家族の仇は、娘でした   作:樫鳥

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 「お前は竜の側と人の側、或いは獣の側、どちらにいるのだ?」

 

 カラン、という音が響いた。錆びついてはいるが鉄で出来たいささか巨大すぎる受け皿に器具が投げ込まれる。それは、外傷の縫合する為に使われる医療組合や傭兵達が使っている縫合具に似ていたが、その大きさは比較にもならない。

 

 先程まで器具を持っていた巨大なシルエットが収縮する。首を傾け巨体を見上げ、額から滲む汗をダボついた袖で拭いながら呆れ半分で問いかけた。返答のように咆哮が響き、腰まで届く髪の毛が浮き上がる。

 

 「冷静じゃないか。冷静なのは良いことだよ、うん」

 

 金色と水色が混じりあったような眼球が人影を眺める。蓄積した疲労と傷による激痛、そしてその処置による消耗が目に見えるようであったが、それでもなお疑念と警戒の視線を向けていた。

 

 「悪竜ジークリンデは人に近しい存在だった。元々僕たちは自然界と近しい存在でね、彼女も人間というある種の自然産物から産まれた存在なんだよ。あんなに生意気なのに、僕達竜の中じゃ最年少なのさ。それでも人間が竜の存在を受け継ぐなんて、前代未聞だし不自然にすぎる」

 

 人影が破損した古い木製の椅子を引き寄せる。ユラユラと揺れる安楽椅子に腰をかけ、足を組み竜の巨体を見上げた。四足獣の体毛から除く悪竜の鱗。背中から生える黒々とした翼。人妖としての獣の顔に竜の顎が混ざり合っている混成獣。今まで見たこともない歪な生命体を手すりに頬杖をつきながら見上げる。

 

 混成獣の身体は鱗が破損し赤い肉が見えていた。足首が焼け爛れ肉までが炭のような色に焼かれ硬化しており、仲間を庇いながら飛んだ翼の翼膜は落石により破けていた。巨大な裂傷は荒々しく縫い付けられており、傷口を無理矢理にでも塞がれており辛うじて命が助かっていると言えるような状態だ。

 

 「当然不自然なものは綻びがある。君の身体は君が思う以上にバランスが悪い。小さい子供が泥団子をくっつけて遊ぶように、人間の身体に後付けであれやこれやを付けて良い訳がないのさ。そのうえ急激に変化しすぎたせいで今の君は指一本動かせない程消耗している。無茶をすれば、なんて話じゃない。無茶すらできない。精神力でどうにかなる段階なんて、仲間を護りながら死地を超えた時点で越えているんだよ」

 

 なにかを言いたげに口が開かれるが、言葉が放たれることはなく深い吐息が口から放たれた。白い蒸気のように吐かれた息が、空中に霧散していく。低すぎる外気温が影響していた。

 

 「寒さに文句はつけるなよ。生憎、僕の所有する物件なんて一つしかないんだ」

 

 所々朽ちた石造りの神殿。荒らされたかのように所々崩壊しているが、それは自然に朽ちて崩れているだけであり何者かが破壊したかのようなものではなかった。穴の開いた屋根から曇天が覗き、白い雪がちらついている。汚れの無い、しかし冷え切った空気が吹き込んだ。

 

 「君達が人間が連合王国を飛び越えて更に東、東方二十八ヵ国と呼んでいる地域。その北西部にある霊山地帯だよ。宗教的観点から誰も寄り付かない…というよりか、生物すら生存しない厳しい環境と崖のような山々のせいで誰も来る気がないというのが正解だけどね。資源も無いし…」

 

 巨大な体躯が動こうとする。それだけで、節々から飛び散るように血が溢れ、黒々とした液体がドロリと石床を汚した。四肢に力を入れようとしても、滑るように地に伏せてしまう。男の見立て通り、その体躯を操る余力は存在しなかった。

 

 「だから言ったのに。忠告は素直に聞いておくものだよ。今の行動だけで、どれだけ完治まで伸びたと思ってるの。汚してしまうのは別にかまわないけどさ、どうせ僕は掃除しないし」

 

 呆れたような声。視線をそちらに向けることもなく、椅子に揺られながら空を見上げた。

 

 「あの娘のこと?途中、振り落としたけど」

 

 鋭い視線を男は感じた。深いため息をつく。

 

 「無茶を言わないでよ。こんなところで生存できる生命体なんてほとんどいないよ。半獣なら尚更だ、ちゃんと死なないところを考慮して置いて来たんだからそこは分かってくれないかな。正直環境だけなら、ランドルフが死ぬ前の帝国北部より余程厳しい環境なんだから。とにかく傷を癒して身体に馴染むことに専念しなよ。はぁ、なんて僕がここまで気を使わなくちゃいけないんだか」

 

 言いながら、分かっていた。なにがあっても死ぬ筈がないと思っていた火竜ランドルフが亡くなった。単一個体が寿命死と再誕を繰り返す竜達は数が増えることはない。もしかしたら、異種の交配により竜に似たなにか別の生物が作れる可能性もあるが誰も試すことはしなかった。

 

 地竜、海竜、悪竜、そして火竜。昔馴染みがいなくなっていくなかで、この男が死んでしまえば本当の意味で孤高の存在、言い換えれば孤立した存在になってしまう。それだけは、なんとしても避けておきたかった。

 

 世界の命運等どうでも良い。自分はただ気紛れに天候を司るだけ。近寄ってきた目障りな連中だけを叩き潰していけば良いくらいにしか考えていなかったが、どうやらそうも言ってられないようだ。面倒ごとを押し付ける相手はとうにいなくなり、同胞はイマイチ頼りにならない後輩だけときた。

 

 「世界なんて変えなくても、勝手に変化していくのにな。それほどまで、思い通りにしたいかい。面倒なものだよ、どいつもこいつも」

 

 理解しがたいことが、理解したくもないことが世の中には多い。それでも、やらなきゃいけないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 焚火の音。薄目を開けると、小さく素朴な暖炉に火がついているのが見えた。

 

 起き上がると、身体全身に痛み。寝かされていた場所に身体を沈めるように倒れる。腕を見ると、包帯が巻かれているのが見えた。布地の隙間から緑色の葉が少しだけはみ出ており、青臭い匂いが漂ってくる。

 

 周囲に人の気配はない。視線だけ動かすと、中央の支柱に打たれた釘にかけてあるように、自分の武装を始めとした持ち物が引っかかっているように見えた。小物は革製の袋にまとめていれてあるようで、袋の縁から直刀の柄が見える。取り合えず武装が近くにあるということは人浚いや物取りに拾われた訳でもないようだ。

 

 木製の板張りとその向こう側にある土間。暖炉は土間の隅にあり、調理ができるよう鍋を吊るすことができるかぎ爪が小さな鎖に吊るされている。壁には狩猟に使うには大仰な大きな弓がかけてあり、その隣鹿に似た巨大な角を持つ剥製の頭が飾られていた。

 

 砥石が木製のテーブルの上に置かれており、小物入れには解体用のナイフが丁寧にしまわれている。傍らには羊皮紙が置かれており、ここから見る限り動物の皮を注文されておりその覚え書きがされていた。文字は見慣れないが、小さな動物の絵と×2等の表記だけは理解ができた。

 

 そこまで見てから、天井を向く。何故自分はこんなところで寝かされているのだろうか。

 

 記憶を思い返す。あの地獄のようになった後アブソリエル公国から竜になったランザの背に乗って脱出することができた。だがしかし、変化の前後問わず自然災害と執拗に追撃してくるあの天使もどき共の追撃を受けてかなりの攻撃を受けてしまった。

 

 追撃を振り切り、安全地帯に降り立った後ランザの身体はボロボロであり、気を失ってしまった。それをあの遠巻きに見ていただけの空竜とかいう奴が連れ去った。早めに治療が必要だということは分かるが、それ以外は連れて行く気はないとでも言いたげな態度だった。

 

 とっさに飛び乗ったは良いが、空の気温は想像以上に低い。振り落とされないように踏ん張ったが寒さと長時間の飛行で疲労したタイミングで、急降下と急上昇に振り回され落とされてしまった。針葉樹と思われる木々の枝をクッションにして地面を転がったところまでは覚えている。

 

 土と草を踏みしめる音。血の臭いが鼻腔をくすぐり、警戒心が高まる。

 

 木製の扉をきしませながら入ってきたのは、人間ではなかった。

 

 ガッチリとした体躯に獣の皮を加工した防寒着を着用しているが、胸元や首筋は短くまっ白い毛で覆われていた。紅玉の瞳の中に浮く黒目。二本の長い耳がまっすぐに立っており白の中に薄ピンク色の皮膚が見える。丸太のような太い腕には猪に似た四足獣が抱えられており、血抜きをすませてきたのか血の香りは喉元の血抜き痕より漂っているようであった。

 

 半獣のような混ざりものではない、ウサギの顔。あの悪夢の世界には人妖がいたが、本物を見たのは初めてであった。

 

 かつて世界各地の紛争地帯にて傭兵として参加し、その風貌から差別されようが討伐隊を差し向けられようが圧倒的な戦闘力で叩き潰し続けたという一族。ウォーリアバニーと呼ばれる種族が持つ特徴を持ち合わせていた。

 

 「-----、-----」

 

 聞きなれない言語。帝国やリスム、連合王国で使われている言語じゃない。敵意のようなものは感じないが、こちらが困惑している様子を見ていたら少し難しい顔をしながら幾つかの違った言語で話しかけてくるが何れも聞き馴染みのない言葉だ。

 

 返事をすることができない。逃走しようにも身体が動かない。どうするべきかと思案していたが、なにかを理解したのか納得顔となり軽く咳払いをしながら口を開く。

 

 「傷は痛まないのか?まだ無理に起きるな」

 

 少々連合王国訛りではあるが、聞き馴染みのある言葉が響いた。それを聞いて取り合えず頷くことができたが、そうか、とだけ呟いてからこちらに背中を向けながら土間で獲物の皮剥ぎを開始した。

 

 「ここは?」

 

 「この言葉が聞き取れるということは、連合王国側から来たのだろう?お前等が東方二十八ヵ国とひとまとめにして呼んでいる場所だ」

 

 東方二十八ヵ国。連合王国より東は大小様々である広大な山脈が広がっており、言語の違う少数民族がそれぞれの国境をしいて成立しているという。山脈だらけで平地が少なく、道といえばもれなく登山道であるこの国に経済的な旨味はない。連合王国と多少の交易はしているようであるが帝国ではほとんど存在感の無い土地であった。

 

 歴史にはあまり詳しくはないが、聞きかじった話では昔あった騎馬民族の襲来も兵種の相性の悪さと陥落せしめたところでまったく旨味のない国土のせいで避けて通ったと言われている。国は貧しいかもしれないが平和でのんびりとした国々と国民が独自の文化で生活をしていた。

 

 東方二十八ヵ国、ということは連合王国の上を通り抜けてきたということか。しがみついているのに必死で、まったく意識をしていなかった。

 

 「ここは東北の地スウェ。高山地帯にある僅かな平野で山羊を育てて生計を立てている小さな国だ」

 

 男が木窓を開ける。冷気が家の中に入るが、それよりも目の前に広がる景色に目をむいた。

 

 窓の外から見える、ほんの僅かな背の低い緑の草が生える土地の向こうはコボルト達が住んでいた霊山のような山とは違い、崖のような切り立つ壁が白い雪で染め上げられた状態で圧倒的な景色として君臨していた。あまりの巨大さに距離感がおかしくなりそうだが、息を呑んでしまう。

 

 そしてそれと同時に、振り落とされた時の記憶が蘇る。自分を落とした竜は、あの切り立つ壁の頂上にランザを連れ去って行った。思い返すと怒りが湧いて来る。

 

 気が付いたら、板張りの床が視界一杯に近づいていた。床に転落する音が響き、鈍痛だった傷が激痛を訴える。

 

 「なにをやっているんだ。無茶はするな」

 

 「行かなきゃ。あそこ、あの山の上に。ランザのところに」

 

 「落ち着け。どんな事情があるかは知らんが、あそこの頂上はまともな道も通じていない。切り立つ壁のような崖を昇っていくしかないような場所だ。寝台から降りることもできないような奴が登頂できると本当に思っている訳ではあるまい」

 

 いう通りだ。這いつくばるのが精々だし、這ってでも進むだなんて不可能なことをつぶやく程子供ではない。腕を貸してもらい、介助を受けながら寝台に座らせてもらう。

 

 「軽度の凍傷に左腕やあばら骨が数本に右足も骨が折れている。筋断裂をしている場所もあるうえ、擦過傷に切傷も多い。体力の消耗も言わずもがなだ。今は動けるようになるまで身体を休めろ。なにをするにしても、それからだ」

 

 「そうだね。迷惑かけた。えっと…」

 

 「フルークだ。ウォーリアバニーのフルーク、狩猟と牧畜で生計を立てているただの山岳民だ」

 

 「ありがとうフルーク。自分はクーラ=ネレイス。帝国から飛んで来た、なんて言ったら信じてくれるかな?」

 

 「信じるさ。天竜オリシスから、落ちて来たのを見たからな。竜にしがみついて入国する等、なんとまあ無茶なことをすると思ったものだ」

 

 木製の巨大な、鍵付きの木箱のうえにフルークは腰を降ろした。入国云々は冗談かもしれないが、冗談めいた顔や声でもないので案外本気かもしれない。

 

 「事情ってものがあってさ」

 

 「天竜にしがみつく程の事情だ。相当面倒な話なのだろう?今は聞かん、その代わり養生しろ。身体が動くようになってもらわないと、寝台が開かないからな」

 

 焦りはあるが、言われたことは素直に呑み込む。焦ろうが焦るまいが、どうあがいても今の自分がランザの元に向かうのも不可能だし、例え五体満足だとしてもあの凄まじく切り立った崖昇り等できる自信がない。逸る感情を落ち着かせるように深呼吸をする。深く息を吸うだけであばらが痛むが、その痛みがむしろ頭を冷やしてくれた。

 

 思い返してみても、我ながら無茶をしたものだ。必死だったとはいえ、帝国からスウェという辺境国までしがみついて来るとは。あの時は、離れないように、振り落とされないようにしか考えていなかった。

 

 ガランやノルンは無事に後アブソリエル公国の地獄を抜き出した。公国の前線を守護していた砦にいた、エルバンネやウェル達はどうかは分からないけど、ランザに乗りながら逃れる最中チラリと見えた限りだと砦は半壊しつつも崩壊まではしていなかったため生き延びている可能性もあるだろう。

 

 その代わり、残念なことにハボック及び霊山壊滅は疑いようもない。あの地獄のような光景は火竜ランドルフがいた霊山から始まっており、ガスパルの口ぶりではこの事態を引き起こす為に天使と悪魔が手を組んで行ったことだと言えた。

 

 改めて外を見る。青々とした空に、こんな状況じゃなければ感動する程に広大な景色。帝国でおこったことが嘘か夢のようなことにも思えてしまう。本当に、遠くまで来てしまったんだと改めて感じた。

 

 ランザと比べれば心配は二の次だが、彼等は今まともじゃない環境に放り込まれている。ミルフの顔が、思いう浮かんで消えてしまった。下手をしなくても生き延びることができる混沌とした状況、彼女から教わった影術が、そのまま形見となってしまった可能性だって高い。

 

 彼女のことは好いていたかもしれない。特異な術を教わるという目的があり一番接していたが、嫌ではなかったし楽しかった面もある。なによりランザに対して恐怖を感じていたようであり不必要に近づかなかったから異性的な面でもライバルになりえず安心していた。

 

 向こうはどう思っていたかは知らないけど、初めてできた友達だと言っても良いかもしれない。恐らくはもう二度と会えない友達の顔を思い浮かべ、消した。感傷に囚われるのは、全てが終わってからにする。ただ、心の中で礼だけを述べておく。

 

 「多言語を話せるようだけど、流暢なものだね」

 

 フルークは僅かに微笑むだけだった。ウォーリアバニーは絶滅寸前と言われているが、それでもなお各地の戦場を転々としていたと言われている。一つ処に住み着かない為、そしてあらゆる国家や勢力と傭兵契約による交渉をする為多言語の習得は必須事項なのだろう。

 

 今は身体を動かすことができない。出来ることは、彼を理解するべきことだろう。絶滅寸前まで戦争好きな種族であると言うのに、言ったら失礼だがこんな僻地で、本人の言を信じるならば狩猟と牧畜で生活しているなんて違和感がある。

 

 「多言語が必要な理由は分かっているのだろう?その身体と得物、血の臭いがこびりついている。我等の種族の噂を知らない程、平穏な生活を送っている訳でもなかろう」

 

 空気が凍り付く。無言の時間が続いたが、こちらから軽く手をあげて降参をする。助けてくれた相手を探りを入れるのは不躾であっただろう。敵意も悪意も無い相手なのだから、腹の探り合いは失礼であったかもしれない。

 

 「確かに、こちらが不躾だったよ。噂程度と言っても、ウォーリアバニー話は伝説級だからね。まあ噂には、余計な付属物がついてしまうのはよくあることだけどね」

 

 とは言うものの、微かに覚えているのはあの悪夢の世界で多数の人妖相手に大立ち回りをしていた。いくら人妖が元の種族よりも強力だとはいえ、あの戦闘力からして噂のほとんどは本当なのではないかと思えてしまう。目の前の人物にしたって、筋力だけでもあの豚鬼を上回っているように見える。

 

 「伝説か、皆が聞いたら喜びそうな話だな」

 

 「貴方は、そうでもないの?」

 

 「戦場で血を流し、武勲を立てることこそが喜びの時期もあった。だが、喜びを分かち合える仲間がいなくなった時、フルークの中での一番の楽しみは、戦場に立つことでも闘争をすることではなくなった。それほど、血の気の多い方でもなかったということだな」

 

 フルークが外を眺める。

 

 「ここには闘争はないが、この雄大な自然の景色がある。時折天竜が空を飛ぶのを見ることもある。ここの民は皆生きることが第一で、この姿を色眼鏡で見ることはない。交渉相手となってくれる良き隣人達だ。半生を血塗れで過ごしたのだ、もう半生は穏やかに過ごすことも良いだろう。多少後ろ暗いところがありそうな半獣を助けるくらいには気持ちも生活も余裕があり、満たされている」

 

 少し以外だった。血の気の多い蛮族みたいなものを想像していたが、考えてみれば余生を穏やかに過ごす

個体がいてもおかしくはない。

 

 自分も大多数の人間は、半獣を色眼鏡で見ていた。だがこうして見ると自分もウォーリアバニーを噂だけ聞いて勝手にイメージを膨らませていたのを痛感してしまう。

 

 「フルーク。なにか返せるものがあると良いけれど、生憎なにも持っていない。それでも、怪我が治るまでお世話になっても良いかな?迷惑、かけるけどさ」

 

 「迷惑だと思うなら拾っていない。なにせ、天竜にしがみつくくらいガッツがある娘だ。怪我が治ったら、何故あんなことになったのかを教えてほしい。それが対価だと思ってくれ」

 

 その言葉を聞いて布団の中に潜り込む。ランザのことは心配だけど、恐らく天竜に害する意図はないと思う。今は回復に専念しよう。そして、あの崖を登頂する方法を考えないといけない。やるべきことは、多い。

 




 間が開いてしまい申し訳ありません。私生活が忙しかったのと、アーマードコア6に夢中になってしまっていました。

 本編と関係ない話ではありますが、アーマードコアを購入した621の皆さんは最初はどのエンディングを選んだんでしょうか?かなり悩む選択肢でした。

 更新ペースを今後戻していこうと思うので、これからも作品をよろしくお願いします。
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