛ばす。

 

 一方でこの光景を一部始終見ていたNTR主人公は終始、困惑していたが、いつものと違う展開になにやら希望を見出だしたのか、死んだ魚の目をしていた瞳に僅かに光が灯る。

 

 

「よし早速、学級裁判を始めようか。ちなみに被告人はそこの茶髪のチャラ男だ」

 

 

 件のチャラ男が困惑した表情で「え?」と言っているうちに教室は一転して裁判所のような場所へと変化。裁判官の席には当然のようにボーボボが座っている。

 

 

「髪を茶髪に染めているので 死刑 です」

 

髪を染めただけで!?

 

 

 当然そんな一方的な判決に納得するわけがなく、茶髪チャラ男は「意義あり!」とボーボボを指差して反論を開始、ボーボボの理不尽な裁判に対して法を用いて弾丸のように、時には相手をなじるような口調で論破していく。

 

 

「落ち着けボーボボ。相手はお前を怒らせて暴力を振るわせようとしている」

 

「わかっている天の助」

 

 

 ニヤニヤ嗤いながら論破する茶髪チャラ男に額に筋を立てるボーボボ。そんなボーボボを落ち着かせるために傍らに座っている天の助が助言を言い、落ち着きを取り戻したボーボボを見て一先ず安心する。

 

 

この腐ったミカンが!!

 

 

 怒り心頭のボーボボがどっから持ってきたのか、両手で机の足を持つと、テーブル部分を茶髪チャラ男の脳天に叩きつけた。

 

 その衝撃は凄まじく、茶髪チャラ男の頭部がテーブルを貫通させた。

 

 憐れ茶髪チャラ男、頭部の頭頂部から出血、頭が血塗れになる。

 

 茶髪チャラも突然の事態に頭が追い付いていないのか「え? え?」と目をぱちくりさせる。

 

 

「いったい何をやっているのだボーボボ君!?」

 

 

 騒ぎを聞き付けてやって来たのか、校長が扉を思いっきり開いて入ってきた。

 

 しかしボーボボ、喚く校長の胴を掴み

 

 

この腐ったミカンが!!

 

 

 茶髪チャラ男の脳天に逆さにした校長の頭部をぶつけた。

 

 鈍い痛そうな音を鳴らして校長と茶髪チャラ男は失神、茶髪チャラ男が床に倒れのを見届けるとボーボボは気絶した校長を床に放り捨て、一言呟いた。

 

 

論破、完了

 

 

「「 論破してねえ!! 」」

 

 

 なぜか自信満々に呟くボーボボにクラス一同、声が揃う。

 

 

「ふざけんな、勝手に終わらすんじゃねえよ……」

 

 

 ボーボボに対して言うのは茶髪チャラ男。産まれたての小鹿のように両足を震わせながらも立ち上がってみせる。

 

 

“ N T R 空 間 ”

 

 

 茶髪チャラ男を起点に突風が吹き荒れ、同時に風景が一変する。何の変哲もない、ありきたりな教室が何もない荒野へと変貌、先ほどまで明るい朝だったのに今は満月が漂う夜と化していた。

 

 この突然の変化にクラスメートだけでなくボーボボたちも驚いていた。その様子が面白いのか茶髪チャラ男は得意気に答える。

 

 

「このNTR空間は俺たちNTR野郎に都合のいい展開にしてくれる! 主人公たちがヒロインたちを間男にNTRるのを気づかないのもこのためなのさ!」

 

「「 な、なんだって~~~!? 」」

 

 

 本当かさておき、ボーボボたちは茶髪チャラ男の発言に驚く。

 

 

 

 

 禁忌「カゴメカゴメ」

 

 

 

 

 闇夜に、少女の声とともに無数の光球が茶髪チャラ男の周囲に出現、次いで囲むように集まり、そのまま四角い檻を象る。

 

 

「それじゃあ、この状態からでも都合のいい展開になるの?」

 

 

 制服姿からいつの間にか赤を基調とした服装に着替えたフランドール。右手には柄の部分がぐにゃぐにゃした時計の針のような奇妙な形の槍を携えている。

 

 

 無邪気に笑う彼女に茶髪チャラ男はポケットに手を突っ込ませてニヤニヤと人を小バカでもするかのように答える。

 

 

「やってみれば分かるさ」

 

 

 返事が返ってくると同時に光球が狭まり、同時に密度が高まり、それに伴って発する光が徐々に強くなっていき、最後には強い閃光を放った。

 

 光が収まるとそこには無傷の茶髪チャラ男が立っており、それどころか気絶していたはずの体育教師と校長までもいる。

 

 そんな無傷の茶髪チャラ男を見てフランドールは「すごーい」と感嘆した声を漏らし柏手を打ち、首領パッチは不敵な笑みを浮かべて、天の助は油断なく彼らを見据え、ボーボボは……

 

 

「上等だ! 人の恋路を邪魔するような奴は馬に代わって俺たちが地獄まで蹴飛ばしてやる!」

 

 

 NTRどもに威勢よく啖呵を切った。

 

 

 

 

日大タックル!!

 

 

 いつの間にかにボーボボたちの背後に回り込んでいた体育教師。危険な名称を口にしつつ、首領パッチと天の助の腰にタックルをぶつかまし、そのまま腰に腕を回して地面に縫い付けるように押さえ込む。

 

 

「NTR名物『催眠』を味わせてやる! 覚悟しろ!」

 

 

 そこへ茶髪チャラ男が駆け込み、一気に距離を詰める。走る傍ら懐を探って何かを取り出そうとする。

 

 

「「 覚悟しろボーボボ!

 日頃の恨みを晴らしてやる! 」」

 

 

 しかし、茶髪チャラ男が到着するよりも早く、そんなことを宣いながら二人は押さえ込んでいた体育教師を後ろにはね除けて起き上がり、さらにボーボボに向かって襲いかかる。

 

 

「ちょっと待て! 俺はまだ催眠をかけていないぞ!?」

 

 

 茶髪チャラ男がそう声をかけるも、走り出した二人が止まる素振りは見せない。勢いを一切殺すことなく、天の助はチェーンソーを、首領パッチはトゲつき鉄球を手にボーボボへと飛び掛かる。

 

 

「くそっ! いくら催眠にかかっているとはいえ──」

 

「だから俺はかけてねえって!」

 

 

 心底、悔しそうな表情を見せつつ懐から一丁の小銃を取り出すボーボボ。

 

 

「くそっ!」

 

 

 パンパンパンと小刻みのいい発砲音が連続で鳴り、首領パッチの顔面に無数の銃痕がつく。銃痕が出来上がるたびに首領パッチは短い言葉を発しながら痙攣を起こす。

 

 

「仲間を攻撃するなんて!」

 

 

 続いて天の助に向けて腰だめに構えたアサルトライフルで迎え撃つ。ダダダダダと連続した破裂音が響き渡り、天の助の体にたくさんの小さな穴が穿たれていく。

 

 

「俺にはできない!!」

 

 

 二人に駆け寄り、すれ違いざまに伸ばした2本の鼻毛をムチのようにしならせてX字に打ち付ける。二人は宙にて短い悲鳴を上げて血を吐いた。

 

 

「何の躊躇いもなく攻撃しているんですけど!?」

 

 

 鼻毛を伸ばしたまま、腕を左右に伸ばし、片足立ち状態のボーボボに主人公は思わずツッコミ。

 

 

「くそっ! 毛狩り隊どもめ!」

 

「……ひどい」

 

 

 ボーボボはNTRどもから視線を外さず、拳を強く握りしめながらそんなことを言い、傍らにいたフランドールもまたNTRどもに対して蔑ずんだ目を向ける。

 

 

「俺はなんもしてねえ!!」

 

 

 必死になって否定する茶髪チャラ男。その後方から砂塵を巻き上げながら爆走する車が現れる。運転席を見れば校長がハンドルを握っており彼が操縦しているのがわかる。

 

 

「酒気帯び運転“プ利ウス・アタック”!」

  

 

 ボーボボたち目掛けて突っ込んでいく。フランドールは背中の羽をばたつかせて上空に飛び上がり、ボーボボもまた避けるため動こうとするが……

 

 

「おっと、そうはいかねえぜ~」

「アサルトライフルぶちかまされた恨みじゃあ~」

 

 

 首領パッチと天の助がボーボボの足にしがみつき文字通り足を引っ張る。ボーボボが振りほどこうとするも、それよりも早くボーボボたち3人が校長が操縦する車と3人まとめて正面衝突。後方に思いっきり吹っ飛ぶ。

 

 

「「ぐわあああああああああ!!!!」」

 

 

 3人が吹っ飛んだ先には1件のコンビニ。そのままの勢いで店のガラスに突っ込んで砕いて3人は店内へと転がり込む。

 

 

「なんだこの制服は? いったい、いつの間に?」

 

 

 店内に転がり込んだボーボボが立ち上がって周りを見渡すと自分たちがいつの間にかに制服姿になったのに気付く。

 

 

「ふははは、何を呆けいる? これから大量のクレーマーが来て、お前たちに精神的苦痛を与えてくるんだぞ?」

 

「上等だ! 数々のバイトをこなしてきた俺の客さばきを見せてやるぜ!!」

 

 

 コンビニの店内にはボーボボたちだけではなく体育教師が待ち構えていた。そして体育教師の言葉通りに店の中へと大量の人が流れ込んできて、そのうちの一人がボーボボに突っ掛かってきた。

 

 

「アイスクリームをちょっとの間、テーブルに放置していたら溶けたわよ!? どうしてくれんの!?」

 

知るか!! ボケぇ!!

 

 

 口元にチョコがついた中年のおばさんの顔面をボーボボは問答無用で殴って殴り飛ばす。

 

 

「てめえ、客を殴るってどういう神経してんだ!?」

 

 

 今度は女性を殴り飛ばすとこを見ていた若い男性がボーボボに詰め寄る。

 

 しかし、その男性は横から飛んできた首領パッチに「うらあ!」と蹴り飛ばされ……さらに首領パッチは倒れた男性の胸ぐらを掴んで無理矢理、上半身を起こすと──

 

 

「テメエが蹴飛ばした米ほどの大きさの小石が顔面に当たってものスゲエ痛かったんだぞ!? どう落とし前をつけてくれるんだ!? ああ!?」

 

「ひい!? 何このチンピラ!?」

 

 

 逆に難癖をつけて絡んできた。

 その後も……

 

 

「冷凍食品のコーナーに巨大なところてんが!?」

「買ってかないかい? 今なら安くしとくよ?」

 

「店員の女の子がお店の雑誌を見ながらプリン食べてるんですけど!?」

「あはははは♪ 今週のロボ子、おもしろーい♪」

 

 

こいつら店員として最悪だ!!!!

 

 

 主人公が叫ぶのをよそに、ボーボボたちは寄せてくるクレーマーたちを各々、対処していき、やがて……

 

 

 経営不振により

 コンビニ、解体!!!!

 

 

 ボーボボ、首領パッチ、天の助、フランドール。横一列に並ぶ彼らの目の前には空爆にでも遭ったかのような建物の残骸、コンビニの跡地がある。彼らはそのコンビニの跡地を見てボーボボを先頭に順に口を開いていく。

 

 

「最善は尽くした」

「ああ、俺たちに非はない」

「強いて言えば買い物客に問題があったな」

「お金を得るって大変なんだね」

 

 

 至極真面目な表情でいけしゃあしゃあとそう言い放った。

 

 

「いや、どう見てもお前らが原因だろうが!?」

 

 

 ボーボボたちの頭上から体育教師が落下、腰を屈んだ格好で首領パッチと天の助の背中に着地し、そのまま二人を下敷きにして踏み潰す。

 

 さらに二人を踏み潰した後、フランドールに向かって飛び掛かり──

 

 

「喰らえ! 数々のヒロインをNTRって主人公たちを絶望の淵に追いやった俺様の腕力をぉぉぉぉぉ~~~!!!!」

 

 

 半開きにした両手を前方に、フランドールを捕らえようと襲いかかる。

 

 

 だが

 

 

「すいません! 参りましたぁぁぁ───!!!!」

 

 

 勇んでフランドールに挑みかかった体育教師だったが逆に手首を掴まれ、そのまま片腕を体の後ろに捻られ、音を上げてしまう。

 

 目を瞑って「えい!えい!」と力を込めるフランドール。そのたびに体育教師は苦悶の表情を作って「ぐえっ!?」とカエルに似た声を漏らす。

 

 そんな状況を見たボーボボは怒り心頭に発して体育教師に向かって吼える。

 

 

「キサマ、よくも大事な仲間であるフランドールを人質に取ったな!? このロリコンめ!!」

 

「お前の目は節穴か!?」

 

 

 ボーボボの筋違いのセリフに非難する体育教師だが返答は返ってこず。

 

 

「その状態ならキサマらに対して都合のいい、ご都合主義は起きまい!」

 

 

 言って鼻毛を伸ばし、体育教師の体に腕ごと何重にも巻き付けさせると、そのまま上空へと持ち上げていく。拘束された体育教師が慌てふためいて両足をばたつかせるも鼻毛が弛む気配はない。その後──

 

 

「職業と! 歳を考えろ! このロリコンが!!」

 

 

 侮蔑の言葉を吐くと同時に体育教師の脳天を下にして地面に勢いよく叩きつけた。

 

 

「ぐはぁっ!?」

 

 

 地面に叩きつけられた体育教師は血を吐き、白目を剥いて気絶、拘束を解かれて地面に仰向けに倒れた後もピクピクと痙攣するだけで一向に立ち上がる気配はなかった。

 

 

「これで残りは一人か……」

 

「俺はまだ、やられてねえ!」

 

 

 呟くボーボボに苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる校長。校長の後ろで喚く茶髪チャラ男がいるが、誰も関わろうとしない。

 

 そんな彼らの間に一台のワゴン車が突然やって来て彼らの目の前で急停止する。

 

 

「待たせたな」

 

 

 運転席の窓から顔を覗かせていた男がそう言うと、後部座席のドアが横にスライドして開き、ドアの奥からぞくぞくと人が降りてくる。

 

 やがて最後の一人が降りる。

 

 そこには一台のワゴン車には到底、納まらない人だかりが出来上がっていた。

 

 

「「 NTR48!!!! 」」

 

 

 声を揃えて名乗る彼ら。代表格なのか、校長が意地の悪そうな笑みを作ってボーボボたちに声をかける。 

 

 

「よくよく考えるがいい。わしらみたいな連中が少人数で動いていると思うか? 後ろ楯している連中が沢山いるんじゃよ? ぐへへへへへ」

 

 

 下卑た卑しい笑みをボーボボたちに向ける校長に回りにいる連中──NTR48のメンバーもつられて嗤う。

 

 さらに、人数においては自分たちのが多くなったことで優位になったと思ったらしく、言わなくてもいいのに何故か自分たちのこれまでに行なった数々の悪行を自慢気に話す始末。中には人の倫理に反するような──人身売買、臓器の抜き取り……等──ものまであった。

 

 

「この外道が!! お前らに語る言葉は最早もうない! 

 いくぞ首領パッチ! 天の助!

  聖鼻毛融合(ボーボボ・フュージョン)だ!!

 

 

 ボーボボがそう言うや否、鼻毛を伸ばし、左右に立っていた首領パッチと天の助の胴体に巻き付かせて持ち上げると、己の頭部へと二人を運ぶ。

 

 二人は慣れているのか、特に抵抗することなくボーボボが操る鼻毛に身を委ねている。

 

 間もなくしてボーボボのアフロが上下二つ分かれて開き、その中へと二人を持っていく。そこに待ち構えていたのは……

 

 

「なんじゃこりゃあ!?」

「ちょっと待て! こんなものなかったはずだろ!?」

 

 

 天の助、首領パッチがアフロの中にあったものを見て驚愕する。

 

 アフロの中にあったものは飛行機、それもプロペラ機に取り付けられるプロペラだった。それがアフロの内部で高速で回転して二人を待ち構えていた。

 

 なんとかして逃れようと、もがくものの、時すでに遅く、二人は足下から輪切りにされながらアフロの奥へと吸い込まれ、それにともなって辺りに二人の体液が飛び散り、絶叫が迸る。

 

 その光景を遠巻きに見ていた生徒たちは悲鳴を上げ、敵対しているNTR48のメンバーを青ざめさせる。

 

 そして思わず目を覆うような閃光が発しられ、突風が吹き荒れる。

 

 やがてそれらが収まると……

 

 

「融合完了。『ボボパッチの助』見参」

 

 

 ボーボボたちと入れ替わるように目付きの鋭い黒髪の男が現れた。

 

 

「この姿は1分しか持たない。さっさと始めるぞ、愚民ども」

 

「「愚民ども!?」」

 

 

 愚民ども呼ばわりされ激昂した数名のNTR48がボボパッチの助に襲いかかる。

 

 しかしボボパッチの助は慌てることなく手にしたよく分からん柄から刃が三つに分かれ、それぞれの剣先に同じ頭が生えている剣で袈裟懸けに斬りつけるも……

 

 

「ムダだ! この空間にいる限りにお前たちの攻撃は先ほどのように相手に密着するようなものじゃないと届かんぞ!?」

 

 

 飛び掛かった数名のNTR48は空中に停止して難を逃れていた。

 

 

「それに馬鹿正直に戦う必要はない!」

「変身が解けるまで1分間逃げ回ってその後みんなでタコ殴りにすれば済むことよ!」

「NTRにケンカを売ったことを後悔させてやる!」

 

 

 口々にそう言うとボボパッチの助から離れていく。離れていく彼らにボボパッチの助は言う。

 

 

「──いつからこの俺がお前たちに攻撃したと錯覚した?」

 

 

 ボボパッチの助がそう言った途端、夜空に一つのヒビが入り、樹木が枝を伸ばすようにそれを起点に幾つもの亀裂が走る。

 

 

「俺が壊したのはこの空間そのものだ」

 

 

 空間が繊細なガラス細工のように砕き散り、元の教室へと戻った。

 

 

「悪いが、ここから先は俺のご都合主義だ」

 

 

 そう言い放つと剣先をNTRたちに向けた。

 

 




ざわ…( ´・ω・)ざわ…

▪️某所でNTRが蔓延っていたので…
 
▪️思ったよりも長くなったから分けるか…

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