悪くねえ 大したもんだ ハルウララ   作:黒チョコボ

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すみません、全力でふざけました!


宇宙戦争

ある休日の昼下がり、ハイゼンベルクが一人葉巻を吹かしていると、ピンク色の影が工場の入り口から姿を見せる。

 

「こんにちは! トレーナー! 今日ね、何か用があるって言ってたから連れて来ちゃったんだ!」

 

「誰をだよ」

 

至極当然な彼の問いの答えは、ハルウララの背後から現れた。

 

「よお! フランケンシュタイン! 良いとこ住んでるな!」

 

ひょこっと出てきたのは問題児でお馴染みのゴールドシップだった。ただ、ハイゼンベルクから見た彼女の評価はそこまで悪くはない。まあ、問題視されている拉致などのアクションが彼に全く通用しないというのもあるのだろう。

 

ちなみに、少し前に工場長を拉致しようとした彼女は常套手段である麻袋を使用したが、鉄槌が邪魔で失敗した。その後、彼女は地面に出来たクレーターの中で倒れた姿で発見された。

 

その様は、まるで何者かに自爆されたかのような倒れ方だったそうだ。

 

そんな事もあり、彼は時折ちょっかいを受けているだけで、特に大きな被害は受けていない。

 

「完璧な働きだったぞ! ウララ偵察部隊! このゴルシ様が褒美として今度にんじんジュースを奢ってやるからな!」

 

「わーい! ありがとーゴルシちゃん!」

 

彼女を見事に餌で釣ったゴルシ隊長は辺りを見回すと感心したような表情を浮かべる。

 

広大な土地、スクラップの山、周囲からそれを隠す様に生い茂る林。そして何より、怪しさ満点のこの雰囲気が彼女には堪らなかったようだ。

 

「まさかこんな所にあるなんてな……! どうりでビルの屋上から見渡しても見つからなかった訳だ」

 

彼女は右手の拳を胸の前まで上げ、歓喜に満ち溢れたかの様に固く握りしめる。そして、高らかにこう言い放った。

 

「このゴールドシップ様の城を建てるのに最高の立地じゃねえか! よし決めた! ここにバベルの塔もビックリな巨大建造物を建てるぞー!」

 

「おい、ここは俺の城だ。テメエが好き勝手するスペースは無え!」

 

ハイゼンベルクが懐から以前彼女をダウンさせた例の水鉄砲を取り出すが、しっかりとそれを見越したゴールドシップはどこからともなく取り出したバズーカを構えた。

 

「その手はもう食わないぜ! これがお手製のワサビバズーカだ! そんな豆鉄砲でアタシを止められると思うなよ!」

 

「ほう……? 面白え事をほざくじゃねえか!」

 

迷いなく砲身をこちらに向ける彼女を見た彼は、その豆鉄砲を捨て代わりに携帯端末を片手で弄った。

 

「うわわっ!? 何かロボットがたくさん来たよ!?」

 

上空と地上。その両方からほぼ同時に現れたのは装甲を纏った機械兵達だった。轟音と共にゴールドシップを囲う様に降り立つ四機のソレは、ジェットを背負ったロボット達。

 

そして、地上からは戦車の様な分厚い装甲を纏い、腰に突進用のジェットを備えた一機がその姿を現した。

 

その手に付けられた複数のドリルは全て彼女へと向けられている。まだ回転はしていないが、彼の指示があれば即座にその螺旋の破壊機構を作動させ、文字通り黄金船を解体しに掛かるだろう。

 

「もう一度言っておいてやる、ここは俺の城だ! 文句あるか?」

 

「イエ、ナンデモナイデス」

 

機械に囲まれた彼女は、まるでそれと同族の様に棒読みの言葉を吐き出した。

 

そんな様子を彼は鼻で笑うと、手でもういいと指示を出す。従順なロボット達は主人の指示に従って、彼女を囲むのをやめたのだった。

 

「なあ! コイツら全部オッサンが作ったのか!?」

 

包囲が解除された途端、先程の態度が嘘だったかの様に、ゴールドシップは興奮気味にハイゼンベルクへと詰め寄った。

 

「それがどうかしたか?」

 

「やっぱオッサン最高じゃねえか! あれさえあれば地球外生命体とも互角にやり合えるぜ! アタシ一人じゃ数の暴力で負けちまうからどうしようかと思ってたが、コイツら連れてけば万事解決ってヤツだな!」

 

「当たり前だ! コイツらは元々鋼の軍団だった奴らだ! そこら辺の雑魚共とは一味も二味も違うんだよ!」

 

「は、鋼の軍団!? 最高の響きだな! アタシの作る宇宙船隊の名前もそいつにするか!」

 

何故か微妙に噛み合う会話。頭のネジの取れた場所は違うが、本数は一致しているのかもしれない。

 

そんな中、彼女は真剣な顔付きで今回彼の元に来たきっかけを話し始めた。

 

「それで、このゴルシ様は近いうちに宇宙をこの手に収めようと思ってるんだ! だが、アイツらの武装が強すぎて中々キッツイ戦いになっちまう! だから、オッサンに作って欲しいブツがある!!」

 

「ほう、言ってみろ」

 

彼女は深呼吸を一度挟み、至って真面目な声調でその作って欲しい物の名前を告げる。

 

「最強の剣……ライトセイバーだ!」

 

その瞬間、ハイゼンベルクの脳裏に稲妻走る。驚きと興味の入り混じった瞳で彼も真剣な顔付きで追及する。

 

「ライトセイバー……!? おい! もっと詳しく聞かせろ!」

 

「簡単に言えばレーザーを一本の竹刀みたいにした物だな! その特性はなんでも切れる! だが、ライトセイバー同士だと切れずに弾かれる!」

 

「レーザーを剣にする……だと!? 前から思ってたがテメエの発想には脱帽するぜ! 良いだろう! 天才的な発想をくれた礼だ、さっきの無礼は見なかった事にしてやる!」

 

残念ながら、この恐ろしい発想力と凄まじい製作力を持つ二人を止める者は一人として居ない。

 

二人はお互いに悪い笑みを浮かべ、その拳を軽く突き合わせた。どうやら、交渉成立したらしい。

 

「よし! じゃあ一週間後ぐらいに取りに来るからな!」

 

「おい待て! 一週間じゃねえ……明日だ! 明日には試作品引っ提げて学園の方に行ってやる! テメエは大人しく向こうで待ってな!」

 

「マジで!? オッサンも結構なヤベー奴じゃん! 最高だぜ!」

 

納期は一週間ではなく明日。そんなふざけた約束を彼は自信満々に交わす。流石の彼女もそれは予想外だったようで、ガッツポーズをして大いに喜んでいた。

 

 

 

なお、完全に蚊帳の外となったハルウララは何をしていたかというと……

 

「あれ? 動かないぞ?」

 

主人の命令をじっと待ち続ける鋼の軍団の目の前で、両手を振って存在を大いにアピールしていた。

 

「あっ! この子、今こっち見た!」

 

彼らは人工知能が搭載されているため、一応の思考能力は備わっている。しかし、一部の学習不足な機体は、激しく動く物体などがあると、どうしてもカメラを向けて注目してしまう。

 

そんな、彼女と同じお勉強不足なとある一体のゾルダート・ジェットと呼ばれる飛行型機体は、彼女の興味の標的となってしまったようだ。

 

「あのね! わたし、最近体育の授業でバレーボールやってるんだ! 駄菓子屋のおじいちゃんから紙のボール貰ったから、一緒に遊ぼうよ!」

 

彼女の輝かしい笑顔と、やる気いっぱいの声が彼のカメラとマイクにこれでもかと入力される。

 

その結果、その一体の飛行型は主人の命令に無い、"彼女と遊ぶ"というプログラムを実行し始める。どうやら、彼の構築したAIシステムはウララ式ハッキングに対して、無防備だったようだ。

 

その後、紙のボールを鋼鉄の頭で突っついて彼女と楽しくラリーを続けるゾルダート・ジェットの姿があったという。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日の放課後。グラウンドにてハイゼンベルクはゴールドシップと約束通り合流する。ちなみに、例のブツをハルウララも見たがっていたが、テストで赤点を取ってしまったせいで補習だそうだ。

 

トレーニング中のウマ娘達から送られる好奇の目を当然のように無視しながら、彼は肩に抱えた鉄の人形を乱暴に地面へと下ろした。

 

「なあ、それ何だ?」

 

「テメエの練習相手だ。あー……ディ・プーパとでも呼べ」

 

「変な名前だな」

 

それは、彼に似合わぬ不思議な名前だった。だが、彼女はそのような事を一切気にすることはせず。最高にワクワクした目で彼を急かす。

 

「それよりも、ここに来たって事は出来たんだろ? 早く使わせてくれよ!」

 

「ああ、コイツだ!」

 

彼が彼女に投げ渡したのは、一本の金属の棒。細いパイプと謎のギアが幾つも付いており、機械っぽさを感じさせるデザインだ。

 

そして、彼女はその棒につけられたスイッチを躊躇いなく押した。

 

「おおっ!? すっげえ! コイツがあれば遂にこのゴルシ様も騎士の仲間入りだ!」

 

彼女の持つ柄と思われる棒から、赤く染まったエネルギーの刃が形成される。ネオンの様に輝くそれは、振るたびにブオンと独特な音を響かせた。

 

彼はその様子に笑みを浮かべると、彼女に一声掛けてから、工場から持ってきた適当な木片をふんわりと投げる。その意図に彼女も気付いたのか、同じく笑みを浮かべながら、手に持った光子の剣を思い切り振り抜いた。

 

超高熱の刃に晒された木片は、無惨にもその体を二つに等分されてしまう。この光景は、正しく彼女が頭の中で思い描いていた物と一致したのだった。

 

「なあ、オッサン! アタシの専属エンジニアにならねえか? こんな技術力、地球に留めとくのは勿体無いぜ!」

 

「悪いがお断りだ。どうせ、休み無しの企業だろ? どうしても俺をヘッドハンティングしたいなら、コイツを倒してからにするんだな!」

 

先程まで地面に死んだ様に倒れていた鋼鉄のロボットが動き出す。厚い装甲を纏ったそのシルエットは、彼が作ったどんなロボットよりも人型に近かった。

 

ディ・プーパは顔の中心に付いたモノアイを起動させ、赤い眼球を彼女の方へ向けると右手にもう一本の剣を握る。

 

血の様な深紅の刃に照らされた暗黒のボディは、正しく悪役のような不気味な威圧感を放っていた。

 

「うおっ! ゴルシちゃんレーダーが、何かヤバそうって反応してやがる! もしかしてコイツ……めちゃくちゃ強い?」

 

「さあな! やってみれば分かるんじゃねえか?」

 

ゴールドシップは得物を構えるのに対し、そのロボットは構えずにただただ自然体で、その真っ赤な瞳を彼女へ向けていた。

 

「よっしゃ! 隙ありっ!」

 

その様子を好機と見たのか、彼女はこなれた手つきで剣を振るう。しかし、そんな彼女の全力の振りに対し、ソレは片手で横一文字に軽々しく剣を振るった。

 

二つの赤が激しい閃光と共に弾かれ合う。押し出される様にして一歩後退する彼女だが、その機械は一歩も下がる事なく再び自然体へと戻るだけだった。

 

「何っ! アタシの全力の剣技に対抗してきやがっただと!? さては、ただのまっくろくろすけじゃねえな? どっちかというと暗黒卿の方がしっくりくる強さしてるぜ……!」

 

「暗黒卿か……テメエにしては悪くねえネーミングセンスじゃねえか!」

 

そんな、黄金船と暗黒卿の光と闇がぶつかる様な戦いに、いつの間にか周囲には沢山のギャラリーが集まっていた。トレーニングはどうしたと聞きたい所だが、残念ながらウマ娘ではない者もその中に混じっている事から、既に色々と手遅れなのだろう。

 

この光景を見て、待ったをかける者は一人もいなかった。

 

 

 

「見てよタイシン! 映画の撮影かな!」

 

「煩い、耳元で叫ばないで」

 

「ふむ、映画の撮影にしてはカメラが見当たらないが……」

 

 

 

「うぐぐ……私もあの中に飛び入り参加したいデース!!」

 

「行ってきても良いですよエル? ちゃんと、骨は拾ってあげますから」

 

「何でやられる事前提デスか!?」

 

 

 

「ふむ、ただの荷電粒子の剣か……ん? 荷電粒子の剣!? フフ……ハッハッハッハ! 理論上ですら未だ不可能である代物をあんなに小型化して作れるとはな! やはり、彼の技術力には目を見張るものがある……!」

 

 

 

「驚愕っ!? い、い、一体何が起きている!? まだ私は夢でも見ているのか!?」

 

「り、理事長!? これは夢なんかじゃ無いですよ! 気を確かにして下さい!」

 

それぞれが様々な反応をする中、ゴールドシップは気合を入れて再び斬りかかる。今度は一撃の重みでは無く、その剣速で勝負を仕掛けに来たのだ。

 

「ゴルシ流剣術は反撃を許さない爆速の剣だ! 食らいやがれ!」

 

恐らく、何らかの我流剣術の型に沿った動きなのだろう。無駄のない無駄な動きを含みながら、ウマ娘特有の身体能力でとんでもない速度で剣を振るう。

 

当然のように暗黒卿もその剣技を防いでいくが、じわりじわりと戦況は彼女の方へと傾いていく。

 

機械の目でも追えない速度なのだろうか。防ぎきれずにその黒い装甲に一つ二つとかすり傷が増えていく。

 

「今だあああっ! よっしゃあ!」

 

上から叩き付けるような攻撃でよろめいた隙を見逃さず、彼女の剣が暗黒卿の左腕を切り落とす。あまりにも見事なその一撃に、周囲からは歓声が上がった。

 

しかし、彼女は喜びよりも驚きが先だったようだ。

 

「嘘だろ!? 全く動じてねえぜコイツ……!」

 

彼女の視線の先には、切り落とされた肘の部分を無機質な赤い瞳でじっと見つめるロボットの姿があった。

 

その目はゆっくりと彼女の方へ視線を向けると、まるで怒りを表すかのようにより赤く輝き始める。そして、同じように赤い輝きを持つその剣を彼女へと構えた。

 

そこから放たれる圧は、彼女だけでは無く観客すら黙らせる。それはまるで、これからが本気だと言わんばかりのものだった。

 

「いや! さっきコイツはアタシの速さに負けた! このまま攻め切らせて貰うぜ!」

 

そんな様子を見てニヒルな笑みを浮かべるハイゼンベルクをよそに、彼女は再び黄金の剣技を繰り出した。

 

だが、どれだけ攻撃しようともその刃は暗黒卿にかすり傷すらつけられない。先程とは比にならない程、洗練された動きで彼女の剣技は全て防がれる。それどころか、彼女の優勢が段々と崩れ始めたのだ。

 

どうやら、機械の体であるためか手首をクルリと一回転する事が可能なようだ。そんな、手首を中心とした回転運動が、広範囲かつ素早い防御を可能とし、彼女の技を悉く打ち破っていく。

 

そして、上段から暗黒面の一撃が振り下ろされる。

 

彼女はそんな意趣返しを剣を真横にして受け止めてしまった。

 

「やべ……! コイツめちゃくちゃ力強え!?」

 

隻腕であるにも関わらず、その力はウマ娘よりも強いようだ。ジリジリと押し込まれる剣に全身全霊の力を込める事で、彼女は何とかその進撃を止める。

 

だが、誰が見ても戦況はひっくり返ったと言えるだろう。

 

そんな中、駆けつけてきた一つの影が応援の声を送った。

 

「ゴルシちゃん! 頑張れー!」

 

後ろの方からぴょんぴょんと跳ねながら、両手を振って応援するのは、誰でもないハルウララだった。どうやら、やっと補習が終わったようだ。

 

そんな彼女の声を皮切りに、周囲のギャラリーが次々と彼女を応援し始める。それはいつしかゴルシコールとなって彼女に不思議な力を与えた。

 

「アタシは宇宙に行くんだ! こんなところで負けてられねえ! うおおおおっ!」

 

分が悪い筈の鍔迫り合いを、応援の力で強引に押し退けると、迷わず刃を翻し、横一文字に振り切った。

 

 

 

数歩後退する黒い足。

 

 

 

地にカランと落ちる赤い瞳。

 

 

 

ゴールドシップの膂力を余す事なく使ったその一撃は、暗黒卿の首から上を見事に跳ね飛ばした。

 

地に落とされた赤い目がゆっくりとその光を消した瞬間、誰かがボソリと呟いた。

 

「……やったか?」

 

「おいチケゾー止めろ!? その言葉はダメだ!!」

 

恐ろしい一言によって顔面蒼白のゴールドシップ。そんな彼女の視線は、未だ膝をつかぬその首無しの騎士へと向けられていた。

 

デュラハンと化したソレは数歩分の間合いを一気に詰め、彼女へと迫る。そして、繰り出されたのは彼女の用いた剣技であった。

 

無駄な動きはフェイントのように彼女を惑わせ、息をする事すら許さない怒涛の連撃は徐々に集中力を奪い、人智を超えたその力は受け止めるのが悪手と言わんばかりの恐ろしいものだった。

 

凄まじい猛攻に体制を崩されてしまった彼女へと、その血染めの刃は迫る。

 

 

 

だが、真横に薙ぎ払われたその光の剣は、彼女の持つライトセイバーの出力部である柄の上部のみを切り落とす。

 

そして、無防備となった彼女の首元に剣が添えられた。

 

「だあーっ! アタシの負けだー!!」

 

頭も無いのにその言葉が聞こえたのか、まるで血を落とすかのように一度剣を降った後、その首無し騎士は彼女に背を向けながら、得物の刃を仕舞いこんだ。

 

そして、威風堂々たるその背中を彼女に見せつけながら、その騎士は糸の切れたように膝から崩れ落ちたのだった。

 

その光景を見た観客達はその最期に拍手を送ったのだった。

 

 

 

「カ、カッケェー! 見たか今の後ろ姿! こんなイカした散り方映画でしか見たこと無いぜ!」

 

「あーはいはい、アンタはそういう奴だったわね」

 

 

 

「かんどおしたよおおお!! この映画が始まったら絶対にみるがらねえええ!!」

 

「煩い……というか感動するとこあった?」

 

「一体カメラはどこにあるんだ……?」

 

 

 

「あの動き……確実に可動域を逸脱していたはず。どういう事だ……?」

 

 

 

「ブエノ! 凄いアクションでした! 一度、真似してみたいデスね!」

 

「久々に良いものが見れました」

 

何故か映画を見終わった後のような雰囲気が辺りを包む。

 

そんな中、彼は勝者の特権としてゴールドシップに役目の終わった鉄人形をトラックまで運ばせていた。そして、面倒な奴らから長い長いお説教をされる前に、工場へと逃げるように去って行ったのだった。

 

しかし、いくら日が経ってもこの事を口煩く言ってくる者は誰一人としておらず、何故か"次回作はいつ作るのか?"というよく分からない質問をぶつけられる日々が続いたという。

 




ディ・プーパ
あのゴールドシップに暗黒卿と言わしめた、黒鉄で出来た超高性能戦闘ロボット。

……という訳でもなく。その正体はただの鉄の塊。頭部にLEDを制御する基盤があるだけで、それ以外の部分には駆動部品はおろか配線すら無い。プラモデルのように金属を組み合わせ、人型を成しているだけだ。一体どうやって戦っていたのだろうか?

ちなみに、その名前の意味はドイツ語で"人形"である。
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